以前、ファーストトライセットを例に現代ミニ四駆の基本を学びました。

しかし現代ミニ四駆に必須であり、ファーストトライセットに含まれていないものが一つあります。

タイトルでネタバレ済みのブレーキです。

 

ミニ四駆のブレーキは実車やラジコンとは大きく異なります。

実車やラジコンではタイヤを止め路面とタイヤの摩擦でブレーキをかけます。

ミニ四駆の場合はタイヤとは別に用意されたブレーキスポンジを路面と接触させブレーキをかけます。

以下が実際のブレーキの写真です。

 

スロープやレーンチェンジのようなコースアウトしやすいセクションは坂道になっているため、

侵入時にマシンが傾きブレーキが路面と接触します。

その結果、減速しコースアウトを防ぐことがあります。

 

 

ブレーキを貼るためには、まずブレーキを貼りたい箇所にFRPなどのプレートを取り付ける必要があります

ブレーキに適した形状の商品があるので、これらを利用しましょう。

具体的には、

ARシャーシ ブレーキセット

MSシャーシ マルチブレーキセット

FRPリアブレーキステーセット

などがあります。

シャーシにもよりますが、FRPリアブレーキステーセットが使用しやすく他のギミックも組み込みやすいのでお勧めです。

それ以外のFRPなども使用して問題ありませんが、ネジの頭が路面と接触しないように気を付けてください。

路面にFRPやネジが接触する場合、コースを傷つける改造と判断され、レースに出られない場合があります。

 

 

ブレーキセッティングの注意点は以下の項目です。

 

1.ブレーキは綺麗に貼る。

ブレーキは左右が均等になるように綺麗に貼りましょう。

ブレーキはスロープでのジャンプ姿勢にも影響します。

ジャンプ姿勢を真っ直ぐにするためにブレーキは左右均等に綺麗に貼りましょう。

上級者の方でブレーキを熱で潰して効きやすくしている場合がありますが、

綺麗に潰せない場合は逆効果になるのでやめておきましょう。

 

2.色によってブレーキの強さが変わる。

ブレーキスポンジの色によってブレーキの効き方が変わります。

厚み等によって変わる可能性もありますが、大体以下の順でブレーキが利きやすくなります。

青、緑<黒<赤<グレー

 

3.ブレーキはバンクで効かないようにする。

ブレーキは基本的にバンクで効かずスロープで効く位置に取り付けます。

これによって速度を出したいバンクでは減速せず、

速度を出したくないスロープで減速することができます。

このセッティングを基本として、コースによってブレーキの効きを変えていきます。

各セクションを切ったものを利用して高さ調整を行います。

当店でも置いているので是非遊びに来てください。

 

4.最低地上高が1mm以上になるように取り付ける。

ブレーキと路面の隙間が1mm以上あいている必要があります。

1mm厚のプラバンなどを使って確認しましょう。

 

5.ブレーキの素材は色々なものが使える。

ブレーキの素材は路面を傷つけなければいろんなものが使えます。

よく使われるものはタイヤやマルチテープです。

ブレーキスポンジで物足りないときは他の素材も試してみましょう。

タイヤは23mm、ギアは3.5:1を使用することが多いです。

とりあえずは3.5:1を使用して必要に応じて変更すると良いでしょう。

 

タイヤ径が23mmではないときは注意が必要です。

タイヤ径とギア比には密接な関係があります。

タイヤ径とギア比によってマシンの最高速度やパワーが変わります。

詳しい説明は省きますが、

モーターが1回転したときに進む距離が変わることに起因します。

 

モーターが1回転したときに進む距離を計算してください。

1/3.5×23mm×π=20.63mm

 

タイヤ径をローハイトタイヤの26mmとした場合、13%ほど大きくなってしまいます。

1/3.5×26mm×π=23.33mm

 

これを上記の20.63mmに近づけようとすると……

ギア比3.7:1

1/3.7×26mm×π=22.06mm

 

ギア比4:1

1/4×26mm×π=20.41mm

 

ギア比4:1が適切となります。

26mm径のタイヤを使用するときはギア比4:1を基準に調整してください。

 

タイヤを選ぶ基準は以下の通りとなります。

 

1.硬い

 硬いとはねづらくなります。

 タイヤが硬いとグリップが減少しますので、過度に硬いタイヤは使用しません。

 ローフリクションタイヤやスーパーハードタイヤがおすすめです。

 

2.タイヤ径が小さい

 タイヤ径が小さいと重心が低くなり安定します。

 その反面、ブレーキの自由度が下がったり、最高速が伸びないなどのデメリットがあります。

 23~24mmを使用する場合が多いです。

 

3.精度が良い

 前述のタイヤ径を合わせるためにタイヤを削るのですが、精度も重要になってきます。

 タイヤが綺麗な真円になっているだけではなく、4輪の大きさがそろっている必要があります。

 精度の良いタイヤが作れない場合、市販品をそのままの大きさで使用した方が良いです。

 

4.タイヤが薄い

 いわゆるペラタイヤです。

 同じ径のタイヤでもタイヤの厚みが薄い方がはねづらくなります。

 

 

以上を総合すると、

ローフリクションタイヤやスーパーハードタイヤの小径ローハイトを使用すると良いです。

また腕に自信がある場合は23~24mmの径に削り込んでください。

現状、入手手段が限られています。

入手できない場合はスーパーハードタイヤが付属したキットを探すのが良いでしょう。

 

 

B-MAXレギュレーションの場合はタイヤ加工ができないため、24mm系のローフリクションタイヤを使用することもあります。