L-3C2VSケーブルのストリップ | 音響・映像・電気設備が好き

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カナレのケーブルL-3C2VSのストリップについて

L-3C2VSはL-3C2Vを取り回しがしやすいように心線を単線からヨリ線に置き換えたケーブルです。※ストリップの方法はL-3C2V、L-3CFB、L-5C2V、L-5C2VS、L-5CFBも同じです。
用途は様々ですが、自分が一番身近に使用しているのは、映像ケーブル用です。
(オーディオケーブルのL-4E6Sとは違い、カナレのケーブルがシェアの大半ではない、と言うのが興味深い所です。)

以下、自分が指導を受けたやり方を書いておきます。
用意する工具はカッタナイフ、ニッパ(HOZAN N-9推奨)、千枚通し(ハンダ仕様BNCの場合)。
各部名称ですが、いちばん外側にあるゴム被覆を「シース」、網状の取り囲んでいる線を「編組(へんそ)」、中心にある銅線を「心線」、心線を取り囲む透明な部分を「絶縁体」と呼びます。


ストリップ方法

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1.写真のようにストリップしたい位置に、ケーブルを一周するようにカッタの刃を入れます。その後、一周した位置からケーブルの先端まで一気にカッタの刃を滑らせます。
※編組を傷付けないように行います。電気工事的には傷を付けた時点でアウトです。


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2.写真の位置をニッパでつまんでシースを剥ぎとります。


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3.きれいに外れました。
※ケーブルを折りつけてカッタの刃を入れるやり方もありますが、いちばん早いのはこのやり方だと思います。(この辺まではL-4E6Sと同じです)


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4.これがカナレのBNC取り付け寸法です。圧着式も、ハンダ式もコネクタがカナレ製品であるならすべて同じです。圧着式はこれでおしまいです。


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カッタナイフに寸法を刻んでおくと便利です。


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心線のストリップは写真のように絶縁体をカッタの上でコロコロ転がして、ある程度の深さになったらニッパでもぎ取る方法が簡単です。
※心線のヨリ線は一本でも欠けると適切な圧着ができませんので、欠けた場合は即やり直しましょう。


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カナレの圧着式3C用コネクタのバリエーションは富んでいまして、スタンダード版のBNC、廉価版BNC、RCAピンプラグ(デジタルオーディオ・映像伝送用、※アナログオーディオ用途は不可)アンテナ線用のFなどがあります。
品番では、写真下の左から
CANARE BCP-C3B
CANARE BCP-PC3(廉価版)
CANARE RCAP-C3A
CANARE FPC3
です。これらすべてが同じ圧着ペンチで済んでしまいますので、感心してしまいます。

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5.ハンダ仕様の場合は編組を千枚通しで解き、対になるように絞りまとめます。

実際に見たことはありませんが、電工ナイフや剪定鋏ですべて仕上げる方もいらっしゃるようです。
驚異の熟練技ですね…。