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ほはばが業界の方に続いて一般企業の方々からも学ばせてもらおう!というブログ。
今日のテーマは「100円ショップ向け日用雑貨企画、卸 近畿用品製造 その2」
100円ショップの市場拡大に歩調を合わせ、順調に拡大していた近畿用品製造。
順風満帆に見えましたが、10年ごろ、金融取引で異変が起きます。
主要取引行の一つだったメガバンクが貸付残高を大きく落とすとともに、いくつかの地方銀行も取引を解消し始めました。
業績は好調だったのになぜか。
実はこの頃、一部取引金融機関の中では、当社の決算書に疑義が生じていました。
「決算書が複数あるのではないか」 「簿外の借り入れがあるのではないか」という疑義です。
事業拡大期における取引銀行の剥落は致命的で、一時は支払いに支障を来すほど資金繰りは追い込まれていた様子。
しかし、別のメガバンクからの追加融資や、複数の新規行からの資金調達で難局を乗り切ります。
その後もデフレが続くなか、生活に溶け込んだ100円ショップとともに品目数、取り扱い領域を広げ、13年には本格的に自社でプラスチック成型機を設置し、製造機能を獲得。
売り上げ増加に伴い、大阪府和泉市に物流拠点も開設しました。
22年2月期には年売上高約145億円、経常利益約1億5千万円を計上。
業種の特性上、利益率こそ高くないものの、押しも押されもせぬ有力企業となっていきます。
直近の数年を見ても、メガバンクや地方銀行が積極的に私募債を引き受けるなど金融取引は順調で、格付けは当然「正常先」。
コロナ禍でも支持され続けた100円ショップは大きな痛手を負うことはなく、取引先の間で大きな信用不安情報が出ることもありませんでした。
そんななか、23年9月に突如として大阪地裁へ民事再生法の適用を申請。
「優良企業なのになぜ」 「大創産業との蜜月関係があったのにどうして」という声がある一方で、10年以上前に浮上した決算書の疑義を覚えていた元関係者からは、「やはりか」との声も。
結論から言うと、粉飾決算をしていました。
判明している限り、金融機関用、税務署用、大創産業用の三つの決算書があったようです。
決算は架空の数字で、実態は優良企業とは程遠い、数十億円の債務超過で、手の施しようのないほどに傷んでいました。
次回は、もう少し状況を掘り下げた話です。
ほはば飯塚