映画「マンティコア 怪物」
2022年スペイン・エストニア合作 116分
<監督>
カルロス・ベルトモ
<キャスト>
ナチョ・サンチェス、
ゾーイ・ステイン、
アロバロ・サンス・ロドリゲス
<内容>
スペインの鬼才カルロス・ベルムトが、ゲームデザイナーの青年が思いもよらない“怪物”を作り出してしまう姿を独創的なストーリーと予測不能の展開で描き、人間の心の闇に踏み込んだアンチモラル・ロマンス。
空想のモンスターを生み出すゲームデザイナーの内気な青年フリアンは、同僚の誕生日パーティで美術史を学ぶ女性ディアナと出会い、聡明でミステリアスな彼女にひかれていく。
その一方で、フリアンは隣人の少年を火事から救ったことをきっかけに、謎のパニック発作に悩まされるように。
やがてフリアンが抱えるある秘密が、思わぬ怪物を生み出してしまう。
(映画COM)
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4月19日キノシネマみなとみらいにて鑑賞。
このルロス・ベルトモ監督作品は初めての鑑賞。
最初空想と現実の狭間で悩む青年が、ゲームの世界の中に取り込まれてしまうようなSFタッチの作品かと思いきや、だいぶ違っていました。
物語のほどんどがゲームデザイナーの主人公フリアンと、美術史を専攻する女性ディアナを中心に話が進行します。
ちなみに彼女は父親と二人暮らし。
そしてその父親は寝たきりで彼女が看病しているのです。
彼のほうは、隣人の小学校に通う少年の部屋でボヤ騒ぎ、
「助けて~」
という声を聞き少年を救うのでした。
そのあとから何かが違う、彼の日常になっていくのでした。
助けた少年の事が何やら気になる彼でしたが、ある時手狭になったアパートからもう少し広いところに引っ越しをします。
そしてとくに大きな出来事があるでもなく、フリアンとディアナが付き合いはじめ淡々と進行する物語。
何か引き込まれるようなストーリ展開があるでもなしで、少々退屈気味に話が進行していくのです。
このまま終わってしまうのかと思っていたところ、ラスト十数分で大転換があってちょっと面白さが出たという感じでしたね。
ネタばれはしませんが、彼女ディアナが彼のあることを知ってしまいます。
そして主人公フリアンは、ディアナから三下り半を突きつけらる。
その事で悩んだフリアンは、以前ボヤで助けた少年のところを訪問します。
母親が留守中は、他人を部屋に入れてはいけないと言われていたため彼の訪問に少々困り顔の少年、でも彼はボヤの時に助けられたことでフリアンに対して非常に恩義好意を持っていたので部屋にいれるのでした。
そして再開した後に・・・・からの大転換。
三下り半を突きつけたディアナも再登場してのラストでした。
アンチ・モラルロマンスとは・・・そういうことだったのですね。
観ていない方は何もわからないと思いますが、ネタバレはしませんのでお許しください。
平穏な日々に見える中で、背中合わせの闇の部分を誰でも重ね持って生きているのかもしれません。誰でも心の片隅に抱えている闇、その闇は人それぞれでしょう。
物語の中には北海道や和食ということで、Sushiが登場します。これは監督が日本びいきかと思ったりもしましたが、だだし日本の温泉では男女が裸で入浴していてビックリしたなどのエピソードもぶち込まれるのです。
その事は単に日本びいきというよりも、性に対しての何らかの問いを投げかけているのかもしれません。
つまらなくはなかったけれど、映画館で観なくてもOKだと思った作品でした。
怪物とは何だったのか?
助けた少年の存在とは何だったのか?
彼は彼女はどのような結末を迎えたのでしょうか?
興味のある方はご覧くださいね。
5点満点中3,4
(画像すべてお借りしました)