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今日のテーマは「静岡県東部の橋物語」
静岡県東部で歴史的価値や知名度の高い「森村橋」と「河津七滝ループ橋」。
「森村橋」は、静岡県駿東郡小山町にあります。
1906年11月に、富士紡績(現=富士紡ホールディングス)の小山工場と小山駅(現=JR御殿場線駿河小山駅)とを結ぶ物資輸送用トロッコの橋として、工場前を流れる鮎沢川に架橋されました。
原料や紡績製品をトロッコ輸送するため、橋の中央に軌道が敷かれ、工場の基幹輸送手段として利用されていました。
1923年の関東大震災時には橋げたと橋脚が水平方向にずれる被害が発生、1945年の米軍による沼津大空襲では、銃撃を受け複数の垂直材に弾痕が残りました。
その後は、1968年にトロッコが廃止されたことで軌道は取り除かれ、トラック車両の通行に対応できるよう鉄板が敷設され、道路橋として利用されていました。
しかし、2003年に上流に「新森村橋」が完成し、森村橋は通行止めとなり役割を終えることに。
なお、近代化遺産としての価値を考慮され、2005年11月には国登録有形文化財となり、2020年に修復事業が完了しています。
「河津七滝ループ橋」は、河川に架かる橋ではありませんが、観光地である河津温泉郷や南伊豆、下田地区を訪問する際には必ず通過し、また旅行雑誌やテレビなどマスコミに取り上げられる機会も多く、比較的知名度が高い橋です。
このループ橋は、静岡県賀茂郡河津町梨本の国道414号に所在する車両用道路の一部で、正式名称は「七滝高架橋」ですが、俗称である「河津七滝ループ橋」の方が浸透しています。
高低差約45メートル、直径約80メートルの二重ループ状の形態。
元は山の斜面を走るつづら折りの道路でしたが、1978年の伊豆大島近海地震により土砂崩れが発生し道路が寸断。
この復旧工事に際して、高低差対策と幹線道路としての機能向上を目的にループ構造が考案されたもので、1981年3月に完成しました。
全国でも珍しい二重ループ構造で、しかも直径はわずか約80メートルしかなく、制限速度の時速40キロで走行しても、かなりの遠心力を感じる設計。
東京のレインボーブリッジの上りループは直径270メートルあり、このことからも河津ループの「狭さ」がわかると思います。
特徴的な橋が見れる静岡県東部。
観光名所の一つとして訪れたいですね。
ほはば飯塚