今日は北欧のナイフについて。
皆様は、カストロムというナイフブランドをご存知でしょうか?
こちらもスウェーデンのナイフブランドですから、いわゆる「北欧ナイフ」という括りに入れてよいでしょう。
北欧のナイフらしい、スカンジグラインドのナイフを多く作っているメーカーです。
スウェーデンのナイフといえば、不動の地位を築いているモーラナイフがありますから、若干影は薄いような気はしていますが(それにモーラナイフと比べて高価です)、カストロムもまた、味わいのあるナイフブランドと言えましょう。
特徴としては、伝統的なハンドル……ではなく、モディファイされたモダンなハンドルであるということ。
あるいは、ブレードがドロップトしているような、そういうブレードで、フルタングのモデルが多い。
シースもポーチタイプというか、モダンナイフのそれを踏襲しているような、そういうシースになっています。
私自身、ちょっと興味はあったのですが、いまだに所持していないナイフブランドです。
が、ちょいとLAMNIAを見ていたら、食指が動くようなモデルがあったんですよね。
それがこちら。
いかがでしょう?
ちょっと長めのブレードで、凄くカッコいい。
スカンジグラインドという、ある意味では素朴なグラインドでありながら、他の要素がモダンなため、ちょっと独特のカッコよさを持ったナイフになっていると思います。
これはわずかながら、ハンドルに角度がついているのかな?
そこがまた、何か使いやすそうなそういう雰囲気を醸し出しています。
個人的には、ナイフにファイアースターターはついていなくてもいいかなぁ、という感じはしています。
別途、自分の好きなそれを持てばいいし、「それを含めてのナイフセット」という感じが、なんとなくいやなのです。
それはともかく、商品説明を見てみると、ちょいと気になることが書いてありました。
if you add a small secondary bevel to the front of the blade you can even chop with this knife with a lower risk of severe edge damage.
こんな文言です。
もし、ブレードに小さなセカンダリーベベルをつけると、深刻なエッジダメージのリスクを減らしながら、チョッピングのようなことも出来る、というわけ。
となると、これはいわゆる「フルスカンジ」がデフォルトの状態なのかしら。
うーん、気になるなぁ。
にしても、糸刃、セカンダリーベベルって、一昔前はえらく嫌われていたことを思い出します。
まさに、エッジの強度を確保するために、メーカーがつけてくれていたものなのに、「それを悪いもの」として捉える風潮があったんですよね。
だから、ナイフを買って、まずすることといったら、「セカンダリーベベルを研ぎによって落とす」ということだったりして。
私は、最初っから割と、それには懐疑的で。
元々、糸刃が付いているのであれば、メーカーがそれを推奨しているのだから、無理に取り去ることはない、という主張をしてきたつもり。
だけれども、これは例外もあって。
最初についている糸刃なりセカンダリーベベルなりが、なんだかうまい具合についていない場合(角度とか糸刃の付け方それ自体とか、色々あるでしょう)。
そういう時は、一度綺麗さっぱりフルスカンジにしてから、再度、糸刃なりを付け直すとグッドかと思います。
そういえば、ヘレのナイフの説明書にも研ぎ方が載っているんですけれども、同じようなことが書いてありました。
基本的には、元々ついている糸刃を研げばいい。けれども、それを繰り返す内に切れ味が悪くなってきたら、刃全体を削り直す。みたいな。
わざわざ、カストロムのナイフに上記のような説明文が載っているのは、なかなか親切な気がしています。
実際、フルスカンジ時の角度にも拠るんですが、北欧のナイフって3.2mmとかが多いですよね。
それで、8mmとかのベベル幅だと、ちょっと木を削ったくらいで、エッジが荒れたりするので、私は糸刃をつけることを推奨していた、というわけです。
上記のカストロムのナイフは刃厚が4.2mmと、一般的な北欧のナイフより1mm厚くなっているようです。
ですので、同じような幅のフルスカンジでも、その分刃先の角度が変わりますから、ある程度の耐久性があるのでしょう。
それでもやはり、チョッピングに供しようという場合には、糸刃をつけることを推奨しているということではないかと。
ナイフを買えばもっと色々分かるはずなんですが、こうやって、カタログを見て、読んで、色々と考えたりしてみるのもなかなか楽しいものですよ。
そうそう、カストロムのナイフ、Amazonでも売っていました。
けれども、ちょっとお値段高めかな。
興味のある方は、是非見てみて下さい。
それでは、今日はこの辺で。