こんにちは、内科医ひとちゃんですウインク

 

3月も半ば(なかば)になり、暦(こよみ)を見ますと七十二候は

「菜虫化蝶(なむしちょうになる)」となっています。

 

「なむし」は、あぶらなや大根などの葉につく青虫のこと、モンシロチョウの幼虫などが代表的なのだそうです。

 

蝶(ちょう)は、幼虫からサナギを経て成虫となるその劇的な変化によって、輪廻転生や復活、長寿などの象徴とされてきたそうです。

 

そして、本格的な春の到来(とうらい)は、多くの花を咲かせますね。フランスのファッションデザイナー、クリスチャン・ディオールは、次のような言葉を残しています。

 

After women, flowers are the most lovely thing God has given the world.

 

花は神が世界に与えたものの中で、女性の次に最も愛らしいものである

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?    

 

 

 

今回は「肌の保湿(ほしつ)機能」と「線維芽細胞(せんいがさいぼう)」の関係についてのお話をしてみたいと思います。

 

「線維芽細胞」は、皮膚の「真皮層」に存在して、「コラーゲン」や

「エラスチン」、そして、「ヒアルロン酸」を作り出しますね。

 

        (図はお借りしました)

 

image

 (図はお借りしました)

 

一方で「肌の保湿機能」とは、肌が水分を保持(ほじ)して、乾燥を防いで外部刺激から保護する機能です。

健康な肌は「角質層(かくしつそう)」に水分を蓄え、バリア機能を維持することで、潤いを保ちます。具体的には、以下の要素が関わります。

 

1)皮脂膜:水分蒸発を防ぐ保護膜

 

2)天然保湿因子(NMF):アミノ酸や尿素などが水分を角質層内に保持する。

 

3)細胞間脂質(セラミドなど):角質細胞の間を埋め、水分蒸発を防ぐ

 

これらが十分に機能していると、肌の水分量は保たれ、乾燥や肌荒れを防ぐことができるのだそうです。

 

 (AIを用いて画像を作成)

 

では、ここに「線維芽細胞」がどのように関わってくるのか?

言い換えれば、加齢によって「線維芽細胞」の機能が低下しても、皮膚の保湿機能を保つことができるのか?・・・ということになります。

 

一般的に40歳をすぎると、「線維芽細胞」の機能は衰えたり(おとろえたり)、「老化細胞」が増加し、これにより、コラーゲンやエラスチンの産生量が低下し、それにより皮膚のシワやタルミが出現すると言われていますね、

 

では、「線維芽細胞」は肌の保湿という側面に対しては、どのような効果を持つのでしょうか?

 

1)コラーゲン:肌の弾力を保ち、水分を引き付ける土台を作ります.

 

 

2)エラスチン:肌の伸縮性を保ち、ハリを維持します。

 

3)ヒアルロン酸:水分を大量に保持し、肌の潤いを保つために重要な役割を果たします。

 

このように真皮層にある「線維芽細胞」は、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などは、肌のはりを保ち、シワやタルミをつくらせないだけではなく、

コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸は、肌の潤いを維持する上で非常に重要な役割を果たしているのだそうです。

 

では、真皮層にある「線維芽細胞」の老化は、肌の保湿機能に対して、どのような影響を与えるのでしょうか?

 

続きは、後日の話題にしたいと思います。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

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<ブログ後記>3月18日
 

先ほどまで、ニュースを読んでいました。そうしますと・・・

明日水曜日は、雪のお天気になるのだとか。

本当に雪になれば、「名残り雪(なごりゆき)」になるなあ〜などと
考えておりました。春にふる雪を「名残り雪」と呼ぶのですね。


さらに某紙では「NK細胞は、癌に効果がない」と識者の解説をしていましたが、
世界的な「NK細胞」についてのコンセンサスは、ナチュラルキラー(NK)細胞は、癌化に関連した表面マーカーを認識することによって癌細胞を殺すことができる。 
NK細胞は抗体やT細胞応答を増強し、効果的な抗がん剤となる。 
臨床試験では、血液悪性腫瘍や固形癌の治療にNK細胞を用いる有望な結果が示されているのですね(参考1)

もちろん、NK細胞を集めて培養するだけではダメで、「NK細胞の活性」を増加する処理を行わなければダメなわけですが。

<参考>
1. Review Nat Rev Drug Discov. 2020 Mar;19(3):200-218. 
NK cells for cancer immunotherapy
Noriko Shimasaki ,Amit Jain ,Dario Campana ら

これをもとに多くの知見が進められ、今後はCAR-T療法ならぬ、CAR-NK療法が出てきている時代であるのに、これらをすべて無視しているわけです。

現時点の研究者が取り組んでいる問題点は、臓器に存在する固形癌の周囲を取り囲んでいる「癌関連線維芽細胞」の強固な壁をどうするか?などであるわけですね。

 

「Review Nat Rev Drug Discov. 」とは、世界的な「Nature(ネーチャー)」に関連する創薬や薬剤開発分野に従事する全ての人を対象とした月刊誌です。 業界全体をカバーする最高品質の総説と展望にする雑誌ですね。

一方、岡山大や名古屋大などの研究チームの発見は、とても斬新(ざんしん)なものでした。
 

その内容は、肌の弾力を保つのに重要なタンパク質「コラーゲン」は、これまで考えられていた皮膚の深い部分「線維芽細胞」だけではなく、表面側でも作られているということだけではなく、

「保湿」も、真皮層にある「線維芽細胞」だけでなく、「ケラチノサイト」も「保湿」に関与している可能性を指摘しているのですね。


これも「Nature」系の国際誌「Nature Communications(ネーチャーコミュニケーションズ)」 に発表されたそうです。このジャーナルは、生物学、物理学、化学および地球科学のあらゆる領域における高品質な研究を出版するオープンアクセスジャーナルとなります。

まだ、ウーパールーパーでの実験なのですが、おそらく、ヒトも同じであろうという推測もなされているようです(共同通信より)


これまでの様々な研究で、「線維芽細胞」が皮膚の構造維持、創傷治癒、線維化において重要な役割を果たす一方、皮膚表面の「ケラチノサイト」との相互の連携作用があると考えられ、これが、

皮膚の恒常性維持(こうじょうせいいじ)を行う上で重要であるとも
すでに示されていたので、もしかすると、そんな連携が明らかにされたのかな〜と思っています。

上のニュースは、ともかく、本文内で述べた「皮膚線維芽細胞」を正常化させることは、皮膚の「保湿」作用を改善する可能性があります。


本文内でもご紹介しましたが・・・「線維芽細胞」は真皮層に存在し、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス成分を産生します。

 

これらの成分は、皮膚の構造を支え、水分を保持する能力に直接関わっているのですね。
 

特に「ヒアルロン酸」は、その分子量の1000倍もの水分を保持できるため、皮膚の水分量維持に重要な役割を果たしています。加齢や紫外線などの外的要因によって線維芽細胞の機能が低下すると、これらの保湿成分の産生が減少し、皮膚の乾燥につながります。

では、さらに「線維芽細胞」が「老化」していくと「皮膚」はどうなってしまうのでしょうか?
 

残念ながら、「線維芽細胞」も老化していくわけですね。
 

これにより、「保湿機能」は低下するばかりでなく、老化した線維芽細胞(老化細胞/セネッセント細胞)は、以下のような変化を示すとされています。

1)ヒアルロン酸の産生低下

老化線維芽細胞はヒアルロン酸の合成能が低下するため、皮膚の水分保持能力が減少します。
 

2)コラーゲン産生の質的・量的変化

老化線維芽細胞はコラーゲン産生量が減少し、また産生されるコラーゲンの質も変化します。これにより真皮の構造が変化し、水分維持機能が低下します。


3)炎症性因子の分泌(SASP)

老化細胞は老化関連分泌表現型(Senescence-Associated Secretory Phenotype, SASP)と呼ばれる炎症性サイトカインやケモカイン、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)などを分泌します。これらは周囲の健康な細胞にも悪影響を与え、皮膚全体の保湿機能を低下させます。
 

4)エラスチン産生の低下

弾力性を維持するエラスチンの産生も低下し、皮膚の弾力性と共に水分を保持する能力も減少します。

これらの変化により、老化線維芽細胞が増加した皮膚では、バリア機能の低下、水分保持能力の減少、そして結果として乾燥肌や小じわの増加などの症状が現れやすくなります。

なんとか、この状態を改善できないか?・・・現時点的の研究者たちの課題なのかもしれません。
理論的には、線維芽細胞を正常化させることで皮膚の保湿機能は改善する可能性が高いと考えられているそうです。

現在、分かっていることは、ヒトの皮膚には、SFRP2 と FMO1 という 2 つの主要な線維芽細胞集団がありそれぞれ異なる形態を持ち、マトリックス沈着、炎症、結合組織細胞の分化において役割を果たしていること(参考2)


2).J Invest Dermatol. 2018 Apr;138(4):802-810. 
SFRP2/DPP4 and FMO1/LSP1 Define Major Fibroblast Populations in Human Skin
Tracy Tabib ら

また、皮膚内で異なる機能を持つ異なる線維芽細胞サブポピュレーションは、表皮からの 「Wnt 制御シグナル」に反応し、創傷治癒および癌の進行中の結合組織の変化を説明できる可能性があると考えられています。(参考3)

「Wnt 制御シグナル」の変化が・・・まあ、これくらいにしときましょう。
 

参考)

3. Trends Cell Biol. 2015 Feb;25(2):92-9. 
Understanding fibroblast heterogeneity in the skin
Ryan R Driskellrら

いずれにしても、ヒトの皮膚の「線維芽細胞」は、毛髪の発達、傷の修復、生体工学など多
様な機能を発揮し、皮膚生物学の理解と皮膚の再生のための資源の提供に重要な役割を果たして
いるというのが現在のコンセンサスになりますね(参考4)

4. Cell. 2021 Jul 22;184(15):3852-3872.
Fibroblasts: Origins, definitions, and functions in health and disease
Maksim V Plikusら

今回も最後までお付き合いいただきまして
誠にありがとうございましたお願い

 

(ホテル アマン東京 ロビーの桜)

(筆者撮影)

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 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

(新潟大医学部卒)

 

  <JTKクリニック・アンチエイジング>

   上差し<内科医ひとちゃんが選んだJazzの曲>

 

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<今週、なんとなく聞いてみたい曲>

 

 

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◯外来診療は予約制をとり、待ち時間が生じないようにしています。

 

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◯ 線維筋痛症に対するノイロトロピン等の点滴療法、トリガーポイント注射を行なっております。(セカンドオピニオン診療も可)

 

○自分の皮下脂肪から組織を採取し、「間葉系幹細胞」を培養して、自分自身の組織内に投与する「幹細胞治療」を開始しました。

 

 

 

 

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電話 03-6261-6386

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こんにちは、内科医ひとちゃんですウインク

 

先週は大雪になるなどという予報がありましたが、都内近郊は雪が積もることもなく、ホッとしました。

 

温暖化の影響で、これまでの気象データが役に立たないものになっているのではないか・・・などと少し心配になったりもします。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?    

 

 

さて、春もようやく本番ということになりそうですが、この時期になりますと、そろそろ、「健康診断」があるなあ・・・と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

 

前回は「肥満」と「サーカディアンリズム」を話題にしたわけですが、今回は「肥満」とも関係のある「脂肪肝(しぼうかん)」と「動脈硬化(どうみゃくこうか)」の2つの疾患を話題にしてみたいと思います。

 

まずは、「脂肪肝」と「動脈硬化」の2つの疾患の関係性は、どのようなものがあるのでしょうか?

 

詳しく見ていきますと、次のような重要なポイントがあります。

 

1) 共通の根本原因

 

メタボリックシンドローム(肥満、インスリン抵抗性、高血圧、脂質異常症)が両方の疾患の共通基盤となっています。

 

2) 2つの疾患の関係性

 

「脂肪肝」では、肝臓での脂質代謝異常が起こり、これにより血中の「悪玉コレステロール(LDL)」と「中性脂肪(TG)が増加し、これにより、「動脈硬化」のリスクが高まります。

 

3)炎症プロセスの存在

 

「脂肪肝」では、肝臓内の炎症が慢性化しており、「炎症性サイトカイン」が放出されます。これらの炎症物質は、「血管内皮細胞」の機能障害を引き起こし、「動脈硬化」の初期段階を促進(そくしん)

します。

 

3. 酸化ストレスの増加

 

両疾患とも「酸化ストレス」の増加が特徴で、これが組織損傷と疾患進行に寄与(きよ)します。

「酸化ストレス」とは、DNAさえも破壊する「活性酸素(種)」になりますね。

 

4.相互強化作用

 

「脂肪肝」は、「動脈硬化」のリスク因子となり、逆に「動脈硬化」は、肝臓への血流を減少させることで、「脂肪肝」を悪化させる可能性があるとも考えられるようになってきているのですね。

 

実際に「非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)」は、独立した心血管疾患リスク因子として認識されるようになっています。

 

少し補足(ほそく)しますと・・・非アルコール性脂肪性肝疾患」とは、「脂肪肝」の原因のひとつであり、アルコール依存症以外の原因によって、肝臓に脂肪が蓄積している 場合に生じるとされている肝疾患なのですね。 

 

 

(AIを用いて画像を作成)

 

いかがでしょうか?「動脈硬化」の進展は、狭心症や心筋梗塞などの

「冠動脈疾患(かんどうみゃくしっかん)の発症につながりますし、

「脂肪肝」は、肝硬変(かんこうへん)や「肝臓癌」にもつながっていくことが知られています。

 

これらの「脂肪肝」と「動脈硬化」は、どちらもそのようにならないようにした方が良いわけで、「脂肪肝」は改善しておく方が良いし、

「動脈硬化」は改善、もしくは進行しないようにすればよいわけです。

 

なんだか、タイヘンな感じがするなあ〜と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

実は、「脂肪肝」と「動脈硬化」の2つの疾患に対する「予防」や「治療」のアプローチは、とても似てまして(にてまして)、生活習慣の改善(食事改善、運動の増加、適正体重の維持)が基本となります。

 

最も簡単(かんたん)なのが・・・「脂肪肝」も「動脈硬化」も食事摂取カロリーを減らすことが有効とされるのですが・・・

やっぱり、簡単ではないですよね〜爆  笑

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<  ブログ後記  >3月11日
 

窓の外に目をやりますと、音もなく雨が降ったり止んだり(やんだり)を繰り返しているようです。
 

さて、今回は「脂肪肝」や「動脈硬化」の予防・改善させるものは、「食事摂取(しょくじせっしゅ)カロリー」を減らすことであるというお話をさせていただきました。
 

「そんなことかい」・・・と思う方も多いかもしれませんね。
 

「食事摂取カロリー」を減らせば、「皮下脂肪型肥満」でも「内臓脂肪型肥満」であっても体重は減るでしょうし、それによって、血圧が低下するかもしれません。また、「糖尿病」の血糖コントロールを改善したり、また、「糖尿病」になることを予防することも
できる・・・

 

だから、「脂肪肝」や「動脈硬化」の予防・改善させるのは、当然のことだ・・・と考える方も多いかもしれません。

しかしながら、あなたの最適(さいてき)な食事摂取のカロリーは、どのぐらいですか?・・・と、聞かれた時に正確にその数字を言える方は少ないかもしれません。

適正な食事の摂取カロリーを割り出すには、以下の要素を考慮(こうりょ)する必要があります。

通常の場合、基礎エネルギー消費量 BEE (または基礎代謝量 BMR) と活動係数、 ストレス係数の乗数から算出する方法もありますが、これは複雑な計算が必要なので、

「適正体重」を用いて、カロリー計算を用いる場合が多いかもしれません。この方が簡単に計算できますので・・・ね。


「適正体重」は、最も健康で長く生きることができるとされる

「BMI 22」を基準として、現在、自分の体重の体重がどの程度オーバーしているのか?

 

また、適正なカロリー数はどの程度なのかを知ることができます。

 

少しだけ、ヤヤコしい話をしてみます。

 

 

上記のサイトで、まず、「適正体重」を算出してもらいます。

そして、この数字と「身体活動量係数」を用いて、食事による適正なエネルギー摂取量を知ることができます。

【適正なエネルギー摂取量】= 【適正体重(kg)】× 【身体活動量係数】

「身体活動量係数「とは、以下のようになっています。


軽労作: 25-30 kcal/kg
普通の労作: 30-35 kcal/kg
重い労作: 35-40 kcal/kg

身体を酷使(こくし)するようなスポーツ選手や重労働の方は<重い労作: 35-40 kcal/kg>に当たるのですが、デスクワークが多い方は<軽労作: 25-30 kcal/kg>となります。
 

もう少し分かりやすく、お話をしますと

○軽労作(週1-3回の軽い運動)
○普通の労作(週3-5回の中程度の運動)
○重い労作(週5-7回のハードな運動)〜(肉体労働や一日2回のトレーニング)
となります。

ほとんどの方はどんなに仕事が忙しくて、日々疲れる(つかれ)を感じる方であったとしても、デスクワークが多い方は「軽労作」になってしまうことが多いわけです。
 

そうしますと、「身体活動量係数」は、25-30 kcal/kgとなるわけです。

例えば、172cm , 73Kgの方が健診で「脂肪肝」を指摘され、食事を減らしてくださいとアドバイスを受けたとします。仕事はデスクワークが多いとします。


詳しく計算をしてみると    適正体重は65.08kgとなり、実際には+7.92kgの体重オーバーがあるわけでして、
BMIは、    24.68 となるわけです。
 

この場合、食事のカロリーを減らす目的は、現在の体重を適正体重に減らすことですから、
 

【適正なエネルギー摂取量】= 【適正体重(kg)】× 【身体活動量係数】の式に当てはめますと

65.08kg×25〜30 となります。しかし、摂取カロリーをできるだけ減らした方が「脂肪肝」は
改善しやすいわけなので、【身体活動量係数】を25にします。

そうしますと・・・65.08 × 25= 1627 Kcal となります。これが1日の適正な食事のカロリー
となります。もちろん、この中にはアルコール類なども含まれます。
これは、無理だよ〜とおっしゃる方がいると思いますが・・・

この適正カロリーは、「糖尿病」の治療を行う際に併せて行うことが必要な食事療法の1日のカロリーとほぼ、同じカロリー数となるわけですね。

もちろん、このカロリーの中で、必要な栄養素をとらなければいけません。タンパク質や脂質、野菜などですね。

これが、なかなか、難しいと言えます。


そこで、JTKクリニックでは、栄養士さんによるオンラインの食事指導を行う準備を進めているわけですが、この御紹介は、またの機会にしたいと思います。

「食事のカロリー」と「脂肪肝」、そして「動脈硬化」の関連を指摘する海外の論文も多数あるのですが、そのご紹介も、別の機会にしたいと思います。

今回も最後までお付き合いいただきまして
誠にありがとうございましたお願い

 

(東京丸の内 仲店通り)

(筆者撮影)

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 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

(新潟大医学部卒)

 

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<今週、なんとなく聞いてみたい曲>

 

 

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こんにちは、内科医ひとちゃんですウインク

 

3月に入り、昨日からはは春本番のような陽気になっています。

残念ながら、明日3日と明後日4日は、全国的に天気が崩れ

「寒の戻り(かんのもどり)」がありそうなのだとか。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?    

 

               (AIを用いて画像を作成)

 

さて、今回は「サーカディアンリズム(概日リズム)」の乱れは「肥満(ひまん)」と関係があるかもしれない・・・というお話をしてみたいと思います。

 

「サーカディアンリズム」とは、どのようなものであったでしょうか?少しだけ、おさらいをしてみたいと思います。

 

「サーカディアンリズム」は、約24時間周期で変動する生体リズムのことですよね。

これは多くの生物に見られる内因性の生物学的プロセスで、以下のような特徴がありました。

  1. 睡眠-覚醒サイクル、体温変動、ホルモン分泌などの生理機能を調節します
  2. 主に脳の視交叉上核(SCN)によって制御されています
  3. 光などの外部環境の手がかり(zeitgeber「時間を与えるもの」と呼ばれる)によって調整されます

この「サーカディアンリズム」が乱れると、睡眠障害、気分の変化、認知機能の低下、さらには長期的な健康問題(心臓病や糖尿病のリスク増加など)を引き起こす可能性があると考えられています。

 

これ以外でも「サーカディアンリズム」の乱れは、「免疫力」の低下を引き起こすことも報告されているのですが、そればかりでなく、

「肥満」リスクを高めることが科学的研究で示されているのですね。

 

              (AIを用いて画像を作成)

 

実は「サーカディアンリズム』を生み出す生物学的なメカニズムとして、私たちは「体内時計」を持っています。

 

この「体内時計」は、単に「睡眠(すいみん)」と「覚醒(かくせい)』のサイクルだけでなく、消化酵素の分泌、血糖値の調整、脂肪の貯蔵と燃焼など、エネルギー代謝の多くの側面を制御していルことが知られています。

 

このために「サーカディアンリズム」に乱れ(みだれ)が生じると、

次にあげる異常が生じやすくなることが知られています。

 

1)ホルモンバランスの変化

 

サーカディアンリズムが乱れると、食欲を調節する重要なホルモンであるレプチン(満腹感を伝える)とグレリン(空腹感を刺激する)のバランスが崩れます。夜型の生活や睡眠不足はグレリンの増加とレプチンの減少を引き起こし、過食につながります。

 

2)インスリン感受性の低下

 

 体内時計の乱れは,膵臓の「インスリン分泌パターン」と筋肉や脂肪組織の「インスリン感受性」に影響します。

 

夜間の光曝露(ひかりばくろ)や不規則な食事パターンは、いわゆる「インスリン抵抗性」を高め、血糖値の上昇と脂肪蓄積を促進します。

 

3)脂肪細胞の機能変化

 

脂肪組織自体も強い「サーカディアンリズム」を持っていることが知られています。

 

体内時計の遺伝子(CLOCK, BMAL1など)の発現異常は、脂肪細胞の「代謝活性」を変化させ、脂肪の蓄積を増加させることが研究で示されています。

 

4)腸内細菌叢への影響

 

「腸内細菌」も日内変動パターンを持っていて、食物の消化や栄養素の吸収に影響します。

 

不規則な食事時間は「腸内細菌」のバランスを乱し、カロリー吸収の効率を高めることがあります。

 

それは、本当かいな〜と思うわけですが・・・すでに各国の臨床試験などで、次のようなことが分かっているのだとか。

 

 

・交代勤務者(特に夜勤)は一般人口と比較して肥満率が25-30%高いというデータがある。

 

・慢性的な社会的時差ボケ(週末と平日で睡眠スケジュールが大きく異なる状態)が、BMIの上昇と相関する。

 

・実験動物において、体内時計遺伝子をノックアウト(発現をストップ)すると、高脂肪食摂取時の「体重増加」が顕著(けんちょ)になることが示されている。

 

・一日の睡眠時間が6時間未満の人は、7-8時間睡眠の人と比較して肥満リスクが55%高いという報告がある。

 

といった具合(ぐあい)です。

 

では、最後に「肥満」であることは、「サーカディアンリズム」に影響を与えないのでしょうか?

 

残念ながら・・・「サーカディアンリズム」と「肥満」には

双方向(そうほうこう)の関係があると言われています。

 

つまり、「肥満」が「サーカディアンリズム」に影響を与えると同時に、「サーカディアンリズム」の乱れが「肥満」のリスクを高めることが確認されています。

 

なかなか、厄介(やっかい)な問題ですね。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記  > 3月4日

どうやら、外は強い風が吹いており、「霙(みぞれ)」になっているようです。

今回は、「サーカディアンリズム(概日リズム)」と「肥満」の関係についてのお話をさせていただきました。


「サーカディアンリズム」は、本文内でもご紹介しましたが、他の生物と同じようにヒトにも約24時間周期で変動する「体内時計」が存在することが分かっています。
 

この「体内時計」は、「視交叉上核(SCN)」という脳の一部で調整されるわけですね。
「視交叉上核(SCN)」は、「マスター時計」として機能し、肝臓、心臓、筋肉などの様々な臓器や組織にある「末梢時計」を同調させることが分かっています。


これにより、体全体のリズムが調整されるわけですが、睡眠・覚醒サイクル、ホルモン分泌、体温調節など、多くの生理機能をコントロールしています。

そして、この「マスター時計」を刺激するのは、網膜(もうまく)からの光の情報でありまして、網膜視床下部路(RHT)という部分を通じて「視交叉上核(SCN)」に伝達されます。


特に、網膜にあるメラノプシン含有網膜神経節細胞(ipRGCs)が青色光に敏感に反応し、「視交叉上核(SCN)」に信号を送ります。
 

光などの刺激によって、このリズムは外部環境と同調する・・・と分かりにく位かもしれませんね。外部環境とは、ヒルかヨルかなどということなるでしょうか。
 

つまり、朝の起床時に太陽の光を浴びると、まず「視交叉上核(SCN)」の「マスター時計」がリセットされ、その後、さまざまな臓器の「末梢時計」もリセットをされるというわけです。

これらの「マスター時計」や「末梢時計」などが作り出す24時間のリズムが「サーカディアンリズム」ということになりますね。
 

この「サーカディアンリズム」が、免疫細胞の活動の日内変動を起こしたり、免疫組織にも日内変動を起こすなど、ヒトの「免疫システム」にまで影響を及ぼすというのですから、驚きます。


話は少しそれますが、「NMN」や「NAD+」は、この「サーカディアンリズム」を調整することが知られています。
 

そのメカニズムは、以下のようになります。

「NAD+」は、「SIRT1(サーチュイン1)」というタンパク質の補酵素として機能します。補酵素とは、酵素タンパク質と結合して、その機能が充分に発揮させます。

「SIRT1(サーチュイン1)」は、「時計遺伝子」であるBMAL1やPERなどを脱アセチル化することで、「サーカディアンリズム」を調節します。
「時計遺伝子」とは、生物の体内時計(サーカディアンリズム)を制御する遺伝子群のことでしたね。。これらの遺伝子は約24時間周期の発現パターンを示し、生物の生理機能や行動に日内変動をもたらストされています。

「SIRT1(サーチュイン1)」の注目すべき働きは、「DNAの修復」でしたが、「時計遺伝子」を介して(かいして)「サーカディアンリズム」を調整する作用もあるわけですね。

話を「サーカディアンリズム」と「肥満」の関連に話を戻しますと・・・次のようなことが報告されています。

ある論文では、日常生活におけるサーカディアン活動リズムの乱れと肥満関連指標との関連を検討しておりまして、
それによれば、「サーカディアンリズム」の活動の乱れが、体脂肪率やBMIの増加と関連していることを報告しています(文献1)

また、別の論文では、睡眠の乱れと「サーカディアンリズム」の乱れがエネルギー代謝と肥満にどのように影響するかを検討しています。
 

それによりますと・・・睡眠不足や乱れが「サーカディアンリズム」の乱れを引き起こし、それがさらにカロリー摂取の増加やエネルギー消費の減少につながって、「肥満」のリスクを高めると報告されています(文献2)

また、あるレビュー(総説)では、「サーカディアンリズム』の乱れが肥満や代謝疾患の発症にどのように寄与するかを示しています。特に、食事のタイミングや高脂肪食が代謝の時間的調整を乱し、「肥満」を促進することを述べています(文献3)

そして、別の論文では、「サーカディアンリズム」が栄養代謝にどのように影響するかを検討しています。
特に、「サーカディアンリズム」の乱れが、肥満や代謝疾患の発症のリスク因子となることを報告しています(文献4)

参考となる論文は、他にも多くあるわけですが・・・それらをまとめますと、「サーカディアンリズム」の乱れは、肥満や代謝疾患のリスクを高めることが多くの研究で示されて(しめされて)います。
 

特に、シフトワークや不規則な睡眠、遅い食事時間などが「肥満』のリスクを高める要因として挙げられています。
 

本文内では、「肥満」から「サーカディアンリズム」が乱れることもあるとお話をしたわけですが、多くの論文の中では、「サーカディアンリズム」の乱れが、「肥満」や「代謝疾患』の発症や、ときには、物事に集中できない、無気力などの精神的な不調にも及ぶことも述べられたりもしています、

 

やはり、人生の限られた時間をめいっぱい有効に活用し、楽しく過ごしていくためには、規則正しい生活リズムと適正な食事カロリーの摂取(せっしゅ)を心がけ、そして、充分な睡眠時間を確保することで、「サーカディアンリズム」を正常化していくことが重要なのかもしれませんね。

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

参考)
1)Obesity reviews 18, 15-24, 2017
Role of sleep and circadian disruption on energy expenditure and in metabolic predisposition to human obesity and metabolic disease
AW McHill, KP Wright Jrら

2)Obes Rev. 2017 :18 Suppl 1:15-24. 
Role of sleep and circadian disruption on energy expenditure and in metabolic predisposition to human obesity and metabolic disease
A W McHillら


3.Review Int J Mol Sci. 2019 Mar 30;20(7):1597. 
Off the Clock: From Circadian Disruption to Metabolic Disease
Eleonore Mauryら

4. Nutrients 2022 Jul 29;14(15):336. 
The Circadian Regulation of Nutrient Metabolism in Diet-Induced Obesity and Metabolic Disease
Lauren N Woodieら

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 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

(新潟大医学部卒)

 

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こんにちは、内科医ひとちゃんですウインク

 

2月も残すところ僅か(わずか)となり、あと数日もすれば

春の陽気になるのだとか。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?    

 

(AIを用いて画像を作成)

 

さて、今回は2月22日の共同通信の記事に少し驚きました。

ちょうど、「高濃度ビタミンC」の点滴が、癌に対する化学療法の効果を高めるだけでなく、化学療法の副作用を軽減する・・・という論文をいくつか読んでいたからです。

 

共同通信に記事の内容は、次のようなものでした。

 

「癌の転移」が起こるのは、癌に有害な物質である「活性酸素種」から逃げるためであることが分かったとの研究結果を、京都大などのグループが21日付の国際学術誌に発表した・・・というのですね。

 

多くの抗がん剤治療では、がん組織内の「活性酸素種(ROS)」の濃度が上昇することが知られています。

これには主に以下のようなメカニズムが関与していると考えられているのですね。

 

                                   (AIを用いて画像を作成)

 

多くの抗がん剤は、がん細胞内で代謝される過程で「活性酸素」を直接産生するとされています。

 

次に「ミトコンドリア」への影響 ですが、抗がん剤は「ミトコンドリア」の電子伝達系という部分を阻害することがあり、その結果として「活性酸素」の産生が増加するとされています。

 

また、 一部の抗がん剤は、がん細胞の「抗酸化防御機構」を阻害することで、結果として「活性酸素」の蓄積を引き起こすと考えられています。

 

もちろん、抗がん剤治療をすることで、「活性酸素」が癌組織内に蓄積してしまうことは、「癌の治療」という側面からすると・・・「マイナス」ではなく、「プラス」ということになるわけです。

 

なぜなら・・・「抗がん剤」の治療により「癌組織」に生じた「活性酸素」は、癌細胞に対してDNA損傷の誘発,タンパク質の酸化修飾、脂質過酸化 などの細胞障害を引き起こすと考えられているのですね。

そして、最終的に癌細胞細胞は死滅(しめつ)するわけです。

 

もちろん、活性酸素の上昇は正常細胞にも影響を与える可能性も指摘されています。

 

ところが・・・「抗がん剤」の投与により、癌の治療をしているのに

「活性酸素」が増加した組織から、「癌細胞」が逃げ出すようになり

この逃げ出した「癌細胞」から新たな(あらたな)転移巣が形成されるというのですね。

 

言うまでもないことですが・・・これでは、癌との闘い(たたかい)は、終わりがないということになりますね。

 

では・・・「高濃度ビタミンC点滴」を併用すると・・・どうなるのでしょうか?

 

お話の続きは、後日の話題にしたいと思います。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<ブログ後記>2月25日

明日からは春の陽気になると聞きましたので、多少なりとも心は弾んで(はずんで)います。

 

さて、化学療法を施行すると「癌組織」内で「活性酸素」が発生する・・・ということは分かるのですが、その「活性酸素」から逃げる形で、「癌細胞」が放出されて、新たな転移巣を作る。

そのように聞くと・・・それでは「癌」の治療は終わらないではないか・・・と思ってしまいますね。


ならば、抗がん剤治療後に一定の時間が経ってから、「活性酸素」を消失させるために「高濃度ビタミンC点滴」を行えばいいのではないかと・・・私は考えていたのですね。

 

「高濃度ビタミンC点滴」は「活性酸素」を減らすことができるわけですから、「癌細胞」が放出されて、新たな転移巣を作ることを防げる(ふせげ)るのではないか・・・と考えたわけです。

ところが、実際はその逆(ぎゃく)でして・・・高濃度のビタミンCを投与すると「癌組織」に「活性酸素」が発生することが報告されています(参考1,2)


「活性酸素」をなくするどころか、「高濃度ビタミンC点滴」により「抗がん剤」と同様に「活性酸素」が発生してしまうのでは・・・話にならないと思い、とてもガッカリしたわけです。

「高濃度ビタミンC(アスコルビン酸)」を投与すると、体内で次のような反応が生じることが知られています。

ビタミンC(アスコルビン酸)は、金属イオン(特に鉄イオン)と反応し、脱水素反応を起こして
「デヒドロアスコルビン酸」に変化するわけですが、
なんと・・・過程で「過酸化水素(H2O2)」を生成することが知られています。

「過酸化水素」は、過酸化水素は、「活性酸素」の一種で、酸素を放出しやすく強力な酸化力を持つ物質です。

 

高濃度のビタミンC(アスコルビン酸)は、正常細胞と癌細胞に対して、違う振舞い(ふるまい)をすることが分かっています。
例えば、次のようなことになります。

○正常細胞:カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼなどの酵素で分解


○がん細胞:これらの酵素活性が低いため、過酸化水素が蓄積

本文内で紹介した「化学療法」を施行すると同様に「高濃度ビタミンC点滴」は、「過酸化水素」を減らすのではなく、むしろ積極的に生成することで抗がん効果を発揮するわけですね。

なので、美白・美肌目的で施行する「高濃度ビタミンC点滴」が癌の予防にもつながる可能性は、大いにあると言っていいのかもしれません。
以前のブログでお話をしたように・・・1日3000個以上の癌細胞が、各臓器の局所で発生して、その日のうちに「癌細胞」は破壊されるわけです。

これは、すべて自分自身の「免疫細胞」が破壊しているわけですが・・・この「免疫細胞」の力が低下してしまえば、「癌細胞」は増殖しやがて、「癌組織」へと大きくなっていくわけです。
 

なので、免疫力が低下しているなあ〜と思った時に「高濃度ビタミンC点滴」を施行することは、「癌の予防」に充分になる可能性はありますよね。

ところで、化学療法を施行すると「癌組織」内で「活性酸素」が発生し、その「活性酸素」から逃げる形で、「癌細胞」が放出されている・・・ということを聞くと・・・
なるほど、アレがそうだったのか・・・と思い当たる出来事があります。

それは、癌に対する「抗がん剤治療」を終了して、病変は画像上、まったくなくなった方が、一定の時間が「経過」したのちに「血中腫瘍細胞(CTC)検査」をするとType2の「間葉系転換型」の癌細胞が見つかることが多いわけです。

もちろん、これらの「Type2癌細胞」は、NK細胞を用いた治療で、わりと簡単に消失するので、再発予防の「免疫細胞」を用いた治療を選択してくれればいいのですが・・・なかなか、難しい場合もあります。

私は、「抗がん剤」治療が終了した方で、Type2の「間葉系転換型」の細胞が見つかりますと、これは「癌の幹細胞」である可能性がありますね・・・とお話をしてきました。


なぜなら、「抗がん剤」治療をしても「癌幹細胞」は、無傷(むきず)で残ってしまうからですね。
「癌幹細胞」は、増殖スピードがはやいので、放置してよいというわけではないのですが・・・血管壁を通り抜けられる本当のType2の「間葉系転換型」癌細胞よりは、気持ち的に少しだけ安心できるかな〜と思っていました。

しかしながら、「抗がん剤」治療中に「癌細胞」が放出されたものである可能性もあることになりますので・・・これからは、このようなケースもあることを念頭に置いていかなければ
ならない・・・と反省した次第です。
 

・・・ということで、「高濃度ビタミンC点滴」が抗がん剤の副作用を軽減するという論文などは、またの機会にご紹介したいと思います。

今回も最後までお付き合いいただきまして
誠にありがとうございましたお願い

参考)
1.Molecules. 2019 Jan 28;24(3):453. 
Vitamin C as a Modulator of the Response to Cancer Therapy
Wiktoria Blaszczakら

2.Hacettepe University Journal of the Faculty of Pharmacy.Vol.44 .2024
Effect of Vitamin C on Cancer Process.
Hemdan et al.

 

 

 

(虎ノ門 オークラホテル東京の河津桜)

(筆者撮影)

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小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

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こんにちは、内科医ひとちゃんですウインク

 

2月も半ば(なかば)を過ぎ、少しずつですが春の気配も感じられるようになっていますね。今朝は、鳥の鳴き声も聞こえていました。

 

アメリカの作家、テリ・ギルメットの言葉に

 

My favorite weather is bird chirping weather.

私のお気に入りの天気は鳥のさえずりだ。

 

というものがありますが、それを思い出しました。

皆さまの体調は、いかがでしょうか?    

 

(AIを用いて画像を作成)

 

今回は「iPS細胞」のエクソソームについてのお話をしてみたいと思います。

「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」のお話は、以前のブログ内でもお話をしたことがあるのですが、2006年8月に京都大学の山中伸弥教授らは世界で初めてiPS細胞の作製に成功し、2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞しましたことは、以前にもブログ内でご紹介させていただきました。

 

「iPS細胞」は、あらゆる生体組織に成長できる「万能細胞(万能細胞」ということになりますね。

当初は「iPS細胞」は「癌化」するリスクがあるのが問題でしたが、

いろいろな改良が行われ、現在では「癌化」する可能性が極めて小さいとされる「iPS細胞」が作成できるようになっています。

 

どのような改良が行われたかと言いますと•・•

 

山中先生が発見した「iPS細胞」を作成する4つの遺伝子は、「Oct3/4(オクトスリーフォー)」,「Sox2(ソックスツー)」,「Klf4(ケーエルエフフォー)」,「c-Myc(シーミック)」というものでした。

 

これらの4つの遺伝子は「山中因子」と呼ばれています。

 

ただし、「c-Myc」は、細胞の活発な細胞増殖因子や,嫌気的代謝促進因子としてがん細胞の特質に大いにかかわっている遺伝子であり、

癌化するリスクが考えられていたわけです。

 

その後、この問題は、中川誠人先生(当時、京都大学iPS細胞研究所講師、現在大阪大学 ヒューマン・メタバース疾患研究拠点 特任准教授を兼任)と山中先生らの研究グループは、Mycファミリーのひとつである「L-Myc」が、「c-Myc」よりも効率よくiPS細胞を誘導することを見出しまし、かつ、L-Mycを用いて作製したiPS細胞由来のキメラマウスではほとんど腫瘍形成が起こらないことを見いだしています。

 

(AIを用いて画像を作成)

 

前置きが長くなりましたが・・・今回、お話をしたい話題は「iPS細胞」から放出される「エクソソーム」となります。

 

「エクソソーム(Exosome)」とは、細胞から分泌される直径50-150 nm(ナノメートル:10億分の1メートル)の顆粒状の物質ですね。 

 

その表面は「細胞膜」由来の脂質、タンパク質を含み、内部には核酸(マイクロRNA、メッセンジャーRNA、DNAなど)やタンパク質など細胞内の物質を含んでいるとされていましたね。

 

「エクソソーム」は、あらゆる細胞から放出されていて、細胞間のコミュニケーションツールと考えられています。

癌細胞もその例外ではなく、「エクソソーム」が放出されていることが知られており、癌細胞が転移する際の「足場(あしば)」を作っている可能性も指摘されています。

 

「iPS細胞」(かんようけいかんさいぼう)(MSC)」から「エクソソーム」が放出されていることは以前のブログ内でもご紹介をしました。「間葉系幹細胞」は、骨髄や脂肪、歯髄、へその緒、胎盤などに存在する多能性幹細胞で、さまざまな細胞に分化できる能力を持っていましたね。

 

そして、「iPS細胞」からも「エクソソーム」が放出されているのですね。

 

では、「iPS細胞由来エクソソーム」と「間葉系幹細胞由来エクソソーム」では、その内容物質に違いはあるのでしょうか?

 

これは、以下のような特徴的な違いがあるとされています。

 

1.マイクロRNA (miRNA)の発現パターン

 

1) iPS細胞由来エクソソーム

  • 多能性維持に関わるmiR-290-295クラスター
  • 細胞増殖・分化制御に関わるmiR-302/367クラスター
  • 初期発生に重要なlet-7ファミリー

 

2) 間葉系幹細胞エクソソーム

 

  • 血管新生促進に関わるmiR-210、miR-126
  • 抗炎症作用を持つmiR-146a、miR-155
  • 組織修復に関与するmiR-21、miR-23a

2.タンパク質の違い

 

1) iPS細胞由来エクソソーム

  • 多能性維持因子(Oct4、Sox2、Nanog関連タンパク質)
  • 細胞増殖因子(TGF-β、FGFファミリー)
  • 細胞分化制御因子

2)間葉系幹細胞エクソソーム

  • 抗炎症性サイトカイン(IL-10、TGF-β)
  • 成長因子(VEGF、HGF、IGF-1)
  • 組織修復関連タンパク質(MMPs、TIMPs)

 

 

3.機能的な違い

 

1)iPS細胞由来エクソソーム

  • 組織の再生能力が高い
  • 細胞の初期化・リプログラミング能力を持つ
  • 強い増殖促進効果がある

 

2)間葉系幹細胞エクソソーム

  • 免疫調節作用が強い
  • 組織修復・瘢痕形成抑制効果が高い
  • 血管新生促進効果が顕著

これらの違いにより、それぞれのエクソソームは異なる治療用途に適していると考えられているそうです。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>2月18日

 

ちょうど、本日の「読売新聞」で次のような記事を読みました。
      ーーーーーーーーーーーーーーーー
患者一人ひとりの血液からオーダーメイドのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を全自動で作る京都大iPS細胞研究財団(理事長=山中伸弥・京都大教授)のプロジェクトが4月、大阪市北区にある最先端医療の国際拠点「中之島クロス」で始動する。年内にも大学や企業に試験的に細胞の提供を始め、将来は年間1000人分の作製を目指す。

       ーーーーーーーーーーーーーーーー
ドイツの文豪(ぶんごう)である「ゲーテ」は


He who moves not forward, goes backward.
現状維持(げんじょういじ)は、後退(こうたい)と同じである

という言葉を残していますが・・・山中伸弥先生方のご活躍とiPS細胞の発展を示す記事を目にする度に、ある種の反省とともに

このゲーテの言葉を思い出します。

 

私たちは、例え(たとえ)現状が、かつて思い描いて(おもいえがいて)いた未来に遠く及ばないとしても・・•

環境が良くないから仕方がない・・・とか、運が悪かったから仕方がない •・•とりあえず、「現状維持」で・・・などと思ってしまいがちです•・・もちろん、この考え方では目標を達成(たっせい)することは不可能であることは無理であるわけです。

 

 

山中先生の研究から、作り上げられた「iPS細胞」の研究は、驚異的なスピードで発展し、真の「再生医療」を今、実現させようとしているわけですね。

もちろん、これを成し遂げる(なしとげる)ことができたのは、山中伸弥先生をはじめとする多くの研究者や大阪市北区にある最先端医療の国際拠点「中之島クロス」を作り上げた方々のお力によると思うのでですが・・・「現状維持」をよしとせず

 

「1歩前へ、そして、さらに1歩前へ」という情熱と、弛まぬ(たゆまぬ)努力があったのではないかと想像します。

 

さて、話を「iPS細胞」に戻しますと•・・

 

「IPS細胞」は、以前は「癌」が発生させるリスクもあると考えられていたわけですが、癌関連遺伝子「c-Myc」を「L-myc」に変えることにより、癌の発生リスクを減少させることが可能になったわけです。しかしながら、まだ、もうひとつの問題が残っていたのですね。

それは、当初、4つの因子(Oct4、Sox2、Klf4、L-Myc)を「ウイルスベクター」を用いて導入していたわけですが、
「ウイルスベクター」を用いることで、安定的に遺伝子を導入することが可能になった反面(はんめん)、この「ウイルスベクター」が「癌」の発生やDNAの異常などを起こすリスクも指摘されていたわけです。

 この状況が変化したのは、2010年になってからでして、RNAを用いた「リプログラミング法」という方法が海外の論文で報告されまして、この方法を用いることで「ウイルスベクター」を用いる必要がなくなったのですね。

この「RNAリプログラミング」では、導入因子を「RNA」として細胞に導入し、細胞質に留まった(とどまった)RNAから各種の初期化因子が翻訳されることにより、細胞が初期化され、「iPS細胞」に変化させることができるわけです。

この方法により、「iPS細胞」を作成しているのが『株式会社 リプロセル(本社:神奈川県』」でして、JTKクリニックの「IPS細胞のエクソソーム」は、これを用いています。

同社の技術は2025年2月に

同社が提供する「臨床用iPS細胞」を活用したある臨床試験において、米国食品医薬品局(FDA)からIND(治験届出)クリアランスを取得しています。この成果は、iPS細胞ベースの治療として米国で初めて第3相臨床試験に進み、このことは、「iPS細胞」の臨床応用に向けた画期的な出来事のひとつとされているわけですね。

前置きが長くなりましたが・・・「iPS細胞由来のエクソソーム」の効果ですが、「ヒトiPS細胞由来のエクソソーム」が老化した「皮膚線維芽細胞」に与える影響を調査した論文がありまして、その報告によりますと 「ヒトiPS細胞由来のエクソソーム」が線維芽細胞の増殖と移動を促進し、コラーゲンIの発現を増加させることが報告されています。



(図はお借りしました)

 

また、老化した「皮膚線維芽細胞」に対して、「ヒトiPS細胞由来のエクソソーム(iPS-Exo)」を投与した場合に
老化マーカー(SA-β-Gal)の発現を低下させ、コラーゲンIの発現を回復することが示されています。これらの結果から、i「ヒトiPS細胞由来のエクソソーム」は、皮膚老化の治療に応用可能なのではないかと考えられています。

さらに「iPS細胞由来のエクソソーム」が皮膚創傷治癒に与える影響を動物モデルで調査した研究があります。この研究では、「線維芽細胞」の移動能力が向上することが示されています。
また、糖尿病性潰瘍モデルでは、「iPS細胞由来のエクソソーム」の投与により、創傷閉鎖が加速することが示されています。
糖尿病に伴う下肢の創傷は治りにくく、「皮膚潰瘍」を形成し、治りにくいとされていますが、「iPS細胞由来のエクソソーム」が有効であれば、治療しやすい可能性もあるかもしれません。

上記に示したように「iPS細胞由来のエクソソーム」は、維線芽細胞の移動・増殖を促進し、創傷治癒や皮膚老化の改善に取り組む可能性が示されています。特に、コラーゲン合成の促進やMMPの発現抑制を介して、皮膚の若返りや治癒を助けることが示唆されています。


ところで、「iPS細胞由来のエクソソーム」の安全性ですが・・・現時点までの研究では、iPS細胞由来のエクソソームが正常な細胞を癌化させる直接的な証拠は見つかっていません。細胞から放出される「エクソソーム」の内容物は、親細胞の病的状態を反映することが知られています。iPS細胞は、ES細胞と同じように健全な各種臓器を作り出すことができる細胞で、「癌化」や「遺伝子異常」が存在する可能性は少ないと言えます。

これに加えて、「リプロセル」では、ウイルスベクターを用いての遺伝子導入はしていない次世代型のリプログラミング方法(mRNA法)でiPS細胞を作製しているため、ほぼ、リスクがないと言えます。

また、iPSエクソソームの製造に使用する細胞は、日米欧の再生医療の規制を満たすウイルス・菌の検査を実施しています。製造は、特定細胞加工物の製造許可を受けた施設で実施しています。また、精製・濃縮工程を繰り返し行うことで不純物を徹底的に排除し、高純度の再生医療グレードの「iPSエクソソーム」を実現しています。

よって、さらなる研究は必要ですが、現時点ではリプロセル社の「iPS細胞由来のエクソソーム」が癌化に寄与する可能性は極めて低いと考えられているのですね。

 

だいぶ、話が長くなってしまいましたね。

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

参考)
1.Int J Mol Sci. 2018 Jun 9;19(6):1715. 
Exosomes Derived from Human Induced Pluripotent Stem Cells Ameliorate the Aging of Skin Fibroblasts
Myeongsik Oh ら

2.Nagoya Journal of Medical Science.May.2018
Effects of exosomes derived from the induced pluripotent stem cells on skin wound healing
Hitoshi Kobayashiら

3. Int J Cardiol. 2015 May 8;192:61–69. 
Exosomes/microvesicles from induced pluripotent stem cells deliver cardioprotective miRNAs and prevent cardiomyocyte apoptosis in the ischemic myocardium
Yingjie Wang ら
 

 

 

(銀座 和光時計台)

(筆者撮影)

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