シトロエンC5Ⅲのヒーターが徐々に効かなくなり、ここ寒冷地では寒すぎて私も私のパートナーも我慢の限界ということで、昨年3月に修理予約をして昨年の初夏にやっと入庫できました。昨今、整備業界はどこも多忙なようなので、この際まとめて修理をお願いすることにしました(プリンスエンジンのオイル漏れ、スフィアの交換、足回りからの異音etc)。しかし、正確に言うと、多忙と言うよりも整備士不足のようです。募集をかけても応募してくる人がいないそうです。賃金や労働環境を改善しないと厳しいでしょう。このままでは車の整備難民が出るという意見がありますが、私も同感です。
さて、修理をお願いしたのはこちらのお店です。オーナーはここ新潟では超有名な凄腕整備士さんです。ランチャデルタに関しては日本でも有数のショップですが、欧州車・国産車何でもOKで、客層が厚いです。私のお気に入りのショップです。
ヒーターについてはサーモスタットかヒーターコアかということでしたが、診断結果はヒーターコアの詰まりでした。詰まったところとそうでないところと温度差が出るので、左右の吹き出し口で温度差がある場合は間違いなくヒーターコアです。プジョー・シトロエン・DS純正のLLCはブルーなのですが、これが黄色や褐色に変色している場合は要注意です。リザーバータンクにはヘドロがたまり、ヒーターコアには粒状の物質がたまり、いずれ詰まります。国産車のLLCに変えるのはシールを攻撃する可能性があるので危ないという意見もあり、本当は無交換仕様の国産車用スーパーLLCを試したいところですが、勇気がありません。次善策ですが、今後は純正LLCを定期的に交換することにします。これを怠ると徐々にヒーターの効きが悪くなって、車種によってはヒーターコアの交換にダッシュボードの脱着が必要となり工賃だけでも相当の高額出費となります。ちなみにC5Ⅲはメーカーの作業手順書にはダッシュボードを脱着してヒーターコア交換とありますが、裏技的にダッシュボードを取り外さずに交換可能ということで一安心です。
登録後たった1年で褐色に変色したC5エアクロスのリザーバータンク内のLLC
某BMWのヒーターコア清掃後のごみ(ともに主治医様に見せていただいた参考画像です。)
新品のプジョー・シトロエン・DS純正LLC、色はブルーです。これが褐色に変色したら、交換時期です。
なぜ、このようなヒーターの詰まりが起きるのか。欧州車はプロピレングリコールに移行しつつありますが、プジョー・シトロエン・DSの純正LLCはまだエチレングリコールです。エチレングリコールは水で希釈して使用しますが、この時に
クーラントの成分のリン酸塩と水道水に含まれるカルシウムがリン酸カルシウムに化学変化を起こし、ヘドロの様な液体になってしまう場合があるらしいのです。
ヨーロッパのカルシウム含有量の多い硬水で希釈されているのが原因なのでしょうか。それを防ぐには原液を純水で希釈するか。頻繁に交換することです。ミネラルウォーターの使用もNGです。
ともかく、修理が完了して私たち夫婦も大満足です。今年の大寒波の中でもヒーターがガンガンに効いてくれたので本当に助かりました。
引用:orbit-1997
記事一覧に戻る(クリックしてください)