こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

6月最初の休日の午後となっています

 

6月2日からの各地の大雨により、多くの被害は出ているようです

今回の水害で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます

 

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

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今回は「老化細胞」を話題にしてみたいと思います
 
「老化細胞」は「セネセンス細胞」とも呼ばれるわけですが・・・
 
これは「高齢者」の細胞と考えてよいのですよね・・・という質問をされることが多いです
 
ヒトの「老化」は、必ずしも、細胞の「老化」とイコールではないかもしれない・・・というお話をしてみたいと思います
 
 
まず、ヒトの「老化」は、他の生物にも起こる普遍的な生命現象であり,「年をとるにつれて生理機能がおとろえること」や「時間の経過とともに変化し,特有の性質を失うこと」と定義されていますね
 
記憶力、判断力などや体力、そして・・・免疫機能も低下していく・・・可能性が指摘されていますよね
 
「高齢者」のすべてが、そのような状態になるわけでもないのですが・・・さすがに若い頃よりも的確な判断ができて、読む本の中身を
すべて覚えて、若い頃よりも100m走で高タイムを出せることもないのでは・・・と思います
 
こうした「高齢者」の細胞のひとつひとつを見てみますと・・・・
 
あと何回の分裂が可能なのか?・・・を示す「テロメア」の部分は短くなっているのが分かるかもしれません
 

細胞が分裂するたびに、テロメアは短縮されるため、最終的にはその細胞が分裂できなくなる限界に達します。

 

これは、「ヘイフリック限界」と呼ばれることは、以前のブログ内でもご紹介をしましたよね

 

また「テロメア」が短くなり、これ以上の分裂が不可能となれば「老化した細胞」は、「アポトーシス」という現象を起こし消滅していくことになります

 

「アポトーシス」とは、細胞が構成している組織をより良い状態に保つため、細胞自体に組み込まれたプログラムにより、細胞死が起こることです
 

しかしながら、ここで計算どおりにはならない「老化した細胞」が出てくるわけです

 

何が計算どおりにならないのか?・・・と言いますと・・・分裂をしないで、存在し続けるわけです

もちろん、「アポトーシス」も起こさないですし、細胞周期の回転も

ストップしたままとなります

 

このような細胞を「老化細胞=セネセンス細胞」と呼びます

 

この「セネセンス細胞」は、しばらくしますと・・・さまざまな物質を放出することが知られています

 

この現象を「細胞老化随伴分泌現象(SASP:senescent-associated secretory phenotype)」というのですが・・・

「炎症性サイトカイン」:インターロイキン-1(IL -1),インターロイキン-6(IL-6), インターフェロンーベータ(IFNーβ)や「ケモカイン」

「細胞外マトリックス分解酵素」などを放出するのですね

 

 

(図はお借りしました)

 

やっかいなのは・・・この「細胞老化随伴分泌現象(SASP)」により、慢性炎症が起こり、そのことが「老化」を加速させることです

 

さらには「癌」を引き起こす可能性も指摘されたりもしているのですね

「老化細胞=セネセンス細胞」は、「ゾンビ細胞」などとも言われる

わけです

 

では、この「ゾンビ細胞」とも呼ばれる「老化細胞=セネセンス細胞」は、高齢者のみに存在するのでしょうか?

 

高齢者以外には、無縁(むえん)の話なのでしょうか?

 

その答えは、後日の話題にしたいと思います

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

参考)

1.「老化細胞(ゾンビ細胞)」の謎が分かった

日経BP Beyond Health 記事より

 

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<ブログ後記>6月6日

 

「ゾンビ」という言葉を知らない方はいないと思いますが・・・

何らかの力で死体のまま蘇った人間を指しますよね。

 

その「ゾンビ」が、ヒトに噛みついたりして、噛まれたヒトが「ゾンビ」になってしまうストーリーなどが映画などでは多かった(?)ような気もします。

 

正常な細胞が、その機能を発揮していく中で・・テロメアが短くなり、本来であれば「アポトーシス」という形で壊れる運命にあるわけです。

 

たまたま、残ってしまった細胞が「老化細胞(セネセンス細胞)」であるわけですから・・・「ゾンビ」扱いするのも失礼な話だとは思ったりもします。

 

しかしながら、「老化細胞(セネセンス細胞)」が「ゾンビ細胞」と呼ばれるだけの問題点は、いくつもあるわけです。

 

例えば・・・「老化細胞(セネセンス細胞)」は、さまざまなサイトカイン、ケモカイン、細胞質の酵素などを放出する傾向があります。

 

これらの放出される物質は、「セネセンス関連分泌表現型 (SASP)」と呼ばれていることは、本文内でもご紹介したとおりです。

 

「SASP」は、ヒトの身体に「炎症反応」を誘導し、「組織の破壊」を加速するとされています。

 

このことが、老化スピードをさらに増加させるのではないか?・・・とも考えられているのですね。

 

もちろん、「老化した細胞」のすべてが、「老化細胞(セネセンス細胞)」になるわけではありません。

 

ほとんどの「老化した細胞」は、分裂できなくなるまで、テロメアが短くなりますと・・・「アポトーシス」という現象が起こり、破壊されることになります。

その一部が「老化細胞(セネセンス細胞)」となります。

 

 

しかしながら、「老化細胞(セネセンス細胞)」は、高齢者の細胞とは限らない・・・ということにも注意が必要です。

 

どういうことなのか?

 

例えば、年齢を問わず、ヒトの細胞の中にも「老化細胞」は存在する・・・と言ったら、皆さまは驚くかもしれませんね。

 

「老化細胞(セネセンス細胞)」は・・・

 

DNAなどの損傷を受けた細胞が、自己修復できない状況に達したときに老若男女を問わず、発生する可能性があるのですね。

 

以前のブログ内でもご紹介したと思うのですが・・・

 

ある細胞のDNAが大きなダメージを受けたときに、細胞分裂を停止して、修復しようとします。

 

ヒトだけでなく、ヒトを含む高等動物が進化の過程で獲得した「安全装置」であると考えられています。

 

どのような目的の「安全装置」かというと・・・自分の体の細胞を

「がん化」させないためのものということになります。

 

通常、古い細胞が分裂を停止して新しい細胞に置き換わるときには、自ら死んで壊れる「アポトーシス」を起こすか、免疫細胞に食べられて体内から消える運命となります。

 

DNAなどの損傷を受けた細胞も同様に、自己修復できない状況に達したとき、「アポトーシス」で壊れる運命をたどります。

 

このDNAなどの損傷を受けても、分裂を停止したまま、なぜか死なずに、臓器や組織の中に残ってたまっていく「細胞」があると考えられているのですね。

 

テロメアが短くなり、これ以上は分裂できず停止したままの「老化した細胞」も同じ原理で臓器や組織に残っていくのですが・・・

 

これらをあわせて、「老化細胞(セネセンス細胞)」ということになります。

 

もちろん・・・ヒトの免疫システムは「老化細胞(セネセンス細胞)」を排除しようとする免疫システムを持っています。

 

具体的には・・・「NK(ナチュラル・キラー)細胞」が「老化細胞(セネセンス細胞)を破壊することができるとされています。

 

これらの機序により、「老化細胞」の蓄積していくことが防止されているわけですね。

 

しかし、これらの「免疫システム」がうまく機能しないと

「老化細胞(セネセンス細胞)」が除去されずに体内に蓄積します・

 

その結果、老化と関連するさまざまな疾患、特に免疫系が関与する疾患(癌や心血管疾患など)を発症するのではないか?・・・とも考えられているのですね。

 

では、話を少し戻しまして・・・細胞のDNAに損傷を与えるものは、どのようなものでしょうか?

 

そうですね・・・ミトコンドリアで多く産生される「活性酸素種」や

「紫外線」やさまざまな「ストレス」がありましたよね

 

「老化細胞(セネセンス細胞)」を増やさないということが、いつまでも「若さ」を保つ重要な方法のひとつであると言えそうですよね。

 

 

今回も最後までお読みいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 
(以前のphoto :筆者撮影)           

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小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

5月最後の休日の午後となっています

日中は、かろうじて日射しもありました

 

台風2号が沖縄近海に迫っているそうで

今週は雨模様の日が多くなるのかもしれませんね

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

今回の話題は・・・「キノコ」に含まれる成分が「免疫力」を高める

というお話をしてみたいと思います

 

 

 

「キノコ」は、世界の様々な地域で行われている伝統的な医薬品によって、長年にわたり「健康維持」のために使われてきたと言われています
 
漢方薬でも「キノコ」といえば「茯苓(ぶくりょう)」と「猪苓(ちょれい)」などがあります
 
エキス製剤の中にも、更年期障害に用いる「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」や頻尿、残尿感などの排尿異常に用いる「猪苓湯(ちょれいとう)」などがあります
 
利尿作用や発汗を促したり、代謝機能を改善する作用があるとされています
 
では・・・「免疫システム」には、どのような影響を与えるのでしょうか?
 
実は、きのこ抽出物の免疫系に対する正確な効果は完全には理解されていなかった・・・と言ってもよいかもしれません
 
もちろん、多くの可能性は多く示されていました
 
「キノコ」に含まれる「β(ベーター)-グルカン」は食物繊維のひとつで、シイタケやマイタケなどのきのこに多く含まれています
 
この「β-グルカン」には、体内の感染細胞やがん細胞を攻撃する「マクロファージ」や「ナチュラルキラー(NK)細胞」, 「キラーT細胞
(細胞障害性T細胞」などの免疫細胞を活性化させる可能性があると指摘されてきたのですね
 
しかしながら、キノコが「β-グルカン」を含む量は、わずか10〜15%程度と言われており、免疫細胞を活性化するためには、大量の「キノコ」を摂取しないといけない・・・ということも指摘されてきたわけです
 
このような問題を解決した「サプリ」が・・・「AHCC」ということになります
 

「AHCC」とは、シイタケの菌糸の培養液から抽出されたもので、

部分アシル化 α(アルファ) -1,4グルカンと呼ばれる特殊な構造を含む「α(アルファ)-グルカン」が含まれているのですね
 
残念ながら、「β-グルカン」はほとんど含まれていないのですが・・・「AHCC」には、科学的な検証が多くされています
 
 
その一部をご紹介してみたいと思います
 
「AHCC」は、自然免疫の「NK細胞」にどのような影響を与えるのでしょうか?

 

自然免疫とは、生まれつき持っている免疫システムですね

 

「NK細胞」の機能低下や数の減少は、ヒトの感染症や癌の発症リスク上昇と関連しているという報告がありますので、重要ですよね

 

◯「AHCC」をヒトに推奨される1-3g/日(体重60kg)を服用した場合には、NK細胞の割合と活性が増加した

 

マウスを用いた実験では・・・「NK細胞」がサイトカインを分泌し、細胞傷害性分子を発現することによって、「インフル エンザウイルス」感染を制御する役割を持つことが示されている

 

 

「AHCC」は、獲得免疫の「T細胞」にどのような影響を与えるのでしょうか?

 

獲得免疫とは、生まれ時にはなくて、生活していく中で形成された免疫システムということになります

 

「T細胞」には、2種類あります

 

「CD4+ T細胞」は、サイトカインを分泌し、コスティミュレーション(co-stimukation)分子を発現すること により、B細胞やマクロファージなどの他の免疫細胞の機能を促進する能力を持つ「ヘルパーT 細胞」と呼ばれるものです

 

もう、ひとつの「CD8+ T細胞」は、細胞傷害性分子であるパーフォリンやグランザイムで武装 した「細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)」であり、感染細胞や腫瘍細胞を破壊することができます

 

 

これらの細胞に「AHCC」が、どのような影響を与えるのか?

 

「CD4+T細胞=ヘルパーT細胞」を増加させる

 

「CD8+ T細胞=細胞障害性T細胞」を増加させる

 

「CD4+T細胞」と「CD8+ T細胞」の活性化を促進する

 

血液中に循環する「樹状細胞(DC) 」数の増加させる

 

抗体価の上昇 により、インフルエンザB株の後遺症を改善させる

 

「CD4+T細胞=ヘルパーT細胞」割合が増加し 「5-FU 」の腫瘍への影響を増強する

 

「5-FU 」は、抗悪性腫瘍剤のひとつとなります

 

 

「AHCC」が各種の免疫細胞に与える効果を示していると考えられる検証結果を挙げると、キリがないわけですが・・・

 

ウイルス感染細胞や癌細胞を破壊する「NK細胞」の数を増加させ、その活性を増加させることは、重要ですよね

 

また、「CD4+T細胞=ヘルパーT細胞」や「CD8+ T細胞=細胞障害性T細胞」の数を増加させ、それらの活性を増加させることも「免疫力」を高めるのには、とても重要なことであると思います

 

 

いわば、免疫細胞を総動員し、これらの活性化を促す作用は注目する必要がありますよね

 

なぜなら、これだけの「免疫細胞」に作用し、それらの活性を増加させる「薬剤」はないから・・・ですね

 

個人的には・・・抗体価の上昇 により、インフルエンザB株の後遺症を改善させるという結果は、新型コロナ感染の後遺症の治療に応用できる可能性があるかも・・・と考えてしまいます

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>5月31日

 

部屋の窓を大きく開けているのですが、風の流れを感じない静かな夜となっています。

 

日中の海風から、夜間の陸風へ切り替わるときの無風状態を「夕凪(ゆうなぎ)」と言いますが、その状態なのかな〜などと考えながら

窓の外を眺めておりました。

 

今回は「キノコ」の持つ免疫細胞の増殖・活性化などの作用をお話をさせていただきました。

 

本文内でご紹介をした「AHCC」は、キノコの中でも担子菌類に属するシイタケの菌⽷体を⻑期間液体培養することで作られるものなのですね。

 

宿主防御に重要な役割を果たすナチュラルキラー(NK)や細胞障害性T細胞(CTL)などの免疫細胞の数や機能を 調節することが報告されていることは、本文内でもご紹介したとおりです。

 

本文内では、AHCCについてお話をしたのですが、同じキノコ類で「雪国まいたけ」にも同様の効果があることが、神戸薬科大学 微生物化学研究室 教授の小西守周先生らによって、報告されています。

 

       (雪国まいたけ;写真をお借りしました)

 

         (図はお借りしました)

 

「まいたけ」に含まれる多糖体が、単球系骨髄由来抑制細胞 (M-MDSC) を正常な機能を持つ「免疫活性型M1マクロファージ」に変換することで、癌組織全体で生じている免疫抑制状態を解除し、免疫細胞の活性化が起こり、癌の成長を抑制することが示されたというのですね

 

少し解説を加えますと・・・

 

胃がん、大腸がんなどの標準的な化学療法においても、ある種の腫瘍免疫反応が誘導されることが癌の縮小効果や予後に相関していることが明らかになっているのですね

 

例えば、大腸がん患者さんの末梢血中や、がん組織中の免疫細胞が認められるわけですね。

 

抗がん剤の効果や予後と、集積している免疫細胞の内容を詳細に検討してみますと・・・唯一、ある細胞が集積をしていると、抗がん剤の効果や予後が悪くなったそうです。

 

唯一のある細胞とは・・・「骨髄由来免疫抑制細胞(myeloid-derived suppressor cells: MDSC)」というものであったと既に報告されています。

 

癌の組織内に、そして、血液中の「骨髄由来免疫抑制細胞(myeloid-derived suppressor cells: MDSC)」が増加すると・・・

 

癌を異物として認識して、それを破壊しようとする「NK細胞」や「細胞障害性T細胞(CTL)」も機能を抑制してしまうというわけですね

 

骨髄由来免疫抑制細胞(myeloid-derived suppressor cells: MDSC)」は、がん細胞により誘導される代表的な免疫抑制細胞であり、

上に示したようなメカニズムで、がんの成長と悪性化を誘導することが知られているのですね。

 

「雪国まいたけ」の多糖類は、がん組織に集積する

「単球系骨髄由来抑制細胞 (M-MDSC) 」を「免疫活性型M1マクロファージ」に変換することで、癌組織全体で生じている免疫抑制状態を解除するというわけですね

 

以前から・・・「雪国まいたけ」の多糖は、がん免疫活性化、抗がん作用を有することを報告されてきたそうですが、神戸薬科大学 微生物化学研究室 教授の小西守周先生ら成果により、そのメカニズムの一端を明らかになったそうです。

 

この成果は、国際科学雑誌『Life Sciences』への掲載されたそうです(JA.comより)。

 

「AHCC」は、主に「α(アルファ)-グルカン」を含み、「雪国まいたけ」は主に「β(ベータ)-グルカン」を含むとされるのですが、どちらも「キノコ」類であることから、なかなかの侮れ(あなどれ)ないものになりそうですね、

 

 

今回も最後までお読みいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

(参考)

1.がん研究振興財団資料

2.JA.com内記事より

 

   (日比谷公園の花と東京ミッドタウン日比谷  :筆者撮影)           

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

よく晴れた休日となりましたね

今朝は、雀(すずめ)の鳴く声で目が覚めました

 

日中の紫外線は、とても強くなっているでしょうから、気をつける必要がありますよね

 

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

 
今回は・・・「DNAの守護神(しゅごしん)」とも言われる・・・「p53遺伝子」についてのお話をしてみたいと思います

 

 

私が「守護神」という言葉で思い浮かべるのは・・・

 

         (写真はお借りしました)

 

2008年に現役を引退していますが・・・当時世界最高のゴールキーパーと呼ばれていた「オリバー・カーン」氏です

 

ご存知ない方も多くいらっしゃると思いますが・・・野性味のあるプレーと風貌でドイツ代表として活躍した有名選手となります

 

数々の名言も残しています

 

例えば・・・

 

「誤審?そんなの関係ない

     俺が全部止めればよいんだ」  とか 

 

「限界があるのはわかっている

    そんなことは問題ではない

     限界が来るまでどれだけ完全燃焼できるかが重要なんだ」

 

などという言葉がありますね

 

 

さて、今回の話題にする「p53遺伝子」は、まさにヒトのDNA全体を最後まで守り抜こうとする遺伝子なのですね

 

「p53遺伝子」を正確な名称は・・・「TP53」となるのですが、17番染色体の(17p13.1)という位置に存在することが知られています

 

「TP53」というの遺伝子から作られるタンパクが「p53 」ということになりますね(以後は、p53遺伝子としたいと思います)

 

実は、ヒトの癌において最も高頻度に「変異」が認められる遺伝子のひとつであると言われています

 

「変異」とは、DNAを構成する塩基の配列が変化してしまったりすることでしたよね

 

各種の癌疾患で「T「p53遺伝子」の変異が、どの程度生じているのかをみてみますと、以下のようになります

 

1)肺がん: p53遺伝子の変異は、非小細胞肺がん(NSCLC)において約50-70%、小細胞肺がん(SCLC)においても高頻度で見られます

 

2)大腸がん: p53遺伝子の変異は、大腸がんの一部で頻繁に起こります。変異頻度は様々であり、約30-60%と報告されています

 

3)膵臓がん: 膵臓がんはp53遺伝子の変異が多いがんの1つであり、変異頻度は約50%以上とされています

 


なぜ、このように各種の癌において、「p53遺伝子」の変異を認める割合が多いのでしょうか?

 

その理由は・・・「p53遺伝子」が「癌抑制遺伝子」と呼ばれるものになるからなのですね

 

 

「p53遺伝子」の変異が生じますと・・・「p53タンパク質」は正常に機能せず、癌細胞が異常な成長や転移を始める可能性が高くなります

 

ただし、「p53遺伝子」の変異があるからといって、必ずしも癌を発症するわけではありません

 

えっ、どういうこと?・・・と思いますよね

 

その理由は、「p53タンパク」は、「転写因子(てんしゃいんし)」と呼ばれるものであり、

 

受けたストレスの強さに応じて、様々な遺伝子を発現させるからということになります

 

「転写因子」について、少し解説をしておきますと・・・

 

「転写因子」とは、DNAに特異的に結合するタンパク質の一群で、その働きを簡単に言いますと・・・

 

ある遺伝子がある「プロモーター領域」という部分にくっつくことによって、他の遺伝子を活性化し、mRNAを作り出すのを助けるという機能があるのですね

 

では、「p53遺伝子」から作られた「p53 タンパク」という転写因子は、どのような遺伝子を活性化するのでしょうか?

 

 

上の図に示すように「p53タンパク」は、「p21遺伝子」を活性化させて、「p21タンパク」を作り出します

 

 

 

 

「p21タンパク」の働きは、とても重要です

 

DNAが何らかの異常が生じた場合には、「p53タンパク」が作られ、

そのことが「p21タンパク」を作り出します

 

上の図の円で示される部分は「細胞周期」というものを示しています

 

細胞周期(Cell Cycle)とは、細胞が増えるとき、細胞分裂の過程を示すものでして、細胞は「G1期」→「S期」→「G2期」→「M期」という過程を経て増殖していくのですね

 

話を「p21」に戻しますと・・・「p21」は「細胞周期」に「一旦、

ストップせよ」と指示を出せるわけです

 

細胞周期を止めて過剰な増殖を防いだり、あまりに強いストレスの場合には「アポトーシス」により細胞を死滅させるように指令し、癌化するリスクをもとから断つように働きかけることができるというわけですね

 

「p53 タンパク」については、細胞周期の回転を止めるだけでなく、

他の重要な働きがあることも知られているのですね

 

下の図は「p53遺伝子」がどのような機能を持つのか・・・のかを示したものです

 

 

         (図の一部はお借りしました)】

 

先に紹介した「細胞周期の停止」以外にも、「DNAの修復」,「老化」、そして「異常細胞のアポトーシス」などと多彩な機能を持っていることが知られています

 

では、この重要な「p53遺伝子」に異常があると・・・

どのような不都合が生じてくる可能性があるのでしょうか?

 

少しマニアックな話に思えるかもしれませんが・・・

続きのお話は、後日の話題にしたいと思います

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>5月24日

 

今回は「遺伝子」に関連する話題とさせていただきました。

 

「p53遺伝子(TP53遺伝子)」は、「がん抑制遺伝子」として知られておりますので、ご存知の方も多いと思います。

 

転写因子である「p53 タンパク」は、癌を抑制するだけでなく、

さまざまな形のDNA損傷を感知し、その損傷に対する修復応答を調節する重要な役割を果たしていることが知られています。

 

「転写因子」とは、遺伝子の発現を制御するタンパク質の総称となります。

 

ヒトでは、約2000種類の「転写因子」が存在していると言われています。

 

多くの場合、いくつかの「転写因子」は複合体タンパク質を形成したりもするのですが・・・

ゲノムDNA上の特定の配列を認識し、そこに直接結合することで、近傍の遺伝子のmRNAの発現を開始・停止したり、その量を増加や減少させたりします。

 

「p53タンパク」も転写因子のひとつであり、「p21 mRNA 」→「p21 タンパク」の発現を促す作用があることは、本文内でご紹介したとおりです。

 

このような「p53 」-「p21」の連携した動きは、

「p53 - p21 pathway(経路)」と呼ばれています。

 

「p21タンパク」は、細胞周期の制御因子となっており、その発現が増加すると、細胞周期が一時的に停止します。

 

「p21タンパク」のように・・・細胞周期が回り続けないようにブレーキをかける作用もあるタ ンパク群を「Cdk インヒビター」と呼びます。

 

 

本文内で示したブレーキ部分を見ていただくと・・・「サイクリン;CycD,CycE, CycA,CyCA」と「cdcキナーゼ:Cdk4/6, Cdk2, Cdc1,Cdk1)という2種類 のタンパクの複合体が、存在するのがお分かりになると思います・

 

実は、この2種類のタンパクの複合体は、細胞周期を回転させるモーターの役割を担って(になって)いることが知られています。

 

もし、正常な「p53遺伝子」が障害されて、正常な「p53タンパク」が作られないとすると・・・どうなるのでしょうか?

 

 

上の図を見ていただくと、一目瞭然(いちもくりょうぜん)なのですが、正常な「p53タンパク」が作ることができなければ・・・

 

当然ですが・・・「p 21」遺伝子を活性化できませんので、「p21タンパク」は作られません。

 

「p21タンパク」が作られないとすると・・・細胞周期を回すモーターである「サイクリン」と「cdcキナーゼ」の複合体をストップすることは、できないということになりますね。

 

細胞周期の回転は止まることなく、周り続けることになりますよね。

 

 

癌細胞の場合は、M期に1個の細胞が分裂して2個になり、次のM期には4個になり、2回目のM期には8個というように増えていきます

 

その時に一定の確率で、DNAの複製の際にコピーミスを起こしていく可能性もあります。コピーエラーの蓄積が、癌の性質を変化させていくこともあるかもしれませんよね。

 

 

修復が不可能な場合は・・・「p53タンパク」は、損傷細胞をアポトーシスに導くことで、損傷したDNAが次世代の細胞に伝播するのを防いでいるというわけです。

 

「p21タンパク」が「サイクリン」と「cdcキナーゼ」の複合体に作用して、細胞周期の回転をストップさせる時間は、とても重要です。

 

なぜなら、細胞周期の回転を止めなければ、DNAのコピーミスを修復したり、どうしても修復できない細胞をアポトーシスという形の細胞死を起こさせることができなくなるからですね。

 

このように重要な働きを持つ「p53遺伝子」は、まさにDNAを守り抜く「DNAの守護神」と言えるわけですね。

 

しかしながら、この「p53遺伝子」も「紫外線」や「活性酸素」などのDNAを障害する物質により、いとも簡単に破壊されることもあるわけですので・・・

 

やはり、「紫外線」や「活性酸素」は侮れない(あなどれない)

〜なんて、思ったりします。

 

今回も最後までお読みいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

        (以前のphoto:小笠原伯爵邸:筆者撮影)  

            

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

雨模様の休日と思っていましたが、午後からは少し晴れ間もあるお天気となりました

 

暦での七十二候では、「蚯蚓出(みみずいづる)」となっていますね

 

蚯蚓出(みみずいづる)の「みみず」は、あの「ミミズ」です

 

 

ミミズが土を耕すことはかなり古くから知られていたようです

 

生物学に精通していたと言われる、古代ギリシャのアリストテレスはミミズを「大地の腸」と名づけていたそうです

 

英語名はearthworm・・・「地球の虫」となりますね

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

今回は、JTKクリニックで実施している「遅延型食物アレルギー」

の検査についてのお話をしてみたいと思います

 

まず、「食物アレルギー」とは、どのようなものでしょうか?

 

ある食材を摂取(せっしゅ)した時に・・・何らかのアレルギーが生じるものが「食物アレルギー」と呼ばれるものですね

 

この「食物アレルギー」には・・・

 

「即時型(そくじがた)」「遅延型(ちえんがた)」の2種類のアレルギーがあるのですね

 
 

「即時型」のアレルギーは、ご存知の方も多いかと思います

 

アレルギーの原因(アレルゲン)を摂取してから、2時間以内にアレルギー反応(症状)を認めるとされています


アレルギー反応(症状)としては、蕁麻疹やかゆみといった皮膚症状、下痢・嘔吐といった消化器症状、喘鳴(呼吸がゼイゼイすること)といった症状などが生じることが多いとされています

 

 

では、「遅延型」のアレルギー反応とは、どのようなものなのでしょうか?

 

アレルギーの原因(アレルゲン)を摂取してから、数時間〜数日後に

アレルギー症状が出現することがあるのですね

 

このようなタイプを「遅延型」アレルギーといいます

 

          (図はお借りしました)

 

上の図にも示していますが・・・

 

「遅延型」アレルギーによる症状は多岐にわたります

 

即時型アレルギーの代表的な症状はもちろんのこと、メンタル面、過敏性腸症候群や倦怠感、体調不良といった症状も含まれ、さまざまな体調不良を引き起こすとされています

 

 

以下の図は、JTKクリニックの説明資料からのものです

 

 

 

もし、健康維持のために、きちんとした食生活を心がけているとしても・・・

摂取している食材のひとつが、上の図のような症状を引き起こすとしたら・・・それは、逆に体調を悪化させているかもしれないということになってしまいますよね

 

 

では、遅延型食物アレルギーの検査の結果は、どのように示されるのでしょうか?

 

 

         (図はお借りしました)

 

219項目の食品についての「遅延型アレルギー」の有無を示しています(図は一部のみ)

 

ハーブやスパイス類も豊富に含まれているのが特徴となりますね

 

0〜6の段階で「遅延型アレルギー」の程度が示された報告書が返ってきます

 

それをもとにJTKクリニック オリジナルの「レポート」を作成するといった流れになりますね

 

 

長期にわたり、身体の不調があった方が、この検査を受けて、不調の原因となる食材が判明したという例もあります

 

ときに大好物の食材であったりするのですが・・・ね

 

 

どうしても体調が良くなくて、いろいろな医療機関を受診しても・・・「問題はない」と言われてしまう方には、1度は受けていただきたい検査となります

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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< ブログ後記  >5月17日

 

昨日は、よく晴れた青空の広がる気持ちのよい日となりましたね。

 

今回は、「遅延型食物アレルギー」についてのお話をさせていただきました。遅延型フードアレルギーと呼ばれることもありますね。

 

「遅延型アレルギー」は、体が特定の物質に反応する免疫応答の一種で、その反応が直ちに現れるのではなく、接触後数時間から数日後に現れる特徴があります。

 

その反応は、食物だけに出現するわけではなく、薬剤アレルギー、金属アレルギーなども同じ「遅延型アレルギー」となっています。

 

金属による「遅延型アレルギー」の有無は、「パッチテスト」という検査もあるのですが・・・

この検査は疑わしいアレルゲン(金属)を皮膚に貼り付けて反応を観察するテストとなります。

 

それでは、「即時型アレルギー」と「遅延型アレルギー」の違いは、どのようなところにあるのでしょうか?

 

アレルギーはその反応によってⅠ(1)からⅣ(4)型に分類されます。

下の図は、「即時型アレルギー」の起こる機序を示しています。

(I型アレルギーに分類されます)

 

 

          (図はお借りしました)

 

IgEは、通常は血液中を存在しています。ところが、鼻や腸の粘膜でアレルゲン(花粉や卵黄など)に出会うと(?)、それぞれに対応したIgEが手を開くようにして結合します(1)。 一方、粘膜には肥満細胞や好塩基球とよばれる細胞がいて、アレルゲンと結合したIgEをがっちりと捕まえます(2)。 

 

それらの細胞の内側には、ヒスタミン、ロイコトリエンなどが存在しており、アレルゲンと結合したIgEを捉えると、このヒスタミンやロイコトリエンなどが粘膜に放出されるという流れになりますね。

 

非常に明快なシステムがあることが分かりますよね。

 

これに対して「遅延型アレルギー」は、IV型アレルギーと呼ばれるものになります。

 

IV型アレルギーの代表的な疾患は、以下のようなものになります。

 

接触性皮膚炎、アレルギー性脳炎、アトピー性皮膚炎、過敏性肺炎、移植拒絶反応、薬剤アレルギー、金属アレルギーなどとなります。

 

このIV型アレルギーは、どのような発症システムが存在するのでしょうか?

 

ここには、感作されたT細胞(リンパ球)が原因とされています。

感作された・・・とは、特定の抗原に

何度か接することにより、免疫反応が強化されている・・・という意味になりますね。

 

このT細胞の詳細をみますと・・「CD4陽性 T細胞」と「CD8陽性 T細胞」となります。

 

「CD8陽性T細胞」はウイルス感染細胞やがん細胞を殺傷する「CD8陽性キラーT細胞=細胞障害性T細胞」に分化し、CD4陽性T細胞はさまざまな免疫応答を助ける「CD4陽性ヘルパーT細胞=ヘルパーT細胞」に分化するとされています。

 

ここで、もう、ウンザリだ〜と思われるかたも多いと思いますね。

 

なぜ、このような話をするかと言いますと・・・次のような理由となります。

 

話をずっと最初に戻しますと・・「遅延型食物アレルギー」検査とは、いったい、何を測定しているのでしょうか?

 

この検査でそれぞれの食品に対するIgG抗体(またはIgA抗体)の反応を調べることができるのですね

 

その証拠に「遅延型食物アレルギー」検査の正式名称は「IgG食物過敏フルパネル」といいます。

 

さて、ここで大問題が出てきます。

 

「遅延型食物アレルギー」検査について語るときに避けては通れない難題となります。

 

「血中食物抗原特異的IgG抗体検査に関する注意喚起」として・・・

 

米国や欧州のアレルギー学会および日本小児アレルギー学会では、食物アレルギーにおけるIgG抗体の診断的有用性を公式に否定している事実です。

 

理由は・・食物抗原特異的IgG抗体は、食物アレルギーのない健常な人にも存在する抗体である。また、血清中のIgG抗体のレベルは単に食物の摂取量に比例しているだけである・・・というのですね。

 

で・・・ここで、思考停止をせずに・・・食物に対する遅延型アレルギーは、IV型アレルギーでした。

 

その何が問題であったかというと・・・「CD4陽性 T細胞」と「CD8陽性 T細胞」となります。

 

これらは、「CD8陽性キラーT細胞=細胞障害性T細胞」であり、また「CD4陽性ヘルパーT細胞=ヘルパーT細胞」であったわけですね。

 

T細胞からは、IgG抗体は産生されません。B細胞からとなりますね。

 

では、「遅延型食物アレルギー」検査でIgGが上昇しているのは、なぜか?・・・と考えてみますと、次のようになります。

 

ある食材にIV型アレルギーが生じたとします。

当然、腸管などに「CD8陽性キラーT細胞=細胞障害性T細胞」と「CD4陽性ヘルパーT細胞=ヘルパーT細胞」が集簇(しゅうぞく)

してきますね。

 

「細胞障害性T細胞」は、組織を障害するかもしれません。

 

「ヘルパーT細胞」は、何をしますか?・・・ということになります。

 

「ヘルパーT細胞」は、抗原の刺激を受けると活性化してさまざまなサイトカインを放出し、これが「B細胞」の増殖や分化を補助するとされています。

 

休止期の「B細胞」が増殖可能な状態に移行するには、「ヘルパーT細胞」が放出する「インターロイキン(IL)-4」が必要なのですね。

 

この休止期の「B細胞」を「メモリー細胞」というのですが・・・増殖、活性化しますと・・・「IgG」などを産生するというわけですね。

 

まとめますと・・・ある食物に対する遅延型アレルギー(IV型アレルギーが生じた場合→「CD8陽性キラーT細胞=細胞障害性T細胞」と「CD4陽性ヘルパーT細胞=ヘルパーT細胞」が、活性化する

 

→「ヘルパーT細胞」が活性化すると休止期の「B細胞」が増殖、活性化する→ IgGの値が結果的に上昇する

 

・・・というストーリーも完全に否定できないできないのではないかなあ〜なんて、思うわけですね。

 

とても長くなってしまいましたね。

 

今回も最後までお読みいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

      (スタッフ Iさんのご家族が撮影したphoto.)

 

                        ハート  Iさん、末永くお幸せに!

 

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 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

新潟大医学部卒

 

       <JTKクリニック・アンチエイジング治療>

 

 

 

 

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

5月最初の休日となっていますね

連休最後の日となる方も多いことと

 

暦の七十二候をみますと・・・昨日の6日からは「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」となっています

 

蛙(かわず)は、カエルのことですよね

インドでは、カエルは「雨の神様」とされていると聞いたこともあるのですが・・・これは、本当なのでしょうかね

 

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

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前回のブログでは「幹細胞」の「エクソソーム」のお話をさせていただきましたね
 
今回は「N M N(ニコチンアミド・モノ・ヌクレオチド)」に関連するお話をしてみたいと思います
 
「N M N」と言いますと・・・「長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)」を活性化することや「ミトコンドリア」を活性化することで、健康寿命を伸ばすことが可能である・・・というお話は、以前のブログ内でもさせていただきました
 
難点は・・・「マウス(ネズミ)」の実験での話だよね・・・ということが、ネックであったわけです
 
ヒトでは、違う結果になるんじゃないの〜と懐疑的(かいぎてき)内見が出ていたわけですね
 
確かに・・・マウスなどを用いた動物実験において、「N M N」の補給は、「NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」の濃度を高め、健康寿命と健康状態を改善するわけです
 
今回は、ヒトで「N M N」を投与すると・・・どうなるのか?という
論文をご紹介してみたいと思います

 

内容は、以下のとおりです

 

この臨床試験は、インドにある2つのクリニックセンター(Lotus Healthcare and Aesthetics ClinicとSunad Ayurved)で行われたものです

 

参加したのは、40~65歳の男女の健康なボランティアで、体格指数(BMI)が18.5~35kg/m2 である80名となります

 

治験薬は、食品グレードのNMN粉末を用い、カプセル状のものにされ、プラセボも同様の形態で作られたそうです

 

参加者らは、1日に2カプセル【300mg NMN(n=20名)】または【300mgプラセボ(7名)】、4カプセル【600mg NMN(n=20名)】または、【600mgプラセボ(7名)】または、6カプセル【900mg NMN(n=20名)】または、【900mgプラセボ(6名)】の各群に分けられ、1日1回の60日間の服用を指示されたそうです

 

どのようなことが、比較検討されたのでしょうか?

 

1)ひとつ目は・・・「N M N」の投与量をupしていくと、血液中の「NAD濃度」は、用量依存的に増加するのか? ということです。

 

結果は、次のようなものでした。

 

血中の「NAD濃度」は、30日目および60日目の両時点で、3つのNMN投与群すべてにおいてベースラインより統計的に有意に増加した(すべてp≦0.001)のに対し、プラセボ群では同時期に有意な変化を認めなかった。

 

300mgのNMN群と比較して、600mgのNMN群は、30日、60日ともに統計的に有意にNAD濃度が高かった(それぞれp<0.05、0.01)

 

600mg群と900mg群の間には、統計的な差は見られなかった

 

2)2つ目は、NMN補給の安全性等を評価すること

つまり、副作用などがないか?・・・ということですね

 

結果は、全参加者の臨床検査値には異常は観察されなかった

 

 

3)身体能力を評価するために行う「6分間歩行試験」の結果は、「N M N」の投与により、改善するか?

 

結果は、次のようなものでした

 

600mgおよび900mgの「N M N」治療群の参加者は、ベースラインと比較して30日および60日の両方で有意に長い距離を歩いた(すべてp<0.05)

 

300mg 「N M N」群は、60日目になり長い距離を歩ける傾向を示した(p=0.079)

 

「プラセボ」群では、ベースラインと比較して歩行能力に有意な変化は見られなかった(いずれもp>0.05)

 

「プラセボ」と比較して、6分間歩行試験の歩行距離は、30日目、60日目ともにNMN投与3群すべてで有意に長くなった(いずれもp<0.01)

 

この「6分間歩行試験」とは、聞き慣れない言葉かもしれませんね

 

「6分間歩行試験」は、1985年にGuyattらによって慢性心不全患者の運動耐容能の評価法として最初に提唱された運動負荷試験であり、2002年にはATS(アメリカ胸部医学会)からガイドラインが発表され、方法の統一が提案された方法なのですね

 

通常は、30mの平坦な直線コースを、6分間でできるだけ速く、長い距離を往復歩行してもらい、その歩行距離から運動耐容能を評価する方法です。加えて、歩行の前後で血圧や脈拍、SpO2 (経皮的酸素飽和度、呼吸数、Borg scale(自覚的運動強度;息切れ・疲労感)などを測定し評価する方法なのですね

 

いわば、持久力とエネルギーレベルを測定するために実施されるわけですが・・・今回の

「N M N」の治験内で、実施された「6分間歩行テスト」では、参加者は、歩行場を模倣できる「トレッドミル」上を歩くよう求められたそうです

 

まとめますと・・・

 

「N M N」の投与群では、血中の「NAD濃度」は、30日目および60日目の両時点で、3つのNMN投与群すべてにおいてベースラインより統計的に有意に増加した

 

300mgの「N M N」群と比較して、600mgの「N M N」群は、30日、60日ともに統計的に有意に「NAD濃度」が高かった

 

しかしながら、600mgの「N M N」群と900mgの「N M N」群の間には、統計的な差は認められなかった

 

「N M N」投与により、副作用を生じなかった」

 

さらに・・・身体能力を評価するために行う「6分間歩行試験」の結果については、次のようなものでした

 

600mgおよび900mgの「N M N」治療群の参加者は、ベースラインと比較して、0日および60日の両方で有意に長い距離を歩いた(すべてp<0.05)

 

300mg 「N M N」群は、60日目になり長い距離を歩ける傾向を示した(p=0.079)

30日では、「プラセボ」群と同様に歩行能力に有意な変化は認められなかったということになりますね

 

論文内の図表もお示しできればよかったのですが・・・ね

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

(参考)

1.GeroScience. 2023 Feb; 45(1): 29-4

The efficacy and safety β-nicotinamide mononucleotid (N N N) supplementation in healthy middle-aged adults: a randomized, multicenter, double-blind, placebo-controlled, parallel-group,dose-dependent clinical trial

Lin Yiら

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<ブログ後記>5月7日

 

今回は「N M N」が、ヒトに対して一定の有効性を示したと考えられる論文をご紹介させていただきました。

 

もちろん、ヒトに対しての「N M N」の投与した治験というものは、これまでにもあることは事実です。

 

しかしながら、これらの研究のほとんどは、250~300mg/日の固定用量を使用した試験であったり、男性のみの試験、または、女性のみの試験であったりと試験に参加する方の偏りがあったと考えられていたのですね。

 

もちろん、今回の試験のみで「N M N」が、万能薬であるというつもりもないのですが・・・ね。

 

老化研究の権威であるハーバード大学の「デビッド・A・シンクレア」教授らの

 

Therapeutic Potential of NAD-Boosting Molecules: The In Vivo Evidence(Cell Metab. 2018 Mar 6;27(3):529-547.)(日本語訳:NADを増やす分子の治療効果の可能性:生体を用いた実験の証拠)

 

という論文によりますと、NADレベルを上昇させる分子は、ヒトの疾患において効果を示す可能性があると報告をしています。

 

「デビッド・A・シンクレア」教授は、以前にもご紹介した「LIFE SPAN(ライフスパン):老いなき世界」の本の著者ですよね。

 

          (図はお借りしました)

 

「N M N」を摂取しますと・・・およそ7分前後で血液循環に入り、肝臓や筋肉、脳などの主要な組織に運ばれると考えられています。

 

そして、各臓器に運ばれた後、「NAD+(NADの酸化されたもの)」のレベルをすみやかに、確実に増加させることが、マウスを用いた研究で報告されています。

 

「NAD+」は、長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)を活性化し、ミトコンドリアのATP産生を増加させると考えられますよね。

 

          (図はお借りしました)

 

この長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)の活性化により、期待できる効果,または、改善が期待できる疾患等について、「デビッド・A・シンクレア」教授らは、以下のように考えているようです。

 

         (図はお借りしました)

 

ヒトを含めた哺乳類のサーチュイン遺伝子(SIRT1からSIRT7までの7種類)のサーチュインがあり、それぞれ異なる特性があることが分かっています

 

それらが、上記に示したような、数多くの疾患や病態に関与している可能性があるというのですね。

 

本文内でご紹介した論文の結果に照らし合わせて、考えますと・・

 

実際にヒトにおいても、ある程度の高容量の「N M N」の服用をすることによって、「NAD+」の増加がすることが確認できたわけです。

 

この結果、各臓器において、サーチュイン遺伝子が活性化している可能性は高いと考えられますよね。

 

今後、「N M N」サプリの服用が、何かしらの疾患の「病態の改善」や予防に「有効である」という論文が数多く、報告されていくのかもしれませんね。

 

最後に余談ですが・・・「マウス」での実験の話は、ヒトには通用(つうよう)しない・・・とおっしゃる方に対して、私は次のような質問をすることが多いです。

 

「マウス」と「ヒト」のDNAの相同性(そうどうせい)は、どの程度ありますか?・・・

 

相同性(そうどうせい)とは、DNAの塩基配列やアミノ酸配列がどれだけ似ているかを表す指標となります。

 

その答えは・・・「約85%」になります。

 

「マウス」と「ヒト」の相同性が高いことは、両者が遺伝的に類似していることを意味しています。

 

実際に「マウス」は哺乳類であり、「ヒト」との生物学的および遺伝的な類似性が高いです。そのため、マウスを用いた実験結果は、人間にも適用できる可能性が高いとされているのですね。

 

また、「マウス」を用いた研究は長い歴史があり、多くのデータが蓄積されています。そのため、新たな研究においてもマウスを用いることで、既存のデータとの比較が容易になります。

 

これらの理由から、マウスは薬剤開発などの実験において非常に有用なモデル動物とされており、世界各国の多くの研究で利用されています。

 

ただし、マウスで得られた結果が、100% 「ヒト」に当てはまるわけではないために、実際の薬剤開発においては、さらにヒトを対象とした「臨床試験」が必要であるというわけですね。

 

 

今回も最後までお読みいただきまして

誠に有難うございましたお願い

 

      (赤坂プリンスクラシックハウスの薔薇:筆者撮影)

 

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小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

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