こんにちは、内科医ひとちゃんです![]()
11月の最後の休日となっています。
週末はお天気が悪いと聞いていたような気もするもですが、気持ちのよい青空が広がりました。
皆さまの体調は、いかがでしょうか。
今回は、「高濃度ビタミンC点滴」のお話をしてみたいと思います。
「高濃度ビタミンC点滴」と「ビタミンCのサプリ」の効果は違いがあるのですか?・・・という質問をよくされます。
サプリメントとして、毎日「ビタミンC」を摂取しているのに「高濃度ビタミンC点滴」を施行する意味はあるのか?・・・というわけですね。
その違いは、次のようなことにあります。
まずは、それぞれの「ビタミンC」の「吸収率」に違いがあります。
「高濃度ビタミンC点滴」は、直接血管に投与されるため、ほぼ100%吸収されるといえます。
それに対して、「ビタミンC」の経口サプリメントは、腸での吸収過程があり、その「吸収率」は一般的に70-80%程度とされています
次に「血中濃度」ですが・・・「高濃度ビタミンC点滴」短時間で高濃度を達成できます- 点滴では短時間で高濃度を達成できます。
それに対して、「ビタミンC」の経口サプリメント、腸での吸収に時間がかかり、また一度に大量摂取しても吸収量には限界があると考えられます。
具体的には、「ビタミンC」の経口摂取後の吸収過程はどのようになっているのか・・・というと、主に以下のような流れであると考えられています。
吸収は、 小腸(主に上部小腸)での吸収になると考えられ、その際に「ナトリウム依存性輸送体(SVCT1、SVCT2)」というものを介して吸収されます。
その際に・・・「ビタミンC」の用量が増えると吸収率は低下することが知られています。
例えば・・・ 低用量(100-200mg)では約80-90%が吸収されるのですが・・・高用量(1000mg以上)では30-40%程度まで吸収率が低下してしまうのですね。
もちろん、余分な「ビタミンC」は尿中に排出されるとされています。
もし。 吸収を高めるとすれば・・・-食事と一緒に摂取することや、何回かに分割して摂取する(例:1日2-3回に分ける)こと、そして、徐放性のサプリメントを選ぶなどのコツがあるとされるのですが・・・それでも「ビタミンC」が持つ「抗老化採用」、「抗酸化作用」などの「アンチエイジング効果」を引き出すのは、難易度が高い可能性もありますね。
では、「高濃度ビタミンC点滴」には、どのような効果が期待できるのでしょうか?
続きは、後日の話題にしたいと思います。
素敵な1週間をお過ごしください![]()
それでは、また![]()
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<ブログ後記>11月26日
先ほどまで、冷たい小雨(こさめ)が降っていたのですが、今は止んだ(やんだ)ようです。
今回は「高濃度ビタミンC点滴」のお話をさせていただきました。
「高濃度ビタミンC点滴」の老化防止メカニズムは、以前にもお話をしたようにコラーゲン生成やエラスチン生成の促進(そくしん)や
表皮層と真皮層間にある「メラノサイト」で産生する「メラニン」の産生の抑制や「メラニンカッコの無色化などを行い、皮膚細胞のターンオーバー(新陳代謝)をよくすることが大きいとされています・
少しだけ補足しますと・・・
「メラニン」は、肌の色を決める色素であり、その生成が過剰に行われるとシミやそばかすができやすくなります。
「高濃度ビタミンC点滴」には、「メラニン」の前駆体であるチロシンへの作用を阻害することで、「メラニン」の生成を抑える効果があ流と報告されています。
さらに、「高濃度ビタミンC点滴」は、強力な「抗酸化作用」を持ち、紫外線などの外的要因によって生成される「活性酸素」から肌を守ることができます。これにより、肌の老化を遅らせたり、既存の「メラニン」がさらに黒化するのを防ぐ助けとなると考えられています。
「活性酸素」という言葉が出てきましたので、さらにお話を進めますと・・・
「高濃度ビタミンC点滴」は、「活性酸素種(ROS)」を強力に中和することで細胞を「酸化ストレス」から保護します。
これにより、「テロメア」の短縮を防ぎ、細胞の寿命を延ばす効果があるとも報告されています。さらに注目すべきことに「高濃度ビタミンC点滴も持つ「抗炎症作用(こうえんしょうさよう)」があります。
あまり、強調されることが少ないかもしれませんが・・・そのメカニズムは、次のように考えられているようです。
抗炎症性のマイクロRNAの発現を調節し、「炎症反応」を抑制するというものが考えられています。
もうひとつは、「高濃度ビタミンC点滴」の持つ「免疫力」の向上(こうじょう)ということになります。
例えば・・・「ナチュラルキラー(NK)細胞」には、NK細胞の活性化と増殖促進、NK細胞からのサイトカイン産生の増加、そして、NK細胞の生存率向上や細胞障害活性の増強作用があることが知られ稚ます。
また、「細胞障害性T細胞(CTL)」への効果としては、T細胞の分化・増殖の促進などが報告されています。
これらの「免疫細胞」に作用メカニズムとして、以下の経路を通じて免疫細胞に影響を与えると考えられています。
1)エピジェネティック制御を介した免疫関連遺伝子の発現調節
2)ミトコンドリア機能の改善による細胞エネルギー代謝の向上
3)過剰伝達経路の調節による免疫応答の正常化
このように、「高濃度ビタミンC点滴」は、NK細胞や細胞障害性T細胞の機能を多面的に強化し、「抗腫瘍免疫」および、「感染防御能力」を高めると考えられているのですね。
感染症が猛威(もうい)が予想されているわけですが・・・「免疫力」の低下することが多い高齢者にも有効ということは、アタマの片隅(かたすみ)に置いておいてもよいかもしれませんね。
今回も最後までお付き合いいただきまして
誠にありがとうございました![]()
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理事長、院長
小笠原 均 (Hitoshi Ogasawara)
医学博士, 内科医
(総合内科、リウマチ専門医)
(新潟大医学部卒)
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