がん患者は確かに毎年増加しています。
だから
2人に1人はがんになり、3人に1人はがんで死ぬ。
このフレーズ、あまりに有名になってしまいましたが、
完全なる脅しです。
この数字の根拠になっているのは、
国立がん研究センター「現在年齢別がん罹患リスク」(別表)なんですが、
あくまでも「0歳の男性が80年後にがんと診断される確率」のこと。

表をよ~く見てください。
生涯でがんになるリスクは男性54%女性41%です。
だから「二人に一人はがん」は嘘ではないでしょう。
しかし、
がんになるのはその多くがかなり高齢になってからなんです。
しかも60歳でも男性7%女性10%にとどまり、
70歳で男性19%女性16%、
80歳でもまだ男性37%女性25%です。
どう思いますか?
がんの年齢別の罹患リスクは長年ほとんど変わっていません。
実は、
がんが増えたのは日本人が長生きになったからです。
がんは細胞の老化の結果でもあり、他の病気が減って長生きになり、
日本人の平均寿命が長くなれば、結果的に生涯の疾患や死因で
がんが増えるのは至極当然のことですよね。
ところが、この「2人に1人」の殺し文句のおかげで
がん保険加入者は増え続けています。
社団法人生命保険協会によれば、2008年に1860万人だった契約数は
4年間で2054万件に増えたりしています。
ちょっと待ってください。
40歳の男性が10年後までにがんと診断される確率は2%です。
厚労省の「平成24年簡易生命表」から算出した、
40歳男性の10年後死亡率(1.8%)とほぼ同じなんです。
この2つの確率がほぼ同じということは、40歳の男性が
10年以内にがんになった場合に診断給付金が支払われるがん保険と、
同額の保険金が支払われる一般的な定期保険の保険料は、
同額程度であるべきでしょう。
ところが、がん保険のほうが定期保険の2倍以上に設定される商品が
溢れかえっています。
保険会社によれば、がん保険の保険料が高いのは、
診断技術の進化などの不確実性があるからだといい、加入者にきちんと
説明されているとはとても思えません。
結論を言うと
「がんになると大金がかかる」は大きな間違い。
貯金が100万円ある人は、がん保険に入る必要がありません。
もちろん、病状や治療法で費用は変わりますが、せいぜい100万円あれば、
困ることはありません。
がんと診断されると100万円程度の
診断一時金が払われるがん保険が多いのは、がん治療費や入院費が、
一定額以上の医療費が戻る「高額療養費制度」を使わなくても、
100万円以内で収まると、保険会社は知っているからです。
がんにならなければ1円も元が取れないがん保険。
がん保険の保険料のつもりで、100万円を貯蓄しておけば、
使い道はあなたの自由ですよ。
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