映画「ボーはおそれている」 | ほくとの気ままなブログ

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映画「ボーはおそれている」

 

 

2023年 アメリカ 179分

 

<監督>

アリ・アスター

 

<キャスト>

ホワキン・フェニックス

ネイサン・レイン、

エイミー・ライアン、

スティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン、ヘイリー・スクワイアーズ、

パティ・ルポーン

 

<内容>

「ミッドサマー」「ヘレディタリー 継承」鬼才アリ・アスター監督「ジョーカー」「ナポレオン」の名優ホアキン・フェニックスがタッグを組み、怪死した母のもとへ帰省しようとした男が奇想天外な旅に巻き込まれていく姿を描いたスリラー。

 

 

メンタルクリニックに通う心配性の中年男、彼は日常のささいなことでも不安になってしまう怖がりの男ボーは、つい先ほどまで電話で会話していた母が突然、怪死したことを知る。

 

 

母のもとへ駆けつけようとアパートの玄関を出ると、そこはもう“いつもの日常”ではなかった

 

その後も奇妙で予想外な出来事が次々と起こり、現実なのか妄想なのかも分からないまま、ボーの里帰りはいつしか壮大な旅へと変貌していく。


(映画.COM、一部修正追記)

 

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2月24日TOHOシネマズ上大岡にて鑑賞。

当日は「カムイのうた」

 

 

鑑賞後~麺食い~今作品のスケジュール。

まったく毛色の異なる作品鑑賞の一日になりました。

 

映画「ジョーカー」でも、映画「ナポレオン」でもないホワキン・フェニックスの演技を観るだけでも満足感あり。

公開中ですので、ネタバレしないようにしますがしたとしてもよくわからないかも。

 

いやぁ~やっぱりアリ・アスターという感じでしょうかね。

この作品については、何が何やらわからないという声を小耳にはさんだものですから、ちょっとだけ予習して鑑賞しました。

それでも・・・・???

 

万人受けはしない作品かもしれませんが、この感じ私は嫌いではないです!

 

不安症の男性が、遠く離れたところに住む母親の死を知り、葬儀に参加するまでのある種ロードムービー。

とにかくその途中、主人公ボーに降り注ぐ災難の数々。

母親の葬儀にはなかなか辿り着けないのです。

 

 

スクリーンに映し出される物語は、現実なのかはたまた彼の夢や妄想なのかもはっきりしない。

苦労の末なんとか到着するのですが、そこでも仰天するような出来事が待っています。

最後は、これはバラしてしまうと絶対まずいので伏せておきますが・・・やっぱりアリ・アスター監督作品だった。

 

 

サスペンスでもあり

ホラーでもあり、

コメディでもある作品。

 

ただし何があるのか起こるのかまったく予想できない、これはどこにボールがオチるかわからないことからモジられた、

「スクリューボール・コメディ」

とでも申しましょうか!

 

 

BEAU IS AFRAID (2023) review | Keeping It Reel

 

なんと、中盤にはアニメーションのパートが挿入されたりもしますし、なんじゃ~このモンスターは?と、男性のあそこをパロッたような、唖然とさせられるモンスターが登場します。

観た方はわかると思いますが、おいおいここまでやるか!

B級作品もしくはZ級にも推薦したくなるような造作と、心の中でつぶやいておりました。

個人的にはあまりにもくだらなく、逆に受けましたねぇ。

でもこれはこれでたぶんボーの内面として、物語の中では意味あることかと!

 

 

水槽にバスタブ、ミネラルウォーターのペットボトル、水が随所に出てきます。

また洋服や壁紙などこれまた随所に水色がでてくる。これらも意味あるものなのですが、

 

ただし一回鑑賞したくらいでは、何が何だかわからないかもしれませんが・・・。

 

 

 

ボーが一番恐れていたものとは何だったのでしょうか?

何故恐れなくてはいけなかったのか?

 

 

驚愕のラストまでの約3時間、貴方は何を感じるでしょうか。

 

 

癖はありますが、なかなか面白い作品だったお思います。

ホワキン・フェニックスの演技をぜひご堪能下さい。

 

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(おまけ)

 

ユダヤ的ユーモア作品

 

的を得ているかどうかは別として、少し予習したことでお伝えするとしたら、この物語の根底に流れるのはユダヤ民族、そして旧約聖書。そのなかでも「ヨブ記」ここを押させておくといいかと。

 

ヨブ記の主なテーマは

「なぜ義人が苦しむのか」

かいつまんで記述すると、

 

ヨブという人物がいた、彼は神様とした契約通りにきっちり生きてる真面目な人。

真面目に生活してきたから、生活も安定して家族にも恵まれ豊かに暮らしている。

そうすると、神様たちのところでは紛れ込んだサタンも交え何やら相談している。

サタンが言いました

「彼は幸せにしてもらってるから、神様に感謝してるのかもしれない。では彼は不幸になっても神様を信じるだろうか?」

と神様に問いただします。

神様は言いました

「ではお前の好きにしてみるがいい。しかしけっして彼には手出しするなよ」

サタンはヨブをひどい目に遭わせてやろうとして、彼に対して持ち物や家族などへ

4つの災いを下しました。

 

 

牛とロバをシェバ人に切り殺される

羊と羊飼いが神の火によって焼き殺される

ラクダがカルディア人に切り殺される

大風によって家が倒れ、7人の息子と3人の娘が死ぬ 

 

 

しかしこれだけの不幸にあってもヨブは神様に対して責めなかったのです。しかしサタンは諦めません。その後もヨブに対して皮膚病に罹患させるなど数々の試練を与えていきます

 

 

ヨブは友達に

「私はこんなに真面目に生きているのに、なんでこんなひどい目に遭うんでしょうか?」

 

 

と言うと、友達は

「いやー、世の中というものはやっぱり神様に従って動いてるんだから。君がひどい目に遭ったことは元々、君がなんか悪いことでもしたんじゃないの?」

と応える。

 

 

そして最後ヨブは神様に対して、

「なんでこんなひどい目に遭わせるんですか?」

と文句を言うと神様が

「世界全体がどうなってるかなんて、君にはわかんないだろう? 君の不幸ってのは、この世界全体の仕組みの大きな歴史の中でなにか意味があって私が考えてやってることなんだから、文句言うな!」

って言われる。

いやぁ~理不尽極まりないw

 

このことからユダヤの方の間では、

何もしてないのに不幸な人が、

自分は何か悪いことをしちゃったんじゃないか? 

だから自分は神の罰を受けてるんじゃないか?と、いつもビクビクしながら生きているという考え方があるようです。

 

このような「ヨブ記」そして「ユダヤの民」から読み解いていくと、今作品の内容も腑に落ちるところはあるかもです。

ちなみに、アリ・アスター監督もユダヤ人ですからねぇ。

 

ただし、映画を観る前からそんなこと知っている方はそうそういないでしょうけれど。

ということで、今作品はユダヤ的ユーモア作品とも言えるかもしれません。

 

この手の事詳しく解説している方も多いはずだと思いますので、もっと深堀したい方は探してみてくださいね。

 

5点満点中3.8

(画像全てお借りしました)