英文法シリーズ: 第6回S+V+O+O、S+V+O+C | 異文化交差点

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第4文型のS+V+O+Oの文型の特徴は、この文章の動詞が二つの目的語と関連していることにあります。そしてこれは多くの大学受験生が第5文型のS+V+O+Cと混同して、5文型の勉強が嫌になって来るという現象もあります。

 

中高における英語教師が、生徒達に丁寧に教えないために、5文型の構造的かつ原理的な理解が疎かになってしまいます。全部の先生がそうであるとは言いません。中には熱心な先生もいますが、かなりの少数派で、学校内で孤立する傾向にあるようで困ったものです。

 

つまり英語の基礎固めをしっかりやることで、英語力が着くこと、これをしっかりと理解したいものです。

 

余談ですが、私は小学校5年生の春から、父の言いつけを聞いて、NHK教育ラジオ基礎英語を学び始めました。6年生に上がった時も再び基礎英語を学びました。そのお陰で、中学生に進学した時、先生が教えてくれた英語の授業が面白くなく、時々あくびをして、英語の先生から叱られたものです。英語の試験は常に95点以上から満点を取っていました。

 

小学5年生から6年生の間に、英語基礎力がしっかりと身に着いたように思います。鈍亀であっても、この2年間、父の言いつけを愚直に守って基礎英語を学んだお陰で、今の英語力がある、と確信しています。ところで、ギターもNHK電影教育放送を見て、中学1年生と2年生とみっちり練習したお陰で、中三になった時、禁じられた遊びアルハンブラの想い出が演奏できるほどの腕前になっていました。そのお陰で高校生になった時、サイモンとガーファンクル、ピーター・ポール&マリー、キングストン・トリオ、ジョン・デンバー、ジョン・バエズ、ビートルズなどの楽曲を楽しくギターの弾き語りで歌ったものです。もう50年以上ギターを弾いていないので、指は動きません。

 

閑話休題

 

例: My mother makes me breakfast every morning. 私の母は毎朝私に朝食を作ってくれる。

 

My mother:主語S、makes:動詞V、me: 目的語O、 breakfast: 目的語O、every morning: 時を表す副詞

このS+V+O+Oの文章は、動詞が二つの目的語と関連していて、先の動詞が間接目的語(Indirect Object)、次の目的語が直接目的語(Direct Object)です。

 

この文章は以下のように書き換えることができます。

 

My mother makes breakfast for me every morning. (意味は同じです)

 

直接目的語を先に持ってくると間接目的語にforという前置詞が付き、for meは、私のために、という副詞句となり、動詞makesを修飾します。だから、この文型はS+V+Oとなります。副詞句は何度も言うように文型の要素に入りません。

 

My mother made me a scientist. 私の母は私を科学者にした。

My mother:主語、made:動詞、me:目的語、a scientist:補語

 

多くの受験生がこの文章をS+V+O+Oと混同します。どうしたら混同できないようになるかを説明します。

 

My mother makes me breakfast every morning. この文章では、meとbreakfastは分離していて、直接的関係はありませんので、me ≠ breakfastであることはすぐに分るでしょう。ところが、My mother made me a scientist.では、me = a scientistです。S+V+Cで説明したように、S=Cです。すると、この文章では、O=Cとなり、Oがあたかも主語Sであるかのような働きをしています。書き換えると、OとCは、I am a scientist.というS+V+Cの文章になっていると言っても構いません。これがS+V+O+Cの構造です。

 

こうやってS+V+O+OとS+V+O+Cの構造と意味の違いを理解していくと、この二つの文型の混同が起きずにすみます。

 

補語Cは、名詞だったり形容詞だったりします。だから以下のような文章も成立します。

 

A friend of mine made me very angry. ある私の友人が私を大変怒らせた(ある友人の所為で私は大変怒った)

A friend of mine: 主語、made:動詞、me:目的語、very angry:形容詞句(副詞のveryが形容詞のangryを修飾してこの2語が形容詞句となっています)

 

この文章でも、me = very angryが成立します。

 

では、次の文章を見てみましょう。

 

My father gave me a watch. 私の父は私に腕時計をくれた。


この文章で、me ≠ a watchであることは一目瞭然ですよね。この文章は、以下のように書き換えることができます。

 

My father gave a watch to me. 

意味は同じです。giveの場合、直接目的語を先に持ってくると間接目的語に前置詞toが付きます。