こんにちは、内科医ひとちゃんですウインク

 

2月も残すところ僅か(わずか)となり、あと数日もすれば

春の陽気になるのだとか。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?    

 

(AIを用いて画像を作成)

 

さて、今回は2月22日の共同通信の記事に少し驚きました。

ちょうど、「高濃度ビタミンC」の点滴が、癌に対する化学療法の効果を高めるだけでなく、化学療法の副作用を軽減する・・・という論文をいくつか読んでいたからです。

 

共同通信に記事の内容は、次のようなものでした。

 

「癌の転移」が起こるのは、癌に有害な物質である「活性酸素種」から逃げるためであることが分かったとの研究結果を、京都大などのグループが21日付の国際学術誌に発表した・・・というのですね。

 

多くの抗がん剤治療では、がん組織内の「活性酸素種(ROS)」の濃度が上昇することが知られています。

これには主に以下のようなメカニズムが関与していると考えられているのですね。

 

                                   (AIを用いて画像を作成)

 

多くの抗がん剤は、がん細胞内で代謝される過程で「活性酸素」を直接産生するとされています。

 

次に「ミトコンドリア」への影響 ですが、抗がん剤は「ミトコンドリア」の電子伝達系という部分を阻害することがあり、その結果として「活性酸素」の産生が増加するとされています。

 

また、 一部の抗がん剤は、がん細胞の「抗酸化防御機構」を阻害することで、結果として「活性酸素」の蓄積を引き起こすと考えられています。

 

もちろん、抗がん剤治療をすることで、「活性酸素」が癌組織内に蓄積してしまうことは、「癌の治療」という側面からすると・・・「マイナス」ではなく、「プラス」ということになるわけです。

 

なぜなら・・・「抗がん剤」の治療により「癌組織」に生じた「活性酸素」は、癌細胞に対してDNA損傷の誘発,タンパク質の酸化修飾、脂質過酸化 などの細胞障害を引き起こすと考えられているのですね。

そして、最終的に癌細胞細胞は死滅(しめつ)するわけです。

 

もちろん、活性酸素の上昇は正常細胞にも影響を与える可能性も指摘されています。

 

ところが・・・「抗がん剤」の投与により、癌の治療をしているのに

「活性酸素」が増加した組織から、「癌細胞」が逃げ出すようになり

この逃げ出した「癌細胞」から新たな(あらたな)転移巣が形成されるというのですね。

 

言うまでもないことですが・・・これでは、癌との闘い(たたかい)は、終わりがないということになりますね。

 

では・・・「高濃度ビタミンC点滴」を併用すると・・・どうなるのでしょうか?

 

お話の続きは、後日の話題にしたいと思います。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<ブログ後記>2月25日

明日からは春の陽気になると聞きましたので、多少なりとも心は弾んで(はずんで)います。

 

さて、化学療法を施行すると「癌組織」内で「活性酸素」が発生する・・・ということは分かるのですが、その「活性酸素」から逃げる形で、「癌細胞」が放出されて、新たな転移巣を作る。

そのように聞くと・・・それでは「癌」の治療は終わらないではないか・・・と思ってしまいますね。


ならば、抗がん剤治療後に一定の時間が経ってから、「活性酸素」を消失させるために「高濃度ビタミンC点滴」を行えばいいのではないかと・・・私は考えていたのですね。

 

「高濃度ビタミンC点滴」は「活性酸素」を減らすことができるわけですから、「癌細胞」が放出されて、新たな転移巣を作ることを防げる(ふせげ)るのではないか・・・と考えたわけです。

ところが、実際はその逆(ぎゃく)でして・・・高濃度のビタミンCを投与すると「癌組織」に「活性酸素」が発生することが報告されています(参考1,2)


「活性酸素」をなくするどころか、「高濃度ビタミンC点滴」により「抗がん剤」と同様に「活性酸素」が発生してしまうのでは・・・話にならないと思い、とてもガッカリしたわけです。

「高濃度ビタミンC(アスコルビン酸)」を投与すると、体内で次のような反応が生じることが知られています。

ビタミンC(アスコルビン酸)は、金属イオン(特に鉄イオン)と反応し、脱水素反応を起こして
「デヒドロアスコルビン酸」に変化するわけですが、
なんと・・・過程で「過酸化水素(H2O2)」を生成することが知られています。

「過酸化水素」は、過酸化水素は、「活性酸素」の一種で、酸素を放出しやすく強力な酸化力を持つ物質です。

 

高濃度のビタミンC(アスコルビン酸)は、正常細胞と癌細胞に対して、違う振舞い(ふるまい)をすることが分かっています。
例えば、次のようなことになります。

○正常細胞:カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼなどの酵素で分解


○がん細胞:これらの酵素活性が低いため、過酸化水素が蓄積

本文内で紹介した「化学療法」を施行すると同様に「高濃度ビタミンC点滴」は、「過酸化水素」を減らすのではなく、むしろ積極的に生成することで抗がん効果を発揮するわけですね。

なので、美白・美肌目的で施行する「高濃度ビタミンC点滴」が癌の予防にもつながる可能性は、大いにあると言っていいのかもしれません。
以前のブログでお話をしたように・・・1日3000個以上の癌細胞が、各臓器の局所で発生して、その日のうちに「癌細胞」は破壊されるわけです。

これは、すべて自分自身の「免疫細胞」が破壊しているわけですが・・・この「免疫細胞」の力が低下してしまえば、「癌細胞」は増殖しやがて、「癌組織」へと大きくなっていくわけです。
 

なので、免疫力が低下しているなあ〜と思った時に「高濃度ビタミンC点滴」を施行することは、「癌の予防」に充分になる可能性はありますよね。

ところで、化学療法を施行すると「癌組織」内で「活性酸素」が発生し、その「活性酸素」から逃げる形で、「癌細胞」が放出されている・・・ということを聞くと・・・
なるほど、アレがそうだったのか・・・と思い当たる出来事があります。

それは、癌に対する「抗がん剤治療」を終了して、病変は画像上、まったくなくなった方が、一定の時間が「経過」したのちに「血中腫瘍細胞(CTC)検査」をするとType2の「間葉系転換型」の癌細胞が見つかることが多いわけです。

もちろん、これらの「Type2癌細胞」は、NK細胞を用いた治療で、わりと簡単に消失するので、再発予防の「免疫細胞」を用いた治療を選択してくれればいいのですが・・・なかなか、難しい場合もあります。

私は、「抗がん剤」治療が終了した方で、Type2の「間葉系転換型」の細胞が見つかりますと、これは「癌の幹細胞」である可能性がありますね・・・とお話をしてきました。


なぜなら、「抗がん剤」治療をしても「癌幹細胞」は、無傷(むきず)で残ってしまうからですね。
「癌幹細胞」は、増殖スピードがはやいので、放置してよいというわけではないのですが・・・血管壁を通り抜けられる本当のType2の「間葉系転換型」癌細胞よりは、気持ち的に少しだけ安心できるかな〜と思っていました。

しかしながら、「抗がん剤」治療中に「癌細胞」が放出されたものである可能性もあることになりますので・・・これからは、このようなケースもあることを念頭に置いていかなければ
ならない・・・と反省した次第です。
 

・・・ということで、「高濃度ビタミンC点滴」が抗がん剤の副作用を軽減するという論文などは、またの機会にご紹介したいと思います。

今回も最後までお付き合いいただきまして
誠にありがとうございましたお願い

参考)
1.Molecules. 2019 Jan 28;24(3):453. 
Vitamin C as a Modulator of the Response to Cancer Therapy
Wiktoria Blaszczakら

2.Hacettepe University Journal of the Faculty of Pharmacy.Vol.44 .2024
Effect of Vitamin C on Cancer Process.
Hemdan et al.

 

 

 

(虎ノ門 オークラホテル東京の河津桜)

(筆者撮影)

 =================================

 

 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

(新潟大医学部卒)

 

  <JTKクリニック・アンチエイジング>

 

 

 

上差しJTKクリニック 小笠原 監修・抗老化医療に疑問にAIがお答えします。

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○自分の皮下脂肪から組織を採取し、「間葉系幹細胞」を培養して、自分自身の組織内に投与する「幹細胞治療」を開始しました。

 

 

 

 

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〒102-0083

東京都千代田区麹町4-1-5麴町志村ビル2階

電話 03-6261-6386

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こんにちは、内科医ひとちゃんですウインク

 

2月も半ば(なかば)を過ぎ、少しずつですが春の気配も感じられるようになっていますね。今朝は、鳥の鳴き声も聞こえていました。

 

アメリカの作家、テリ・ギルメットの言葉に

 

My favorite weather is bird chirping weather.

私のお気に入りの天気は鳥のさえずりだ。

 

というものがありますが、それを思い出しました。

皆さまの体調は、いかがでしょうか?    

 

(AIを用いて画像を作成)

 

今回は「iPS細胞」のエクソソームについてのお話をしてみたいと思います。

「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」のお話は、以前のブログ内でもお話をしたことがあるのですが、2006年8月に京都大学の山中伸弥教授らは世界で初めてiPS細胞の作製に成功し、2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞しましたことは、以前にもブログ内でご紹介させていただきました。

 

「iPS細胞」は、あらゆる生体組織に成長できる「万能細胞(万能細胞」ということになりますね。

当初は「iPS細胞」は「癌化」するリスクがあるのが問題でしたが、

いろいろな改良が行われ、現在では「癌化」する可能性が極めて小さいとされる「iPS細胞」が作成できるようになっています。

 

どのような改良が行われたかと言いますと•・•

 

山中先生が発見した「iPS細胞」を作成する4つの遺伝子は、「Oct3/4(オクトスリーフォー)」,「Sox2(ソックスツー)」,「Klf4(ケーエルエフフォー)」,「c-Myc(シーミック)」というものでした。

 

これらの4つの遺伝子は「山中因子」と呼ばれています。

 

ただし、「c-Myc」は、細胞の活発な細胞増殖因子や,嫌気的代謝促進因子としてがん細胞の特質に大いにかかわっている遺伝子であり、

癌化するリスクが考えられていたわけです。

 

その後、この問題は、中川誠人先生(当時、京都大学iPS細胞研究所講師、現在大阪大学 ヒューマン・メタバース疾患研究拠点 特任准教授を兼任)と山中先生らの研究グループは、Mycファミリーのひとつである「L-Myc」が、「c-Myc」よりも効率よくiPS細胞を誘導することを見出しまし、かつ、L-Mycを用いて作製したiPS細胞由来のキメラマウスではほとんど腫瘍形成が起こらないことを見いだしています。

 

(AIを用いて画像を作成)

 

前置きが長くなりましたが・・・今回、お話をしたい話題は「iPS細胞」から放出される「エクソソーム」となります。

 

「エクソソーム(Exosome)」とは、細胞から分泌される直径50-150 nm(ナノメートル:10億分の1メートル)の顆粒状の物質ですね。 

 

その表面は「細胞膜」由来の脂質、タンパク質を含み、内部には核酸(マイクロRNA、メッセンジャーRNA、DNAなど)やタンパク質など細胞内の物質を含んでいるとされていましたね。

 

「エクソソーム」は、あらゆる細胞から放出されていて、細胞間のコミュニケーションツールと考えられています。

癌細胞もその例外ではなく、「エクソソーム」が放出されていることが知られており、癌細胞が転移する際の「足場(あしば)」を作っている可能性も指摘されています。

 

「iPS細胞」(かんようけいかんさいぼう)(MSC)」から「エクソソーム」が放出されていることは以前のブログ内でもご紹介をしました。「間葉系幹細胞」は、骨髄や脂肪、歯髄、へその緒、胎盤などに存在する多能性幹細胞で、さまざまな細胞に分化できる能力を持っていましたね。

 

そして、「iPS細胞」からも「エクソソーム」が放出されているのですね。

 

では、「iPS細胞由来エクソソーム」と「間葉系幹細胞由来エクソソーム」では、その内容物質に違いはあるのでしょうか?

 

これは、以下のような特徴的な違いがあるとされています。

 

1.マイクロRNA (miRNA)の発現パターン

 

1) iPS細胞由来エクソソーム

  • 多能性維持に関わるmiR-290-295クラスター
  • 細胞増殖・分化制御に関わるmiR-302/367クラスター
  • 初期発生に重要なlet-7ファミリー

 

2) 間葉系幹細胞エクソソーム

 

  • 血管新生促進に関わるmiR-210、miR-126
  • 抗炎症作用を持つmiR-146a、miR-155
  • 組織修復に関与するmiR-21、miR-23a

2.タンパク質の違い

 

1) iPS細胞由来エクソソーム

  • 多能性維持因子(Oct4、Sox2、Nanog関連タンパク質)
  • 細胞増殖因子(TGF-β、FGFファミリー)
  • 細胞分化制御因子

2)間葉系幹細胞エクソソーム

  • 抗炎症性サイトカイン(IL-10、TGF-β)
  • 成長因子(VEGF、HGF、IGF-1)
  • 組織修復関連タンパク質(MMPs、TIMPs)

 

 

3.機能的な違い

 

1)iPS細胞由来エクソソーム

  • 組織の再生能力が高い
  • 細胞の初期化・リプログラミング能力を持つ
  • 強い増殖促進効果がある

 

2)間葉系幹細胞エクソソーム

  • 免疫調節作用が強い
  • 組織修復・瘢痕形成抑制効果が高い
  • 血管新生促進効果が顕著

これらの違いにより、それぞれのエクソソームは異なる治療用途に適していると考えられているそうです。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

--------------------------------------------------------------------

<ブログ後記>2月18日

 

ちょうど、本日の「読売新聞」で次のような記事を読みました。
      ーーーーーーーーーーーーーーーー
患者一人ひとりの血液からオーダーメイドのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を全自動で作る京都大iPS細胞研究財団(理事長=山中伸弥・京都大教授)のプロジェクトが4月、大阪市北区にある最先端医療の国際拠点「中之島クロス」で始動する。年内にも大学や企業に試験的に細胞の提供を始め、将来は年間1000人分の作製を目指す。

       ーーーーーーーーーーーーーーーー
ドイツの文豪(ぶんごう)である「ゲーテ」は


He who moves not forward, goes backward.
現状維持(げんじょういじ)は、後退(こうたい)と同じである

という言葉を残していますが・・・山中伸弥先生方のご活躍とiPS細胞の発展を示す記事を目にする度に、ある種の反省とともに

このゲーテの言葉を思い出します。

 

私たちは、例え(たとえ)現状が、かつて思い描いて(おもいえがいて)いた未来に遠く及ばないとしても・・•

環境が良くないから仕方がない・・・とか、運が悪かったから仕方がない •・•とりあえず、「現状維持」で・・・などと思ってしまいがちです•・・もちろん、この考え方では目標を達成(たっせい)することは不可能であることは無理であるわけです。

 

 

山中先生の研究から、作り上げられた「iPS細胞」の研究は、驚異的なスピードで発展し、真の「再生医療」を今、実現させようとしているわけですね。

もちろん、これを成し遂げる(なしとげる)ことができたのは、山中伸弥先生をはじめとする多くの研究者や大阪市北区にある最先端医療の国際拠点「中之島クロス」を作り上げた方々のお力によると思うのでですが・・・「現状維持」をよしとせず

 

「1歩前へ、そして、さらに1歩前へ」という情熱と、弛まぬ(たゆまぬ)努力があったのではないかと想像します。

 

さて、話を「iPS細胞」に戻しますと•・・

 

「IPS細胞」は、以前は「癌」が発生させるリスクもあると考えられていたわけですが、癌関連遺伝子「c-Myc」を「L-myc」に変えることにより、癌の発生リスクを減少させることが可能になったわけです。しかしながら、まだ、もうひとつの問題が残っていたのですね。

それは、当初、4つの因子(Oct4、Sox2、Klf4、L-Myc)を「ウイルスベクター」を用いて導入していたわけですが、
「ウイルスベクター」を用いることで、安定的に遺伝子を導入することが可能になった反面(はんめん)、この「ウイルスベクター」が「癌」の発生やDNAの異常などを起こすリスクも指摘されていたわけです。

 この状況が変化したのは、2010年になってからでして、RNAを用いた「リプログラミング法」という方法が海外の論文で報告されまして、この方法を用いることで「ウイルスベクター」を用いる必要がなくなったのですね。

この「RNAリプログラミング」では、導入因子を「RNA」として細胞に導入し、細胞質に留まった(とどまった)RNAから各種の初期化因子が翻訳されることにより、細胞が初期化され、「iPS細胞」に変化させることができるわけです。

この方法により、「iPS細胞」を作成しているのが『株式会社 リプロセル(本社:神奈川県』」でして、JTKクリニックの「IPS細胞のエクソソーム」は、これを用いています。

同社の技術は2025年2月に

同社が提供する「臨床用iPS細胞」を活用したある臨床試験において、米国食品医薬品局(FDA)からIND(治験届出)クリアランスを取得しています。この成果は、iPS細胞ベースの治療として米国で初めて第3相臨床試験に進み、このことは、「iPS細胞」の臨床応用に向けた画期的な出来事のひとつとされているわけですね。

前置きが長くなりましたが・・・「iPS細胞由来のエクソソーム」の効果ですが、「ヒトiPS細胞由来のエクソソーム」が老化した「皮膚線維芽細胞」に与える影響を調査した論文がありまして、その報告によりますと 「ヒトiPS細胞由来のエクソソーム」が線維芽細胞の増殖と移動を促進し、コラーゲンIの発現を増加させることが報告されています。



(図はお借りしました)

 

また、老化した「皮膚線維芽細胞」に対して、「ヒトiPS細胞由来のエクソソーム(iPS-Exo)」を投与した場合に
老化マーカー(SA-β-Gal)の発現を低下させ、コラーゲンIの発現を回復することが示されています。これらの結果から、i「ヒトiPS細胞由来のエクソソーム」は、皮膚老化の治療に応用可能なのではないかと考えられています。

さらに「iPS細胞由来のエクソソーム」が皮膚創傷治癒に与える影響を動物モデルで調査した研究があります。この研究では、「線維芽細胞」の移動能力が向上することが示されています。
また、糖尿病性潰瘍モデルでは、「iPS細胞由来のエクソソーム」の投与により、創傷閉鎖が加速することが示されています。
糖尿病に伴う下肢の創傷は治りにくく、「皮膚潰瘍」を形成し、治りにくいとされていますが、「iPS細胞由来のエクソソーム」が有効であれば、治療しやすい可能性もあるかもしれません。

上記に示したように「iPS細胞由来のエクソソーム」は、維線芽細胞の移動・増殖を促進し、創傷治癒や皮膚老化の改善に取り組む可能性が示されています。特に、コラーゲン合成の促進やMMPの発現抑制を介して、皮膚の若返りや治癒を助けることが示唆されています。


ところで、「iPS細胞由来のエクソソーム」の安全性ですが・・・現時点までの研究では、iPS細胞由来のエクソソームが正常な細胞を癌化させる直接的な証拠は見つかっていません。細胞から放出される「エクソソーム」の内容物は、親細胞の病的状態を反映することが知られています。iPS細胞は、ES細胞と同じように健全な各種臓器を作り出すことができる細胞で、「癌化」や「遺伝子異常」が存在する可能性は少ないと言えます。

これに加えて、「リプロセル」では、ウイルスベクターを用いての遺伝子導入はしていない次世代型のリプログラミング方法(mRNA法)でiPS細胞を作製しているため、ほぼ、リスクがないと言えます。

また、iPSエクソソームの製造に使用する細胞は、日米欧の再生医療の規制を満たすウイルス・菌の検査を実施しています。製造は、特定細胞加工物の製造許可を受けた施設で実施しています。また、精製・濃縮工程を繰り返し行うことで不純物を徹底的に排除し、高純度の再生医療グレードの「iPSエクソソーム」を実現しています。

よって、さらなる研究は必要ですが、現時点ではリプロセル社の「iPS細胞由来のエクソソーム」が癌化に寄与する可能性は極めて低いと考えられているのですね。

 

だいぶ、話が長くなってしまいましたね。

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

参考)
1.Int J Mol Sci. 2018 Jun 9;19(6):1715. 
Exosomes Derived from Human Induced Pluripotent Stem Cells Ameliorate the Aging of Skin Fibroblasts
Myeongsik Oh ら

2.Nagoya Journal of Medical Science.May.2018
Effects of exosomes derived from the induced pluripotent stem cells on skin wound healing
Hitoshi Kobayashiら

3. Int J Cardiol. 2015 May 8;192:61–69. 
Exosomes/microvesicles from induced pluripotent stem cells deliver cardioprotective miRNAs and prevent cardiomyocyte apoptosis in the ischemic myocardium
Yingjie Wang ら
 

 

 

(銀座 和光時計台)

(筆者撮影)

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小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

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こんにちは、内科医ひとちゃんですウインク

 

「節分」も過ぎて、いよいよ春が・・・と言いたいところですが

冬型の気圧配置が続いているそうで、北海道と東北は日本海側を中心に大雪となっているようです。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?    

 

 

(AIを用いて画像を作成)

 

今回は、「オメガ-3系多価不飽和脂肪酸」のお話をしてみたいと思います。

 

「オメガ-3系多価不飽和脂肪酸」は、以前にもブログ内でご紹介したかもしれませんが、ヒトの健康にとって非常に重要な脂肪酸の種類です。

 

これらは「必須脂肪酸」とも呼ばれ、健康管理に重要な栄養素であるとされ、細胞膜の構成成分やホルモン様物質の生成などに役立つとされています。

 

ご存知の方も多いと思うのですが・・・オメガ-3系多価不飽和脂肪酸」は、いくつかの主要な形態がありまして、その中でも特に重要なものは次の3つであることが知られています。

 

1.EPA(エイコサペンタエン酸)

2.ドコサペンタエン酸(DPA)

3. α-リノレン酸(アルファリノレン酸)

 

メガ-3系多価不飽和脂肪酸」は、心臓病のリスクを軽減させ、抗炎症作用、脳の健康や発達をサポートするなど、様々な健康効果が認められています。

 

では、「オメガ-3系多価不飽和脂肪酸」の主要な構成要素として知られており、人体の健康維持において重要な役割を果たしている

「DPA(ドコサペンタエン酸)と「EPA(エイコサペンタエン酸)」には、その役割や機能に違いがあるのでしょうか?

 
(AIを用いて画像を作成)

 

まず、「DPA(ドコサペンタエン酸)」をみてみたいと思います。

 

「DPA」、炭素数22個を有する多価不飽和脂肪酸で、5つの二重結合を持つ長鎖脂肪酸です。

 

EPA(20:5 n-3)からの生合成経路を持ち、さらに「DHA(ドコサヘキサエン酸」の前駆体としても機能します。

近年の研究により、DPAは単なる中間代謝産物ではなく、独自の生理活性を持つ重要な生理活性物質であることが明らかになっています(Kaur et al., 2016, Progress in Lipid Research)。

 

「DPA」の主な供給源としては、

 

魚類(特に青魚):サバ、サンマ、イワシなど

海獣類:アザラシ油、クジラ油
藻類:特定の海藻類

 

などとなります。

 

一方で、「EPA(エイコサペンタエン酸)」は、炭素数20個を有し、5つの二重結合を持つ多価不飽和脂肪酸です。

この脂肪酸は主にα-リノレン酸から生合成され、体内で炎症を抑制する「エイコサノイド」の前駆体として活動します。

「EPA」は特に血管内皮機能の改善や血小板凝集抑制作用を有することが広く知られています(Mozaffarian & Wu, 2011, Journal of the American College of Cardiology)。

 

「EPA」の主な供給源としては、


• 魚油:サーモン、マグロ、サバなど
• 甲殻類:エビ、カニなど
• 微細藻類:特にナンノクロロプシスなど

 

などとなります。

 

では、「DPA」と「EPA」の効果には、どのような違いがあるのでしょうか?

 

「DPA」の効果は、次のように説明をされています。


• 抗炎症作用
• 血小板凝集抑制
• 脂質代謝改善
• 神経保護作用

 

それに対し、「EPA」の効果は

 

• 高脂血症改善
• 動脈硬化予防
• 抗炎症作用
• うつ病症状の改善

 

では、どちらも摂取しないとダメなのか・・・と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

実は、「EPA」から「DPA」は体内で合成されます。

 

このプロセスは、「オメガ-3脂肪酸」の代謝経路の一部として行われます。

「EPA」はまず、炭素鎖が2つ増えて「DPA」に変換され、その後、さらに「DHA(ドコサヘキサエン酸)」へと変換されることもあ流そうです。

 

「DHA(ドコサヘキサエン酸)」にも少し触れて起きますと

 

「「DHA」は「オメガ-3系多価不飽和脂肪酸」の一種で、非常に重要な生理活性を持つ脂肪酸です。 特に脳や視覚の健康のために必要不可欠であり、脳組織や網膜に高濃度DHAは次のような効果があるとされています:

 

・脳の健康と機能のサポート

・網膜の維持

・心臓病のリスクの軽減

・抗炎症作用-

 

米国心臓協会(AHA)は、心血管疾患予防のために1日あたり1-2gの「EPA+DHA「摂取を推奨しています。

なんだが、難しいなあ〜と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。私も・・・苦手です。

 

まとめますと・・・

 

「オメガ-3系多価不飽和脂肪酸」の中で、「EPA」と「DPA」は特に注目されており、「EPA」は炎症を抑制し、心臓病のリスクを軽減する効果があります。

 

一方、「DPA」は「EPA」から体内で合成されるため、「EPA」を摂取すれば「DPA」も得られます。

「DPA」もまた、独自の健康効果を持ち、特に心血管の健康に良いとされています。

・・・という感じでしょうか?

 

では、注目の「抗老化作用(アンチエイジング効果)」は、「オメガ-3系多価不飽和脂肪酸」である「EPA」や「DPA」にあるのでしょうか?

 

続か、後日の話題にしたいと思います。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

--------------------------------------------------------------------

<ブログ後記>2月11日

 

今回は「オメガ-3系多価不飽和脂肪酸(以下では、オメガ3脂肪酸)」のお話をさせていただきました。

 

「オメガ3脂肪酸」のなかでも、特に「ドコサヘキサエン酸(DHA)」と「エイコサペンタエン酸(EPA)」が、細胞の老化に伴う炎症を抑制し、老化関連疾患を予防する可能性が、さまざまな研究で示されてい流ようです。

 

また、これらの「オメガ3脂肪酸」は、認知機能の改善や認知症リスクを低下させるのではないかとも考えられています。

 

この理由として、「オメガ3脂肪酸」の摂取は、特に高齢者において、脳の「白質(はくしつ)」や「灰白質(かいはくしつ)」の構造的な改善をもたらすことが知られています。

 

具体的には、灰白質と白質の体積と統合性の喪失を防ぐ効果があるというのですね。

また、シナプスの密度を増加させ、「海馬(かいば)の神経新生を促進することで、認知機能を改善することが示されています。

 

以前のブログ内でもご紹介しましたが・・・「海馬」は短期の記憶の一時的な保存場所でしたよね。記憶が定着するには「海馬」に保存された記憶が、「大脳皮質」などに移動することが必要でしたね。

 

特に、「DHA」の適切な摂取は、記憶障害や感情の乱れを防ぎ、脳の修復メカニズムを最適化することで、加齢に伴う脳の損傷を制限することが示唆されています1

 

では、「オメガ3脂肪酸」は、ヒトの「健康寿命」をのばす可能性はあるのでしょうか?

 

答えは・・・

「オメガ3脂肪酸」は、健康寿命の延長にも寄与する可能性があるということになりそうです。

 

その理由として、「オメガ3脂肪酸」は、加齢に伴う細胞レベルの「炎症サイトカイン」を抑制し、そのことがヒトの生命の延長させるのではないかと考えられているのですね。

 

また、高齢者の「サルコペニア(筋肉量の減少)」を予防し、「インスリン抵抗性」を改善する可能性も指摘されています。

 

このように「オメガ3脂肪酸」は、老化に伴う認知機能の低下を防ぐための有望な栄養素であるとともに、炎症の軽減や筋肉の健康維持にも寄与します。

 

もちろん、「オメガ3脂肪酸」の効果を最大限に引き出すためには、適切な摂取量や方法を明確にするためのさらなる研究が

必要となってくるわけですが・・・ね。

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

参考)

1.Ageing Research Rev..2013 Mar;12(2):579-94.

 Omega-3 fatty acids and brain resistance to ageing and stress: Body of evidence and possible mechanisms

Denisら

 

2.Curr. Neurophamacol. 2017;15(4):534-542.

Functional and Structural Benefits Induced by Omega-3 Polyunsaturated Fatty Acids During Aging

Debora Cutuliら

 

3.Eur Rev Med Phamacol Sci. 2023 Aug;27(15):7380-7400.

Modulation of inflammation and immunity by omega-3 fatty acids: a possible role for prevention and to halt disease progression in autoimmune, viral, and age-related disorders

R.Poggioliら

                        など

 

(汐留シティセンターからの風景)

(筆者撮影)

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 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

(新潟大医学部卒)

 

  <JTKクリニック・アンチエイジング>

 

 

上差しJTKクリニック 小笠原 監修・抗老化医療に疑問にAIがお答えします。

(ブログ内のみ公開)

 

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<JTKクリニックからのお知らせ>

 

◯外来診療は予約制をとり、待ち時間が生じないようにしています。

 

◯ ダイエット漢方製剤は、オンライン診療でも可能です。

◯ 線維筋痛症に対するノイロトロピン等の点滴療法、トリガーポイント注射を行なっております。(セカンドオピニオン診療も可)

 

○自分の皮下脂肪から組織を採取し、「間葉系幹細胞」を培養して、自分自身の組織内に投与する「幹細胞治療」を開始しました。

 

 

 

 

<JTKクリニック 所在地>

〒102-0083

東京都千代田区麹町4-1-5麴町志村ビル2階

電話 03-6261-6386

Mail:info@jtkclinic.com

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こんにちは、内科医ひとちゃんですウインク

 

今日は「節分(せつぶん)」となりますね。今年の「立春(りっしゅん)」は、例年よりも一日早いことになりますね。

 

「節分(せつぶん)」は、「豆まき」をしますね。

 

なぜ、豆をまくようになったのかについては諸説ありますが、鬼を滅ぼすという意味で「魔(ま)を滅(めっ)する」ことから、「魔滅(まめ)」となり、「豆」につながったとも言われているそうです。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?    

 

(AIを用いて画像を作成)

 

「ヒトの老化」を遅らせ(おくらせ)、「健康寿命」を延ばす(のばす)ことが実際にできるのか?・・・という質問を最近は、よくされるようになりました。
 
老化研究の第一人者であるアメリカ・ワシントン大学の今井眞一郎教授は「「ヒトの老化」を遅らせ、寿命をのばすことは可能であると断言していますし、
米グーグルは抗老化を目標としたスタートアップのキャリコ(Calico)を設立し、老化克服や寿命延長を目的としたコミュニティ「Vita DAO」が立ち上がっているそうです。
 
image
また、以前にもこのブログ内でご紹介したことがあるのですが、
「老化は治療できる病である」という米ハーバード大学医学大学院教授で老化研究の第一人者でもあるデビット・A・シンクレア博士の著書である『ライフスパン LIFE SPAN 老いなき世界』は、全米でベストセラーになったこともあります。
 
image
(AIを用いて画像を作成)


ところで、「NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)」や「NAD+

(ニコチンアミドジヌクレオチド)」で、なぜ、ヒトの「健康寿命」を延長することが可能になるのでしょうか?

 

「NMN」の摂取による効果や「NAD+点滴」は、いわゆるアンチエイジングの効果は、多くの方がご存知(ぞんじ)のことと思います。

 

ダイエット効果や脂質を低下させる作用、そして、糖尿病になりにくくなる作用、睡眠を改善させる作用、免疫力を高める作用といわゆる

アンチエイジング美容効果以外にも多くのメリットがあることが知られていますよね。

 

しかしながら、本質は別のところにあるのかもしれません。

いったい、どういうことなのでしょうか?

 

1998年、今井眞一郎教授と北野宏明先生(生物学者、現ソニーグループ専務 CTO)は、老化の原因はDNAの遺伝情報をうまく制御できなくなることにあるのではないかという仮説『ヘテロクロマチン・アイランド仮説』を提唱しました。

 

時の経過とともに(DNAに保存されている)情報が制御不能になり、本来読み取られてはいけない情報が読み取られてしまうのが『老化の本質』ではないか、と考えたのだそうです。

 

つまり、老化の本質は「情報の制御不能状態」であるのではないかというのですね。

 

この情報が「DNA」であるというわけですね。
 

  (図はお借りしました)
 

「DNA」は二重らせん構造をした長い糸のような形をしていることがよく知られています。

 

しかし実は、細胞内では通常DNAは"糸巻き"のような丸いタンパク質の球(ヒストン)にきつく巻き付いています。

 

この状態では、DNA上の遺伝情報を読み取ることはできません。私たちの体内でタンパク質が作られる際には、「ヒストン」巻きついている「DNA」を部分的にほどくことで、DNA上に保存されている遺伝情報を読み取っているのですね。

 

ただ、時の経過とともに、この「きつく巻き付いた構造」がところどころで緩み、細胞が本来の働きができなくなってしまう状態に陥ります。

ヒストンへの巻きつきが加齢とともにこの「きつく巻き付いた構造」がところどころで緩みや巻き取りの不均一(ふきんいつ)な状態になってしまいます。

 

この状態では、必要な遺伝子が転写(mRNAをつくる過程)が生じなかったり、必要がない遺伝子が転写されなくなってしまうという状態になってしまいますね。

 

今井教授は、これが細胞と身体が「老化」する本質的な原因なのではないかと考えたそうです。

 

さらに今井教授は、不要なDNA情報を読み取らせないようにするために重要な因子があると予想し、その制御因子を見つけて操作することを目指し、2000年に今井教授らが発見したのが、「サーチュイン」だったというわけです。

 

そして、この「サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)」を活性化させるために開発されたのが「NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)」であったというわけです。

 

「サーチュイン遺伝子」を活性化すると・・・本当にヒストンのDNAの巻きつきの状態を改善し、遺伝子の発現状態を正常化できるのでしょうか?

 

お話の続きは、後日の話題としたいと思います。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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< ブログ後記  >2月4日

 

今回は、「NAD+(ニコチンアミドヌクレオチド)」とその前駆体である「NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)についてのお話をさせていただきました。

 

「NMN」は、若返りのビタミン」として、医療や健康食品の分野で世界中から注目を集めていますし、「NAD+」を直接、血管内に点滴する「NAD+点滴」も人気ですね。

 

「NMN」のサプリの内服は、食事のタイミングがNMNの吸収に影響を与えたり、腸内細菌の存在パターンによっては、NMNの吸収が妨げられることがあることも報告されていますので、

それならば、「NAD+点滴」と考える方も多くいらっしゃいます。

 

「NAD+」の歴史を見てみると・・・

 

NAD+が初めて発見されたのが、1906年という説が有力ですが、その時は「補酵素」としての役割が完全には理解されていませんでした。

 

1930年代:科学者たちはNAD+が細胞の代謝プロセスに不可欠であることを明らかにされ、NAD+の生物学的重要性が広く認識され始めたそうです。

 

•1960年代になりますと、最初のNAD+療法が試みられ、特にアルコール依存症の患者に対する効果が報告されています。

 

1970年代になりますと、NAD+を用いた治療がさらに研究され、慢性疲労やストレス関連の症状の緩和にも役立つ可能性が示されるなど、NAD+点滴治療の歴史は、とても長いことになります。

 

そして、内服できるサプリとして注目されるようになったわけですね。

ところで、本文内でもご紹介したように「サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)という特別な遺伝子に注目され始めました。

その研究の中心にいたのは、マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ氏と今井眞一郎氏という二人の研究者であったと言われています。

 

この「サーチュイン遺伝子」は、現在までに哺乳類で7種類※発見されており、紫外線や化学物質、肥満などの影響で損傷したDNAを修復したり、細胞のエネルギー産生を高めたりして、老化を防いでいることが実験で確かめられています。

「サーチュイン遺伝子」は「Sirt1~7」、そこから産生されるタンパク質は「SIRT1〜7」と表記されますが、本文内でも触れましたが、

その中でも「サーチュイン1 遺伝子(Sirt1)」

「サーチュイン1 遺伝子(Sirt1)」が最も注目されているのですね。

 

実際に遺伝子発現の調節、細胞の老化抑制、および、「サーチュイン1 遺伝子(Sirt1)」は細胞のDNA修復能力を高め、損傷したDNAが正確に修復されることを助け、細胞の遺伝的安定性を保持し、老化や癌などの疾患のリスクを減らすことが知られています。

 

次に癌疾患がある場合に「NAD+点滴」や「NMN」が使えるのか?・・・

 

という疑問にお答えしていきたいと思うのですが・・・話題は、DNAのヒストンへのの「巻きつき方」の問題と併せて、またの機会にしたいと思います(長くなってしまいますので・・・ね爆  笑

 

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

(メズム東京ホテルからの風景)

(筆者撮影)

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 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

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<今週、なんとなく聞いてみたい曲>

 

 

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○自分の皮下脂肪から組織を採取し、「間葉系幹細胞」を培養して、自分自身の組織内に投与する「幹細胞治療」を開始しました。

 

 

 

 

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こんにちは、内科医ひとちゃんですウインク

 

1月最後の休日の朝は、気持ちのよい青空が広がりました。

しかしながら、西の方からお天気が崩れていくのだとか。

 

暦をみますと二十四節季は「大寒(だいかん)」であり、

七十二候は「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」となっています。

 

意味は文字どおりで、「沢(さわ)の水も凍り(こおり)つき、厚く氷が張っている頃ということになりますね。

 

1年のうちでも、最も寒い時期と言えるかもしれませんね。

ただし、日は少しずつ伸び、明るい時間帯も長くなったきていますので、本格的ば春の季節はもうすぐかもしれませんね。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?      

 

 

 (AIを用いて画像を作成)

 

今回は、間葉系幹細胞から放出される「エクソソーム」が「動脈硬化」にどのような影響を与えるのか?・・・という話題にしてみたいと思います。

 

まず、「動脈硬化」とは、どのような状態をいうのでしょうか?

 

簡単にその病態(びょうたい)を整理しますと、次のようなものになります。

 

「動脈硬化(Atherosclerosis)」は、動脈壁への脂質(特に酸化LDLコレステロール)の蓄積、炎症性細胞の浸潤、平滑筋細胞の増殖などにより、血管壁が肥厚・硬化する「慢性炎症性疾患」です。

 

そして、この過程では次のようなことが起きていると考えられているわけですね。

 

1)血管内皮細胞の機能障害

2) 単球のマクロファージへの分化と泡沫細胞化

3)炎症性サイトカインの産生

4)血管平滑筋細胞の増殖と細胞外マトリックスの産生

 

問題は、この「動脈硬化」の状態に「間葉系幹細胞」から放出されている「エクソソーム」を投与すると、どのようなことが起こるか?・・・ということになりますね。
 

 (AIを用いて画像を作成)

 

「間葉系幹細胞」からのエクソソームを投与したときに予想される治療効果は、次のようなものが報告されています。


- 抗炎症作用:IL-10やTGF-βなどの抗炎症性サイトカインの分泌
- 免疫調節作用:制御性T細胞の誘導
- 血管新生促進効果:VEGF、HGFなどの成長因子の分泌
- 組織修復効果:損傷した血管内皮細胞の修復促進

 

この中でも注目すべきは、「血管内皮細胞」が修復されるとことでしょうか。

 

          (図はお借りしました)

 

「血管内皮細胞」は、血管の最も内側を覆う細胞で、血流の調節、血液の凝固、炎症反応の調整など多岐にわたり重要な役割を担っています。

 

この内皮細胞が障害されると、さまざまな心血管疾患のリスクが心配されます。

 

「 血管内皮細胞」が損傷すると、血管の弾性が消えたり、血管が狭くなったりすることがあります。これにより、脳への血流が阻害され、脳梗塞や脳出血などが起こりやすくなりますし、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患も生じやすくなると考えられています。

 

「間葉系幹細胞」からのエクソソームを投与したときに「 血管内皮細胞」の機能が正常化していくようなら、脳血管障害や冠動脈疾患を発症するリスクを減らすことができる可能性がありますよね。

 

では、「間葉系幹細胞」からのエクソソームを投与は本当に安全なのでしょうか?

 

これは、後日の話題にしたいと思います。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

参考)

1.Biomark Res. 2019 Apr 4:7:8. 

Exosomes from mesenchymal stem/stromal cells: a new therapeutic paradigm

Kan Yinら

 

→ 間葉系幹細胞(MSC )由来のエクソソームは、腫瘍形成のリスクがなく、免疫原性が低いため、さまざまな疾患に対する安全で効果的な無細胞療法としての可能性を示しています。

 

2.Front Cell Dev Biol.(Review). 2023 Jun 30:11:1093113. 

Mesenchymal stem cell-derived exosomes: a possible therapeutic strategy for repairing heart injuries

Zesh Zhuら

 

→ 間葉系幹細胞由来のエクソソームは、細胞の修復、血管の増殖、免疫調節を促進し、課題を克服することで、心臓損傷を修復する可能性を示しています。

 

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<ブログ後記>1月28日

天気予報から、雨まじりの寒い1日を想像していましたが、実際にはよく晴れた暖かい一日となりました。

今回は「幹細胞」から放出されている「エクソソーム」についてのお話をさせていただきました。

実は「エクソソーム」を放出しているのは、幹細胞だけではありません。

実は、私たちの体内にある「通常の細胞」からも「エクソソーム」は放出されています。

 

「エクソソーム」とは、どのようなものか?・・・ということを整理しますと・・・

 

エクソソームは細胞が分泌する小さな袋状の構造体で、細胞外小細胞(細胞外小胞)の一種です。一般的には直径が30~150ナノメートル程度で、細胞の内部から放出された後、他の細胞へ情報を伝える役割を果たします。

 

「エクソソーム」の内部には、タンパク質、RNA、マイクロRNAなど様々な分子が含まれています。これらの分子はエクソソームが作られた元の細胞の特性を反映しています。

 

こうした「エクソソーム」による情報伝達は、免疫応答、細胞成長や修復、さらには発生などのプロセスを効率化すると考えられているわけですね。

 

癌細胞からも「エクソソーム」が放出されることもわかっていまして、癌細胞が他の臓器に転移する際に、癌細胞に有利な条件となるように周囲の細胞を変化させる可能性も指摘されてるわけですね。

 

これらの「エクソソーム」の中でも、損傷した細胞や組織を修復する

可能性が高いものが、間葉系幹細胞由来の「エクソソーム」でして、細胞の修復、血管の増殖、免疫調節を促進し、課題を克服することで、心臓損傷を修復する可能性を示しています(参考3)

 

参考3)

Front Cell Dev Biol. 2023 Jun 30:11:1093113.

Mesenchymal stem-cell-derived exosomes: a possible therapeutic strategy forrepairing heart injuries.

Zeshu Zhuら」

 

参考4)

Cardiovasc Res. 2020 Feb 1;116(2):353-367.

Atorvastatin enhances the therapeutic efficacy of mesenchymal stem cells-derived exosomes in acute myocardial infarction via up-regulating long non-coding RNA H19

Peisen Huangら

 

アトルバスタチンで前処理した間葉系幹細胞エクソソームは、おそらく内皮細胞機能とlncRNA H19を介した血管新生を促進することにより、急性心筋梗塞の治療において心臓保護効果が向上することが知られています(参考4)

 

アトルバスタチンは、リピトールなどの商品名で販売されている高リスクの心血管疾患の予防と異常な脂質レベルの治療に用いられるスタチン系の薬剤ですね。

 

参考5)

Cell Physiol Biochem. 2015;37(6):2415-24.

Mesenchymal Stem Cell-Derived Exosomes Improve the Microenvironment of Infarcted Myocardium Contributing to Angiogenesis and Anti-Inflammation

Xiaome Tengら

 

MSC 由来のエクソソームは血管新生を刺激し、炎症を軽減し、虚血性障害後の心臓機能を改善します(参考5)

 

参考6)

Cytotherapy. 2016 Mar;18(3):413-22

Safrty evalution of exosomes derived from human umbilicai cored

mrsenchymal stomal cell.

Sun Lら

 

そして、安全性については、ヒト臍帯間葉系幹細胞(hucMSC)由来の「エクソソーム」の安全性を評価しました。動物モデルを用いた実験で、hucMSCエクソソームは体重減少を防ぎ、肝臓や腎臓機能に悪影響を及ぼさないことが示されました。また、溶血、血管および筋肉刺激、全身性アナフィラキシー、発熱、血液学的指標においても問題がないことが確認されたものなどがあります(参考6)

 

参考7)

Int.J. Nanomedicine.2023 Jun 14;18:3177–3210. 

Biogenesis, Composition and Potential Therapeutic Applications of Mesenchymal Stem Cells Derived Exosomes in Various Diseases.

Yue-Guo Yuanら

 

間葉系幹細胞由来エクソソームは、神経疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、がん、虚血性心疾患、肺損傷、肝線維症など、さまざまな疾患で組織再生を媒介することが示されており、今後、さまざまな疾患のコントロールや組織の再生を可能にする可能性がある(参考7)

 

などと報告されているのですね。

 

米国などでは、このような抗老化医療の研究に莫大(ばくだい)な予算が配分されており、癌の研究を大きく上回っているそうです。

 

なぜ、癌の研究よりも多くの予算が割かれて(さかれて)いるのか?

と聞いてみますと・・・健康で長生きする技術が確立されれば、癌の発症を低下することが予想されるから・・・という理由のようです。

 

なるほどとは思ったのですが・・・そうは言っても臓器特有の疾患は、無数にあるわけですので・・・そんな時に「幹細胞からのエクソソームが効果を発揮(はっき)するのでは・・・などと期待したりもします。

 

もちろん、私が勝手に考えているだけですが・・・ね爆  笑

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

 

 

 ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町

Gallery Lounge Levita(35F)

(筆者撮影)

 

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