ホリスティック美人塾主宰のMichikoです☆
関東も梅雨入りしましたが、今日は晴れてとても気持ちのいい日ですね

みなさまお元気にお過ごしでしょうか

5月30日の神奈川新聞に、昨年5月に98歳で亡くなられた
音楽評論家・随筆家の吉田秀和氏の言葉が紹介されていました。
「うまく言えるとよいのですが」。
吉田氏の口癖だったそうです。
自分の考えを持って語り合うこと、そしてそれを伝える言葉を
錬磨することの大切さを、98歳で亡くなるまで訴え続けながら、
常に言葉は刃にもなりうることを自覚し、歯に衣きせぬ
表現をしながらも、僕はこう思うけれど、あなたはどう思いますか?
という問いかけとともに 「うまく言えるとよいが―」と、謙虚さも
忘れない方だったようです。
「自分の考えを持って語り合うこと、そのための言葉を練磨することを
98歳の死の直前まで訴えていた」 という紹介文に興味を持ち
調べてみたところ、昨年7月にNHKの『クローズアップ現代』で
特集された際の放送内容が、全文掲載されていました。
“そこに自分の考えはあるか” 音楽評論家・吉田秀和の遺言
奇才、グレン・グールドが登場した際、一般評論家たちが批判する中、
グールドの感受性を見抜き、「自分ひとりでも、正しいと考えることを
遠慮なく発表しようと決心した」 とグールドの細やかな表現力を絶賛、
1983年には、20世紀最高のピアニストとうたわれたホロヴィッツの
日本公演で聴衆が酔いしれる中、会場で演奏を目の当たりにした
吉田氏は割り切れない違和感を覚え、日本の聴衆たちは演奏内容を
本当に自分の感覚で評価しているのか?と、後にホロヴィッツ事件と
呼ばれる衝撃的な評論を発表。
周囲の意見や流行に流されがちな日本人に、自分の頭で判断し
独自のことばで表現することの大切さを、訴え続けた人生。
こんな日本人もいらっしゃったのだなぁ、と嬉しくなると同時に
英語教育を小さい時からやることよりも、その根本になる国語力、
表現力を磨くことの方が、よっぽど外国語を学ぶ上でも必要な
基礎力をつけることになるのでは。。。と改めて思います。
もう一つ、吉田氏についての記述の中で印象的だったのが
ご夫人であったバルバラ・吉田=クラフトさんの存在。
ドイツ生まれで日本文学の研究者であり、日本文学のドイツへの
紹介に努めた方だそうです。
2003年に亡くなられていますが、吉田氏は「体の半分がなくなった
ような気分だ」とおっしゃるほど、影響の大きな存在だったようです。
可愛らしさと美しさを兼ね備えた女性、ということで、どんな方だったのか、
バルバラさんの著作を読んでみたく、さっそくお昼休みに
大学内の図書館へ行ってきました(便利~笑!)
『日本文学の光と影 荷風・花袋・谷崎・川端』 という著書には
バルバラさんの死後、友人たちから寄せられた文集を吉田氏が
日本語に訳したものも収録され、バルバラさんのお人柄がしのばれる
お写真も掲載された素敵な一冊でした。

ただいま読み進めておりますので、感想はまた後日~

それではみなさまも5月最終日、心豊かにお過ごしください
