新年おめでとうございます。内科医ひとちゃんですウインク

 

皆様におかれましては、輝かしい新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。

 

昨年中は、JTKクリニックを応援していただき、誠にありがとうございました。
本年も、更なる医療サービスのレベルの向上に努めて参りますので、より一層の応援を賜りますようお願い申し上げます。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

                       (筆者撮影)


2025年の新しい年がスタートしましたね。

今年は「巳(へび)年」なります。

「ヘビ」といいますと・・・ちょっとコワイなあ〜と思う方もいらっしゃるかもしれませんが・・・

 

「巳(へび)」には、「新しく産まれてくる」、「将来・未来がある」といった意味もあるそうです。

 

これは、「へび」が定期的に脱皮(だっぴ)を繰り返すことに由来し、生命力や再生、変化と進化の象徴とされているからだそうです。

 

前回は「iPS(アイ ピー エス)細胞を話題にさせていただきましたね。

 

「山中伸弥(やまなか しんや)」博士の名前を知らない医学研究者は、世界のどこを探しても(さがしても)いないのではないでしょうか?

人工的に作られる「多能性幹細胞」である「iPS細胞」の作成を成功させたことで、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞されたことは

もちろん素晴らしいことであるわけですが・・・

 

「iPS細胞」を用いて基礎研究をしようとする研究者には、世界各国の国籍等を問わず、無償提供をしているところです。

 

昨年でしたか・・・韓国国内にある「GCリンフォテック」社の研究開発部門のトップの方に「JTKクリニック」をご訪問いただきました時に「山中伸弥(やまなか しんや)」博士が、もし、「iPS細胞」を有償で提供する方針にしていたら・・・現在のような「再生医療」の

研究は進まなかったのではないか・・・とおっしゃっていたのが、とても印象に残っています。

 

 

話を戻しますと・・・「iPS細胞」を作成するのに導入する4つの遺伝子とは、どのようなものなのでしょうか?

 

iPS細胞を作成する際に導入される遺伝子は、一般的に「山中因子」*と呼ばれており、以下の4つが基本とされています。

1)Oct3/4 (Octamer-binding transcription factor 3/4, 別名: POU5F1)

 

この遺伝子は、「ES細胞」の未分化状態を維持するために重要な役割を果たす転写因子となります。

 

2)Sox2 (Sex determining region Y)-box 2

 

Oct3/4と同様に「ES細胞」の未分化状態の維持に重要であり、神経系の発生にも関与する転写因子です。

 

3)Klf4 (Kruppel-like factor 4)

 細胞増殖に関与する転写因子で、腫瘍抑制遺伝子としても働きます。

 

4)c-Myc (MYC proto-oncogene, bHLH transcription factor)

 

細胞増殖を促進する転写因子ですが、「発がん性」を持つことでも知られています。

 

これらの4つの遺伝子 (Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc) を、レトロウイルスベクターやレンチウイルスベクターなどを用いて体細胞に導入することで、iPS細胞を樹立することが可能であるとされています。

 

しかし、近年では、以下のような改良や変更が加えられた方法も開発されています。

 

それは、「c-Myc 」遺伝子を除く3因子 (Oct3/4, Sox2, Klf4) の導入のでの「iPS細胞」での作成も研究され、可能となっています。

なぜ、「 c-Myc」遺伝子は、「発がん性」を持つため、安全性を考慮してということになりますね。

 

さらに「ウイルスベクター」を用いない「iPS細胞」の作成法も確立されているのですね。

 

 (AIを用いて画像を作成)

 

次にES細胞(Embryonic Stem Cells)と「iPS細胞」の違いは、どのようなところにあるのか?・・・ですが・・・これは、次のような違いがあります。

 

 

ES細胞(Embryonic Stem Cells)」は、「胚性幹細胞(はいせいかんさいぼう)」と呼ばれるものです。

 

 

「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」と「ES細胞(胚性幹細胞)」は、どちらも多能性自己複製能を持つ幹細胞ですが、由来作製方法、そしてそれに伴う倫理的な問題臨床応用への課題などに違いがあります。主な違いをまとめますと以下のようになります。

 

1. 由来

  • ES細胞 (Embryonic Stem Cells): 受精卵が発育した初期胚(胚盤胞)の内部細胞塊から作られます。
  • iPS細胞 (Induced Pluripotent Stem Cells): 体細胞(例:皮膚細胞、血液細胞)に特定の遺伝子を導入して作られます。

2. 作製方法

  • ES細胞: 受精卵を培養し、胚盤胞に成長させた後、内部細胞塊を取り出して培養することで樹立します。
  • iPS細胞: 体細胞に山中因子などのリプログラミング因子を、ウイルスベクターなどを用いて導入し、培養することで樹立します。

3. 倫理的問題

  • ES細胞: 受精卵(ヒト胚)を破壊して作製するため、生命倫理的な問題が常に議論されてきました。ヒト胚を研究目的で使用することに対する反対意見も多く、研究に制限が設けられている国もあります。
  • iPS細胞: 体細胞から作製されるため、受精卵を使用せず、ES細胞で問題となっていた倫理的問題を回避できます。

4. 拒絶反応

  • ES細胞: 他人由来の細胞であるため、移植した場合、患者の免疫系によって「拒絶反応」が起こる可能性があります。免疫抑制剤の長期投与が必要となります。
  • iPS細胞: 患者自身の体細胞から作製できるため、理論上は拒絶反応のリスクが低いと考えられます。ただし、完全には排除できないという報告もあり、さらなる研究が必要とされています。

5. 腫瘍形成リスク

  • ES細胞: 高い増殖能と多能性を持つため、移植後に腫瘍を形成するリスクが懸念されます。
  • iPS細胞: ES細胞と同様に腫瘍形成のリスクがありますが、リプログラミング因子の選択や導入方法の改良により、リスク低減に向けた研究が進められています。特に、発がん性のあるc-Mycの使用を避ける方法や、ゲノムに組み込まれない導入方法などが開発されています。

6. 技術的な課題

  • ES細胞: 比較的安定して培養、増殖、分化誘導を行うことができますが、ヒトES細胞の樹立は技術的に難しいとされています。
  • iPS細胞: 樹立効率が低く、細胞の品質にばらつきがあること、リプログラミングが不完全な細胞が混在する可能性があること、などが課題として挙げられます。また、長期培養における遺伝子変異の蓄積なども懸念されています。

7. 研究・利用の段階

  • ES細胞: 多能性幹細胞としての研究はES細胞の方が先行しており、基礎研究で広く利用されてきました。一部、臨床試験も開始されています。
  • iPS細胞: 近年急速に研究が進展しており、疾患モデルの作製や創薬スクリーニング、再生医療への応用など、幅広い分野で期待されています。臨床試験も増えてきています。

まとめますと、「ES細胞」は多能性幹細胞研究の先駆者であり、安定再生医療への応用が注目されてきたわけです。

 

しかしながら、「ES細胞」を作るには、作成時に「卵細胞」が必要であり、ES細胞の作製効率が非常に低いため、ES細胞を作成するためには多くの卵細胞が必要となります。

 

女性から多くの「卵細胞」を提供してもらうことは、非常に困難であるだけでなく、「将来ひとつの命となる卵細胞を治療のために犠牲にしてよいのか?」という倫理的問題もあります。

 

また、「ES細胞」を移植するときの「拒絶反応」の問題などもあって、「ES細胞」の再生医療への応用には、多くのハードルがあると考えられているのですね。

 

一方、「iPS細胞」は倫理的問題をクリアし、患者自身の細胞から作製できるという大きなメリットがあり、再生医療への応用が可能と考えられているそうです。

 

 

素敵な新年のひと時をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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 <ブログ後記>1月7日


早いもので、本日は七草粥を食べまして、1年間の無病息災を祈願しました。

お正月の食べすぎた傾向がある方には、胃を休ませることにもなりそうですね。

今回は、iPS細胞に関する話題とさせていただきました。実はすでに幹細胞からのエクソソームと同様にiPS細胞からもエクソソームが放出されていることが知られています。

これらは、どのような違いがあるのでしょうか?

4. 応用上の違い

  • iPS細胞由来エクソソーム

    • 再生医療: iPS細胞からの組織再生の効率化や、細胞移植の補助としての応用が期待されています。

    • 疾患モデル: 疾患の病態解明や治療法の開発のための研究ツールとしての利用が期待されています。

    • 癌治療: 癌細胞に対する治療効果の研究も進められています。


  • 細胞(MSC)由来エクソソーム


    • 再生医療: 組織損傷、炎症性疾患、神経変性疾患などの治療への応用が期待されています。


    • 美容: 皮膚の若返り、創傷治癒促進などの美容分野での応用も期待されています。


    • 免疫療法: 免疫系の疾患の治療への応用も期待されています。

などとなります。iPS細胞を作成するのにウイルスベクターを用いた場合には、癌化する可能性も指摘されていますが、現在はベクターを用いない方法が選択できるので、この場合にはリスクは少ないと考えてよいのかもしれませんね。


とくにiPS細胞からのエクソソームの数、量も幹細胞からのエクソソームよりは多く、皮膚真皮層に存在する「線維芽細胞」からのコラーゲンやエラスチンの産生が多いという報告もあるようです。

iPS細胞からのエクソソームという話題は、まだ、新しい知見が出てくる可能性がありますので、

注意深く、みていきたいと思います。


今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い


 

(東京駅丸の内駅舎のある風景)

(筆者撮影)

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 JTKクリニックホームページ

 

 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

(新潟大医学部卒)

 

  <JTKクリニック・アンチエイジング治療>

 

 

 

 

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<今週、なんとなく聞いてみたい曲>

 

 

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<JTKクリニックからのお知らせ>

 

◯2025年1月6日(月曜日)より、診療開始とさせていただきます。

 

◯外来診療は予約制をとり、待ち時間が生じないようにしています。

 

◯ ダイエット漢方製剤は、オンライン診療でも可能です。

◯ 線維筋痛症に対するノイロトロピン等の点滴療法、トリガーポイント注射を行なっております。(セカンドオピニオン診療も可)

 

 

 

 

 

<JTKクリニック 所在地>

〒102-0083

東京都千代田区麹町4-1-5麴町志村ビル2階

電話 03-6261-6386

Mail:info@jtkclinic.com

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こんにちは、内科医ひとちゃんですウインク

 

いよいよ、2024年も残りが僅か(わずか)となりましたね。

日中は気温が低いながらも、穏やかな晴れのお天気でしたが、夕方からは冷たい風が吹いているようです。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 (AIを用いて画像を作成)

 

今回は「iPS(アイ ピー エス)細胞を話題にしてみたいと思います。

 

「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」といえば・・・

 

2006年に「山中伸弥(やまなか しんや)」博士によって開発されたものであり、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞されています。

 

「山中伸弥(やまなか しんや)」博士は、現在、京都大学iPS細胞研究所(CiRA:サイラ) 所長・教授でありましたが、研究者としての最後の期間は自身の研究に注力したいという意向から、2022年3月末で、所長を退任し、山中教授は教授職としてiPS研に残り、研究を続けていらっしゃるそうです。

 

「iPS細胞」は、通常の体細胞(例えば皮膚細胞など)に特定の遺伝子を導入することで、人工的に作られる「多能性幹細胞」です。 主な特徴は以下のとおりです。

  1. 多能性:あらゆる種類の細胞に分化できる能力を持っています。
  2. 自己コピー能力: 無限に増殖することができる性質を持っています。
  3. 個別化医療への応用: 患者自身の細胞からiPS細胞を作れるため、免疫抑制反応の心配が少ない細胞治療が可能です。

 

       (AIを用いて画像を作成)

 

ところで、「山中教授」が、どのようにして「iPS細胞」を作成できたのでしょうか?

 

、「山中教授」は、大学院を卒業後に米国の「グラッドストーン研究所」で、癌の研究を行っていたそうです。その中で、「ES細胞(万能細胞)」の研究に没頭したしそうです。

 

「山中教授」が発見した遺伝子群は、ES細胞の万能性に非常に重要であることがわかり、やがて、iPS細胞の作製に成功し、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

 

iPS細胞は、受精卵のように体中のあらゆる細胞になれる能力を持つことから「万能細胞」とも呼ばれ、がん治療への応用が期待されています。

 

たとえば、iPS細胞から作製した免疫細胞を使ってがん免疫再生治療を目指す研究が行われています。

 

では、「山中伸弥(やまなか しんや)」教授が、研究に没頭したと言われている「ES細胞」とは、どのようなものであったのか?

 

そして、ES細胞」と「iPS細胞」の違いは、どのようなところにあるのか?

 

続きは・・・2025年の最初の話題にしたいと思います。

 

2024年も医療法人社団 知慎会 JTKクリニックを応援していただき、また、内科医 ひとちゃんを励ましていただき、誠にありがとうございました。

 

来たる2025年もJTKクリニック 全スタッフとともに皆様の健康を支えていきたいとおもますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

素敵な年末年始をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

 

 

 

(紀尾井町ガーデンテラス イルミネーション)

(筆者撮影)

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こんにちは、内科医ひとちゃんですウインク

 

晴れてはいますが、強い寒気の流れ込みが続き、今朝は今シーズン一番の冷え込みの所が多くなったのだとか。

 

インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスの感染者の数も多くなっているようですので、うがいや部屋の換気に気をつける必要がありそうですね。

 

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 (AIを用いて画像を作成)

 

「癌細胞」は、ヒトの「免疫システム」の監視を逃れる(のがれる)ようなメカニズムを持っています。

 

そのひとつをご紹介してみたいと思います。

 

 
「癌細胞」は当たりまえですが・・・「異常な細胞」なわけですので、次のような変化が起こります。
 
癌細胞内の異常タンパク質(腫瘍抗原)が「プロテアソーム」によって8-10個のアミノ酸からなるペプチドに分解されます

 

その後、TAP(Transporter Associated with Antigen Processing)による輸送されまして、小細胞体で「MHCクラスI分子」との結合して

その後、「癌細胞」の表面にでます。

 

これが、この細胞は「癌という異常な細胞」であるという「免疫システム」への合図(あいず)になるわけですね。

 

「MHCクラスI(クラスⅠ主要組織適合性抗原)」とは、「自己」と

「非自己」を認識する分子で、細胞内のタンパク質に由来するペプチド断片を「細胞傷害性T細胞(CTL)」に提示する役割を担っています

 

「細胞傷害性T細胞(CTL)」とは。表面に「CD8」という分子を持つT細胞の一種で、異物になる異常細胞(がん細胞、ウイルス感染細胞など)を認識し、「パーフォリン」を放出して破壊する細胞で、生後に獲得していく「獲得免疫(かくとくめんえき)」を構成する細胞のひとつとなります。

 

 

(AIを用いて画像を作成)

 

この認識により、癌細胞特異的な「細胞傷害性T細胞(CTL)」の応答が誘導され、癌細胞が破壊されていくことになります。

 

このメカニズムは、免疫系による癌細胞の監視と排除において重要な役割を果たしています。

 

 

 しかし、多くの癌細胞は時間が経つ(たつ)につれ、「MHCクラスI分子」の発現を低下させることで、この免疫監視機構から逃れよう(逃れよう)」とします。

 

これでは、「細胞障害性T細胞(CTL)」が多く存在したとしても「癌細胞」を破壊することは不可能ということになりますね。

 

それならば、どうするか?

続きは、後日の話題にしたいと思います。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

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<ブログ後記>12月24日

 

今宵はクリスマス・イブとなりますね

2024年も残すところ、1週間程度となっています。

 

今回は、癌に対する免疫細胞にひとつである「細胞障害性T細胞(CTL)についてのお話をさせていただきました。

 

相変わらず、「癌に対する免疫治療などナンセンスである」・・・という言葉が聞こえてきそうですね。

 

もちろん、癌に対して施行される外科療法、化学療法、放射線療法などの「標準治療」は、まず選択されるものであるとは思います。

 

例えば・・・「化学療法」の薬剤の内容は、日本、中国、マレーシア、ベトナムなどのアジア諸国では、ほぼ共通なものが実施されています。

 

つまり、癌の「標準治療」は、各国でもスタンダードな治療とされているのですね。

これに併せ、「分子標的薬」というものも用いられています。

JTKクリニックでも外部の医療機関から専門家を招き、「遺伝子パネル検査」を用いての最適な「分子標的薬」を選ぶということも行っています。

 

しかしながら、これらの治療では「癌幹細胞」というものまでは取り除くことができない場合もあるわけですね。

 

免疫力が低下していなければ、何をしなくても「癌幹細胞」は自分の免疫細胞で破壊されるわけですが・・・そうでない場合には、数年後に再発してくることもあるわけですね。

 

話を「細胞障害性T細胞(CTL)」に戻しますと・・・

 

この「MHC classI」+癌抗原を「腫瘍抗原ペプチド-MHCクラスI複合体」と呼びますが・・・上の図のように「腫瘍抗原ペプチド-MHCクラスI複合体」が表出されないと・・・

 

細胞障害性T細胞(CTL)」が数多く存在しても。「癌細胞」を破壊することは不可能になってしまいます。

 

では、どうするか?・・・と言いますと・・・

 

「MHC class I抗原」を表出しなくなった「癌細胞」でもNK細胞であれば、これを破壊することができるのですね。

 

これらの異なる「免疫細胞」を同時に用いることで、この2つの異なるメカニズムにより、癌細胞の「免疫回避」を防ぐことができると考えられています。

 

さらに以下のような「サイトカインネットワーク」の活性化のメカニズムも指摘されています。

  • 「NK細胞」が産生するIFN-γやTNF-αが「細胞障害性T細胞(CTL)」の活性化を促進する
  • 「細胞障害性T細胞(CTL)」が産生するIL-2が「NK細胞」の増殖・活性化を促進する

ということを念頭に置きながら、「NK細胞」と「細胞障害性T細胞(CTL)」を時間をおかずにほぼ同時に投与していく方は「癌細胞」を破壊しやすい・・・とも考えられているようです。

 

ところで、今宵は「クリスマス・イブ」ですので、以下のサイトのご紹介をしたいと思います。

 

https://www.noradsanta.org/ja/map

 

アメリカとカナダの政府機関である北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)が設置しているサイトです

 

サンタクロースを追跡する特設サイト「NORAD Santa Tracker(ノーラッド・サンタ・トラッカー)」を開設し、毎年サンタクロースの位置情報を提供しているそうです。

 

このサンタ・トラッカーは、1955年にアメリカの通販会社が「サンタクロースへの直通電話」という広告に、NORADの前身である中央防衛航空軍基地(CONAD)の電話番号を誤って掲載したことに由来します。誤って掲載された電話を受けた当時の司令官が機転をきかせ、サンタの位置情報を子どもに伝える粋な計らいが話題に。毎年恒例の行事となり、2024年で69年目を迎えます。NORADでの追跡の開始は、日本時間12月24日(火)18時に開始されています。

 

監督が源孝志さんで、豊川悦司さん、原田知世さん、吉川晃司さんら
が出演している映画「大停電の夜に(2005年)」の中で「サンタ・トラッカー」が紹介されていて、私も知ったのですが・・・ね。
 
今回も最後までお付き合いいただきまして
誠にありがとうございましたお願い
 
素敵なクリスマスをお過ごしくださいキラキラ
 

 

(表参道ヒルズ クリスマスツリー2024)

 

 

(表参道イルミネーション)

(筆者撮影)

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◯ 新型コロナウイルス後遺症外来を行なっています。(オンライン相談も可)

 

 

 

 

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こんにちは、内科医ひとちゃんですウインク

 

晴れてはいますが、強い寒気の流れ込みが続き、今朝は今シーズン一番の冷え込みの所が多くなったのだとか。

 

インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスの感染者の数も多くなっているようですので、うがいや部屋の換気に気をつける必要がありそうですね。

 

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

         (AIを用いて画像を作成)

 

今回の話題は、近年(きんねん)注目されることが多くなった

「フレイル(Frailty)」について、お話をしてみたいと思います。

 

以前に「サルコペニア」について話題にしたことがありましたね。

 

「サルコペニア」は、加齢に伴って(ともなって)、筋肉量の減少および筋力の低下の事で、身体機能の低下を伴うことをお話ししたと思います。

 

これに対して、「フレイル」とは、加齢により心身が衰えた(おとろえた)状態のことで、生活の質の低下や種々の合併症のリスクの一つと考えられているのですね。

 

現代の日本は「超高齢社会」を迎えています。

そのような環境の中で、「健康寿命」を伸ばしていくことは、重要な課題になっています。

 

少し補足(ほそく)しますと・・・「平均寿命」とは「0歳における平均余命」のことで、2019(令和元)年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳です。

 

一方、「健康寿命」とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいい、2019(令和元)年の健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳となっています。

 

「平均寿命」「健康寿命」の差は、日々の生活を送るうえで、「健康上の問題で日常生活が制限されること」がないかどうか・・・で生じてくるわけですね。

 

加齢により心身が衰えた状態になりますと・・・「健康上の問題で日常生活が制限されること」になることから、「フレイル」を早期に見つけることは重要である・・・と考えられているのですね。

 

では、「フレイル」の原因には、どのようなものがあるのでしょうか?

 

(AIを用いて画像を作成)

 

実は、「フレイル」は、単一の原因によって引き起こされるのではなく、複数の要因が複雑に絡み(からみ)合って発症します。

主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

 

1.加齢に伴う生理的な変化

加齢に伴い、身体の様々な機能が低下します。具体的には、以下のような変化が「フレイル」の発症に影響すると考えられています。

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1)筋肉量の減少(サルコペニア):

加齢に伴い、筋肉量が減少します。筋肉量の減少は、筋力低下、運動機能低下、転倒リスク上昇などを招き、「フレイル」の主要な原因の一つとなります。

 

2)神経系の機能低下

加齢に伴い、神経系の機能も低下します。反射神経の鈍化、バランス感覚の低下、認知機能の低下などが「フレイル」の発症や進行に関与すると考えられています。

 

3)内分泌系の変化

加齢に伴い、ホルモンバランスが変化します。成長ホルモン、性ホルモン、インスリンなどの分泌量が低下し、筋肉量、骨量、代謝機能に悪影響を及ぼし、「フレイル」の発症に関与すると考えられています。

 

4)免疫機能の低下

加齢に伴い、免疫機能が低下します。感染症に対する抵抗力が低下し、「フレイル」の進行や合併症のリスクを高めるとされています。

 

5)骨密度の低下

加齢に伴い、骨密度が低下します。骨粗鬆症は、骨折のリスクを高め、「フレイル」の進行を招きます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

医学的な問題の多くは、上記に示したとおりですが・・・さらに以下のような医学的問題は「フレイル」のリスクを増加させると考えられています。

 

 

2.疾患・病態 

 

さまざまな「疾患(しっかん)」や「病態(びょうたい)も「フレイル」の発症リスクを高めることが知られています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1)慢性疾患

 

高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、心不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性疾患は、身体機能や免疫機能を低下させ、「フレイル」の発症や進行に関与するとされています。

 

2)認知症

 

「認知症」は、認知機能だけでなく、身体機能や社会機能も低下させ、「フレイル」の発症や進行を促進します。

 

3)うつ病

うつ病は、食欲不振、睡眠障害、活動性の低下などを引き起こし、「フレイル」の発症や進行に関与します。

 

4)がん

 がんも、食欲不振、体重減少、体力低下などを引き起こし、「フレイル」の発症に関与します。

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まだまだ、「社会的な要因」・・・などと続くわけですが・・・
「解決法」を見つけると言っても、なかなかの難題(なんだい)になるのは確か(たしか)という気もしますよね。
 
では、医科学的な側面から、加齢に伴う「フレイル」を予防することは、できないだろうか?・・・と私は考えるわけですが・・・
続きは、後日の話題にしたいと思います。
 
 
素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ
 
それでは、またバイバイ
 
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<ブログ後記 >12月17日

 

今回は、近年、注目を集めている「フレイル(frailty)」について。お話しをさせていただきました。

 

「フレイル」は、高齢者の健康状態を特徴づける重要な概念として、単なる加齢現象や合併症ではなく、高齢者の「予備能力」の低下を示す症候群(しょうこうぐん)として理解されています。

 

「症候群(シンドローム)」は、複数の症状や徴候(ちょうこう)が一定のパターンで同時に出現する状態を指す医学的な概念となりますね。

 

高齢者の予備能力」の低下というというのは、難しく感じるかもしれませんが、免疫機能の低下や複数の臓器に機能低下を生じたりすることを指して(さして)いるわけですね。

一方、「サルコペニア(sarcopenia)」は、加齢に伴って筋肉量が減少し、筋力や機能が低下する状態となります。この「サルコペニア」は主に高齢者に見られ、筋肉の「量」と「質」の両方が低下することが特徴です。

つまり、「サルコペニア(sarcopenia)」は、主に「筋肉」の衰え(おとろえ)を問題にしているわけですね。

話を「フレイル」に戻します。

 

実は、この「フレイル」を別の視点から見てみますと、以下のようになります。


例えば、「細胞・組織レベル」での変化であると、次のようになります。

•  筋肉量の減少(サルコペニア)
- 脂肪組織の増加と分布の変化
- 骨密度の低下
- 血管内皮機能の低下
- 神経伝達効率の低下

さらに「分子レベル」での変化で見てみますと・・・

- テロメア短縮
- ミトコンドリア機能障害
- 酸化ストレスの蓄積
- DNA損傷の蓄積

などとなります。

これらのどれをみても「老化細胞」に似た過程を示しているのが
分かりますね。

 

通常の細胞では「テロメア」は伸びてくることはないわけですが、テロメアの分解速度を低下させることはできるのではないかと考えられています。

では、「テロメア」の分解速度を低下させるための方法は、どのようなものに可能性があるのでしょうか?

 

これは、以下のようなことが重要であると考えられています。

 

1)正しい生活習慣の維持

  • 質の良い睡眠を十分にとる(7-8時間)
  • 定期的な運動(特に有酸素運動)を行う
  • バランスの取れた食事を心がける(抗酸化物質を含む食品を積極的に摂取する)
  • ストレス管理を正しく行う(瞑想やヨガなどの実践)

2)栄養面からのアプローチ

  • オメガ3脂肪酸を含む食品(魚類など)
  • 抗酸化物質が豊富な食品(ベリー類、緑茶など)
  • ビタミンD、E、Cの正しい摂取

などがテロメア」の分解速度を低下させると考えられてます。

 

では、「ミトコンドリア」の機能異常に注目しますと・・・

以前のブログでもご紹介したように・・・その大きな原因のひとつは、「活性酸素」によるミトコンドリアDNAの障害が大きな問題でしたよね。

 

ここでも、やはり・・・「活性酸素」ですね。


「酸化ストレス」の蓄積は、「活性酸素」の過剰生成や抗酸化システムの機能低下が原因であるわけですので、やはり・・・問題になる原因のひとつは、「活性酸素」ということになりますね(もちろん、細胞内シグナルを伝えるのに有用なものもあるわけですが・・・)

 

それでは、「DNA損傷」の蓄積は、なぜ起こるのでしょうか?

 

1)環境要因

  • 紫外線の長時間の暴露(ばくろ)
  • 離電放射線(X線、γ線など)
  • 化学物質(タバコの煙に含まれる発がん物質など)
  • 環境汚染物質(大気汚染物質、重金属など)

2)体内での変化

  • 「活性酸素」の産生
    • ミトコンドリアでの酸化的リン酸化の過程で起こる
    • 炎症反応に伴う好中球やマクロファージの活性化による産生
  • 「DNA複製」をする際のコピーエラー
    • DNAポリメラーゼの誤り
    • コピーフォークの停止や崩壊

​​​​​​​3) DNA修復機能の低下

  • 加齢に伴うDNA修復酵素の機能低下
  • DNA修復遺伝子の変異

このように考えますと・・・「NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド )」や、その前駆体(ぜんくたい)にあたる「NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)」は、「フレイル」の予防効果があるのではないか? ・・・と思いまして、調べてみますと・・・

 

 

「NMN」 や 「NAD+ 」に関する研究の一般的な知見のひとつに「フレイル抑制」することに関する研究では、主に以下のような知見が報告されています。

 

1)ミトコンドリア機能の改善

  • エネルギー生産効率の向上
  • 酸化ストレスの軽減

2)筋肉機能への影響

  • 筋力低下の抑制
  • 筋肉量の維持

3)代謝機能への効果

  • インスリン感受性の改善
  • エネルギー代謝の向上

4)炎症反応への影響

  • 慢性炎症の抑制
  • 加齢関連の炎症マーカーの低下

さらに「NMN 」や 「NAD+」から誘導される「サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)」の「サーチュイン 1 遺伝子」の発現は、DNAを修復する作用がありますので・・・

「フレイル」の特徴のひとつである「DNA修復機能の低下」の問題も

クリアできてしまうのではないか・・・と思ったりもします。

 

「活性酸素」の問題は、「NMN 」や 「NAD+」ばかりでなく、「高濃度ビタミンC点滴をはじめ、さまざまな製剤がありますよね。

 

もちろん、これらの点は、世界各国の研究者の報告を待つのがよいと

思いますが・・・ね。

 

「フレイル」に関する話題は、機会をみてお話をしたいと思います。

 

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

(東京駅丸の内口側 KITTEビル内のクリスマスツリー2024) 

(筆者撮影)

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 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

(新潟大医学部卒)

 

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こんにちは、内科医ひとちゃんですウインク

 

よく晴れた休日の午後となっていますが、冬型の気圧配置が今後、強まっていくそうで、日本海側では雪が強くなりそうなのだとか。

 

暦に目をやりますと、その七十二候は「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)となっています。

 

文字どおりに・・・意味は、「厚い灰色の雲におおわれた本格的な冬が訪れる頃」となりまして、まさに今の季節を表現しているな〜などと感心したりもします。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

           (AIを用いて画像を作成)

 

今回の話題は、「老化細胞」を除去した後に残る問題点を話題としてみたいと思います。

 

これらのことを話題にするにする理由は、次のようなこともひとつの

理由となります。

 

例えば・・・ある臓器(ぞうき)に「老化細胞(ろうかさいぼう)」が多くなりますと・・・その臓器も機能は低下します。

 

「老化細胞」は「テロメア」が短くなり、それ以上は分裂できず、本来のその細胞の機能は消失します。

 

そのかわりに・・・「老化細胞」は、「炎症性サイトカイン」を分泌し、周囲の細胞にも悪影響を与えることが知られています。

老化細胞除去の意義:

 

このために・・・「老化細胞」を除去することで、組織の「炎症」を抑制し、再生を促進する環境を作れる可能性が出てくるわけですね。

 

これらのことが「老化細胞除去の意義」ということになります。

 

しかしながら・・・ここでひとつの問題が出てきます。

それは、「老化細胞」を除去したあとの臓器が、組織の構造と機能を維持するには、適切な細胞数を維持する必要があるのではないか?

 

・・・という疑問が出てくるわけです。

 

(AIを用いて画像を作成)

 

組織構造の維持における問題としては、次のようなことが知られています・

  • 臓器は適切な細胞数と細胞密度を必要とします
  • 細胞が不足すると組織の物理的構造が維持できなくなる可能性があります
  • 特に、実質臓器(肝臓、腎臓など)では細胞数の減少が直接的に機能低下につながります

また、細胞間相互作用の喪失ということも問題になっています。

  • 多くの臓器では、細胞間の密接な相互作用が重要です
  • 細胞数が減少すると、必要な細胞間シグナルが不足する可能性があります
また、組織恒常性への影響という点では
  • 細胞数の減少は、局所的な代謝環境を変化させる可能性があります

これらの問題を解決していく手段がないと・・・「老化細胞」を除去して、長生きを目指すというのは、単なる「夢物語」ということになりかねない・・・ということになりますね。

 

では・・・どうするのか?・・・ということになります。

そこで・・・ひとつの可能性として考えられるもが、「幹細胞」や「幹細胞由来のエクソソーム」が利用できないか?・・・ということになるのですね。

 

もし、これらの方法を封印(ふういん)するとしたら・・・方法がまったくないわけではありません。

 

「幹細胞移植」や「エクソソーム」以外にも、以下のような方法が考えられるとされています。ちょっと、調べてみますと・・・

以下のようになります。

 

1)残存細胞の増殖・機能促進を目的として

  • 成長因子やサイトカインの投与
    • HGF(肝細胞増殖因子)
    • EGF(上皮成長因子)
    • FGF(線維芽細胞増殖因子)など
  • 組織特異的な増殖促進物質の利用
  • 代謝活性化剤の投与

2)組織微小環境の最適化を目的として

  • 細胞外マトリックスの調整
  • 血管新生の促進
  • 抗炎症因子の投与
  • 抗酸化物質の投与による酸化ストレス軽減

3)内在性の組織修復メカニズムの活性化する目的として

  • 組織常在性幹細胞の活性化
  • 前駆細胞の増殖・分化促進
  • オートファジーの適切な制御
  • 細胞間コミュニケーションの促進

4)物理的・機械的アプローチとして

  • 適度な機械的刺激の付与
  • 電気刺激療法
  • 超音波治療
  • 温熱療法

5)薬理学的アプローチとして

  • mTOR経路の調節薬
  • AMPK活性化剤
  • セノリティクス(老化細胞除去)の段階的実施
  • 組織特異的な機能維持薬

これらの方法は単独でも有効な可能性がありますが、複数の方法を組み合わせることで、より効果的な治療戦略となる可能性があるというのですが・・・

なかなか、ハードルが高いと感じてしまいますね。

 

ならば・・・「幹細胞」を投与すれば、不足した組織の細胞を埋められるのか?・・・というと、話はそう簡単ではなさそうです。

 

話が長くなりましたので、続きは後日の話題にしたいと思います。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

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<ブログ後記>12月10日

 

今回は「老化細胞」を除去することができた後(あと)にも問題がある可能性について、お話をさせていただきました。

 

「老化細胞」は、テロメアの短縮(たんしゅく)などにより、細胞分裂を停止し、炎症を促進する物質 サイトカインなどを放出することが知られていますが、これらのメカニズムは、さらに「老化」を加速させるばかりでなく、多くの疾患の進行に関わって(かかわって)いると考えられています。

 

そして、この「老化細胞(セネセント細胞)」を標的として、「細胞死(アポトーシス)」を誘発(ゆうはつ)したり、老化細胞を標的として細胞死を誘発したり、破壊・除去したりする成分や手法の総称が「セノリティクス(senolytics)」と呼ばれます。

 

このような「老化細胞除去説」に基づく若返り研究は、2008年から取り組みが加速しているそうです。

 

こうした研究の基本目標は、「合成または自然の成分」を用いて、傷害を受けた細胞や「老化細胞」を除去し、老化のスピードを遅らせることにあり、これが実現すれば・・・ヒトの寿命が120歳になるのも

夢ではない・・・と考えられているわけです。

 

日本経済新聞のある記事によれば・・・2011年頃の研究で、「老化細胞」を排除できるマウスを作成したところ、加齢に伴う病態の発症が遅れることが明らかとなり、「老化細胞」を除去することで健康寿命を延ばすことができる可能性が示されているとのことです。

 

現在の残る課題のひとつは・・・ヒトで「老化細胞」の存在量をリアルタイムで計測できるシステムがないことであるとされています。

 

現在の「老化細胞」の検出方法で報告されているものは、生検による組織の一部を採取(さいしゅ)し、「SA-β-gal」などの老化マーカーを検出する方法がありますが、一時の測定のみ可能な侵襲的(侵襲的)」な身体への負担が大きい手法となり、現実的とは言えません。

 

「SA β-Gal(senescence associated β-galactosidase)」は、細胞の「老化」に関連する酸性β-ガラクトシダーゼで、老化細胞の共通の生化学的マーカーです。

 

血液中のバイオマーカー測定では、p16INK4aやSASPファクターなどの測定があるのですが、これは、間接的な評価であり、厳密(げんみつ)な定量は、困難であると考えられています。

 

「老化細胞」は、人間の体を構成する細胞の約1%を占めているだろうとされているわけですが・・・正確な細胞数は個人差もあり、わからないのが現状と考えられるわけです。

 

そして、本文内でもお話をしたように・・老化細胞の過剰な除去には、以下のようなリスクや問題が生じる可能性があります:

 

1)組織の修復・再生機能の低下

  • 特に皮膚や肝臓などの組織では、修復遅延が起こる可能性があります。

 

2)免疫システムへの影響

  • 過剰に除去することにより免疫反応が低下する可能性があります

3)代謝機能への影響

  • 過剰除去により、糖代謝や脂質代謝に異常を​​きたす可能性があります

4)組織構造の不安定化

  • 組織の脆弱化や機能低下を考慮する可能性があります

5)幹細胞機能への影響

  • 過剰除去により「幹細胞」の機能低下や枯葉が起こる可能性があります

なかなか、やっかいな問題が、残っているわけですね。

 

本格的な「老化細胞」の除去は、まだまだ先になる可能性もあるわけですが・・・「局所の組織」や「老化細胞」を一定の数を少しずつ破壊できる方法が可能であれば・・・その実施は「夢物語」ではなくなりそうですね。

 

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

(六本木 ミッドタウン クリスマスイルミネーション2024)

(筆者撮影)

 

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