映画「ジュディ虹の彼方に」
2019年 イギリス・アメリカ合作 118分
<監督>
リパード・グールド
<キャスト>
レネー・ゼルヴィガー(アカデミー主演女優賞受賞)、
ジェシー・バックリー、
フィン・ウットロック、
ルーファス・シーウェル、
マイケル・ガンボン
<内容>
1968年。
かつてミュージカル映画の大スターとしてハリウッドに君臨したジュディ・ガーランド(レネー・ゼルウィガー)だったが、度重なる遅刻や無断欠勤のせいで映画出演のオファーが途絶え、窮地に立っていた。
今は巡業ショーで生計を立てているものの、住む家もなく、借金は膨らむ一方。
やむなく元夫(ルーファス・シーウェル)に幼い娘と息子を預け、ロンドンのクラブに出演するため一人旅立つジュディ。
英国での人気は今も健在ではあるが、初日を迎えるとプレッシャーが高じ逃げ出そうとしてしまう。
それでもひとたびステージに上がればジュディはたちまちディーバと化し、観客を魅了。ショーは大盛況でメディアの評判も上々。
新しい恋ともめぐりあい、明るい未来に心躍らせるジュディだったが、子供たちの心が離れていく恐れと疲労から睡眠薬とアルコールに走り、ついには舞台でも失態を犯してしまう……。
本作は最晩年のジュディに焦点を当て、彼女の知られざる苦悩、子供たちへの深い愛情、ミッキー・ディーンズ(ジュディの5番目かつ最後の夫)との恋を描き出していく。
(Movie Walker参考一部追記)
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↑映画オズの魔法使い
公開当時、映画館で見逃してしまった作品。
オズの魔法使いで世界的に有名になった女優、ジュディ・ガーランドの晩年を描いた伝記映画。
この映画の中で特筆すべきは、ジュディ演じるレネー・ゼルヴィガーが劇中歌う歌は吹き替えなしで歌っていることです。
そしてもう一つポントをあげるとしたら、彼女の過去の栄光を前面に出したものではなく、晩年の苦悩を中心としたところでしょう。
若くしてハリウッドの申し子のようになったジュディですが、食べたいものも食べることができず無理なダイエットを仕入れられたり、とにかく子役時代から心身ともにストレスがかかった生活が、スターという代償の裏にあったことがわかります。
一人の子供が商業映画の犠牲になる。どこぞの国のフィギュアースケートの女子選手も同じでしたね。成績のために過酷なダイエットを強制させらたり、薬物も投与させられたとの噂が立つような・・。
印象的だったシーン。
あの映画「ティファニーで朝食を」で、ユニオシ演じたご存知ミッキー・ルーニーの事を話します。
彼女が回顧する中で、初めてデートに誘ったのはミッキー・ルーニーだと話す場面、
「今では太ってしまっているけれど、若いころは可愛かったのよ」
などを話すジュディ。
お互い子役同士で仲が良かったようですが、他に出会える友達もいなかったのかもしれませんね。
10代で、使い捨ての消耗品のように扱われるハリウッドの世界。そんな世界の中で子役としても続けていくことがいかに大変だったことでしょう。
心はどれだけ愛したかではなく、どれだけ愛されたかが大切だ
「オズの魔法使い」より
それなりの年になったジュディを演じる、レネー・ゼルヴィガーの演技は本当に良かったですね。
ある意味、年を取ったたおばさんにしか見えませんでしたが。
どことなく落ち着かない様子を見せる演技は、神経症と薬物中毒になってしまったジュディ・ガーランドを良くとられていたと思います。
ジュディは実際に現場に遅刻したり、またサボタージュしたり色々お騒がせはあったようです。
生涯に5回の結婚、とにかく不安定な精神状態は長い間続いていたようです。
素晴らしいラストシーン。
ロンドン公演でミスをしてしまい、もう劇場には出られない。
その劇場を去ろうとした日に、どうしてももう一度だけ歌いたいと仲間に懇願して飛び入りで歌う。最初の曲を見事に歌い切り、その後に歌う曲「虹の彼方に」。
ここは本当に涙を誘い余韻を残すラストシーンでした。
この公演の半年後にジュディ・ガーランドは47歳という若さで亡くなります。
本当に切なく痛々しい、ヒューマンドラマでした。
5点満点中3.8