Xantia Activaサスペンション(SC-CAR)について | Les Citroen dans la Vie ハイドロファン シトロエンC5 シトロエンC6 と日々のブログ

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ハイドロニューマチックからハイドラクティブ1、2、3、3+と発展していった(3はアド玉が無くなったので果たして発展形だったのか疑問点はありますが)ハイドロサスが追求した特性の1つに乗り心地の快適性とコーナリングの安定性の両立があると思います。言い換えれば、いかに乗り心地を犠牲にせずにコーナリングの安定性を上げるかの追求です。

さて、SC-CAR (フランス語のSysteme Citroen du Controle Actif du Roulisの略、英訳するとCitroen Active Roll Control Systemとなります)は、Xantia Activa に採用されたサスペンションシステムです。

これは、ボディの傾きを0.5度以内に水平に保つことができる電子アシスト油圧装置であり、ハイドロニューマチックサスペンションの快適性を維持しながら、ハンドリングを大幅に向上させることをねらったものです。1994年のパリモーターショーで、シトロエンはこのアクティブロールコントロールシステムを搭載したXantia Activaを発表しました。その原理は、1990年のシトロエンアクティバ2プロトタイプから直接派生しています。ロールインカーブ(コーナリング時のボディの傾き)の排除は、フロント左とリア右の2つの油圧スタビライザーシリンダーの仕事です。その伸縮の結果、車体は水平を保ち、タイヤは常に理想的に機能し、押しつぶされることなく、常に最適なグリップ係数を維持します。これにより、車両のグリップ限界が上がります。また、運転者や同乗者はコーナリング時の車体の傾きの影響を受けません。従来型サスペンションの車では、コーナリング時の車体のロールを抑えるために、主にサスペンションを固め、タイヤのサイドウォールの高さを低くし、アンチロールバーの剛性を高めていました。これにより、ハンドリングが向上したとしても、全体的な快適性は向上しません。アクティバサスペンションの特徴は、アンチロールバーが大きく、非常にしっかりしていることです。また、それらは、従来のように左端も右端もともにリンケージを介してサスシリンダーに直に接続されているわけではなく、それぞれ片側(フロント左とリア右)はリンケージではなく、油圧で伸縮するSC-CARスタビライザーシリンダーに接続されています。SC-CARシリンダーは追加のスプリングとして機能し、大型のアンチロールバーの剛性を補います。これにより、通常の走行では、サスペンションの初期剛性を低くすることができます。SC-CARシステムは、ハイドラクティブ2サスペンションに追加する形で搭載され、その電子部品・センサーは同じECUを共有しています。2つのsphereが追加され、フロントにアキュムレータ球、リアにはコンフォート球がハイドラクティブサスに使用されるものと同じタイプのレギュレーターに装着されています。ハードモードへの切り替えは、リアのコンフォート球を分離することによって行われます。これまでのハイドラクティブサスのアンチロールシステムは左右シリンダー間のオイルラインの接続と分離によって制御されていて、アンチロールバーが特に重要な役割を果たし、車両が衝撃を受けるとすぐに(ステアリングホイール回転検出器によって)旋回を予測していました。この状態はコントロールユニットによって自動的に作動します。センサー(ステアリングホイール位置、たわみ、ブレーキ、アクセルペダルセンサー、スピードセンサー)から提供される情報に基づいて車両の姿勢を決定します。ステアリングホイール・センターコンソール付近のボタンで、ハード/ソフト/即ちハードへの移行モードを変更できます。ボタンを押すと、ハードモードがより早くアクティブになり、快適さが損なわれない範囲内でソフトモードに戻るまでの時間がより長くなります。サスペンションコントロールユニットはアクティバ専用ですが、コントロールユニットが共通であるにも関わらず、ハイドラクティブサスペンションのソフトモード/ハードモードのマネジメントはSC-CARとは独立しています。SC-CARシステムでは車体がロールすると、ロールコレクター(ハイトコレクターと非常によく似ています)が、油圧によりSC-CARシリンダーの伸び縮みを制御することで、車体の水平性を回復します。この油圧補正は、フロントアームに接続されたコネクティングロッドによって機械的に制御され、電子部品からは完全に独立しています。つまり、Xantia ActivaのサスペンションはSC-CARシステムの機械制御によるロール補正とハイドラクティブ2の電子制御による減衰力調整の2つの機能によるロール制御を行っていることになります。

Xantia Activaには以下の10個のsphereが装着されています。
・フロントサスペンションシリンダー用2個:多層、推定寿命200,000km。
・リアサスペンションシリンダー用2個:単層:推定寿命40,000km(その後、生産終了期に多層化)
・多層AV(前)ハイドロアクティブコンフォートスフィア(オリジナル):推定寿命200,000km。
・単層AR(後)ハイドロアクティブコンフォートスフィア:推定寿命50,000km (その後、生産終了期に多層化)
・SC-MAC(Constant Attitude, Engine Off)システムに連動した単層アキュムレーター:SC-MACシステムに不具合が生じた場合にリアブレーキを維持する役割を担う、推定寿命60,000km
・サーキットブレーカーに配置された単層メインアキュムレーター:推定寿命60,000km
・前面に単層SC-CARアキュムレーターを搭載。推定寿命50,000km
・後部に配置されたシングルチルト防止レギュレーターに単層構造のSC-CARコンフォートスフィアを搭載。推定寿命50,000km

 

アクティバサスペンションの広報用モデルの画像です。左前にフロント・スタビライジング・シリンダーがあるのが分るでしょうか。同様に、リアの右側にリア・スタビライジング・シリンダーがあり、これでコーナリング時の車の姿勢を機械的に補正します。

1.フロントスタビライザーシリンダー

2.フロントアンチロールバー

3・6.リアスタビライザーシリンダー

4・5.リアアンチロールバー

 

シトロエン社によるプロモ動画です。

ハンドルを切ると機械的にロール補正が行われる様子が分かります。

こちらも同様な動画です。

Xantia ActivaのCMです。コーナリング時の車体の姿勢安定性をアピールしたCMです。

こちらは、有名なハンガリーのシトロエンファンのGabor Deak Jeanさんが中心になって運営しているHPのリンクです。とても分かりやすいと思います。

 
引用:wikipedia.fr、Citroen BX do-it-yourself、citroenet.org.uk
 
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