ハイドロニューマチックは左右関連懸架? | Ma vie en Citroen C5 et C6 ハイドロファン シトロエンC5とC6 との日々のブログ

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古いハイドロシトロエンのカタログを見ていると次のような画像をよく見ることがあります。セールスのための誇張も入ったイラストだと思います。これらの販促資料にあるようなハイドロシトロエンの都市伝説(ノーマルポジションで1輪パンクしても普通に走行可能、どんな悪路でも姿勢を水平に維持するetc)は世に少なからずあり、そういった誤解の否定にやっきになるシトロエンファンも私の身辺におられます。

右上:左右関連懸架をイメージさせるイラスト

右上:前後の姿勢をフラットに保つ機能をイメージさせるイラスト

 

よくよく調べてみると、ハイトコレクターには自動車高調性機能(セルフレベリング機能)がありますが、それは積載物の重さに反応して調整される動きが基本であり、確かにサスが圧縮されれば、オイルを送り込み、伸びればオイルをリザーバーに戻す機能はあります(それゆえにハイドロ車をリフトアップする時はリザーバーからオイルがあふれ出ないように車高MAXポジションにする訳です)が、それは副次的であり、上の2番目のカタログイラストのように悪路の凸凹に対して常に車高をフラットに保つというのは誇張された表現だと思います。

 

また、1番目の左右関連懸架のイメージイラストもそれなりに誇張はありますが、実際にハイドロシトロエンは他車にはない珍しい左右関連懸架を持つ車だと思います。

ここにシトロエン社の技術資料からの抜粋を紹介します。

 

実は、Xantia Activaに興味を持って色々調べて楽しんでいます。メカ好きにはたまらない代物です。ただ、本当に資料が少なく、なんとかシトロエン本社刊行のサービスマニュアルと技術資料を入手しました。その中にActiva suspensionとHydropneumatic、Hydractiveソフトモード・ハードモードの違いの説明ページがあり、興味深かったので以下に紹介いたします。

シトロエン社技術資料(Cours Citroen sur le SC-CAR des Xantia Activa p.7より抜粋)

Ⅱ- ROULIS ET SUSPENSION HYDROPNEUMATIQUE

A – RAPPEL DU FONCTIONNEMENT AVEC UNE SUSPENSION HYDROPNEUMATIQUE CLASSIQUE

Avec une suspension a ressorts metalliques ou pneumatiques, lors de la mise en appui dans un virage, la roue exterieure comprime sa suspension, ce qui limite le roulis. Or, avec une suspension hydro-pneumatique, les deux elements d’un meme essieu etant relies hydrauliquement, le liquide de l’element comprime est refoule vers l’element en detente et donc ni le volume, ni la pression ne varient dans l’element comprime, ne s’opposant pas au roulis. L’effet d’antiroulis n’est assure que par les barres antiroulis, ce qui explique leurs fixations rigides (rotules).

直訳すると

Ⅱ – ロールおよびハイドロニューマチックサスペンション

A – 従来のハイドロニューマティック サスペンションでの操作上の注意事項

説明図:「Pg(Pressure gauche:左[sphere]の圧力)= Pd(Pressure droite:右[sphere]の圧力)、Vg(Volume gauche:左[sphere]の体積)= Vd(Volume droite:右[sphere]の体積)は不変である。従って(ステアリングを急に右に切った場合、アウト側の左脚が圧縮され)その結果としてオイルが左から右に流れ(その結果として右脚が伸びて)、左方向のSens du roulis(ロールが検出される=ロールを防げない)となる」と解釈されると思います。

説明文:金属サスまたはエアサスでは、カーブで車体が押し下げられると、アウト側の車輪がサスペンションを圧縮し、ロールが制限されます。 しかし、ハイドロニューマチックサスペンションでは、同じ車軸(左右)の 2 つのsphereが油圧で関連しており、圧縮されたsphereの液体が膨張中のsphereに向かって流れるため、圧縮されたsphereでは体積も圧力も変化せず、ロールを抑制しません。アンチロール効果は、アンチロール バーによってのみ提供されます。これは、そのリジッドマウント (ボール ジョイント) のことを説明しています(のことです)。

この技術書によれば、ハイドロニューマチックサスペンションでは他のエアサスとは異なり、左右sphere内の気体の圧力と体積が一定のために、オイルが積極的に左右に移動する(etre relie = 関連する)と理解するのが適当なのかなと思います。関連されている懸架 les suspension relies、訳として少し違う気がします。英訳の the interconnected suspensionで検索するとHydropneumaticがちょろっと出てきます。この訳が一番しっくりする気がします。

 

また、このロールに弱いハイドロの特性を補うために頑丈なアンチロールバーを過去使用していた訳ですが、これには弊害もあり、そこで、追加されたのがハイドラクティブサスの剛性レギュレーター(le regulateur de raideur)と剛性スフィア(sphere [de] regulateur raideur)となるわけです。

 

私以外にもハイドロが左右関連懸架であることやそれがあの独特な乗り心地と関連していることに言及している方がいるのを見つけましたので参考までにリンクを貼っておきます。

 

引用:pepopolis.blogspot.com (en Francais)

 

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