映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」 | ほくとの気ままなブログ

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ドイツ表現主義の傑作映画

ヴァンパイアを扱ったホラー映画の元祖 

 

サイレント映画

「吸血鬼ノスフェラトゥ」

 

 

1922年ドイツ 94分

 

<監督>

F・W・ムルナウ

<原作>

ブラム・ストーカー

<キャスト>

マックス・シュレック、

グスタフ・フォン・ヴァンゲンハイム、

グレタ・シュレーダー、

アレクサンダー・グラナック

<内容>

著名な歴史家カバリアスの日記のよればノスフェラトウとは血、つまり不死の意、そして、1838年、ブレーメンにペストを持ち込んだと言われる人物のこと――という字幕で始まる。

 

ブラム・ストーカーの有名なドラキュラ伝説の小説の古典的映画化にして最高傑作。

 

変わり者のノック社長に呼ばれ、ロンドン転じてブレーメンに家を持ちたいというオルロック伯の依頼でトランシルヴァニアに赴くフッターは、途中食事に立ち寄った宿屋で夜発つのを止められる。魔物を彼らは恐れているのだ。そして、伯爵の城もまだ見えぬのに馬車を降ろされた彼に迎えの馬車が。

待ち受ける伯爵その人は長釘のように痩せ、不気味に爪を伸ばし、その歩き方ときたら形容し難い異様さだ。

食事の席でパン切りナイフに怪我したフッターの指先の血を凝視する伯爵。彼はその夜、早速、首筋を噛まれ、その血を試飲されるが、翌晩は妻レーナの霊感で、拒絶の叫びが届いて救われる

が、彼は自室に幽閉となり、その間に伯爵は自ら棺ごと馬車に乗り、港から船に乗った。

一方のフッターは脱走を図って昏倒し、農家の世話になって出遅れる。船中では乗組員が次々ペストに倒れる。棺の割れ目から覗く沢山の鼠……。そして、伯爵の上陸と共にブレーメンをその伝染病が席巻。錯乱して牢中にあったノックは“御主人”の到来と共に驚喜する。フッターは陸路を急ぎ愛妻のもとに駆けつけるが・・・・。

 

<allcinemaより抜粋、一部登場人物名修正>

 

エレンを狙う吸血鬼オルロック伯爵は?!

そしてフッターは愛する妻を救うことができるのか?

 

エレンの運命はいかに~?

そしてペストが広がる町に住む人々は??

壮絶な結末はお見逃しなく~~!!

 

***********************

 

 

先月のお話ですw

さてこの作品、東京武蔵野館で弁士と生の演奏が入る「活弁上映」が行われるとの情報をキャッチ。

活弁上映なるものは体験したことがないので、観に行きたいと思いきや、10月12日たったの1日のみの上映。

しかも12日の関東地方は台風直撃のど真ん中の日、これは出かけるのは無理だと思いネット配信で鑑賞。

 

いやぁ、約100年前の作品ですが映像が思いのほか奇麗でしたね。そしてサイレント映画ではありますが、違和感なくシンプルに面白かったです。

この作品は、映画「カリガリ博士(過去に記事アップあり)https://ameblo.jp/hokuto31313131/entry-12130890553.html」や「巨人ゴーレム」に代表されるドイツ表現主義の傑作作品ともいわれております。

ちなみにその表現主義とは、対象を客観表現として捉えるのではなく、内面の主観的な表現に主眼をおくといった特徴の表現方法です。

ですから主観や個性のままデフォルメされたような表現になっていきます。

 

 

この作品のタイトルは知っておりましたが、全編を鑑賞するのは初めて。

またこの映画というと、伯爵のあの不気味な爪が影絵のように映し出されるシーン、すごく印象的なんですよ。

 

だたし、クリストファー・リーなどが演じた「ドラキュラ映画」を想像しては駄目です。

↑クリストファーのドラキュラ

 

吸血鬼のオルロック伯爵は、長い指&爪をもち、前歯がでていて、髪の毛が一本もない特異な風貌なのです。

ネズミ男のような・・。映画の冒頭で「著名な歴史家カバリアスの日記のよればノスフェラトゥとは血、つまり不死の意、そして、1838年、ブレーメンにペストを持ち込んだと言われる人物のこと」という字幕が映し出されます。

ということは、ペスト菌をまき散らしたネズミが風貌のモチーフになっているのでしょうか?

 

 

ハラハラ感、不気さ、まがまがしさありましたね。

原作を忠実に使えない分の工夫が、功を奏したといえるでしょう。

前述しましたが、ノスフェラトゥの不気味なシルエットを活かした演出は効果的でドイツ表現主義感がビシビシと伝わってきます。

 

 

また、ノスフェラトゥが魔力を使うシーンではコマ送りが使われていたり、カットバックも見事に使われていました。

船で向かうノスフェラトゥ、

妻の元へ家路を急ぐフッター、

ノスフェラトゥの魔力で夢遊病を患うエレナ、

ノスフェラトゥの到着を待つ僕

同時進行で見せて、切迫感を観るものに感じさせてくれます。

 

ですから話の展開が気になって気になって、最後まであっというまに観てしまいました。

 

 

これが映画館で、活弁士に生オケが入った状態で観たら、テンションMAXだったのではと思ったりもしました。

まぁ、活弁士のスキルにもよりますが・・・w

 

ただ、クライマックスはもう少し工夫や、長尺で見せても良かったのではないかとも思った次第でした。

どのように終わったかは、見てのお楽しみ~です。

 

最初の吸血鬼映画!

古典的な価値も含めて、一見の価値ある作品でした。

 

 

 

(おまけ)

この作品が出来上がった経緯としてこんなことがあったのです:

 

監督ムルナウは当初、ブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』を原作に映画を製作する予定だったが、彼の制作会社は版権元であるフローレンス未亡人から映像化の権利を得られませんでした。そのため、ムルナウは独自の解釈と話の筋をわずかに変えることでこれを解決した。

 

「ドラキュラ」 (Dracula) のタイトルは「ノスフェラトゥ」(Nosferatu)に、ドラキュラ伯爵がオルロック (Orlok) 伯爵に変更された。

(ウィッキペディアより)

 

もし権利を得られていたら、もしかしたら平凡な映像そして平凡なキャラクターになっていたのでしょうか?

 

5点満点中3.6