カナレのケーブルL-5CFBのストリップについて
CANARE L-5CFBはアンテナ宅内引き込み線として衛星放送の高域周波数帯に対応させたアルミラップシールドをもつケーブルです。このケーブルを曲げやすくしたものがL-5CFWです。アンテナ線のみならず、広帯域映像信号やHD-SDIにも使用できるとても優れたケーブルですが、発泡ポリエチレンの発泡量(比誘電率)はL-5CFWの方が上です。※絶縁体をより空気に近づけ、比誘電率を下げるために発泡させている。
用意する工具はカッタナイフ、ニッパ(HOZAN N-9推奨)、千枚通し。
各部名称ですが、いちばん外側にあるゴム被覆を「シース」、網状の取り囲んでいる線を「編組(へんそ)」、中心にある銅線を「心線」、心線を取り囲む白い部分を「絶縁体」、絶縁体を取り巻いている銀色のラップを「アルミラップ」と呼びます。
各部名称ですが、いちばん外側にあるゴム被覆を「シース」、網状の取り囲んでいる線を「編組(へんそ)」、中心にある銅線を「心線」、心線を取り囲む白い部分を「絶縁体」、絶縁体を取り巻いている銀色のラップを「アルミラップ」と呼びます。
これがL-5CFBです。実は施工では一番慣れ親しんだケーブルです。※昔の勤務先の施工標準ケーブルだった
ストリップ方法
1.写真のようにストリップしたい位置に、ケーブルを一周するようにカッタの刃を入れます。その後、一周した位置からケーブルの先端まで一気にカッタの刃を滑らせます。
※編組を傷付けないように行います。電気工事的には傷を付けた時点でアウトです。
2.写真の位置をニッパでつまんでシースを剥ぎとります。編組に一切の傷を確実に付けずにストリップするにはこの方法が一番です。
3.シースを剥ぎ取ると、L-5CFBの一番の特徴のアルミラップシールドが見えます。
4.アルミラップシールドが重なっている部分を少しめくり、根元にニッパで切り込みを入れ、引き剥がします。この時、編組を解かないように注意してください。
※カナレのBNC圧着の説明では「アルミラップは根元まで剥がすこと、ただし、剥がれにくい場合は無理に剥がさず、アルミラップのひげ、切りかすなどショートの原因となるものを取り除いてください」とあります。
5.これがカナレのBNC取り付け寸法です。(写真のケーブルはL-3C2VSです。)
カッタナイフに寸法を刻んでおくと便利です。(写真のケーブルはL-3C2VSです。)
5.心線のストリップは写真のように絶縁体をカッタの上でコロコロ転がして、ある程度の深さになったらニッパでもぎ取る方法が簡単です。(写真はL-5CFWです)
発泡ポリエチレンは従来のポリエチレン(透明)に比べてフワフワしており、心線にカスが残りやすいので丁寧に取り除きます。これで完了です。(写真はL-5CFWです)
おまけ
他社製品の5CFB(注:5CFBという線種においてはカナレの知名度は非常に低い)と比べると編組の編みこみ量が圧倒的に多いのがわかると思います。※編みこみ密度を下げたものがLS-5CFBです。
アルミラップシールドも他社製品のものは簡単にはがれるのに対し、カナレ製品ではしっかりと固着しています。
参考リンク: