映画「海の上のピアニスト」 | ほくとの気ままなブログ

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一枚のレコードに秘めた、たった一度の恋 

 

映画「海の上のピアニスト」

THE LEGEND OF 1900 4Kデジタル修復版 

 

1998年イタリア 120分(完全版170分)

 

<監督>

ジュゼッペ・トルナトーレ

<音楽>

エンニオ・モリコーネ

<キャスト>

ティム・ロス、

プルイット・テイラー・ヴィンス、

メラニ・ティエリー、

ビル・ナン、

クラレンス・ウィリアムズ3世

 

<内容*ネタバレ注意

時は1900年。多くの移民たちをアメリカに運ぶ豪華客船ヴァージニアン号。

黒人機関士ダニー(ビル・ナン)は、ダンス・ホールのピアノの上に置き去りにされた赤ん坊を見つける。

ダニーはその子を1900(=ナインティーン・ハンドレッド)と名付けた

 

ダニーが事故で死んだ後も、一度も船を下りず船底で育った。彼はある日、船内のダンスホールで音楽に魅了され、ピアノに向かい、ピアニストとしての天才的な才能を開花させた。

 

27年にバンドのトランペッターとしてやってきたマックス(プルート・テイラー・ヴァンス)も彼の弾く美しい音楽に魅せられていった。あるレコード会社の男が彼の演奏をレコード録音するために乗船した。

録音機を前にしぶしぶと弾き始めた彼は、ふと窓越しに美しい少女を見て、彼女を思うかってないほど感動的な音楽を奏でた

彼は彼女にレコードを渡そうとするが、ごったがえす群衆の渦に引き離されてしまう。

その数年後、「いつか訪ねて来て……」と言い残した彼女に会うため、彼は船から下りる決心をする。盛大な見送りを受けるが、タラップの端まで降りたところで結局陸地には下りず、彼は船に逆戻りしてしまった……。

1946年。彼の思い出を語っていたマックスは、第二次大戦下で酷使され、老朽化したヴァージニアン号が沖で爆破されようとしていることを知り、港へ駆けつける。

マックスは蓄音機と思い出のレコードを片手に、錆び付いたヴァージニアン号に乗り込むと、そこには彼の姿が。

船を降りるよう説得するマックスだったが、彼は船とともに生涯の幕を閉じることを選んだ。

港から爆破される船を見つめるマックスには、彼の奏でるメロディが聞こえてくるようだった。

(Movie Walker)

 

 

************************

 

 

船上で生まれ、生涯一度も船を降りることがなかった、伝説のピアニストの生涯を描いた人間ドラマ。

 

ピアノ演奏で対決するピアニスト、ジェリー・ロール・モントーンは実在の人物だとのこと。

 

8月31日(月)夏休みの残り一日。

久しぶりに横浜の映画館ジャック&ベティにて鑑賞。

平日だから空いているかと思いきや、そこそこ入っていましたね。

ただあとで気が付いたのですが、今回の鑑賞は4Kデジタル修復版でその数週間後に、イタリア完全版が上映していたとは・・・・あぁ~痛恨のミス、完全版を見ればよかった><もう予定が入っていて、完全版は観に行くことがたぶんできないかも?

 

1900と名付けられた伝説のピアニストと、もうひとりの主人公トランペット奏者のマックスが、彼との出会いを回想していく物語

 

 

マックスが愛用のトランペットを、金に換えるためにある楽器屋さんを訪れます。

彼はトランペットを売った後になって、店主にもう一度だけトランペットを吹かせて欲しいと頼みます。

その演奏を聴いた店主は、同じ曲がピアノで刻まれたレコードを持ち出し、曲と演奏者の名前を尋ねる

すると彼は、「1900 (ナインティーン・ハンドレッド)」と呼ばれた男の物語を語り始めるという感じでこの映画の物語が始まります。

 

 

映画を観る者は、1900が実際にいた人物なのか?またはこの話はマックスの寓話ではと思ったりするのかも。

 

 

劇中ジャズの生みの親といわれる、ピアノ奏者との対決は見ものでした!圧巻でした。

この戦いのピアノ演奏シーンを観るだけでも価値があるともいえるでしょう!

ちなみに1900の実際の演奏はプロのピアニストが演奏しているのですが、あの演奏シーンはティム・ロスが行っているので、そうとう練習したのでしょうね。

 

 

そして話は進んで、老朽化した船を爆破することを知ったマックスは船内にいるであろう1900を探し、船を降りるように説得する。

このラストの二人の会話はウルウルしてしまいました。

 

 

しかしこの物語は、何を意味していたのか?見る人によって違うかもしれません。

また主人公の名前にある1900がポイントになるのか。

希望に満ち溢れた移民船にのりアメリカの地へ降り立った、古い過去からから新しい時代へのメモリーなのか。

 

人それぞれの人生には、何通りの生き方がある。

それは船の中でも地上でも同じこと、色々な人と出会い、友情をはぐくみそして恋をして・・・。

閉ざされた空間でも、空想を膨らませることで無限の可能性もあるでしょう。

ただ地上という無限の可能性のある世界への選択もできるはず。

しかし1900はその可能性を選択しなかった。

船から地上への一歩を踏み出す事ができなかった。

そこには、どのような意味があったのでしょう。

 

 

彼が劇中で話したことばで印象に残り気になった言葉があります。

「陸地から見る海はどうなんだろう?」

 

印象に残る言葉でした。

 

 

物語の最後は、一通り思い出話をして去ろうとしたマックスに店主は、トランペットを返して見送ります。

これまた、印象に残るラストシーンでしたね。

 

ニューシネマパラダイスジュゼッペ・トルナトーレ監督、そしてエンニオ・モリコーネの音楽!悪いわけないですね。

見ごたえのあるいい作品だと思います。

 

完全版を見ていたら、また違った感想になるのかもしれませんが・・・。

(画像すべてお借りしました)

 

5点満点中3.8