数をかたまりとして、教える方法  | hkhk123のブログ

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知的の特別支援学校に勤めていました。高等部が長く、進路に関わってきました。お役に立てるような経験をお話していけたらなと思っています。

1~10までの数はどのように教えていますか。

 

数には大きく分けて、集合数と順序数があります。

 

数を教える場合にさまざまな方法がありますが、

物のかたまり(集合数)として、教える方法を紹介いたします。

 


 

数唱ができている段階から始めます。

 

①1~5までを数える

 

 具体物を用意してください。例 電池

 数えて、最後の数をもう一度強く言います。

 〇 「1」       「1]

 〇〇「1 2」      「2」

 〇〇〇「1 2 3」  「3」

  

 4や5も同様に繰り返します。

 この段階は数えによるとらえ方(順序数)です。

 

 

②1~3の数を物のかたまり(集合数)として、直観的に認識する

 

  短1電池10個と、しきり版(画用紙)を用意します。

 

 ・電池1個を画用紙で隠し、1~2秒だけ開けます

 

       

          ↓

 

         

   ↓

 

        

 

   いくつ?    「1」

 

 

・電池2個を隠し、1~2秒だけ開けます(以下、開け閉め省略)

 

    

 

  いくつ?    「2」

 

 

・電池3個を隠し、1~2秒だけ開けます

 

  

  

  いくつ?    「3」

 

 

  段々と開ける時間を短くしていきます。慣れれば、一瞬開けただけで

 答えられます。

  短い時間にするのは、数えさせずに直観でわからせるためです。

 

 

 ・1~3をランダムに見せて、こたえさせる

 

 この段階までは、小3までの算数の教科書を行うお子さんは、ほとんどできます。

 

 

 

③4の数を理解する方法

 

 4や5も、一瞬開けて、直感的に理解できるお子さんは、理解力が高いと言えます。

 一般的には4からは直観的にわかるのは難しくなってきます。

 では、どう教えるか

 

 ・「2と2なら、4だよ」と教えたあとに、

  2と2の間を開けて、画用紙のやり方で行います。

  

 

わかるようになってきたら、徐々に2と2の間を狭くしていきます。

 

 

 

最後は間をなくします。そして、1~4までをランダムに見せていきます。

 

 

 

 

④5の数を理解する方法

 

 「2と3なら、5だよ」と教えたあとに、

 2と3の間を開けて、画用紙のやり方で行います。

 

   わかるようになってきたら、徐々に2と3の間を狭くしていきます。

 

3と2でも行いましょう。

 

 

 

 

  最後は間をなくします。そして、1~5までをランダムに見せていきます。

 

 

 4と 5の直観的なちがいは、

  4は左右のバランスが同じ

  5は左右のバランスが違うと見えると思われます。

 

 

 

⑤6~10の数を理解する方法

 

 5を一つの塊としてテープでまとめます。実際に子供と一緒に作りましょう。

 

 

 

 

 ・6を教える時は

  「5と1が6だよ」と教えてから、画用紙で見せます。

 

   1~6までをランダムに見せます。

 

 

・7を教える時は

 「5と2が7だよ」と教えてから、画用紙で見せます。

 

 

   1~7までをランダムに見せます。

 

 

・同様にして8、9、10も教えていきます。

 

 

 

 

 

※30人の教員に研修会でこの指導法を伝えた時に

 横並びでいくつまで直観で認識できるか試したことがあります。

 一瞬で画用紙を開けて閉じ、答えさせると

 大人の場合は数人が8個まで、大体の人は7個でした。

 

 大人の場合は8個をどうやって答えているか

 おそらく大人は4個と4個に分けて見て、答えていると思われます。

 自然に分解、合成しているのだと考えられますね。

 

 

※私自身は、公文や指算も研究して順序数として教えた時期もあります。

 数の最初の入口として、この物のかたまりを直観的に理解する方法を使い、

 それ以降は公文や他の方法を使っていっても良いと思います。

 

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。