第二十回アカデミー賞作品賞 映画「紳士協定」 | ほくとの気ままなブログ

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第二十回アカデミー賞作品賞 受賞作品 

 

映画「紳士協定」

 

 

 

1947年 アメリカ 118分

 

<監督>

エリア・カザン(監督賞受賞)

<キャスト>

グレゴリー・ペック、

ドロシー・マクガイア、

ジョン・ガーフィールド、

セルステ・ホルム(助演女優賞受賞)、

アン・リヴィア、

アルバート・デッカー

 

<内容>

妻に先立たれて、幼い息子と老いた母親と暮らす人気ライター、フィル・グリーン(グレゴリー・ペック)。彼は週刊誌編集長の招きでカリフォルニアからニューヨークに引っ越した。反ユダヤ主義に関する記事を依頼された彼はユダヤ人になりすまして、その実態を探ろうとする。だが、彼がグリーンバーグと名乗ったとたんに、周囲の人々の反応は豹変した。一家が住むアパート、母のかかりつけの医者、息子の学校、高級ホテル……暗黙の「紳士協定」は至る所に存在していた

フィルは編集長の姪キャシー(ドロシー・マクガイア)と愛し合い結婚を誓うが、ユダヤ人問題に対する考え方の違いから、二人の間には大きな溝ができてしまう。ある日、フィルが会社幹部との昼食の席で、自分はユダヤ人だと告白。噂はあっという間に広まり、差別はいっそう激しくなった。またフィルとキャシーのハネムーン先に予定していた高級ホテルもユダヤ人であることを理由にキャンセルされてしまう。

フィルの幼なじみのユダヤ人デイヴィット(ジョン・ガーフィールド)は「差別や偏見を目前にして沈黙するのは、それを助長することでしかない。」と言う。キャシーは自分の考えが誤っていたことに気づく。やがてフィルの記事が発表される日が近づいてきた。(ウィッキペディアより)

 

 

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今回この映画は初鑑賞。

 

日本公開当時のキャッチコピーは、

「いま、答えてほしいあなたも紳士協定に組する人なのか-

 

アンティセミティズム反ユダヤ主義)を問題にした初めての映画だそうです。

 

けっこうズバッと真っ向勝負で切り込んでいて、骨太な内容でした。

人種差別では黒人差別を扱った作品は多いですが、この映画の内容のようなユダヤ人差別をテーマにした映画は少ないと思いますので(ユダヤ人迫害がらみは、けっこうありますけれどね)、貴重でした。

 

 

ライター(グレゴリー・ペック)が数日間ユダヤ人なることで今までわからなかったこと、体験できなかったことを通して反ユダヤ主義についての執筆材料を探します。

人間の恐ろしさ怖さを、まざまざ見せられましたね。

人種を聞いただけで昨日まで仲良かった人が、手のひらを返したような人間になってしまします。

 

差別する側の人間が、差別してバランスを保ち、差別することで優越感に浸る姿。

誰でも持っている人間の一面なのでしょうか?

 

 

ユダヤ人になりすますことによって、そのことで子供が学校でいじめにあい泣いて帰ってきたり、婚約者とのハネムーンで予約したホテルで断られるなど様々な差別を体験する。

 

 

ユダヤ人の友人からは、いくら仕事のためとはいえユダヤ人になるなどやめておけと忠告されたことが、ものの見事に的中。

 

また反ユダヤ主義に対しての考えや行動で、婚約者ともひと悶着し喧嘩になってしまう。

 

 

このテーマ、多民族国家であるアメリカゆえのことかもしれません。

反ユダヤ主義は、日本また日本人としてはもうひとつピント来ない感じがあるのはしかたがないところではありますが、差別という点では日本にも色々とありますから・・。

 

グレゴリーペックは、前にアップした「アラバマ物語」でもまた、今回の作品でも正義感溢れるシリアスな演技似合いますね!!

 

差別を受ける立場でないと気が付かない。

差別という行為を正義と思い込んで行う。

差別とわかっていても黙認してしまう。

という保守的な生活を守る普通の人々の愚かなルールを紳士協定としてみせられました。

最初、題名で紳士協定ってなんの事だろうと思っていましたが、納得です!

 

 

ユダヤ人体験記事「私は8週間ユダヤ人」を発表したフィル。

その記事を読んでいた母親がその記事についてたたえます。

なかなか感動的な内容でした。

 

父さんにも読ませたいね。

この文章が良いと朗読します・・・・・・・

 

 

 

「不採用になった大学に進めなかった若者たち。

彼らの気持ちが痛いほどわかった。

我が子の泣き顔を観て怒りを覚えた。

子供から青年まで、あらゆる年齢層の人たちが就職や進学の機会を奪われ続けている。

予想された事態だ。

正義のために戦い、憲法を作った父祖達もそれを予見していた。

正義の果実は傷みやすいもので、不公平がまかり通ってしまえば腐ってしまう。

希望が枯れてしまう。

真の自由と平等こそが健全さをもたらす、個人にも国にもだ。みんなわかっていない、一刻を争うのに。

理解していない人も多い。

キャシー彼女だけではない。

キャシーは大勢いる。」

 

 

そして母が話します、

 

 

「あのね。フィル。

急にもっと長生きしたくなったよ。

世の中をみたいのよ。

今はずっと混乱の時代が続いているから、激動の世紀かもしれない。未来の世紀から観たらきっとびっくりするような。

そのころには、アメリカもソ連も原爆もないよ

すてきだわ。

みんなの世紀。

世界中の人が自由に一緒に生きている。

最初だけでも見てみたいわ。」

 

 

母親のセリフとして監督エリア・カザンが伝えたかったことだとも思いましたね。

 

実際問題世界はなかなか、そうはいきませんが><

 

なかなかの社会派ドラマ!

いやぁ、良かったです!!

 

ただ、やはり最後は、喧嘩別れしそうだったフィルとキャシーが、あっという間にものの見事に仲直りなんですねww

 

5点満点中4.0