当店では「インサートイヤホン」による聴力測定」を導入しました。

通常はヘッドホンによる聴力測定を実施しているところがほとんどだと思います。

では、なぜイヤホンなのか?

その理由はズバリ、「より正確な測定結果が得られるから」

 

実はインサートイヤホンは、ヘッドホンと比較してノイズの影響を受けにくいのです。

ヘッドホンのほうが耳を覆うので雑音が入らないような気がしませんか?

実際は違います。

画像の黄色い部分が耳栓になっていて、しっかり耳道を塞ぎますので騒音のある環境でも影響を受けにくくなります。

ヘッドホンの場合は、ちょっとした位置のズレや、女性の場合で髪の毛が挟まってしまうなどの影響で測定結果にズレが生じます。

また、外部の雑音の影響もヘッドホンによる測定のほうが大きくなります。

 

実際に同一人物の測定結果を比較してみましょう。

 

通常測定室は30dBA程度のノイズしかありませんが、あえて50dBAの広帯域ノイズを出して測定しました。

 

まずはヘッドホンによる聴力測定結果

125HZ~500HZの低域が下がっていることがわかります。

 

 

次に同じ条件下でのインサートイヤホンによる結果

これは雑音のない通常の環境での測定結果とほぼ変わりませんでした。

 

低域でおよそ20dB程度も測定結果に開きが出てしまいました。

これでは補聴器の調整にも大きな影響が出てしまいますね。

 

聴力測定結果に応じて補聴器の調整が行われるわけですから、測定結果にズレがあったら・・・・

測定の精度は大事ですよね。

 

 

 

本日相談に来られたお客様の補聴器の出力特性を実耳測定したグラフ。

実耳測定とは補聴器を装用した状態での、鼓膜面上での出力特性のことです。

 

この方の主訴は、補聴器をしてもよく聞こえない。不快な聞こえ方。

ということでした。

残念ながら当店で扱いのないメーカーでしたので、調整はできませんので、せめてどのような調整になっているか確認した結果がこれ。

説明すると、1kHz~1.6kHz付近にピークがあって、そこだけやたら出力が高いが、その他は山型になっていて出力が低い。

故障なのかと思ったが、反対の耳も同様の調整なので意図的と思われる。

補聴器入れた方がかえって聞こえにくいのではないかとさえ思える。

私の想像では、キンキン響くと言われて高音域を下げ、次に車の音やら周囲の騒音がうるさいと言われて低音域を下げた結果こうなったのではないかと思うのですが・・・・

 

何度も通ってるが一向に聞こえが改善しない。

行く度に対応者が変わる。

などの不満を訴えておられましたが、正直まぁそうだろうなと思いました。

買い替えずとも、適切な調整で改善できると思いますと伝えましたが、購入した店舗については、もはや信頼をなくしてしまわれた様子でした。

チェーン店などにありがちですが、担当者がコロコロ変わるというのは社員が安定しない、ということは経験の長いベテランが少ないとも受け取れます。新人が調整しようが、ベテランだろうが補聴器購入価格に違いがないわけなので、お客さんにとっては迷惑な話ですね。

社員が長続きしないのは、経営幹部たちの責任だと思いますよ。

やたら店の数を増やして利益を追求するのは自由ですが、そうなると、人材不足の世の中ですからどうしても質の低下が危ぶまれます。

お客さんを犠牲にしないよう心がけたいものです。

 

上の図は聴力測定結果を表した「オージオグラム」と呼ばれるものです。

赤が右耳、青が左耳の測定結果。

 

右は、ほぼ10~15dBに収まっているので正常なきこえと言えます。

左は30~40dB程度の軽度難聴になっています。

この程度の難聴レベルですと、補聴器はまだ必要ないと感じる方も多いのではないかと思いますが、実際は結構聞こえづらくてストレスを感じます。

 

 

実はこれ、今日の私自身の聴力。

本来は右と同等の聴力なのですが、先日プールに入った際に耳に水が入ってしまい、溜まっていた耳垢が湿って膨張して塞がってしまったのでした。

恥ずかしながら、「耳垢塞栓」です。お客様に気をつけてと言っている自分がなってしまったという・・・・

定期的に耳鼻科受診しなければダメですね。

特にお子さんは、プールの授業が始まっているようですので気をつけましょう。

 

普段の聞こえが突然20dB低下すると、この程度でも結構聞こえなくなった感覚があります。

今日は早めに閉店して耳鼻科受診します。

 

リサウンド社より、オーダーメイド耳あな式補聴器の充電タイプが新たに発売されました。

充電端子のない"非接触式"の充電形式になります。

 

非接触式のメリットは、メンテナンス性の良さ。

充電端子が露出している"接触式"のタイプですと、端子の汚れや変形による充電エラーが発生することがありますが、今回の新製品は端子がありませんので、そのようなトラブルは避けられるかと思います。

端子のない非接触式タイプは補聴器本体のサイズが大きくなりがちなところがデメリットではありますが、昨今のワイヤレスイヤホンと比較してみれば、それほど大きくはないのかなと感じます。

サイズを気にされる方は、接触式を選択されるとよろしいかと・・・

 

非接触式充電の場合、充電ケース内の置き方によっては上手く充電できないということも起きるようですが、今回の新製品は充電ケースもオーダーメイドとなっており、ピッタリと収まるようになっているので、その点も安心な設計ですね。

このように、補聴器が完全にピッタリと収まる形状となっております。

 

スマートホンとのBluetooth接続も可能ですので、ワイヤレスイヤホンとしても機能します。

今後の補聴器の進化から目が離せません。

 

本日ご相談に来られたお客様

某メガネ店にて3年ほど前に約60万円で購入した補聴器が全く役に立たず、つけても大して変わらない、むしろ雑音がうるさいとの訴えで来られました。

難聴レベルは中等度難聴

最高語音明瞭度は80dBにて80%(80dBの音量で語音聴取が80%の正解率で限界)

通常会話レベルの音量では40%程度まで低下

 

使用している補聴器はRICタイプと呼ばれる耳かけ型補聴器このような形状のもの(実際のものとは異なります)

 

早速、どのような調整になっているか確認してみました。

それがコチラ

黒く太い線が会話レベルの音量での補聴器出力を表します。

1kHz付近での出力が75dB程度なのに対し、500Hz(低音域)の出力が90dB程度とかなり大きくなっています。

聴力に対して全体出力が足りておらず、なおかつ低音域が強調されてだいぶ、"くぐもった"ような聞こえ方になっておりました。

どのような意図をもって、このような調整にたどり着いたのかは不明ですが、購入後3年たってこれでは少々お客様がかわいそうです。

なにしろ60万も払ったとのことですから・・・・・

 

さらには耳栓も既成の耳栓

 

 このような形状の物

中等度難聴以上の場合、このような既成の耳栓を使用するよりも、しっかり自身の耳穴の形に合ったオーダーメイドの耳栓を使用した方が効果は高くなります。

 

と言うわけで、今回は耳栓をオーダーメイドで作成することとなりました。

耳栓が出来上がってきたら再度、改めて調整していきますが、それまでの間、現状の調整では使い物にならないので、仮の調整を施します。

 

 

普通会話レベルの音量にて、概ね80dB前後の出力となり低域に偏ることなく、本来あるべき3kHz付近にピークをもってきました。

だいぶ聞こえ方がスッキリしてきました。

あとは耳栓が出来上がってきた段階で、仕上げの調整をしていきます。

 

補聴器は"どこで買うかを考えるより、誰から買うのか"

そこを大事に考えて頂きたいです

認定技能者資格を持った専門の技能者から、

失敗しないためにも、覚えておいてください。

 

2021年より、市主催の手話奉仕員養成講座を受講しておりました。

途中、新型コロナ感染拡大による蔓延防止措置や緊急事態宣言などにより休講となる期間もありましたが、なんとか規定通りの講義を修了することができました。

 

今後はレベルアップ講座なるものが始まり、そちらも受講予定。

それが終わると、本格的な手話通訳者養成課程となるわけですが、果たしてどこまでいけるか、やれるだけやってみようと思います。

 

それにしても、こちらの講座の受講生の平均年齢は私含め、やや高めだったのが気になります。

若い世代に拡がっていかないと、なかなか手話通訳者が増えないですよね。

手話通訳者の地位向上がないと、ボランティア精神に依存しているようでは、いつまでたってもわかものの増えていかないのではないでしょうか。

 

本日相談に来られたお客様

80歳男性 7年前に眼鏡店で耳かけ型補聴器を購入

何度も調整したが、全く改善がみられない。

専門店に相談に行き、新機種を試聴したが現状の補聴器よりさらに調子悪かったとのこと。

 

思いあまって、新聞の通販に出ていたアナログの補聴器を試してみようと思ったが、購入前にこちらで試せないかと思い相談に来たのでした。

 

アナログ補聴器がどんなものかをまず説明し、一度お貸し出ししました。

 

予想通り、とてもうるさくて使っていられないとのことで返却。

 

現在使用中の補聴器がどのような設定になっているのか一度見てみましょうと提案し、聴力測定のうえで使用中の補聴器の調整状態を実耳測定にて確認してみました。

 

その結果が上の図になります。

 

まず、この方の右耳平均聴力は70dB 高度難聴

 

上の図の黒い線が、この方の聴力に対する目標出力

赤線が補聴器の実際の出力になります。

 

1kHz~4kHzの会話レベルの音量が、かろうじて15dB程度の利得になっているでしょうか・・・

低域にいたっては、完全に出力不足で話になりません。

 

この方は両耳装用していましたが、左耳にいたっては補聴器をすることでかえって音量が下がるような帯域も見られる有様。

 

結論

聞こえなくてあたりまえの調整です。

7年間使用していたとのことですが、器械の故障はなく調整の問題。

 

この補聴器に支払った対価の恩恵を、ほぼ得ることなく過ぎてしまった7年間。

残念でなりませんね。

 

きっちり調整して差し上げたところ、「とても同じ器械とは思えない!」喜んでお帰りになりました。

 

7年も使っているのだから買い換えを提案するべきでところ、また売り逃がしてしまう商売下手な私なのだった!!

ま、そのうちまた来るでショ・・・


2021年は、少々早いですが12月25日をもって営業終了となりました。

新年は1月4日からスタートとなります。


今年は、緊急事態宣言や蔓延防止措置などの影響により来客が大幅に減少する時期もありましたが、最終的には前年を上回るご相談を頂くことができ、ほっとしております。皆様のご厚意に感謝。有難うございました!


新規感染者数が落ち着き始めてから、大変広い範囲からご来店頂けました。

オミクロン株の広がりなど、まだ油断することは出来ませんが、デルタ株の時のような大規模な蔓延とならない事を願いつつ、2021年最後の挨拶とさせていただきます。


皆様、良いお年をお迎えください。

今後とも、皆様に信頼される専門店であり続けるよう精進して参ります。


補聴器プラザ小田原

店主 イチズキ

 

虚偽の情報を伝えて販売しようとするのは、ハッキリ言って犯罪です。

詐欺です。

補聴器販売に携わる方々には充分注意して頂きたいと思います。

 

1年前に当店にて片耳に購入頂いたお客様より本日ご相談を頂きました。

 

とある大手眼鏡店にて、「最近さらに聴力が落ちたように感じる」と話したところ、

あれよあれよという間に補聴器の新規購入の話になってしまったとのこと。

購入して1年しか経っていないのに・・・・

 

そのときのセールストークが、

「この補聴器はこれ以上調整は不可能です。買い替えるしかありません。」

「両耳につけたほうが良いです。」

 

という内容だったらしいです。

そして言いくるめられて、両耳30万くらいの補聴器を契約してしまったと・・・・

 

家族から、それはおかしいのではないかと言われて当店に相談に来たわけです。

そもそも当店で購入しているので、最初から私に相談して頂ければよかったのですが・・・

たまたま寄った眼鏡店でそういう流れになってしまったと・・・・

これを読んで不快に思われた眼鏡店の方がいましたら申し訳ありません。

眼鏡店だから悪いという訳では決してありません。

専門店でも悪質なところは存在しますし、非常に丁寧に対応している眼鏡店も大変多く存在することも事実です。

今回は、たまたま名の知れた今とても勢いのある某大手眼鏡チェーンでした。

 

この方が使用している補聴器は、リサウンドのエンツォという機種で大変ハイパワーな補聴器ですので、多少の聴力低下があってもじゅうぶん対応可能なものでした。

何を根拠にもうダメだと断言したのでしょうか?

 

そして問題点はもうひとつ。

この方は、現在装用していないもう片方の耳は、極端に語音明瞭度が低く補聴器を入れても音は聞こえるが、言葉の聞き取りは大変困難な状態でした。

その事情を知っていて説明もなく両耳に販売するのでしょうか?

それならば本当に悪質。

 

実際は明瞭度の測定などしていないと思われますので、無知ゆえの行為でしょう。

 

さてこのお客さん、もう納品の約束の日が迫ってきているとのことでしたが、キャンセルの相談をした方が良いですよとお伝えしました。

少しでも良心があるのであれば、キャンセルを承諾すべきと思います。

 

実際、当店で使用中の補聴器を調整して十分に聞こえるようになりましたので必要ありません。

 

判断力に不安のあるご高齢の方に対して不安を煽るようなセールストークで誘導し、不必要なものを売りつける行為は慎んで頂きたい。

消費者センターへの苦情が増えてしまいます。