『空の色は幸せの色』
迷う事なく晃に向かって真っ直ぐに女の子が走って来た。晃に視線が集中。思わず立ち上がり困惑顔のまま受け止めた。
『成田…さんの、子供?』
『晃、お前いつの間に…彼女作る前に子供か?』
驚くような振りでもからかうマスターは、何か意図的なものを感じ何が始まるのか楽しそうに見守る。さすが大人だった。
『バパ…会いたかった』
『ちょ、ちょっと待って…俺』
焦りまくる晃にしがみ付く女の子に、一人落ち着いて近づき
『あら可愛い女の子。お名前は?』
『松浦空です』
『あら!貴女が空ちゃん?お名前はよく聞いていたけど。ステキなお名前ね』
恵子の言葉に嬉しそうに笑いながら答え顔を見直して
『…空?…空~空か』
『うん!そうだよ空だよ。アキ君びっくりした?』
えッ??全員の頭には??
晃の子供の訳無いでしょバカな子達ねと、笑う恵子の横で。
『松浦って!じゃあ松浦さんの~』
笑ったままの恵子に突き飛ばされる勢いで押されても余り効果無く一人興奮気味の溝口。
『えッ?でも何で?空ひとりで?』
懐かしそうに思わず抱き上げた晃に向かって笑い掛けると
『俺も一緒だよ』
『えッ?もう一人?痛てッ何すん』
勘違いしたまま理解していない頭を今度は蒼井に一発叩かれ眼で一喝され口ごもる溝口をよそに。
『あら~。可愛い坊やがもう一人』
ムッとした顔になったのを気付いた空が側に寄り
『子供への褒め言葉なんだから。しょうがないでしょ。青(せい)はまだ子供なんだから』
『解ってるよ!』
『だったらそんな顔しないの。学習能力ないんだから、そういう所が青は子供』
『解ってるって!反応しちゃうんだからしょうがないだろ…笑えばいいんだろ』
聞こえるような聞こえ無いような会話の後、二人でニコッと笑ってみせた。
『青か?…背伸びたな』
『当たり前じゃん。6歳だからね』
『そうだよな』
クシャクシャに頭を撫でられまた少し嫌そうな顔になっていた。
『成田…さんの、子供?』
『晃、お前いつの間に…彼女作る前に子供か?』
驚くような振りでもからかうマスターは、何か意図的なものを感じ何が始まるのか楽しそうに見守る。さすが大人だった。
『バパ…会いたかった』
『ちょ、ちょっと待って…俺』
焦りまくる晃にしがみ付く女の子に、一人落ち着いて近づき
『あら可愛い女の子。お名前は?』
『松浦空です』
『あら!貴女が空ちゃん?お名前はよく聞いていたけど。ステキなお名前ね』
恵子の言葉に嬉しそうに笑いながら答え顔を見直して
『…空?…空~空か』
『うん!そうだよ空だよ。アキ君びっくりした?』
えッ??全員の頭には??
晃の子供の訳無いでしょバカな子達ねと、笑う恵子の横で。
『松浦って!じゃあ松浦さんの~』
笑ったままの恵子に突き飛ばされる勢いで押されても余り効果無く一人興奮気味の溝口。
『えッ?でも何で?空ひとりで?』
懐かしそうに思わず抱き上げた晃に向かって笑い掛けると
『俺も一緒だよ』
『えッ?もう一人?痛てッ何すん』
勘違いしたまま理解していない頭を今度は蒼井に一発叩かれ眼で一喝され口ごもる溝口をよそに。
『あら~。可愛い坊やがもう一人』
ムッとした顔になったのを気付いた空が側に寄り
『子供への褒め言葉なんだから。しょうがないでしょ。青(せい)はまだ子供なんだから』
『解ってるよ!』
『だったらそんな顔しないの。学習能力ないんだから、そういう所が青は子供』
『解ってるって!反応しちゃうんだからしょうがないだろ…笑えばいいんだろ』
聞こえるような聞こえ無いような会話の後、二人でニコッと笑ってみせた。
『青か?…背伸びたな』
『当たり前じゃん。6歳だからね』
『そうだよな』
クシャクシャに頭を撫でられまた少し嫌そうな顔になっていた。
『空の色は幸せの色』
一通り注文した後、失恋話しを聞いて藤本が身近に思えた事をはなした。どこまで話したのか気になり少し難しい顔をしていた晃だったが、昂太の様子が妙だった理由が少なからずわかり
『そうか。茜さんが来たのか…それでアイツ…そうかそうか』
急に砕け笑い出した晃にキョトンとした顔の蒼井達だった。話しの中で問い質せなかった「茜の出演条件」もしかしたら「一緒に舞台に居た藤本の直感の男」昂太と長い付き合いの晃ならば知っているかも知れない。好奇心ありありな態度を感じ取り微かに笑い、聞かれる前に。
『本人に聞いてみな…そのうち来るはずだから』
えっ?気持ちを読まれた?そんな態度に、解り易い奴等…と笑った。
それにしても遅い…茜と会っている、だとしても連絡もしないで遅れる奴ではない。店を出て電話をしてみた。すると…
慌ただしい声の昂太。約束をした事すら忘れていたらしく、謝る昂太の言葉が途切れ
『悪るかっ、あっ!触るなって。ちょっと静かにしてろ!話し済ませっから…あっ、悪りぃなちょっと慌ただしくって』
『誰か居る、まさかぁ~茜さん…じゃ~ねぇよな…子供?』
甲高い声が電話から聞こえた。何が起きているのか気になり、絶対に来い。来て茜の事を話さないと中途半端に知られ面倒臭い事になるとわざと大袈裟に不安感を煽り(あおり)切った。
20時を回った頃。
店のドアが開き恵子の声と重なるように
『バパ~』
可愛い女の子の声が店内に響き全員の動きが止まり、まるで時間を止めたように静かになった。
迷う事なく晃に向かって真っ直ぐに女の子が走って来た。
『そうか。茜さんが来たのか…それでアイツ…そうかそうか』
急に砕け笑い出した晃にキョトンとした顔の蒼井達だった。話しの中で問い質せなかった「茜の出演条件」もしかしたら「一緒に舞台に居た藤本の直感の男」昂太と長い付き合いの晃ならば知っているかも知れない。好奇心ありありな態度を感じ取り微かに笑い、聞かれる前に。
『本人に聞いてみな…そのうち来るはずだから』
えっ?気持ちを読まれた?そんな態度に、解り易い奴等…と笑った。
それにしても遅い…茜と会っている、だとしても連絡もしないで遅れる奴ではない。店を出て電話をしてみた。すると…
慌ただしい声の昂太。約束をした事すら忘れていたらしく、謝る昂太の言葉が途切れ
『悪るかっ、あっ!触るなって。ちょっと静かにしてろ!話し済ませっから…あっ、悪りぃなちょっと慌ただしくって』
『誰か居る、まさかぁ~茜さん…じゃ~ねぇよな…子供?』
甲高い声が電話から聞こえた。何が起きているのか気になり、絶対に来い。来て茜の事を話さないと中途半端に知られ面倒臭い事になるとわざと大袈裟に不安感を煽り(あおり)切った。
20時を回った頃。
店のドアが開き恵子の声と重なるように
『バパ~』
可愛い女の子の声が店内に響き全員の動きが止まり、まるで時間を止めたように静かになった。
迷う事なく晃に向かって真っ直ぐに女の子が走って来た。
『空の色は幸せの色』 4
18時過ぎ。洋風なたたずまいなのだか何故か暖簾?料理は和風寄りの居酒屋。昂太達が何かと集まる店『MK』アメリカンを譲らない夫、寺島真弓。名前と容姿が合わな過ぎるので通称シン、店の主でマスターを名乗る。和風を譲らなかった妻、寺島恵子。屋号はそんな二人の名前から付けたらしい。子供が居ない二人には店に来る若者が息子、娘。親の様に、頼れる先輩の様に慕われている。
『金曜の夜に男が一人とは…寂しいね』
カウンターの客に哀れむようにサービスだとマスターが小鉢を置くと、隣にお盆を抱え座り
『待ち人はどうせ昂太なんでしょ?たまにはさ、可愛い子連れておいで』
『お前も昂太の奴もなんでモテないかね』
『モテないんじゃなくて、近寄り難いというか踏み込み難いというか。その壁を壊してくれるような子、現れると良いね』
『過去の傷の一つや二つ、男の糧ってもんだろ』
『あんたみたいに、数撃てば良い傷だらけじゃ糧もへったくれもあったもんじゃ無いけどね!あっ、いらっしゃい』
言いたい事を言って立ち去った恵子の言葉に、苦笑いをすり二人だった。
19時を回った頃。昂太に電話をしてみようかと携帯を出した時。
『成田さ~ん。一人なんですか?珍しいですね』
やっと仕事が終わり解放された浮かれ気味の後輩、溝口と蒼井達が賑やかに入って来た。
『良かったじゃねぇか。一人よりはいいだろうが…難しい話しは奴が来てからでいいだろ』
溝口達のテーブルに移るように促され、渋々グラス片手に席に着いた。
『金曜の夜に男が一人とは…寂しいね』
カウンターの客に哀れむようにサービスだとマスターが小鉢を置くと、隣にお盆を抱え座り
『待ち人はどうせ昂太なんでしょ?たまにはさ、可愛い子連れておいで』
『お前も昂太の奴もなんでモテないかね』
『モテないんじゃなくて、近寄り難いというか踏み込み難いというか。その壁を壊してくれるような子、現れると良いね』
『過去の傷の一つや二つ、男の糧ってもんだろ』
『あんたみたいに、数撃てば良い傷だらけじゃ糧もへったくれもあったもんじゃ無いけどね!あっ、いらっしゃい』
言いたい事を言って立ち去った恵子の言葉に、苦笑いをすり二人だった。
19時を回った頃。昂太に電話をしてみようかと携帯を出した時。
『成田さ~ん。一人なんですか?珍しいですね』
やっと仕事が終わり解放された浮かれ気味の後輩、溝口と蒼井達が賑やかに入って来た。
『良かったじゃねぇか。一人よりはいいだろうが…難しい話しは奴が来てからでいいだろ』
溝口達のテーブルに移るように促され、渋々グラス片手に席に着いた。