英文法シリーズ第2回:5文型 | 異文化交差点

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英語の5文型を丁寧に分かり易く説明する学校の英語教師はほとんどいません。これは私が進学塾で大学進学のために英語を勉強する生徒を通じて知りえたものです。

 

5文型を理解するには、その要素を頭に入れる必要があります。それは、主語:Subject、動詞:Verb、補語:Complement、目的語:Objectの4つです。それぞれの英語の頭文字を取って、S、V、C、Oと表します。

 

1.第1文型:S+V

2.第2文型:S+V+C

3.第3文型:S+V+O

4.第4文型:S+V+O+O

5.第5文型:S+V+O+C

 

この5種類の文型を正しく理解すると英語文章を読み、聞き、書き、話すことができるようになります。まるで魔法のようです。しかし、それを理解するのは容易ではありません。それなのに、中高教育で、ほとんどの英語教師がこれをサラリと流してしまう傾向にあるのは非常に残念です。英検やTOEICでも、この5文型は重視されていません。

 

NHKラジオ英語教育放送でかなり高名な英語の先生(仮称:Xさん)が、英文法を重視した日本の英語教育は、生徒達が本物の英語を学ぶのを妨げているなどと言うものだから、なおさらこの5文型に対する理解がおろそかになってしまいます。さらにXさんは、英語人の英語をそのまま使うことを勧めています。Xさんは5文型を説明しません。

 

私ははっきりと断言します。この方法で英語を身に着けた日本人は、高度で洗練された英語を書き、話すことができなくなります。しかし、網際(internet)上の社交媒体(social media)や街中での日常会話で困ることがないでしょうし、「この日本人の英語はすごいね」と英語力の低い日本人から思われることでしょう。

 

Xさんが主張するのは、英検3級から英検準1級程度の英語を身に着けるのを目指しているのではないか、と私は思っています。これは、英語学を専攻して来た人に良く見られる傾向です。つまり英語を使って仕事をして来ていない、英語を使って著述し、本人の思想を表現して来ていないために、英語学で終わってしまっているからです。

 

日本人が英語を勉強するということは、英語人の主張を正しく理解するばかりか、日本人が英語を使って自己の思想や感情を正しく英語人に伝え、主張することにあります。英語はお飾りではないということをはっきりと認識することが求められます。

 

世の中は広いです。英語圏の社会には、階級差が存在しています。平等を唱える英米人がそんな社会を構築していないだろう、と多くの日本人は思います。しかし、英国と米国で仕事をしてきた私は、その社会構造をしっかりと見て、その階級社会を知り、愕然としたものです。

 

何をもって一流と言うのか。それは格調高い英語を話し、書くことができることが最低必要だ、ということなのです。格調高い英語とは、文法的に正しい英語を活用することにあります。

 

一つの例を挙げましょう。

 

Taro:   I'm pleased to meet you.

Susan:  You, too.

 

英文法を良く学んでいない人は、You, too.という表現は、Me, too.の間違いなのではないかと思うでしょう。しかし、You, too.は(I’m pleased to meet) you, too.の省略なのです。

 

これを知って言うというところが大事なのです。「英語人が言うのだから、理屈は気にせずにそう表現した」、というだけでは一流の英語の使い手にはなりません。理屈をきちんと知って、英語を表現する、このために英文法を勉強するのです。

 

その基本中の基本に5文型があります。

 

次回は、第1文型のS+Vについて説明します。