お正月で間が空いてしまったけど、この続きです
2022.11.12➂
さて、ロールを食べた後は、ニューマーケットでお土産を買おうかな。
と向かっている時に、後ろからやって来た男に「Are you Nepali?」って声を掛けられた。
「No, Japanese.」って言った後に、しまった!奴らはこうやって国籍を聞きだすんだ。と気付いた。
まんまと策にハマってしまったすぐに日本語に切り替えて来たけど、シカトしてたら去って行った。
そしてまた別の場所で「コンニチハ―」と言われて見ると、あっ!出た!!知ってる顔だ!!
ネット上に既に顔が出ている有名詐欺師サダム・カーンの相棒が、ニコニコと作り笑いをしている。
「あ~!I know you!You are famous!」って言うと、「Famous?Where?」って言われたから、
「INTERNET!!」って言ってその場を去った。
以前は、コルカタで私に声を掛けて来る詐欺師は殆ど居なかった。
私がもうインド慣れしていて引っ掛からないってわかっていたから。
でもこの10年で新しい詐欺師たちが登場しているようで、今回はちょくちょく声を掛けられる。
悪い人はすぐ見抜けるし、絶対に引っ掛からない自信はあるけどね!
ニューマーケットの中には、色々なお店に連れて行ってコミッションを貰う客引きがウロウロしている。
これはもうずっと前からで、「パシュミナー?コウチャ?パンジャビ?オミヤゲカウ?カウ?」
などと言ってしつこくしつこくついて来る。
コルカタは、サダルから離れれば客引きや騙すようなインド人に会うことは滅多にない街だけど、
このニューマーケットはサダルのすぐ隣にあって、コルカタでは一番ウザい場所だと思う
今日もあまりにもうるさいから途中からイヤホンをして、音楽を聴いているふりをして歩いていた。
ある雑貨屋さんの前に来て、
(そうだ爪切りを買いたいんだよね。でも、日本にはいくつもあるし、一回だけの為に爪切りを買うのはイヤだなぁ。
何で持ってくるの忘れちゃったんだろう。あと何日かだから我慢できるかな。
でも爪が長いと不衛生だし切っておくかな・・・いくらだろう・・・)
って思いながら値段を聞くと、お店の男の子が「50ルピー(約90円)だよ。」って言って来た。
90円か~。安いけど一回だけの為に買うのもなぁ・・・とまだためらっていると、
「もっと安い方がいい?じゃあ40でいいよ!」って言ってくれて、「じゃあ買おうかな?ありがとう!」と言って
50ルピーを渡して10ルピーのお釣りをもらった瞬間、
トントン、と肩を叩く人が。
振り返ると、貧しそうなおじいさんが手を差し出している。よく見てるな~タイミング良すぎ!!
結局その10ルピーはおじいさんにあげてしまった。
インドっぽい服を買おうと思ってあるお店に入ると、FIXED PRICE 350RSって書いてある。
わ~!定価が付いてるのは有難い~。もう値切り交渉するのが面倒なんだよね。しかも安い!!
店員の二人の男性はニコニコしていてとてもソフトで、
「どれでも350だからね。時間を掛けて決めていいよ。」って言ってくれたから、
とても気持ちよく色々な品物を見せてもらっていると、突然ボスが入って来た。
そしたら、すごい勢いで「これにしたらいい!!この色がいい!!これを買え!このデザインがいい!」
と早く決めろとばかりにどんどん押し付けて来て、しかも「350じゃない、450だ!!」って言って来たから、
「え~、350って書いてあるじゃん。彼らも350って言ってたし。」って言うと、
「350って言ったのか?He has no brain!!」とか言って、彼らに怒鳴り始めた。
恐らく外国人なのに正直に定価の350ルピーでいいと言ってしまったからカンカンに怒っているみたいで、
その二人は怒鳴られてシュンとしてしまった。
私もすっかり嫌な気分になってしまって、
「あなたが来るまでは楽しく買い物してたのに。何でそんなに怒ってるの?」って言うと、
「怒ってない!!」「いや怒ってるじゃん!!笑」「怒ってない!!」って。
疲れるお店だな~結局350で売ってくれたけどね。
さて次に入ったのがこのお店。このお店も全て定価が付いていて、インドスカートを250ルピーで購入。
とっても穏やかでいいおじさんだった。
おじさんと色々な話をしているうちに、また「子供は?」って聞かれた。
あーまたこの話題か
「子供は居ないの。」って答える。
またWHY?って言われるのかな?と思ったら、
「何歳で結婚したの?」って聞かれたから「40歳。」って言うと、
「わかるよ。僕も同じことを経験したからね。僕が44歳、妻が40歳の時に結婚して、子供は授からなかったんだ。」
インドでは珍しい恋愛結婚だったそう。
「インドに来てから、子供が居ないって言うとみんながWHY?とかDon't you like children?とか聞いて来るのがすごくつらくて。」
って言うと、
「わかるよ。でも不妊はここでもすごく普通の事だよ。たくさんの人が不妊治療をしているし、バングラデシュからもたくさんの人がコルカタまで治療を受けに来ているんだよ。」と教えてくれた。
おじさんは、
「でも僕は妻ととてもいい関係だし、今の人生がとても幸せだよ。キミもそうだろう?ENJOY YOUR LIFE!」
と言って見送ってくれた。じ~ん
インドで初めて心が通じ合う人に出会ったような気持ちになって、心がほぐれた。
ニューマーケット内を歩き続けていると、バングル(腕輪)屋のおじさんが話しかけて来た。
店はなく、たくさんのバングルを抱えて売り歩いているおじさんだ。
貧しいながらもこうやって一生懸命商売をしている人には、声を掛けられても当然腹は立たない。
私が「No, thank you~」って普通に優しく断っていると突然、
「Don't disturb her!!」って男が割り込んで来て、バングル屋さんを追い払うと、
「I'm from Delhi. I'm shopping here.」って言って来た。
はい絶対嘘!!
助けるフリをしていい人だと思わせた後、同じ旅行者を装って「一緒に買い物しようよ」って誘って来て、
詐欺師のお店で高額な買い物をさせるやつでしょ?一秒で見抜いたわ。
「 プッEnjoy your shopping~!」って言ってバイバイ。
更に歩いていると、先日カフェを探していた時に声を掛けて来た男が突然現れて、
「My brother has a shop here.」って言って来た。ほら、やっぱりおかしいと思った!
この時の男
「あ!この前カフェの前で声を掛けてきた人でしょ?やっぱりあなたも目的があったんだね。」って言うと、
うんうん、と頷いて気まずそうにすぐに去って行った。詐欺師には向かない押しの弱さ
外に出てみよう。
「250!250!」と若い男の子が威勢のいい声で呼び込みをしているカバン屋さんで足を止めた。
ムスリムの白い髭のおじいさんが店主らしい。
かわいいな~と思って刺繍の入ったカバンを選び始めたけど、よく見るとどのカバンにもどこかしらほつれがあって、
日本では商品にはならないようなものばかりだった。
「え~。ここがなぁ。これもここがなぁ・・・」と言っていると、男の子は「No problem!!!」って言う。
インド人はいつもそう言うけど、Problemかどうかは私が決めることであって、キミが決めることではないのよ
「お土産にするには完璧なクオリティじゃないと買えないわ・・・」って言っていると、突然新たに若い男が現れた。
「完璧なクオリティの物が見たかったら僕が見せてあげる。ついておいでよ。」
え?誰これ???
「どこに?」
「ここと同じ店だよ。」
「同じ店?どこ?」
「あっちだよ。」
「いやいやいや、て言うかWHO ARE YOU??」
「僕?ここで働いてるよ。この店と同じだからあっちで見せてあげるよ。」
「ほんとに?ねぇ、この男の人はここで働いてるの?」って髭のおじいさんに聞いてみると、
おじいさんは気まずそうにうつむいてしまって、小さく頷くだけ。
呼び込みをしていた男の子にも「ねぇ、この人ここで働いてるってホントなの?」って聞くと、
彼も黙り込んでしまった。
はい、嘘!!!
「行かない。あなたの事信じられないから。」と言うと、すぐに去って行った。
お店の人たちも彼らが怖いから何も言えないんだろうね。
あーニューマーケットは相変わらず疲れる~~~ほんっと嘘つきばっかり!
でも買いたい物は買えたから良し!
そろそろ夜ご飯を食べに行こうかな。
たまには行ったことのない店に行ってみようと、ネットで探したベンガル料理屋さんに行ってみることにした。
歩いている途中に「Do you know me?」って話し掛けて来た男の顔を見ると、
出た!!有名詐欺師サダム・カーン!!
今日の昼間に相方に「ネットで有名だよ。」って言ったことを聞いたんだろう。
私は何も答えずにただ「誰?」みたいな怪訝そうな顔をして立ち去った。
サダム・カーンはめちゃくちゃ人相が悪くて、怖い感じだった。
見るからに極悪人なのに、なぜあの人に引っかかる旅行者が居るのか不思議
やっぱり日本語を話すから安心するのかな?
ベンガル料理屋さんに到着。
ベンガル語でしか店名が書いてなくて、かなりローカルな感じ。
メニューを見ても何が何だかわからない。
とっても気さくで感じのいい店員さんが色々説明してくれた。
マスタード系のフィッシュカレーが食べたかったんだけど、
店員さんがKachu Chingliと言うエビのマスタード風味の料理を勧めて来たから、「あ!それ好き!それにする!」
最初は美味しい!と食べていたんだけど、この量を一人で食べるにはマスタードがきつすぎる。
そのうちうぷっってなって来た。
でも残すのも悪いと思って、9割くらいまで頑張って食べた。
レコード屋さんの通りを通って、サダルに戻る。
美味しそうなフルーツだけどもうお腹いっぱい・・・
あ~お腹が気持ち悪いヤバいな。
おやすみなさ~い。
【コルカタ詐欺師写真館】
写真はにしきよさん(ブログめっちゃ面白いよ!)や、
写真家の三井昌志さんのfacebookから、御本人に許可をいただいて載せています。
これ以上日本人の被害が出ないように、是非シェアして欲しいとのこと。
右がサダム・カーン。
日本語ペラペラで、観光に連れて行ったりチャイをご馳走したりして親しくなった後で、ガヤの実家に連れて行くと言う手口。
左は仲間のアルシャド。
サダムもういっちょ。
既にネット上でかなり写真が出回っていて、本人もそれをわかっているから、
最近はサダルではなくてニューマーケット付近やインド博物館の入り口付近に居るそう。
今もサダルに居るかわからないけど、ラージって言う人もサダムの仲間で、ガヤに連れて行こうとするらしい。
フルネーム『サーフ・ラージ・カーン』
ニューマーケットで日本人を騙しまくっていたジャビット・カーン。
2010年に私が撮った写真。
日本語ペラッペラ。日本人の奥さんが居るはず。これもカーン一族の仲間かも。
自身が経営するGURIAと言う旅行会社に連れて行って、法外なツアーを組ませるサワリ―。
その他、日本で詐欺事件を起こしインドに逃げてきたゴータム、
日本語ではなく流暢な英語で(逆に)日本人を安心させてサダムに繋げるアルサットと言う人物がいるそう。
もしかしたら、アルサットはこの人かなぁ?英語がとても流暢だった。
私にカフェの前で話しかけて来て、
「静岡のお茶を輸入して、インドの紅茶を輸出する商売をしている。」
って言って来た男。
インド人にしては涼し気な細い目が特徴的で、詐欺師にしては大人しくソフトな印象。
写真家の三井昌志さんのブログに彼らの手口などが詳しく書いてあるよ。
<本日の出費>
宿 900
コーヒー 20
バス 10
サンドイッチ 55
トイレットペーパー 25
チキンロール 40
爪切り 40
物乞い 10
ヒマラヤリップクリーム 40×5=200
服 350+250+350=950
トイレ 5
マザーテレサ像 100×2=200
バッグ 250
オートリキシャおもちゃ 170
アンバサダーおもちゃ 220
葉っぱのランチマット 280
水1ℓ 20
夕食 156
計3551RS=約6390円