映画「PERFECT DAYS」 | ほくとの気ままなブログ

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映画「PERFECT DAYS」

 

 

日本・ドイツ合作 124分

 

<監督>

ヴィム・ヴェンダース

 

<キャスト>

役所広司、

榎本時生、

中野有紗、

アオイヤマダ、

麻生祐未、

石川さゆり、

三浦友和、

田中泯、

 

<内容>

「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」などで知られるドイツの名匠ビム・ベンダースが、役所広司を主演に迎え、東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が送る日々の小さな揺らぎを描いたドラマ。

2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、役所が日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる最優秀男優賞を受賞した。

 

 

 

東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。

淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。

 

PERFECT DAYS」に関するどうでも良いこと(ネタバレ) | 読んで ...

 

 

昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。

そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。

 

 

そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。

 

(映画COM)

 

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1月13日横浜ブルク13にて鑑賞。

当日はほぼ満席でびっくりでした。

午前中に別の映画館で観た作品も主演が役所広司さんでしたので、その日は役所さん祭り

そしてその作品にも田中泯さんも出演していたので、これまた泯さん祭りでもあったのですw

 

 

トイレ清掃員の日常の日々の繰り返しを淡々と描いた作品。

 

・この映画は面白いですか?

エンタメ作品の面白さは全くないですよ。

もしかしたらつまらないと思う人もいるかも。

 

・今作品はウルウルしちゃいますか?

いや、大泣きするような作品ではないですね。

 

・この作品はハラハラドキドキしちゃいますか?

まったくしないでしょう。

 

・内容が難解の作品でしょうか?

難しく考えることはないです。

 

・観て良かったですか?

はい!

 

・では、いったいどんな作品なんでしょう?

派手さ面白さはないですが、なぜか観た後心の奥深くに、じわ~っと温かいものが染みわたっていくような作品とでももうしましょうか。

そして、役所広司さんの演技に魅了されること間違いなし。

 

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作品の半分は、役所広司演じる平山は無口でほとんど言葉なし。

そして後半にかけて少し平山の言葉を聞ける。

途中までこの作品はサイレント映画を意識させているのかと思わせるくらい、会話らしきものがなく進みます。

 

 

その主人公平山の会話・言葉がない分、役者の表情や仕草がより重要になってくる。

表情でより観客を魅了しないといけない。

平山の表情は観るものを裏切らなかった。

困惑する表情、

微笑みを浮かべる表情、

驚きの表情、

納得する表情、

どれをとっても平山の物言う表情は良かった。

 

とくにエンディングのロングショットはとてつもなく良かった。

 

 

余韻を残す素晴らしい作品に感謝したい。

 

 

良くもまぁ外国人監督ヴィム・ヴェンダースが、これほどまでに日本的な作品を作り上げてくれたことに、驚きと感謝したい気持で一杯になりました。

 

ぐいぐい引き込まれるのではなく、知らない間に平山の世界に入ってしまい、最後まで見続けてしまったという感じでした。

 

 

 

平山の過去や家族関係の事なども所々ミステリアスな部分があるのですが、そこはあまり重要ではない気がする。

その他の部分でもツッコミを入れようと思ったら色々とありますが、その部分より淡々と今の生活、日常を大切に生きている彼の生活の様を、そのまま感じ観る事こそが重要なのではと思った次第。

 

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仕事が終わったあと、木々を見上げるその表情や、何か良い事を感じた時にそっと笑みをこぼすその表情・・。

今作品は、役所広司さんの演技する表情がより際立っていた。

 

また劇中で平山の持っているカセットから流れる音楽の数々、こらがまた渋い。渋いといっても、私はすべての曲を知っているわけではありません。

アニマルズの「朝日のあたる家」浅川マキバージョンでは石川さゆりさんが歌っています)、そしてオーティス・レディングの「ドック・オブ・ベイ」の2曲しかわからなかったのですが、他の曲も曲調は映像にはまっていたと思う。

 

 

「朝日のあたる家」は昔良く聴いていました。ちなみにこの曲は古い曲で、色々な方のバージョンが存在しています。でもやっぱりアニマルズが一番でなじみがあります。

 

ラストでは別の曲がかかっていましたが、朝日があたった家並みが映し出され、そして平山のアップに変わるエンディング素晴らしかったですね。

記憶に刻まれるラストシーンになるかと・・・。

 

 

 

役所広司が演じる平山ではじまり、

平山を演じる役所広司で終わった作品。

 

 

 

まだ鑑賞していない方は、ぜひご覧になってはいかがでしょうか。

 

5点満点中4.1

(画像全てお借りしました)

 

 

(おまけ)

余談ですが前述したように、この作品を観る前に役所広司さん主演の映画「銀河鉄道の父」を鑑賞したのですが、その映画のラストで宮沢賢治の父を演じた役所さんが「雨にも負けず」をくちずさむシーンがありました。

すごく感動的なウルウルシーンでしたのでその影響か、今回の平山の生き方と「雨にも負けず」を少し重ねてしまったのでした。