The miracle victory of St.Louis Cardinals, 2011 | Kunstmarkt von Heinrich Gustav  

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ドイツの首都Berlin、Brandenburg州及び比叡山延暦寺、徳島県鳴門市の公認の芸術家(画家) Heinrich Gustav(奥山実秋)の書き記した論文、随筆、格言集。

 

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アメリカ時間の10月28日、St.Louis Cardinals(セントルイス・カーディナルス) が地元球場Busch Stadiumに於いて、

2011年第107回ワールドシリーズ第7戦を6-2で対戦相手Texas Rangersを破り、此れにて通算11度目のWorld Championに輝いたのである!

思い起こせば、誠に何とも奇跡的な逆転劇ばかりであった。
Regularseasonでは前半戦こそ首位を走っていた物の後半戦になると首位の座をMilwaukee Brewers明け渡してしまい、Wildcardにおいても競争相手のAtlanta Breavesに8月末には10.5ゲーム差を付けられ、今期のPostseason出場は最早絶望かと思われた。
しかし、9月になってCardinalsは驚異的な底力と粘りを発揮し、この月を15勝5敗と言うペースで勝ち続けてこの大差を一気に無くし、Regularseason最終戦にCardinalsが勝利し、Breavesが敗れた事により、WildcardでのPostseason出場権を獲得した!

とは言うもののPostseason最初の対戦相手は、投打共に強力な優勝候補筆頭核のPhiladelphia Philiesである。
辛うじてPostseason出場こそしたものの、勝ち進むのはまず無理かとさえ思われたが、見事に3勝2敗でPhiliesを破ったのであった。
更にはNational League決勝戦では、Regularseasonに因縁のあったライバルチームMilwaukee Brewersとの対戦であった。
最大の強敵Philiesを退けて更に勢いが付いたのだから、League優勝の可能性もかなりあるとさえ思えてきた。
第1,2戦を敵地Milwaukeeで五分の勝敗で地元St.Louisで2勝1敗と勝ち越し、第6戦目を再度敵地MilwaukeeでBrewersに勝ち通算18度目のLeague Championとなったのである!

そして遂にWorldseriesまで辿り付いたのだが、ここには興味深き統計があるのである。
最近11年間Worldseriesでは第3戦目に2勝目を挙げたチームが10回も優勝しているのである。
更に、1975年以来のWorldseriesで第7戦まで縺れた場合、何と8回連続で地元で戦ったホームチームが勝っているのである。
又、Cardinalsに関して言えば、過去の通算10回のWorld Championship(1926年 1931年 1934年 1942年 1944年 1946年 1964年 1967年 1982年 2006年) に於いて7回も4勝3敗の成績でWorld Championとなっているのである。
最近の当球団のWorldseriesまでの成績を振り返ってみると、2004年にはRegularseasonで何と105勝(Major League新記録!)を挙げ、地区優勝をどこよりも早く決めた。
この圧倒的な強さから、この年CardinalsがWorldseriesを制覇する事を誰もが予想していた。
National League Championshipまでは誠に圧倒的な強さで優勝したのだが、いざWorldseriesでは信じられない結末が待っていた。
何とWildcardで出場してAmerican League ChampionshipではNewyork Yankeesに先に3勝されたのを逆転して勝ち進んできたをBoston Redsoxに対し1勝も出来ずに終わってしまったのであった。
(因みにRed Soxは戦前からCardinalsを徹底的に研究していたそうである。
過去のWorldseriesの対戦ではCardinalsはYankeesに対し3勝2敗(1926年 1942年 1964年)、Red Soxに対しても2勝1敗(1946年 1967年)といずれも勝ち越している。)
2006年のWorldseriesではCardinalsは地区優勝こそした物の、Postseasonに出場する8チームの中では最も勝率が低かった。
それでもDivisionseries、National League Championshipと次々と勝ち進み、最後のWorldseriesでは投手力でMajor League No.1と評されるDetroit Tigersと対戦した。
「いくらCardinalsの打線が強力でも、こんな頑丈な投手陣を打ち崩せるだろうか?」と心配ではあったが、見事打ち崩し、又相手のエラーの連発も手伝って、結局4勝1敗で思いの他楽にWorld Championになった。
(これでTigersに対しても通算2勝1敗(1934年 2006年)で勝ち越しとなった。)

今回ののWorldseriesが始まると、第1、2戦をSt.Louisで五分の勝敗とし、Texasに乗り込み第3戦でも16-7で大勝した時には「しめた!これなら行ける。」と思ったのだが、以外にも第4、5戦と連敗し、もうこれ以上負けが許されなくなってしまった。
再び試合地を地元St.Louisに戻し巻き返しを図らなければならないのであるが、第6戦でも相手チームRangersに先行され、追いつく物の引き離され、遂に7回には3点差が付けられてしまった。
この時点で敗色が濃くなって来たのだが、9回の裏2アウト2ストライクまで追い詰められても2点適時打等で三度同点に追いつた。
ところがまたしてもRangersに突き放され「ああ、最早此れまでか。」と思いきや10回の裏、再度同点に追いつき、11回の表のRangersの攻撃を無失点に抑え、其の裏には何とGameending Homerun(サヨナラホームラン)によって、4時間33分の激闘を奇跡的且つ劇的な逆転勝利(10-9)で幕を閉じたのである!
この試合は正にWorldseriesの歴史に刻まれるべき一戦であった。
そして本日の第7戦で最初に書いた通りTexas Rangersを見事に破り、通算11度目のWorld Championに輝いたのである!

 

こうして見ると過去の統計(ないしはジンクス)とはよく言ったもので、今回の全ての結果が該当しているのである。
なるほど野球には「偶然」が作用する事も度々あるのだが、所詮は人間のする事なので、本来の実力に加えて「心理的な要素」が大きく作用して、試合を決定付けてしまう事がある。
最後に今年のCardinalsの戦い方を見ていて、改めて感じさせられたのは、以下の心得である。
1:「適材適所」に人材を起用する事、
2:「臨機応変」の対応をする事、
3:チームに欠員が出来たらすぐに別の人材で埋め合わせる事、
4:試合は「力」だけでなく「知恵」も使って勝つ事、
5:喩え追い詰められても最後まで諦めない事、
これ等の心得は野球のみならず、政治、戦争、事業、興行、その他の人間社会に於けるあらゆる事の成功
と勝利を得る為に必要とされる要素だと思われるのである。

Tony La Russa監督(67歳)は10月31日、今季限りでCardinalsから退任する事を発表した。
同監督は28日に終了したWorldseriesで、同球団を5年ぶり11度目の優勝に導いたばかりだった。
La Russa監督は1979年にCicago White SoxでMajor Leagueの監督に初めて就任し、1989年にOakland AthleticsでWorldseriesを制覇した。
96年からCardinals指揮して、2006年に当球団をWorld Championに導き、両リーグから出場してWorldseries制覇を遂げた。
Major League公式サイトによると、監督生活33年で歴代3位のRegularseason通算2728勝を挙げ、Postseasonでも通算70勝を挙げた。
最後に我が愛好するSt.Louis Cardinalsを16年間指揮し、其の高い知性と豊かな経験によって当球団を「常勝軍団」として君臨させてくれたLa Russa監督に感謝と功労を讃えたい。

同球団の公式ホームページは以下の通りである。

 

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