コンポジットレジンだと虫歯や歯周病になりやすいって本当ですか? | 病気を改善する、健康を増進する歯科治療

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虫歯の再発を防ぐにはどうしたらいいの?

先日画像付きで説明したコンポジットレジンのケースはいかがでしたか?
銀歯を外したら下から水銀アマルガムがでてくるわ、虫歯が出てくるわでびっくりしましたね。
でもよくあることなのです。虫歯が完全に取り除かれていなければ当然中で虫歯は進行するし、銀歯を接着している歯科用の接薬剤が唾液に溶けて隙間ができればその隙間から虫歯菌が入り込んで虫歯が再発します。銀歯が硫化して溶ければ溶けた分隙間ができて虫歯が再発することもあります。
 
虫歯が再発しないようにするには気をつけなくといけないことがあります。それは、、、、、
 
1、治療時に虫歯に侵された歯の部分は完全に取り去ること
2、金属は使わないこと
3、唾液に溶けずらい接着剤を使うこと
4、日々の歯磨きを怠らないこと
5、砂糖入りのものは避ける、食べたら磨く
6、詰め物被せ物は精密で隙間のないぴったりしたものをいれる
7、詰め物と歯の接合部はギャップがないようにする
 
などなどです。
金属はイオン化して少しづつですが唾液に溶けてゆきます。歯科用接着剤が唾液に溶けだすと隙間ができて、さらに金属の溶けだしが加速して詰め物と歯の間に隙間ができます。するとその隙間に歯垢が入り込んで虫歯を再発させます。ですから虫歯再発予防のためには唾液に溶けづらい歯科用接着剤とメタルフリーな詰め物が最適です。
 
7のギャップについてですが、ギャップができると何が悪いかというと、そこに歯垢がたまって不潔になるからです。詰め物と歯の接合部にギャップができないようにするためには、精密にぴったりした詰め物にする必要があります。
 
とくに外からみえない歯と歯の間の歯茎の際の部分には気を遣う必要があります。それが今回のテーマである複雑な虫歯の穴にときに問題になる部分です。
では複雑な虫歯の穴とは具体的にはどんな形をしているのでしょうか。画像を添付します。
 
こんな形です。白い線で囲んである部分です。つまり単純な穴は四方を歯の壁でかこまれている。複雑な穴は四方のうち一か所以上が隣の歯に接しているということです。その歯の壁が無いがらんとした部分の側面の歯茎の際の部分は詰め物をすると隠れて外から見えなくなります。その接合部が出っ張っていたり凹んでいたりすると問題です。詰め物の過不足の問題です。「過」だと出っ張るし、「不足」だと凹みます。
 
その出っ張ったり凹んでいる部分にギャップができるわけです。そのギャップに歯垢がたまるのです。歯垢はばい菌の塊ですから、その中には虫歯の原因菌や歯周病の原因菌が潜んでいるわけです。ですから詰め物のギャップがあるということは不潔になりやすく虫歯や歯周病を起こしやすくなるということになります。
 
ではそのギャップを無くすにはどうしたらいいでしょう?
 
それには精密な過不足の無い詰め物を入れる必要があります。その点の精密さでセラミックとコンポジットレジンを比較するとセラミックに軍配があがります。たしかに直接口のなかで詰め物をするコンポジットレジンにはギャップが生じないようにするテクニックは存在します。しかしそのテクニックは完全なものではなくどうしても多少のギャップができてしまうのです。その点歯型をとって精密に作られたセラミックは歯と詰め物の接合部のスムースさは数段優れているのです。
 
ただ複雑な形の歯の穴ならば全てセラミックにすべきか?というとあながちそうとは言えません。それはケースバイケースです。セラミックにするにはある程度の穴の深さが必要です。加工の問題と強度の問題が絡んでくるからです。セラミックは薄すぎると加工の途中で割れてしまったり、薄いと歯に装着した後に割れてしまったりという問題が起きます。
 
ですからもともと虫歯が浅い場合は余分に歯を削って穴を深くしてセラミックの厚みを確保する必要があります。すると健康な歯を削って穴を深くすることで歯にダメージ(特に歯の神経に)を与えることになります。それは避けたいことです。ですから複雑な歯の穴でも虫歯が浅かった場合はコンポジットレジンにしたほうが良いでしょう。
 
今日は歯と詰め物の接合部の話をしました。それ以外にもセラミックとコンポジットレジンの利点欠点はありますから次回はその話をいたします。
 
おおはし歯科クリニック 院長 大橋康之