〇中学校時代に不登校だった生徒が
高等部で不登校を抜け出した昔の例をあげます。
※個人がわからないように記入を省略した部分があったり、昔のことを
簡潔に記入しています。
①~⑥までが、不登校から抜け出して、
企業就労につながった成功例です。
分析で、家にいる要因よりも、学校にいく要因が大きければ、
登校につながりやすくなります。
①中学校特別支援学級 ほぼ欠席
(状況)将来やりたい仕事があった
高1 出席 週1,2回 1時間程度、教室に入らない
高2~3 出席増えて教室に入るようになってきた。高3毎日1日登校。
担任が面倒見がよく、相性もよかった。
友達もできた。
疲れたり、ハイになる場面も見られましたが、
就職のために 毎日くるようになった。
→卒業後 希望の職種で現在働いている
(分析)働きたい職種も決まっていて、意欲が高い。
理想的です。
学校 家
大きなプラス要因 やりたい仕事 自由な時間
大きなプラス要因 担任 マイナス要因 家族が多くプライベート少ない
大きなプラス要因 友達
マイナス要因 疲れる
比較して、
学校に行く要因が上回ります
②中学校時代はほぼ欠席
(状況)お金を稼ぎたい
好きなゲームや服を買うために稼ぎたい
高1 半分出席
高2 3/5出席、欠席が多い場合は企業就労が難しいことを進路から伝えられ登校を意識
高3 すべて出席 彼女できた
→卒業後 企業就労
(分析)稼ぐには、学校に登校する必要があることを知る
学校 家
高等部に入って気分一新 ゲーム楽しい
友達 自由な時間
大きなプラス要因 働いて稼ぐ 大きなマイナス要因 こずかい足りない
大きなプラス要因 彼女
比較して、
学校に行く要因が上回ります
③中学校特別支援学級 週2回の保健室登校
(状況)友達がほしい、お金もほしい
。
高1 友達ができ楽しく、毎日登校。遅刻が多い。
高3 周りが企業志望の影響と、お小遣いが少ないため
本人が働いて服や装飾品を買うために稼ぎたい
遅刻少なくなった。
→卒業後 企業就労
(分析)友達ができ、楽しい
学校 家
大きなプラス要因 友達 ゲーム楽しい
高等部に入って、気分一新 自由な時間
働いてお金稼ぎ、服などを買いたい
比較して、
特にこの生徒は友達がいて楽しかったため、
学校に行く要因が上回ります
④中学校特別支援学級 出席1/5
(状況)就職したい、お金がほしい
高1 出席なし。
高2 3/5出席、遅刻多い 友達できた
欠席が多い場合は企業就労が難しいことを担任から伝えられ登校を意識
高3 ほぼ出席、遅刻多い
→卒業後、企業就労
朝が弱いため、警備会社に入り、午後からの勤務へ
(分析)おこづかい少なく、お金がほしい
学校 家
大きなプラス要因 働いてお金を稼ぐ ゲーム楽しい
友達 自由な時間
マイナス要因 経済的理由で、
おこずかい足りない
比較して、
家庭の事情でお小遣いが少なく、お金がほしい気持ちが強かったため、
学校に行く要因が上回ります
⑤中学校特別支援学級 不登校
(状況)担任に「できるからもったいない」と言われて
高1 全欠席
高2,3 担任に「力はあるから、もったいない。就職できる」と何回も言われ
午前中の作業の時間と授業時間に出席
特に作業の時間は意欲があった
→卒業後 作業のその職種に企業就労
(分析)担任に励まされた
学校 家
大きなプラス要因 担任 自由な時間
作業が好き
働いてお金を稼ぐ
比較して
学校に行く要因が上回ります
⑥中学校 不登校
(状況)PCをやりたい
集団に入るのが苦手。疲れてしまう。
高1~3 教室には入らず、別室登校。
→卒業後 ワード、エクセルを習える就労移行支援に週2,3日通う。
外には、ゲーム仲間がいて人とのつながりはあるので、
在宅PC仕事を探して可能性を探る
(分析)集団が苦手
学校 家
仲の良い友達がいる PC
陸上に興味がある 自由
大きなマイナス要因 集団で疲れ 外にPCゲーム仲間がいる
比較して、
集団が疲れる要因が大きいので、
家にいる要因が上回る
⑦高等部に途中からこれなくなった例
高等部在籍中に家庭環境の変化で、深夜までゲームして、
学校には週2,3回、午後登校
学校 家
大きなプラス要因 友達多い 大きなプラス要因 大好きなゲームを深夜もやる
モデルガン
自由
マイナス要因 家庭環境
比較して
家にはマイナス要因があっても、親とは別室で
本人の部屋がありそこにこもっている
学校へは友達と話したいので、週2日遅刻登校。
家にいる要因の方が上回る
その後
親の対応 卒業したら、おこずかいはださないことを本人に伝えた
↓
本人の気持ち 卒業後はモデルガン、ゲームが買えない、
友達とお金使って遊べない
→卒業後にお金を稼ぐために働き始める、欠席したりして転職も
あったが、今は安定して働いている
〇不登校から抜け出した要因とは
①~⑤までの子の特徴
不登校になったきつかけは別にして、現在は精神的に
疲れているわけではない。
中学校時代は、家にひきこりの中で好きな時間に起きて、
好きに食べ、動画、ゲームをして
登校するきっかけがないといった状態。
※どちらかといえば、母親の方がストレスや
なかなか前に進まないことに疲れている。
↓
その子たちが学校に行けた要因として、
成功例から拾い上げると
↓
1 やりたい仕事がある
2 働いてお金を稼ぎ、自分で使いたい
3 友達ができる
4 好きな授業や活動
5 好きな子がいる
6 担任
7 高等部にはいって、気分一新
この中で、大きな要因はお子さんそれぞれ違いますが、
「働いてお金を稼ぐ」要因はよく見られます。
↓
では、実際のお子さんの様子を考えてみてください。
どれだけ 学校にいきたい要因あるのか
家にいたい要因があるのか
〇もちろん成功例ばかりでなく、学校にこれない例もあります。
精神的に落ち込んでいる、うつ等の場合は、治療が必要
→元気になってから、取り組む
集団が怖い、または集団内では精神的に疲労する
→本人に合った道や環境を探す
およみいただき、ありがとうございました。
次回は「高等部 不登校の生徒対応② 対策編」です。
4/18(木)に投稿します。