こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

よく晴れて、青空の広がる休日の午後となっています。

梅雨明けが近いことを予感したりするのですが、明日からは広い範囲で雨模様なのだとか?

 

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか? 

 

 

 

夏は体重を落としやすいと言われますが・・・これは、本当でしょうか?

 

「夏痩せ(なつやせ)」という言葉がありますよね。

 

その原因は、次のようなことにあると考えられています。

 

1)夏バテによる食欲低下
脱水や暑さによるストレス(熱ストレス)による食欲低下です。熱ストレスは胃の分泌機能を低下させ、栄養吸収を悪化させるのだそうです。


2)間食による食欲低下
暑い日は、ゼリー、アイス、ジュースなど、冷たくて甘い飲み物やデザートをついつい食べてしまうもの。それらの間食によって胃腸の働きが鈍くなり、消化吸収がますます滞ります。

3)タンパク質不足による筋肉の減少
そうめんなど、夏の食事は栄養が偏りがち。例えば、そうめんだけを食べているとタンパク質が不足します。タンパク質が不足すると、体内の筋肉を分解してそれを補おうとするので、その分体重が減少します。

 
・・・となるのですが・・・今回の話題は、ちょっと違うところにあります。
 
「長生き」の秘訣は、食べる量を減らすことにあるかもしれない・・というお話をご紹介したいと思います。
 
その可能性を示唆する研究結果は、2023年2月に世界的な科学雑誌として知られる「Nature Aging」に掲載されています。
 
この論文は、米国コロンビア大学から出されたもので、著者のひとりである同大学 公衆衛生大学院のDan Belsky氏は、次のように述べています。
 
「我々の研究の主要なポイントは、ライフスタイルの修正によって生物学的な老化のペースを遅らせることができる可能性を示せたことだ」と述べています。
 
では、どのような研究成果であったのでしょうか?
 
この研究の参加者は、健康な成人(21 〜50歳の男性、21〜47歳の女性)であり、BMI 22.0〜27.9と普通体重からやや過体重レベルの220人が参加したそうです。
 
これらの220人は、無作為に2つのグループに分けられたそうです。ひとつは、食事の摂取カロリーを参加時点から25%減らす介入が行われたグループ(145人)で、もうひとつは、何の制限もないグループ(75人)に分けられました。
 
25%の食事摂取カロリーの制限といっても、1日あたりに減らしたカロリーは、500Kcal/日となるそうですから、なかなか厳しい食事制限であったかもしれませんね。
 
2年間、このトライアルは続けられたそうです。
 
その結果はどのようになったのでしょうか?研究者らは、老化速度に関連するDNAメチル化という現象を評価するバイオマーカーを用いて、「食事の摂取カロリーを制限したグリープ」と「何の制限もしなかった対照グループ」の老化速度を比較したそうです。
 
その結果は、次のようなものでした。
 
「食事の摂取カロリーを制限したグリープ」では、「老化スピード」が2〜3%低下していたそうです。
 
この2〜3%という数字はたいした差ではないような気もしますよね。
 
しかしながら、過去の研究と照らし合わせて推計しますと・・・早期死亡のリスクを10〜15%程度抑制しうるような大きな差になるそうです。
 
さて、あなたはこの夏、食事のカロリーを減らしますか?
それとも、「夏痩せ」をしないために思いっきり食べますか?
 
 
素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ
 
それでは、またバイバイ

 

(参考)

1)Nature Aging. Vol.3, 248-257.2023
Effect of long-term caloric restriction on DNA methylatiom measure of biological aging in healthy adults from CALERIE trrial.
R. Waziryら
 
2)@DIME記事より
3)  tenki.jp内記事より
 
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<ブログ後記  >7月11日

 

広い範囲で雨模様になるどころか、青空も広がり気温は35℃以上の猛暑日となった地域も多かったようです。

 

今月の最初の1週間は世界で観測史上、最も暑い1週間となりました。国連の専門機関WMO(世界気象機関)は、昨日の10日「我々は未知の領域にいる」と警鐘を鳴らしているそうです。

 

「熱中症」にならないように細心の注意が必要ですね。

 

今回は、食事のカロリーを25%減らすことが「老化の速度」を低下させる可能性を示した論文の内容をご紹介させていただきました。

 

これまでにも、食事で摂取する総カロリーを制限することが「寿命」を伸ばすのではないか・・・指摘されていました。

 

もちろん、ここでいう「カロリー制限」とは、栄養失調を起こさずに食事のエネルギー摂取量を減らすことを指しますね。

 

実は、「カロリー制限」と「寿命延長」という考え方が提唱されたのは、1917年のOsborneらとLoeb and Northropらの報告が最初であると言われています。

 

現在までに・・・ヒト以外の生物において、長寿に対する「カロリ制限」は、「寿命」を延長する効果が確認されていたわけです。

 

1980年代になりますと・・・アカゲザル(Macaca mulatta)をモデルとしても、「健康寿命」の延長が認められていると報告もあります。

 

ここ数年で「カロリー制限」は、どのように考えられているのか?・・・といいますと・・

 

「カロリー制限」が、「加齢関連疾患」の発症を遅らせることで「健康寿命」を延長すると考えられるようになっているのですね

 

では、ヒト以外の動物などの実験から、「カロリー制限」が「加齢関連疾患」の発症を遅らせ、「健康寿命」を延長する・・・と考えられるようになった根拠とは、どのようなものなのでしょうか?

 

ここで、3つの「キーワード」が登場してきます・

「ミトコンドリア」「ミトコンドリア膜の脂肪酸不飽和度」「活性酸素」の3つとなります。

 

以前にも一部はご紹介したことがあるのですが・・・少し復習をしておきたいと思います。

 

まず、次のような考え方がありました。

 

「加齢」は、「ミトコンドリアが機能障害を起こすこと」と関連している。

そのような状況では、「活性酸素」の発生が著しく増加し、抗酸化防御機能が低下することで、さらに・・・ミトコンドリアDNAの損傷が引き起こされ、その損傷が蓄積していく・・・というものでしたね。

 

ここに「カロリー制限」が、どのように関連してくるのでしょうか?

 

それは、次のようなメカニズムではないか・・・と考えられています。

 

ちょっと複雑なのですが・・・

 

「カロリー制限」は、ミトコンドリアの「膜電位」を下げ、その結果「活性酸素」の産生を低下させると同時に、ミトコンドリア膜の「飽和/不飽和指数」を変化させ、酸化的損傷を防ぎ、膜の流動性を維持することが実証されている・・・というのですね。

 

つまり、食事の摂取カロリーを制限することは、「活性酸素」の産生を低下させ、さらに「活性酸素」が「ミトコンドリア」自体に損傷を与えることを防いでいる・・・とも言えますよね。

 

どうでしょうか? もちろん、この機序ばかりではないという説もあるわけですが・・・

 

そして・・・「カロリー制限」をしなくても、同様の「健康寿命」を伸ばせるような「薬剤」や「サプリ」が、あるに違いないと・・・と

考え始めてもいて、いくつかの候補があげられているわけです。

 

そして、検証が続いている・・・というのが「老化研究」のひとつの柱になっているわけですね。そのような話題は、またも機会にご紹介していきたいと思います。

 

 

今回も最後までお読みいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

(参考)

4)J. Physiol. 2016  Apr 15; 594(8): 2043–2060.

Calorie restriction as an intervention in ageing

Guillermo Lopez-LLuchら

 

 

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 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

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  <JTKクリニック・アンチエイジング治療>

 

 

 

 

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

7月に入り、蒸し暑い日が続いていますね。

 

暦では、二十四節気では「夏至(げし)」、七十二候では「半夏生(はんげしょうず)」となっていますね。

 

この「半夏(はんげ)」とは、どのようなものかと調べてみますと・

・・それは、「カラスビシャク」という薬草でした。

 

サトイモ科の植物で、夏の半ばに花を咲かせることから、「半夏」と呼ばれるそうです。

 

地下にできる球茎(きゅうけい)は、乾燥させると生薬になり、咳止めや酔い止めに利用されてきた歴史があるようです。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

何かしらの暗いニュースの多いなかで、JTKクリニック内には、とても嬉しいニュースがありました。
 
JTKクリニックで毎週水曜日に癌専門外来を担当していただいている、京都大学 名誉教授(医学博士)パドワ大学(イタリア)名誉学士の「田中 紘一(たなか  こういち) 先生」が、オーストリア ウイーンで開かれた「 ヨーロッパ肝臓病学会 EASL2023」にて

「Innovation Award 2023」という名誉ある賞を受賞されました。

 

日本人初の受賞であるそうです。

 

田中先生は、「生体肝移植」の手術方法の開発と、それを世界中の国々に普及をさせた業績が評価されたということです。

 

海外のニュース等で、既にご存知の方もいらっしゃっるかもしれません。

 

 
毎週水曜日に「JTKクリニック」の外来を担当していただいているのですが・・・国内外からの多くの癌患者さまやそのご家族に丁寧にお話をされるのを聞いておりますと、私自身もとても勉強になります。
 
今後、JTKクリニックは、田中先生のご指導を頂きながら、癌を可能なかぎり、早期発見をする方法を考案していければと考えております。
 
「イノベーション」という言葉を調べてみますと・・・
オーストリアの経済学者「ヨーゼフ・シュンペーター」が考案した理論のなかった言葉で「技術革新」や「新機軸」を示すようです。
 
もちろん、医療の分野でも使えます
 
 
田中 紘一先生、「Innovation Award 2023」の受賞、誠におめでとうございます。
 
 
それでは、素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ
 
それでは、またバイバイ
 

 

 

           (田中紘一 先生)

 

 

 

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

梅雨の晴れ間というのでしょうか?

 

昨日からは、青空もあり、蒸し暑さを一段と感じるようになっています。

 

1年のうちで昼間の時間が最も長いとされる「夏至(げし)」も過ぎていますので、本格的な夏の季節も近いと言えそうですね。

 

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

今回は「末梢神経障害」についての話題にしてみたいと思います。

 

「末梢神経」とは・・・どのような神経なのでしょうか?

 


 

上に示した図は、ヒトの神経系を示しています。

 

このなかで、「脳」とそこから伸びる「脊髄(せきずい)」の2つを

「中枢神経(ちゅうすうしんけい)系」と呼びます。

 

そして、この「中枢神経」から、ヒトの身体の残りの各部分に信号を伝達する神経を「末梢神経系」と呼びます。

 

この「末梢神経系」に属する神経に何らかの障害が生じることを

「末梢神経障害」と呼ぶのですね。

 

「末梢神経障害」は、3種類に分類されます。

 

1)感覚的な問題: 感覚の過敏や感覚喪失

          

2)運動的な問題: 筋力の喪失や協調動作の困難

 

3)自律神経の問題:心拍数の変動や消化器能低下など

 

上記の1)には、痛み、しびれ、冷感、触れた感触など、皮膚の感覚の異常などがあり、2)には、手足の筋力が低下したり、筋肉が痩せてきたりすることなども含まれます。

 

3)には、手足の発汗障害や異常知覚なども含まれています。糖尿病の進行に伴う指先や足先のしびれも、このなかに含まれます。

 

 

そして、どの「末梢神経障害」においても・・・特定の神経が損傷すると、その神経が制御する部位に特定の症状が現れるという性質があります。

 

 

では、「末梢神経障害」には、どのような方法があるのでしょうか?

 

以下にいくつかの一般的な治療法をご紹介してみたいと思います。

 

1)根本的な原因の管理

 

可能であれば、その根本的な原因を管理することが重要となります。

 

例えば、糖尿病が原因である場合には、血糖値をコントロールすることが重要となります。

 

これにより、糖尿病による神経へのさらなる損傷を防ぐことが可能となるからですね。

 

2)理学療法

 

理学療法とは、リハビリなどを指します。

 

運動能力や筋力の低下がある場合、理学療法が効果的である場合があります。

 

特定の運動を行うことで、筋肉の力を増やし、筋力を改善させることが可能となります。これは神経が筋肉に送る信号を改善し、また筋肉がこれらの信号に対応する能力を高めることが可能であると考えられているからです

 

 

3)生活習慣の改善

 

栄養バランスの取れた食事、適度な運動、アルコールの摂取量の制限、喫煙の中止などの生活習慣の改善も重要な治療の一部と考えられています。

 

4)薬物療法

 

もちろん、薬剤を用いることは、「末梢神経障害」による症状を改善させる効果があります。

 

痛み、麻痺、不快な感覚に対しては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、抗てんかん薬(ガバペンチンやプレガバリンなど)、抗うつ薬(トリプタン系やSNRI系など)などが用いられます。

 

これらの薬物は神経の「痛み」を引き起こす化学物質の働きをブロックしたり、神経信号の伝達を調節することで痛みや不快な感覚を軽減することが可能となります。

 

また、「しびれ」や「疼痛(とうつう)」には、「メチコバール」や

「ノイロトロピン」などの薬剤が有効とされていますし、糖尿病から生じる神経障害には、「キネダック」という薬剤が用いられます。

 

5)外科療法

 

末梢神経のとおる経路が、筋肉、骨などによって神経が締め付けられて生じる病態を「絞扼性(やっこうせい)末梢神経障害」と呼びます。

 

この場合には、末梢神経が骨などにとって、圧迫されていることが原因ですから、その圧迫を解除するための手術が有効ということになりますね。

 

 

末梢神経障害から生じる「しびれ」や「痛み」は、とてもツライものですよね

 

JTKクリニックでは、主に4)の薬物療法を行っているわけですが、原因をなくし、理学療法を行っていくことは、とても重要なことであると思っています。

 

また、末梢神経障害の疼痛の増悪に局所的なサイトカインの産生が影響しているとも報告されています。

 

この話題については、「メチコバール」や「ノイロトロピン」の作用の違いというお話と併せて、後日の話題にしたいと思います。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>6月27日

 

なんとも蒸し暑い夜になっていますね。

 

今回は、「末梢神経障害」についてのお話をさせていただきました。

 

「末梢神経障害」の症状は多岐(滝)にわたり、その中には、自律神経も含まれています。

 

そうした理由から、自分の神経障害を治療をするためには、どのような科を受診すればよいか?

などという疑問をお持ちの方も多いかもしれません。

 

JTKクリニックでも「末梢神経障害」の治療は行なっているわけですが、他院の整形外科やペインケア科に御紹介することもあります。

 

「末梢神経炎」の主な症状のひとつに「しびれ」があるわけですが・・・

 

頸椎(けいつい)の異常から生じる指先の痺れや腰椎(ようつい)などの脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどから生じる

足先の「しびれ」などの症状に苦痛を訴える方は少なくない印象があります。

 

そうした症状がありますと・・・医療機関でよく処方されている薬剤は「メチコバール」や「ノイロトロピン」であるかもしれません。

 

よく話題になることが多いので・・・「メチコバール」や「ノイロトロピン」という薬剤について、少しだけご紹介しておきたいと思います。

 

この2剤は、ともに末梢神経の障害を改善させる目的で使われる薬剤なのですが、それぞれの薬の作用機序は異なることが知られています。

 

「メチコバール」は、「ビタミンB12」の形態であるメチルコバラミンを含んでいます。

「ビタミンB12」は、神経系の正常な機能を維持するために不可欠な水溶性ビタミンであると言われています。


 

この「ビタミンB12」の欠乏は、「ミエリン鞘」の減少を引き起こし、神経伝達の障害を引き起こす可能性があるとされています。

 

「ミエリン鞘」とは、以下の図のように神経細胞を包む「鞘(さや)」のようなもので、神経が刺激を正常に伝えるには重要な働きを持っています。

 

 

「ビタミンB12」の欠乏が起こりますと・・・なぜ、神経障害が生じるかについては、他にも諸説あるのですが・・・

 

「ビタミンB12」が欠乏すると「ミエリン鞘」の減少が起こり、これを補充することで、「ミエリン鞘」を再生させ、神経障害を改善させるというストーリーは、矛盾がないように思えます。

 

 

では、もうひとつの薬剤「ノイロトロピン」は、どのような機序により「末梢神経障害」を改善させるのでしょうか?

 

実は、「ノイロトロピン」の作用機序についても、諸説さまざまです。

 

「ノイロトロピン」には、神経の成長と分化を助ける働きがあるとされています。

また、損傷をおこした神経の回復を助ける作用があるとされていますし、末梢神経障害に関連する「痛み」を軽減する可能性も報告されています。

 

これらの薬剤を用いれば、すぐに治癒するというわけではありませんが、根気よく使い続けることで、「末梢神経障害」が改善していく方も多くいらっしゃいます。

 

「末梢神経障害」のわりと新しい(?)話題としては、損傷した神経組織から炎症性サイトカインが放出され、このサイトカインが新たな神経損傷を引き起こすのではないか・・・などとも言われています。

 

この説で怖いところは、神経の損傷した神経細胞からサイトカインが放出されるだけでなく、

その神経が損傷した部位に・・・免疫細胞が集まってきて、それらの免疫細胞からもさらに多くのサイトカインが産生される可能性もあるというところにあります。

 

もうひとつの新しい話題としては・・・癌に対する化学療法の施行後に有痛性の神経障害が生じることがあり、この治療は困難であるとされていました。

 

最近、この疼痛に対して、「デュロキセチン塩酸塩」 60mg/日の投与により疼痛の重症度を改善できる可能性があるという論文が発表されたのですね。

 

「デュロキセチン塩酸塩」は、「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)」と呼ばれるお薬となります。

 

薬品の商品名では、「サインバルタ」というものになります

 

現在でも、「サインバルタ」の適応疾患は、「うつ病」ばかりでなく、他の疾患である 「糖尿病性神経障害」,「慢性腰痛症」などにも拡大されているのですが・・・

 

近い将来、化学療法後の神経性疼痛にも使用されるようになるかもしれませんね。

 

また、マウスの実験であるのですが・・・「N M N」には、「神経血管保護作用」があることが確認されたという論文もありました。

 

NAD+は、「サーチュイン遺伝子1」の活性化からのミトコンドリアの若返り、抗炎症、抗アポトーシス経路に関与する遺伝子の誘導が起こり、その結果、結論として、「神経血管機能保護効果」を示すというものですね。

 

さすがに「末梢神経」を含めた神経障害の話は、膨大なわけですが・

・・・この延長上に「線維筋痛症」のより最適な治療へのヒントが隠されているような気もしますね。

 

今回も最後までお読みいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

参考)

1. JAMA. 2013; 309(13) :1359-1367.

Effect of duloxetine on pain, function, and quality of life among patients with chemotherapy-induced painful peripheral neuropathy: a randomized clinical trial

Ellen M. Lavoie Smithら

 

2. GeroScience.2020; 42(2): 527-546

Nicotinamide mononucleotide (NMN) supplementation promotes neurovascular rejuvenation in aged mice: transcriptional footprint of SIRT1 activation, mitochondrial protection, anti-inflammatory, and anti-apoptotic effects

Tamas kissら

 

 

        (銀座 和光ビル:筆者撮影)           

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

梅雨の中の晴れ間はありがたいわけですが・・・

蒸し暑さが気になりますね。

 

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

今回の話題は・・・「動脈硬化」にしてみたいと思います

 

「動脈硬化」とは・・・とあらためて説明するまでもないかもしれませんが・・・

 

文字どおり動脈が硬くなる状態を指しますね

 

この過程は、「加齢」によるところもありますが、「加齢」という点で見ますと・・・個人差が大きいと考えられています。

 

では、何が「動脈硬化」と関連しているのか?・・・と言いますと、

とくに血液中の「コレステロール」が強く影響していると考えられています。

 

なかでも「LDL−コレステロール(悪玉コレステロール)」が多く、「HDL-コレステロール(善玉コレステロール)が少ないと「動脈硬化」が進行しやすいことがわかっています。

 

「動脈硬化」が進行しますと・・・「心筋梗塞」, 「脳梗塞」, 「慢性動脈閉塞症」などの疾患を起こすことが多いとされていますね。

 

これらのことは、よく知られていることですので・・・あらためて、ご紹介するまでもないかもしれませんね。

 

問題は・・・この「動脈硬化」となった血管を改善させることができるのか?・・・ということになります。

 

これは、さすがに無理なんじゃないの?・・・と多くの方が思いますよね。

 

なぜなら、次のように「動脈硬化」は説明されるからですね

 

血液中のコレステロールが増加したり、高血圧や高血糖の状態が続くことで「動脈硬化」を起こした血管は、ちょうど古い水道管のようなもの・・・と表現されたりするからです。

 

古い水道管は、もとに戻ることはありませんからね。

 

なので・・・「動脈硬化」を予防したり、また、それ以上の進展を抑制するという考え方が一般的なのかもしれません。

 

しかしながら・・・「動脈硬化」になった血管を改善させることができるのではないか?・・・という考え方もあります。

 

ひとつの考え方は、「LDL-コレステロール値」をかなり低めにすることで「動脈硬化」を改善することができるのではないか?・・・という考え方ですね。

 

では、どの程度まで低下させればよいのでしょうか?

 

 

 

「LDL-コレステロール」は、空腹時の採血検査で、140以上は「高LDL-コレステロール血症」と診断されます。

 

「食事療法」や「運動療法」を実践し、それでも改善がなければ、「薬剤」を用いた治療となっていくことになります。

 

「食事療法」は、次のように指導されるかもしれません。

 

飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を制限し、不飽和脂肪酸を摂取することが重要です。また、食物繊維や植物ステロールなども有効です・・・とですね。

 

「運動療法」は、有酸素運動を行うことで、「LDL-コレステロール」を低下させることができます・・・といった感じでしょうか。

 

 

話を「動脈硬化」の現状を改善させることに話を戻しますと・・・

「LDL-コレステロール」の値をどこまで低下させればよいのでしょうか?

 

この値は・・・70mg/dl程度と考えられています。

 

「LDL-コレステロール」の値を70mg/dl程度というのは不可能に思えますが・・・実は不可能とも言えません。

 

なぜなら・・・心臓の栄養血管である「冠動脈(かんどうみゃく)」が閉塞する「心筋梗塞」や狭窄する「狭心症」などの疾患のある方は、循環器の医師から「LDL-コレステロール」の値を70mg/dl程度にすることを目標として示されているはずですから・・・ね。

 

 

もうひとつの「動脈硬化」を改善する方法は・・・

 

免疫細胞をコントロールすることで、「動脈硬化」の進展を抑制し、

これを改善させようとする考え方があるのですが・・・

 

これは、後日の話題にしたいと思います。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

<ブログ後記>6月20日

 

「動脈硬化」の原因は、「LDL-コレステロール」が高いことばかりでなく、喫煙・加齢・高血圧・糖尿病などの危険因子が重なることによって発症しやすくなると言われています。

 

これらに共通するのは、血管の内表面を覆う(おおう)「血管内皮(けっかんないひ)細胞」を障害するという性質にあります。

 

「血管内皮細胞」は、血液と周囲の組織との間での細胞移動や、栄養素や老廃物、酸素や二酸化炭素などの物質交換を担う(になう)など多彩な機能を持つことが知られています。

 

これらの重要な機能を持つ「血管内皮細胞」の機能低下は、動脈硬化の誘因のひとつとなるわけですね。

 

 

「LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)」値が高値の場合、動脈硬化を起こすメカニズムについては、次のようなものになります。

 

 

1)血液中の「LDLコレステロール」の増加がありますと・・・このLDLコレステロールは、動脈壁内に浸透し始めます。

 

 

2)動脈壁内に取り込まれた「LDLコレステロール」は、酸化されることにより「酸化LDL」というものになります。

 

この「酸化」は、活性酸素種などフリーラジカルの作用により起こるとされています。

この「酸化LDL」は非常に有害な物質でして、動脈壁の炎症反応を引き起こすことが知られています。

 

3)「酸化LDL」に対して、単球という細胞が、血流から動脈壁内へ移動し、「マクロファージ」へと分化します。

 

 

4)「マクロファージ」は、「酸化LDL」を取り込み続け、これにより大量の脂肪を蓄積した「泡沫細胞(ほうまつさいぼう)」へと変化します。

 

 

5)「泡沫細胞(ほうまつさいぼう)」は、炎症反応を増大させ、更にLDLコレステロールの取り込みを促進します。

 

 

6)上記のようなプロセスが繰り返されると・・・「泡沫細胞(ほうまつさいぼう)」脂肪、コレステロール、カルシウム、細胞廃棄物などが動脈壁内に堆積していきます。

 

7)これらの堆積物は次第に「プラーク」と呼ばれる硬い塊を形成します。この「プラーク」が大きくなっていくと、動脈の内径が狭くなり、血液の流れが妨げられるようになります。

 

 

8)「プラーク」のうち、表面が薄いプラークは破裂しやすいことが知られています。

 

「プラーク」が破裂すると、その中身が血流に接触し、血液が凝固するトリガーとなります。血小板が集まり、血液が凝固して血栓が形成される可能性が高くなります。

 

 

9) 血栓が大きい場合、または重要な動脈で形成されると、血流を完全に遮断され、血管が閉塞されてしまうこともあります。

 

このような機序で生じる疾患が、心筋梗塞や脳梗塞などとなりますね。

 

ここまでは、ご存知の方も多いかもしれません。

 

実は、上に示したプロセスのそれぞれで活性化される免疫細胞があります。

 

例えば・・・単球とマクロファージは、動脈硬化のすべての段階で最も多い白血球の成分であり、疾患進行の中心的な役割を果たすと考えられています。

 

細かい話となりますが・・・マクロファージの細胞質に「酸化LDL」を多く取り込み泡沫細胞への変化が生じますと・・・「自然免疫」のシステムが動き始めます。

 

具体的には、マクロファージ上にある「Toll(トール)様受容体(TLR)」というものが、直接、炎症を生じさせることが知られています。このことが、最終的には「炎症性サイトカイン」の産生につながっていくわけですね。

 

どのような「サイトカイン」なのかと言いますと・・・

 

インターロイキン-1 (IL-1),インターロイキン-6 (IL-6):IL-6, TNF-αなどの炎症性サイトカインとなりますね。

 

このなかでも「TNF-α」というサイトカインは、炎症反応を強く促進することで知られ、「血管内皮細胞」に対する毒性を持ち、血管の機能を損なわせると考えられています。

 

つまり、「LDL-コレステロール」の高値が続くということだけで、上に示したような反応が生じている可能性があるわけで

 

このような状態では、動脈硬化が進行するばかりでなく、各種の炎症性サイトカインの産生まで始まってしまうとなれば・・・

 

健診データの「LDL-コレステロール」が高いのを指摘されて、笑っている場合ではなく、食事療法や運動療法、そして、薬物療法などの

何らかの方法をトライする必要があるのかもしれませんね。

 

冠動脈疾患や脳梗塞などの動脈硬化に伴う疾患が過去にあった場合には、「LDL-コレステロール」の値を「 70 」程度まで下げることが、再発を予防するためには、とても重要であると教えられてきたのですが・・・

私自身もあらためて、納得した次第です。

 

 

本文内で最後にあげた「免疫細胞」をコントロールして、動脈硬化を

改善する方法は、現時点では実現はしていないわけですが・・・

 

 

上に示したような各種の免疫細胞の変化やサイトカインの産生、そこから、炎症が誘導されるメカニズムも明らかになっていることからも

動脈硬化を改善していく新しい治療が登場しても不思議ではない・・・かもしれませんね。

 

 

今回も最後までお読みいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

 

 (東京駅 丸の内側駅舎:筆者撮影)           

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 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

新潟大医学部卒

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

窓からは、涼しい風が入ってくる休日の午後になっています

北陸と東北の梅雨入りが発表されましたね

 

これで、全国各地が「梅雨」の時期に入ったことになり、今後1ケ月程度は傘の手放せない日が続きそうですね

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

今回の話題は・・・動く遺伝子と呼ばれる「レトロトランスポゾン」を話題にしてみたいと思います。

 

その前に・・・ヒトのDNAは、どれくらいの数の「塩基」から構成されているのでしょうか?

 

DNAの「塩基」は、「A(アデニン)」, 「G(グアニン)」,「 T(チミン)」,「C(シトシン)」の4つがありましたね。

 

これらの「塩基」が、約30億塩基対からなるのが「ヒトDNA」ということになります。

 

1塩基対は、「A=T 」のアデニンとチミンの結合したもの、あるいは、「G=C」のグアニンとシトシンの結合したものです。

 

 

ヒトのDNA(ゲノム)には、容姿や体質など、ヒトの個々の違いに関わる様々な遺伝情報が刻み込まれているとされていますよね。

 

では、この約30億塩基対のヒトDNAの中で、実際にタンパク質に翻訳される領域は、どのぐらい存在するのでしょうか?

 

タンパク質に翻訳される遺伝子があるDNAの領域は、「エキソン領域」と呼ばれますが・・・

 

ヒトのDNA全体の中で、「エキソン領域」の占める(しめる)割合は

約2 %程度とされているのですね。

 

残りの約98%程度の領域は、タンパク質を作るための遺伝子などはなく、無意味な配列と考えられてきたのですね。

 

このような領域を「イントロン領域」と呼びます。

 

この「イントロン領域」の中にあるパターンの塩基の「反復配列」があることは、以前から知られていました。

 

ヒトをはじめとするほ乳類のDNA(ゲノム)解読が行われた結果、DNA(ゲノム)の約45%は、「レトロトランスポゾン」やその残骸などに由来する「反復配列」であることが明らかになりました。

 

これらの「反復配列」の中で、最もよく知られている「レトロトランスポゾンは、「SINE(short interspersed element)」の一種として知られるAlu配列は、霊長類に特異的な反復配列で、ヒトのDNA(ゲノム)の約10%を占めると報告されています。

 

しかし、これほど多くの部分を占めるにもかかわらず、「反復配列」の存在意義はよく分からず、大半が「がらくた(ジャンク)遺伝子」と考えられていた時期もありました。
 

 

最近になって、いくつかの遺伝子研究から、これらの「反復配列」を形成する「レトロトランスポゾン」が遺伝子発現制御にかかわることにより、

新たな機能の獲得しながら、ヒトが進化してきたのではないかと考えられているのですね。

 

 


ジャンク遺伝子と思われた「レトロトランスポゾン」があったからこそ、ヒトは進化した・・・

 

なんと不思議なことであり、ヒトは幸運なことなのでしょうか。

神に(?)、そして、宇宙に(?) 感謝をしなければいけませんね。

 

 

もちろん、「レトロトランスポゾン」をめぐる不都合な真実から目をそらせば・・・という条件つきですが・・・ね。

 

 

では、「レトロトランスポゾン」の不都合な真実とは、どのようなものであるのか?

 

 

この話は、後日の話題にしたいと思います。

 

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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< ブログ後記  >6月13日

 

今回は「レトロトランスポゾン」についてのお話をさせていただきました。

 

2003年にヒトゲノムの解読がほぼ終了し、研究者の多くはゲノムの50%を占める「レトロトランスポゾン」の膨大さにあらためて驚かされたそうです。

 

「レトロトランスポゾン」の活動は、神経退行性疾患や癌など、加齢関連の疾患の一因となる可能性があるとも考えられています。

 

しかし、これらの疾患を起こすメカニズムは非常に複雑であり、まだ完全に理解されていない部分も多いとされています。

 

ここで、「内在性レトロウイルス」とは違うのか?・・・という疑問を持たれた方もいらっしゃると思います。

 

「内在性レトロウイルス」は、ヒトがまだサルであった大昔に「レトロウイルス」に感染した名残り(なごり)でしたよね。

 

ヒトのDNAの中にレトロウイルスの構造が見出されているというお話は、以前のブログ内でもご紹介させて頂きました。

 

ちょっとだけ復習しますと・・・

 

レトロウイルスの構造は、両端に「LTR」という遺伝子の発現を調整する領域があり、その間には、内部構造タンパクをコードしている

「gag領域」逆転写酵素をコードする「pol領域」、外被糖タンパクをコードする「env領域」という部分があるわけです。

 

これと類似した構造が、ヒトのDNAの中には多く存在しているのでしたよね。これを「ヒト内在性レトロウイルス」と呼ぶわけです。

 

しかしながら、遺伝子の欠損や脱落などが多くあり、実際に「ヒト内在性レトロウイルス」が、ウイルス粒子を作るのは難しいと考えられているのですね。

 

「レトロトランスポゾン」は、「内在性レトロウイルス」の遺伝子に由来していると考えられています。


 

 

レトロトランスポゾンは、主に2つのタイプが多く認められます。

 

その2つのタイプとは「LINEs」と「SINEs」になりまして、さらに上の図のような「LTRレトロトランスポゾン」というものもあります

 

ひとつ目の「LINEs」は、平均で約6,000塩基対程度の長さであり、

もう一つの「SINEs」は、「LINEs」よりもはるかに短く、一般に100から300塩基対の長さとなります。

 

詳細は、またの機会にしたいと思いますが・・・

 

下の図のように、どちらも1本鎖のRNAから、「逆転写酵素」というものを用いて、2本鎖のDNAの形になり、これがヒトの細胞のDNAの新たな場所に組み込まれていくのですね。

 

とくに「LINEs」は、活発に転移を繰り返していくわけです。

 

 

(図はお借りしました)

 

このような「レトロトランスポゾン」が、私たちヒトの意思とは無関係にDNAの中で増え続けるとしますと・・・

 

なんだか、マズイかもと思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

実は・・・そのとおりでして、「レトロトランスポゾン」は、ヒトの遺伝子の発現に影響を与えることがあるとされています。

 

例えば、ひとつの例を挙げますと・・・「レトロトランスポゾン」がある遺伝子がある領域に挿入されると、その遺伝子の機能不全を起こしたり、異常な活性化を生じたりする可能性もあるのですね。

 

もちろん、ヒトの身体には「遺伝子の異常」が生じた場合には、それを修復する能力が備わって(そなわって)いるわけです。

 

しかし、「レトロトランスポゾン」の遺伝子が挿入されたDNAにおいては難しいこともあるようです。

 

「レトロトランスポゾン」の遺伝子が挿入されることは、DNAに「新たな配列」を追加されることになるため、これらの修復機構で完全に元の状態に戻すことは困難な場合が多いから・・・というのが、その理由となるそうです。

 

 

こうした場合には、「レトロトランスポゾン」遺伝子を除去して修復するよりも・・・

その部分のDNAを「メチル化」して、遺伝子が発現しないようにする反応が選択されます。

 

「メチル化」というのは、DNAを修飾することによって、そのmRNA遺伝子の発現を調節する「エピジェネティクス」という仕組みのひとつです。

 

少し、詳しくお話をしますと・・・

 

DNAメチル化は、シトシン塩基(DNAの一部)にメチル基が付加する過程を指します。この修飾は、遺伝子の発現を抑制し、これによりDNAの特定の領域が利用されることを防ぎます。

 

この状態になりますと・・・「レトロトランスポゾン 」も、DNA上に存在するものの、それ以上の増加はしないということになるわけです。

 

この状態が、永遠に続けば、

あまり問題はないのかもしれませんが・・・

 

全体的なDNAメチル化レベルは、細胞の「老化」に伴って一般的に減少すると報告されています。

 

この結果、「レトロトランスポゾン」は再活性化し、増加していくと

考えられているのです。

 

また、細胞の「老化」ばかりでなく、「活性酸素種(ROS)」などによって、細胞に与えられるダメージから、DNAメチル化のレベルが低下し、その結果として「レトロトランスポゾン」が増加する可能性があるとされているのですね。

 

「レトロトランスポゾン」が増加していきますと・・・細胞の機能は低下することが予想され、ときには、癌の発生にもつながる可能性もある・・・と聞きますと・・・これは、厄介(やっかい)な遺伝子だなあ〜と思ってしまいますよね。

 

 

「レトロトランスポゾン」は、DNAの一部をコピーし、それをゲノムの別の位置に挿入する性質により、これらはゲノム(DNA)構造の変化を引き起こすことで、進化に影響を与えてきたと広く認識されています。

 

だからこそ、私たち人間(ヒト)が存在するわけですが・・・

 

わずかな遺伝子の断片である「レトロトランスポゾン」、加齢による増殖やある遺伝子の損傷が引き起こされて、それにより生命(いのち)の「質」や「長さ」を左右されてしまうのは、皮肉(ひにく)

に感じてしまいますね。

 

 

今回も最後までお読みいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

  (ホテル ニューオータニ(東京)庭園:筆者撮影)           

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