映画「ざくろの色」 | ほくとの気ままなブログ

ほくとの気ままなブログ

ブログの説明を入力します。

採点不能の凄い映画がまだまだありました!!

 

絵画的な美しさと、

     神秘的な様式美が奏でる独特の世界 

 

 

 

映画「ざくろの色」

 

 

1971年 ソビエト 73分

<監督>

セルゲイ・パラジャーノフ

<キャスト>

ソフィコ・チアウレリ、

M・アレクヤン、

V・ガスチャン、

G・ゲゲチコリ、

O・ミナシャン

 

<内容>

18世紀アルメニアの詩人サヤト・ノヴァの生涯にオマージュを捧げた美しい映像詩。

サヤト・ノヴァの生涯を全8章に分けて追い、愛と才に溢れた詩人の生涯を宮廷や修道院を舞台に描く。

そこに映し出される人々の情熱や感情を、台詞のほとんどない映像言語で描いている。

それは豊かな詩であり、舞踏であり、そして全編動く絵画である。

絢爛な美術品のような美しさを放ち、また神秘的で謎めいた儀式性と様式美に彩られている。

 

『第1章◆詩人の幼年時代』

雷雨に濡れた膨大な書物を干して乾かす日常の風景。幼いサヤト・ノヴァ(M・アレクヤン)の、書物への愛の芽生え。

 

第2章◆詩人の青年時代』

宮廷詩人となったサヤト・ノヴァ(ソフィコ・チアウレン)は王妃(ソフィコ・チアウレン)と恋をする。彼は琴の才に秀で、愛の詩を捧げる。

 

『第3章◆王の館』

王は狩りに出かけ、神に祈りが捧げられる。王妃との悲恋は、詩人を死の予感で満たす。

 

『第4章◆修道院』

詩人(V・ガスチャン)は修道院に幽閉された。そこにあるのは婚礼の喜び、宴の聖歌、そしてカザロス大司教の崩御の悲しみ。

 

『第5章◆詩人の夢』

夢になかに全ての過去がある。幼い詩人、両親、王妃がいる。

 

『第6章◆詩人の老年時代』

彼の眼差しは涙に閉ざされ、理性は熱に浮かされた。心傷つき、彼は寺院を去る。

 

『第7章◆死の天使との出会い』

死神が詩人(G・ゲゲチコリ)の胸を血で汚す、それともそれはざくろの汁か。

 

『第8章◆詩人の死』

詩人は死に、彼方へと続く一本の道を手探りで進む。だが肉体が滅びても、その詩才は不滅なのだ。

(Movie Walker)

 

 

************************

 

 

初鑑賞映画。

独自のスタイルそして色彩がすごい驚きの作品。

作品名も監督も存じ上げておりませんでした。

 

作品感想の前にちょっと監督などについてふれておきます。

 

 

難解で退廃的だとして当時の体制には指示されなく糾弾されたり、また作品が上映禁止となったりいわくつきの監督。

排除された要因としては、監督が旧ソビエト時代にアルメニア人(差別を受けていた人種のようです)でもあったということや、作品が民族主義的要素を感じさせてしまったようです。

そのような冷徹な旧ソビエト時代の中でも、映像を撮るということを諦めなかった人物でした。

 

 

またこの作品ざくろの色 は日の目を観なかったセルゲイ・パラジャーノフ監督作品の「サヤト・ノヴァ」セルゲイ・ユトケーヴィッチが字幕の追加や短縮などの再編集版ということで作られた映画。

ただし検閲によっていくつものシーンが削除されてしまっており、その個所は現在でも観る事は出来ないようです。

なんとも、もったいない。

どこかで発見されませんかね!!。

 

 

まずどうしてこの作品を鑑賞したかといいますと、映画好きの友人と話していた時に、セリフが極力ない映画の話題になりました(サイレントではないですからねw)。

その時、私が思い浮かんだのは前にに記事アップはしていますが「ニーチェの馬」「裸の島」「ツバル」など。

 

友人はけっこう昔映画館で観たソビエト映画で「ざくろの色」が忘れられないとの事。

その作品を鑑賞後、帰りの電車で一緒に観た友人と「ざくろの色」について夢中になって語り合ってしまい、下車する駅を2度もスルーしてしまったくらいだったとかw

そんな話を聞かされたものだからもう、興味津々汁がでまくりでw

初鑑賞!!

 

 

いやぁ、すごい!

          すごい!

               すごい!!!

 

ただそれのみ。

 

 

過去に観たホロドフスキーの「エルトポ」以来の衝撃。

採点不能となりました。

 

色彩の豊かさ、シンメトリーな構図など、この監督の独特感がすさまじく映像から飛び出てきます。

 

 

素人が定点カメラをまわして、その前で演じる役者をただ撮影したような映像。

しかしそれが、逆にこの映画の世界に深みを与えています。

映像界の異端児なのでしょうか!

 

詩人サヤト・ノヴァそして彼の世界を、セルゲイ・パラジャーノフ監督が感じたままを映像にしているのだと思います。

 

感じたままというと、ちょっと映画「田園に死す」や「うたかたの日々」を思いだしたりしましたが、またそれとも違いますね。

 

ただただ独特の世界観に圧倒されるばかりです。

実験的な構図なのでしょうかね?

この手の映画にけっこうある、耳に残る音楽も健在。

 

 

とにかく、どのシーンをとっても素晴らしい絵画になるであろう映像です。

しかしこのような映画は、全く駄目だという方もいると思います。

映画館で観たら金返せというくらいw

逆に、はまる人ははまる作品でしょう。

私は後者ですがw

 

 

映画のストーリーの解説など私みたいな人間ができるはずはない。

とにかく詳しくはわかりませんが、何かが違う!

何かを感じさせるのですw!

やはり

Don't think ,Feel

考えるな感じろでしょうか!

 

(サヤト・ノヴァとは)
アルメニアの代表的詩人。

本名アルチュン・サヤジャンArutyun Sayadyan。

ティフリス(現,トビリシ)のアルメニア職人の子。

吟誦詩人として名声を得,グルジアのイラクリ2世に招かれるが,貴族と衝突して追われ,1768年,修道生活に入る。ティフリスに侵入したペルシア軍により殺害された。

愛を主題とし,愛する人への思慕の情をうたった詩が多く,後のアルメニア,グルジア,アゼルバイジャンの文学に大きな影響を与えた。

(コトバンクより引用)

グルジアは今はジョージアですね。お相撲さん栃ノ心の母国でもでも有名です。

 

5点満点中 採点不能

 

PS:今週水曜日から、生涯4度目のちょっと重いぎっくり腰で会社にも行けず><ず~っと寝ております(暇だから映画観ていましたがw)。

ぎっくりにならないように毎週整体にいっているんだけどなぁ?