DESIGNO(デジーノ)ロッド研修レポート。
先日は、モニターとしてお世話になっているカスタムロッドメーカー「デジーノ」の工場・事務所へ研修にお邪魔してきました。
実は以前から代表の神谷氏よりお誘いをいただており、今回たまたま仕事の都合で東京&名古屋へ行く用事があったので、名古屋出張の際に寄らせてもらうこととなったのです。
今回はそのレポートを、公開可能な限りでお伝えしようと思います。
4月15日の夜、名古屋市内で仕事を終えたあと、すぐに神谷さんに連絡を入れホテルで私服に着替えてデジーノ工場のある愛知県豊川市へ。
名古屋市内からは何気に1時間ほどかかり、意外と遠かったです(笑)
そして指定された場所についてみると、インフィニティやキャデラック、トヨタ・タンドラ等のドデカい高級車がズラリ・・・・。その前ではレクサスNXがコンパクトカーに見えました。。。
するといきなり神谷さん登場!
まずは社会人として名刺交換したのですが、僕の名刺は本業のもの(笑) 釣り用のジェノクロス名刺作っとかんといけませんね。いや、いらんか(笑)
←せっかくお会いした記念に神谷氏とツーショット。
最近移転したというデジーノ工房は、神谷氏がオーナーを務めるバスプロショップ「ナビゲーター」の2階に併設されています。当たり前ですが基本的に2階は部外者立入禁止スペース。この写真は1階のナビゲーター店内。まだ販売体勢が完全ではないそうなのですが、ロッドパーツのコーナーも設営されています。マタギは別として、一般ショップでのロッドビルド関連の商品充実度は間違いなく日本一でしょう。写真の左半分は全部デジーノパーツ、写ってませんが右半分が他社パーツです。それにしても、直接お会いした神谷さんはみんながメディア紙面やメール・電話口から想像している人物とはけっこう異なると思います。言葉で語るより技術で語る的な、みんなクールな印象を持っていると思いますが、実際は非常にフレンドリーで、とてもアツく物事を語られる方でした。ちなみに今じわじわと話題を集めているブランド「キラーヒート」の代表、中林氏も同時にいらっしゃったので、中林さんともお話させていただくことができました。この写真は中林さんが撮ってくれました。
そしてさっそくデジーノ工房の心臓部へご案内いただきました。
しかしここで先に前置きしておきますが、今回デジーノ工場でお見せいただいたことやお話いただいたことの大部分は他言を禁じられています。また、写真もNGとのことで、残念ながら核心部分については一切語ることもお見せすることもできません。。。
まぁ一見はよく神谷さんのブログに登場する風景なのですが、実物を見るとあのブログの写真は工場のほんの一部に過ぎないことがわかりましたね(笑) 実際はもっともっと広いです。そして神谷さんが「本当に大切な部分」はハッキリ写らないように上手~く写真を撮っていることも(笑)
また、すでに夜8時をもわっているにも関わらず数名の従業員の方がおり、皆忙しそうにそれぞれの仕事をこなしていました。途中で神谷さんが技術指導なのか、ロッド作業中の従業員の方に何か熱心にお話しされていました。(近寄りがたい空気があり、別に止められているわけではないもののそこまで入っていけませんでした笑)
「結局、工場でロッドを生産しているのはパートのオバチャンたち」だとはよく言われることですが、少なくともデジーノに関してはそうではないことがハッキリと見てとれました。皆さん、いかにも釣りが好きで、釣り道具が好きで、単なるお金儲けという枠を超えた「人生の一部」として働いておられるのが感じられましたね。(ちなみに全員男性でした)
神谷さん含め、「好き」が仕事でないとあんな顔でハードに働けないと思います。
これが神谷さんの言う「レーベン」なのでしょう。
さらに、デジーノがここまで大きく有名になった今でも神谷さん自らしかビルドしないロッドシリーズがあり、その作業風景も見せていただきました。
そしてそれを見ての感想・・・・まず、早い。いや、速い!!
作業のスピードが尋常ではないほど早く、そして正確です。
僕自身がロッドをビルドするので、それがいかに超人的であるのかがよくわかります。
参考までに言うと、神谷さんは1時間で12本程度のグリップを組み上げるそうです。5分で1本ペースですね。僕ならせいぜい1時間で1本でしょう。しかし実際はなんだかんだで一晩かかって1本のグリップを組み上げています。
そして一番びっくりしたのがACSリールシートのトリガーレス加工。僕は1本削るのに3~4時間かかります。神谷さんは「3分あれば十分」だそうです・・・・。もちろん使用機材や環境の違いはありますが、それを差し引いても異常な早さ。「3分以上かけてるとお金になりませんから(笑)」と・・・・。
他にも、接着剤1つとっても一般のロッドビルダーのそれとは違いましたね。
もちろん各種プロト品もいろいろと見せていただきました。
チラっと見れるだけだと思っていたのですが、神谷さんは意外とそういった部分に寛容で、実際に手に取って舐めまわすほど見させていただきました(笑)
しかし結局この研修が終わってから思ったこと。
神谷さんが「写真NG!」というのは、ここにプロトパーツやNewデザインのグリップなどがあるからではありませんでした。(まぁそれもあるのですが)
そうではなく、本当に知られたくないのはその作業風景や工程・工具、つまり神谷さんが今までこの仕事を通じて得てきたノウハウこそが最大のシークレットであり、財産であるということです。
←神谷さんにいただいた某ロッド製作用工具。普通のビルダーならこれはロッド製作には使いません。ぶっちゃけ、モザイクを外したところでほとんどの方が「???」となるでしょう。でもこんな小さな工具1つにデジーノ、そして神谷さんのノウハウが詰まっているのです。今回それを僕なんかに特別に見せていただけたことに大変感謝しています。何本ロッドを組むよりも今回の研修は自分のスキルアップに繋がったと思います。現状のまま何本ロッドを組んでも経験できないことばかりでした。こういったところに気付くかどうかが、その後を大きく左右するのでしょう。
また今回、神谷さんは単なる凄腕ロッドビルダーとしてだけなく、確固たる会社経営者としての手腕も持ち合わせた人物であることがよくわかりました。
それは単に「良いものを作る」というだけではなく、常に原価・手間コスト意識を持ち、販売価格に対するクオリティをいかに上げることができるのかを徹底的に研究しているということ。正直、この業界にはそこが欠けた人がけっこう多いですからね(笑)
これはここで言っていいのか微妙なラインですが、「これだけ良いものを作ることができる、その最大の秘訣は何なのですか?」という僕の問いかけに対して、神谷さんは「しっかり利益を確保することですね」と即答されました。
それは「いかにお金をたくさん儲けるか」という浅はかな意味ではありません。
職業差別ではありませんが、この言葉の意味は一般的な会社員の方や公務員の方にはなかなか理解し難いものかもしれません。でも商売人の僕にはものすごくその意味がわかります。
神谷さんの言う「Quality Of Heart」、その意味がわかった気がしました。
結局、みなさんが見たいであろうロッドのマニアックな部分に関しては一切お見せすることも語ることもできないレポートなりました。
しかし今回こうして神谷さんとお会いできたことは、僕の「釣り人生」だけではなく「人生」にも大きな影響を与えることになったと思います。
過去何度も書いていますが、僕は普段、運に見放されることが多いです。
学生の時、席替えをやればいつも教壇の目の前ばかり、通販でものを買えば異常に高い不良品率、気合を入れて釣行準備をすれば当日はたいてい悪天候・・・・(笑)
しかし「人脈」という点においてだけは誰よりも運が良い人間だと、自他ともに認めています。
釣りにおいてだけでも、ガンクラフト平岩氏との出会いから始まり今回こうしたデジーノ神谷氏との出会いまで。
一般人でありながら、一般人が経験できること以上のことを僕は経験させていただいています。
そしてその礎となっているのは紛れもなく「人脈」です。
デジーノ神谷さん、今回は本当にありがとうございました!
また夏、関東遠征の際に立ち寄らせていただきます!
実は以前から代表の神谷氏よりお誘いをいただており、今回たまたま仕事の都合で東京&名古屋へ行く用事があったので、名古屋出張の際に寄らせてもらうこととなったのです。
今回はそのレポートを、公開可能な限りでお伝えしようと思います。
4月15日の夜、名古屋市内で仕事を終えたあと、すぐに神谷さんに連絡を入れホテルで私服に着替えてデジーノ工場のある愛知県豊川市へ。
名古屋市内からは何気に1時間ほどかかり、意外と遠かったです(笑)
そして指定された場所についてみると、インフィニティやキャデラック、トヨタ・タンドラ等のドデカい高級車がズラリ・・・・。その前ではレクサスNXがコンパクトカーに見えました。。。
するといきなり神谷さん登場!
まずは社会人として名刺交換したのですが、僕の名刺は本業のもの(笑) 釣り用のジェノクロス名刺作っとかんといけませんね。いや、いらんか(笑)
←せっかくお会いした記念に神谷氏とツーショット。
最近移転したというデジーノ工房は、神谷氏がオーナーを務めるバスプロショップ「ナビゲーター」の2階に併設されています。当たり前ですが基本的に2階は部外者立入禁止スペース。この写真は1階のナビゲーター店内。まだ販売体勢が完全ではないそうなのですが、ロッドパーツのコーナーも設営されています。マタギは別として、一般ショップでのロッドビルド関連の商品充実度は間違いなく日本一でしょう。写真の左半分は全部デジーノパーツ、写ってませんが右半分が他社パーツです。それにしても、直接お会いした神谷さんはみんながメディア紙面やメール・電話口から想像している人物とはけっこう異なると思います。言葉で語るより技術で語る的な、みんなクールな印象を持っていると思いますが、実際は非常にフレンドリーで、とてもアツく物事を語られる方でした。ちなみに今じわじわと話題を集めているブランド「キラーヒート」の代表、中林氏も同時にいらっしゃったので、中林さんともお話させていただくことができました。この写真は中林さんが撮ってくれました。
そしてさっそくデジーノ工房の心臓部へご案内いただきました。
しかしここで先に前置きしておきますが、今回デジーノ工場でお見せいただいたことやお話いただいたことの大部分は他言を禁じられています。また、写真もNGとのことで、残念ながら核心部分については一切語ることもお見せすることもできません。。。
まぁ一見はよく神谷さんのブログに登場する風景なのですが、実物を見るとあのブログの写真は工場のほんの一部に過ぎないことがわかりましたね(笑) 実際はもっともっと広いです。そして神谷さんが「本当に大切な部分」はハッキリ写らないように上手~く写真を撮っていることも(笑)
また、すでに夜8時をもわっているにも関わらず数名の従業員の方がおり、皆忙しそうにそれぞれの仕事をこなしていました。途中で神谷さんが技術指導なのか、ロッド作業中の従業員の方に何か熱心にお話しされていました。(近寄りがたい空気があり、別に止められているわけではないもののそこまで入っていけませんでした笑)
「結局、工場でロッドを生産しているのはパートのオバチャンたち」だとはよく言われることですが、少なくともデジーノに関してはそうではないことがハッキリと見てとれました。皆さん、いかにも釣りが好きで、釣り道具が好きで、単なるお金儲けという枠を超えた「人生の一部」として働いておられるのが感じられましたね。(ちなみに全員男性でした)
神谷さん含め、「好き」が仕事でないとあんな顔でハードに働けないと思います。
これが神谷さんの言う「レーベン」なのでしょう。
さらに、デジーノがここまで大きく有名になった今でも神谷さん自らしかビルドしないロッドシリーズがあり、その作業風景も見せていただきました。
そしてそれを見ての感想・・・・まず、早い。いや、速い!!
作業のスピードが尋常ではないほど早く、そして正確です。
僕自身がロッドをビルドするので、それがいかに超人的であるのかがよくわかります。
参考までに言うと、神谷さんは1時間で12本程度のグリップを組み上げるそうです。5分で1本ペースですね。僕ならせいぜい1時間で1本でしょう。しかし実際はなんだかんだで一晩かかって1本のグリップを組み上げています。
そして一番びっくりしたのがACSリールシートのトリガーレス加工。僕は1本削るのに3~4時間かかります。神谷さんは「3分あれば十分」だそうです・・・・。もちろん使用機材や環境の違いはありますが、それを差し引いても異常な早さ。「3分以上かけてるとお金になりませんから(笑)」と・・・・。
他にも、接着剤1つとっても一般のロッドビルダーのそれとは違いましたね。
もちろん各種プロト品もいろいろと見せていただきました。
チラっと見れるだけだと思っていたのですが、神谷さんは意外とそういった部分に寛容で、実際に手に取って舐めまわすほど見させていただきました(笑)
しかし結局この研修が終わってから思ったこと。
神谷さんが「写真NG!」というのは、ここにプロトパーツやNewデザインのグリップなどがあるからではありませんでした。(まぁそれもあるのですが)
そうではなく、本当に知られたくないのはその作業風景や工程・工具、つまり神谷さんが今までこの仕事を通じて得てきたノウハウこそが最大のシークレットであり、財産であるということです。
←神谷さんにいただいた某ロッド製作用工具。普通のビルダーならこれはロッド製作には使いません。ぶっちゃけ、モザイクを外したところでほとんどの方が「???」となるでしょう。でもこんな小さな工具1つにデジーノ、そして神谷さんのノウハウが詰まっているのです。今回それを僕なんかに特別に見せていただけたことに大変感謝しています。何本ロッドを組むよりも今回の研修は自分のスキルアップに繋がったと思います。現状のまま何本ロッドを組んでも経験できないことばかりでした。こういったところに気付くかどうかが、その後を大きく左右するのでしょう。
また今回、神谷さんは単なる凄腕ロッドビルダーとしてだけなく、確固たる会社経営者としての手腕も持ち合わせた人物であることがよくわかりました。
それは単に「良いものを作る」というだけではなく、常に原価・手間コスト意識を持ち、販売価格に対するクオリティをいかに上げることができるのかを徹底的に研究しているということ。正直、この業界にはそこが欠けた人がけっこう多いですからね(笑)
これはここで言っていいのか微妙なラインですが、「これだけ良いものを作ることができる、その最大の秘訣は何なのですか?」という僕の問いかけに対して、神谷さんは「しっかり利益を確保することですね」と即答されました。
それは「いかにお金をたくさん儲けるか」という浅はかな意味ではありません。
職業差別ではありませんが、この言葉の意味は一般的な会社員の方や公務員の方にはなかなか理解し難いものかもしれません。でも商売人の僕にはものすごくその意味がわかります。
神谷さんの言う「Quality Of Heart」、その意味がわかった気がしました。
結局、みなさんが見たいであろうロッドのマニアックな部分に関しては一切お見せすることも語ることもできないレポートなりました。
しかし今回こうして神谷さんとお会いできたことは、僕の「釣り人生」だけではなく「人生」にも大きな影響を与えることになったと思います。
過去何度も書いていますが、僕は普段、運に見放されることが多いです。
学生の時、席替えをやればいつも教壇の目の前ばかり、通販でものを買えば異常に高い不良品率、気合を入れて釣行準備をすれば当日はたいてい悪天候・・・・(笑)
しかし「人脈」という点においてだけは誰よりも運が良い人間だと、自他ともに認めています。
釣りにおいてだけでも、ガンクラフト平岩氏との出会いから始まり今回こうしたデジーノ神谷氏との出会いまで。
一般人でありながら、一般人が経験できること以上のことを僕は経験させていただいています。
そしてその礎となっているのは紛れもなく「人脈」です。
デジーノ神谷さん、今回は本当にありがとうございました!
また夏、関東遠征の際に立ち寄らせていただきます!