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今日のテーマは「「盛岡という星で」 その2」
盛岡市市長公室企画調整課都市戦略室が、2018年から開始している「盛岡という星で」プロジェクト。
盛岡とのつながりをファンクラブという形で見える化したものが「MORIOKA CONNECTION ID」(盛岡コネクションID/略称MCID)です。
MCID保持者にはオリジナルデザインのキーホルダーが送られますが、そこには「さんさ踊り/SANSA」や「わんこそば/WANKOSB」など、選択された盛岡にまつわるキーワードが刻まれます。
そのキーホルダーを見るたびに自分と盛岡のつながりを再認識するという仕掛けで、緩くても構わないから、つながっていてほしいという、盛岡らしい奥ゆかしい願いが見え隠れします。
コロナ禍でのリモートワークをきっかけに地方移住への関心が高まり、ニューヨーク・タイムズの記事効果もあってか、盛岡への移住相談が増えているそう。
市によれば、同紙報道後(2023年1月~10月)の移住相談は前年同期の2倍強に。
おそらくこの移住相談者は「関係人口」に属する人でしょう。
旅行で盛岡を訪れて、親切な対応を受け感激したとか、以前転勤で盛岡に住んでいたとか。
緩い力ながら、盛岡に心をしっかりとつかまれた人たち。
ニューヨーク・タイムズ紙へ盛岡を推薦したライターのクレイグ・モド氏も、もちろん「関係人口」に入り、今や「盛岡」と聞けば反応してしまうはず。
盛岡駅から中心部に向かう際、「開運橋」という橋を渡りますが、転勤族の間で「二度泣き橋」と呼ばれています。
これは赴任時で盛岡に来た人が「ずいぶん遠くに来てしまったな」と岩手山を見ながら橋の上で涙を流す。
しかし、数年後、次の赴任地に移る際には、人の温かさを感じ盛岡を去り難い気持ちがあふれ、橋の上で再び涙を流すというもの。
二度泣いた人ももちろん「関係人口」に入ります。
盛岡で働きたいと思う人が、再び開運橋を渡り盛岡に移住すれば、人口減少もくい止めることができるのかもしれません。
人口減少の課題は、インフラや採用環境、地域経済の問題だけでなく、「どこで働きたいか」という心の問題も。
その意味で「盛岡という星で」は、同じ悩みを抱える地方都市にとってヒントになる活動と言えるでしょう。
ほはば飯塚