プーッコからブッシュクラフトを見直してみる | 北欧ナイフでお気軽アウトドア

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北欧のナイフの話題や、それらを使った気軽なアウトドア、ブッシュクラフトについて書いていきます。

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今日は、北欧ナイフの本道「プーッコ」について、ちょっと見直しを行ってみようかな? と思っています。

 

 

北欧ナイフ、ブッシュクラフト人気の高まりにより、最近ではすっかりと有名になったプーッコですが、やはり独特の魅力を持ったナイフです。

 

 

あたかも最近、プーッコが知られるようになった、みたいな感じですが実はさにあらず。

昔のナイフ本なんかを読むと、ちょこっとですが、プーッコなど北欧のナイフへの言及があるものが多く、その特徴について軽く触れてあるものもあります。

 

 

  ・実用一点張り

 

  ・伝統的にヒルト(≒ツバ)がつかない

 

  ・生活に密着した刃物

 

 

と、こんな特徴があげられています。

ところで、ナイフの適切なサイズに触れている本(アウトドア系の本)もあり、たとえば、ブッシュクラフトの古典的存在である,

 

 

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モース・コハンスキーの『BUSHCRAFT』などがそれに当たります。

ブッシュクラフト界隈では、かなり有名な……というか必読文献に近いものなのですが、実際に読まれた方はいらっしゃいますでしょうか??

 

 

日本語版Wikipediaの「ブッシュクラフト」の項目には、参考文献・出典のところに本書の名前はありますが、どの部分が本書を参考にしたのか、ちょっとわかりませんでした。

 

 

また、同時に、「主なブッシュクラフター」なる項目に、参考文献・出典として本は挙げられているのにも関わらず、モース・コハンスキー氏の名前がないのも不審です。

 

 

日本語版Wikipediaの「ブッシュクラフト」の項目は、英語版のそれともかなり乖離があり、独自の要素に満ちている、というのは今までも何度もお話ししてきました。

 

 

たとえば……日本語版のそれでは「相対的な区別として~」と、サバイバルとの違いを述べているのですが、英語版では「Bushcraft is a popular term for wilderness survival skills.」と書かれています。

 

 

つまり、「ブッシュクラフトとは、自然環境におけるサバイバルのポピュラーな用語である」と書いてあり、ブッシュクラフトとサバイバルに強いつながりがあることを示しています。

 

 

 

閑話休題。

すっかり脱線してしまいましたが、ナイフの適切なサイズについてでした。

 

 

上記の『BUSHCRAFT』では、ナイフの適切なサイズについて、ブレードが手のひらと同じくらいの長さのものがベスト、というようなことが書いてあります。

 

 

 

典型的なプーッコのブレードで示すと、こういう感じ。

長さとしては、9センチちょい。

 

 

むやみに長いナイフは必要がない、ということなんですが、確かにこれくらいのブレード長だと、扱いやすいのは事実。

モーラナイフの多くが、このくらいのサイズに収まっている、というのも示唆的です。

 

 

 

独特の温かみがあって、「道具」としての機能美にあふれた感じがしませんか?

ところで、プーッコの一つの特徴である「ハンドル底部のふくらみ」なのですが(レウクの場合はラッパ状に広がるものが多い)、これは、現代的な北欧ナイフにも引き継がれています。

 

 

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このモデル(ロバスト、です。ロブストではありません! 余談ですが「u」のところにアクセントがあり、 ʌ で発音します)には、ヒルトが整形されてはいますが、ハンドル底部の形はクラシカルなプーッコのそれと近い形状です。

 

 

モーラナイフのほうがヒルトがついていて安全性が高い。

また、プラスティックやラバーとの組み合わせにより、スポーティな雰囲気が出ており、メンテナンスも楽、という面はあります。

 

 

しかし一方で、クラシカルスタイルなプーッコには、他には代えがたい魅力があるのもまた事実。革のシースも「ナイフです!」と主張するのではなく、なんか自然のなかに馴染むような、そういう雰囲気がありますねぇ。

 

 

さて、9~10センチ前後のナイフで十分、というと、ブッシュクラフトのうるさ型からすれば「それじゃバトニングできないじゃないか!」という意見があるかと思います。

 

 

けど、コハンスキー氏の本を読むと、一般にイメージされるような「マキ割りとしてのバトニング」は出てこないんです! 

ナイフを叩いて、木に刻み目を入れる、という形では出てくるんですけれどもね。少なくとも、「ブッシュクラフトの主要テクニック」という感じは全然ありませんでした。

 

 

だからこそ、「手のひらサイズで十分」ということなのでしょう。

そもそも本の中には「Knifecraft」(ナイフの技術)の前に「Axecraft」(斧の技術)があり、マキ割りだ、木の切り倒しだは、斧でやる、というスタンスです。

 

 

私の使っているプーッコは、ブレードはLaurin metalli製のいわゆる普及品で、高価なものではありません。鍛冶打ちされたブレードではないですしね。

けど、プーッコの良さや面白さは十分堪能できますし、実用しても全く問題ありません。

 

 

モーラナイフに少し飽きてきたら、今度はその原点である「プーッコ」を入手してみるのはいかがでしょうか? また北欧ナイフの面白さや奥の深さが味わえること請け合いです。

 

 

研ぎも、モーラナイフと同じでOKです。

ベベル面をベタで研いで、最後に糸刃をつけてやる。これで切れ味抜群です。

 

 

今なら、Lamniaを利用すると一番確実にプーッコが入手できると思います。

その他の入手先や、北欧ナイフ、プーッコの全体像やウンチクなんかは、

 

 

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拙著『北欧ナイフ入門』をお読み下さればと思います。

 

 

以前は、デモンストレーション用として、結構ピカピカに磨いた写真をお見せしていたのですが、今回は、「実使用版」というちょっと粗い研ぎ目が見えるような感じで写真を撮りました。

 

 

私自身も、またクラシカルなプーッコを使い倒してやりたい、という気持ちが出てきたので、今年はそういう記事も折に触れて入れていこうと思います。