Part1「傷はぜったい消毒するな」(夏井睦著)備忘録メモ 【はじめに・第1章】 | ライフコーチかめちゃんのブログ

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夏井先生の本で印象的だった部分抜粋メモ

 

  「はじめに」より

 

普段何気なくしていることや、皆がしているので特に気にせずやっていることの中には、
 
良く考えてみるとなぜそれをしているのかわからないものが結構ある。
 

例)「蕎麦に七味唐辛子」

例)「江戸時代のちょんまげ」

例)「現代医療の傷には消毒とガーゼ」

 

筆者は、「傷は消毒してガーゼを当てる」という治療が、化学的根拠のない単なる風習に過ぎないということに気がついた。

 

医学の基礎研究の分野では、

 

1960年頃から「傷が治るとはどういう現象なのか」についての研究が始まり

 

傷が治るメカニズムが解明されてきたのに、なぜかその知識は研究者の間でしか知られておらず、

 

実際に傷の治療が行われている医療現場には全く伝えられていなかったのだ。

 

そのような中で私は一人、傷が治るメカニズムに沿った治療を始めてみた。

 

(中略)

 

傷の状態を毎日観察するうちに、色々なことがわかってくる。

 

(中略)

 

その結果、海図らしきものができてきた。それが筆者が提唱している「傷の湿潤治療」である。

 

「傷を消毒しない、傷を乾かさない」という二つの原則を守るだけで

 

驚くほど早く、しかも痛くなく傷が治ってしまうのである。

 

治療を受けた患者さんも驚くが、一番驚いているのは治療をしている当の医師、という治療である。

 

それを他の医師にも教えたくなり、インターネットや講演活動を通して治療の宣伝をするようになった。

 

(中略)

 

だがそれは甘かった。

 

「消毒廃止に反発する医者が予想以上に多かったのだ。」

 

  「第1章 なぜ「消毒せず、乾かさない」と傷が治るのか」より

 

「湿潤治療」とは、10年ほど前から筆者が独自に始めたもので、

 

薬も、高価な治療材料も使わずに擦りむき傷も熱傷(ヤケド)も治してしまうという治療である。

 

実際、大学病院の熱傷センターで「これは入院して手術しないと治らない」と宣告された重症熱傷なのに、

 

湿潤治療に切り替えて外来通院しただけで二週間で完治したという例が多数あるのだ。(写真1、写真2参照)
 

 

 

 

 

 

しかも治療法そのものは極めてシンプルで簡単なため、素人でも実行できる。

 

治療の原則は次の二つだ。

 

①傷を消毒しない。消毒薬を含む薬剤を治療に使わない。

 

②創面を乾燥させない。

 

この治療法は、現時点での傷の治療の原則である

 

「消毒して乾燥させる(=ガーゼで覆う)」

 

と正反対であり、

 

多くの病院で常識的に行われている傷の治療を完全否定するものだ。

 

もちろん、確固たる根拠があって完全否定している。

 

この治療法が正しいことは、擦りむき傷を食品放送用ラップで覆ってみればわかる。

 

あのヒリつくような痛みが軽くなるからだ。

 

痛みが軽くなった瞬間、あなたの体は、あなたに「この治療は正しい」と教えてくれるはずだ。

 

皮膚の傷の治癒、つまり皮膚の再生に絡んでいるのは、

 

皮膚の細胞、その細胞の移動と分裂の舞台となっている真皮、肉芽だ。
 

 

 

 

これらの共通点は「乾燥に弱い」ことであり、むしろ最大の弱点と言ってもいい。

 

皮膚の細胞を乾燥状態に置くとすぐに死滅する。

 

真皮や肉芽は本来は非常に血流に富んだ丈夫な組織なのだが、乾燥させるとやはりあっけなく死んでしまう。

 

(中略)

 

人間は水なしには数日しか生存できないように、人体を構成するあらゆる細胞も乾燥状態ではすぐに死んでしまう。

 

(中略)

 

そして死んだ人間が生き返ることがないように、一旦死んだ細胞も組織も蘇ることはなく死骸になる。

 

それがカサブタだ。つまり傷の上にできるカサブタとは、乾燥して死に、ミイラになったようなものだ。

 

従来はカサブタができると治る、と誤解されていた。

 

だから、早くカサブタができるようにとせっせと乾かしてきたわけだが、

 

何のことはない、傷が治らないように、細胞が早く死ぬようにと一生懸命乾かしていたのだ。

 

カサブタは要するに、中にばい菌を閉じ込めて上から蓋をするようなものである。

 

だから、カサブタになるといつまでも治らないし、閉じ込められたばい菌が暴れだせば化膿することになる。

 

逆に傷を乾かさないようにすれば、真皮も肉芽も、その上を移動する皮膚細胞も元気いっぱいだ。

 

その結果、傷の表面は新たに増えた皮膚細胞で覆われ、皮膚が再生することになる。

 

(中略)

 

それでは、傷を乾燥させないためには具体的にどうしたらいいのだろうか

 

傷口の乾燥を防ぐにはどうしたらいいのだろうか。

 

(中略)

 

「水を通さないもの、空気を通さないもの」で傷口を覆ってやるだけでよい。

 

なぜかというと、傷口からは傷を治すための最強の液体が常に分泌されているからだ。

 

それが「細胞成長因子」という生理活性物質である。

 

つまり人間の体は自前で傷を治すメカニズムを持っていて、それがあの傷口のジュクジュクだったのだ。

 

この傷のジュクジュクはいわば、人体細胞の最適の培養液なのである。

 

だから傷口が常にこのジュクジュクで覆われるようにしてやれば傷は簡単に治ってしまうのだ。

 

ではどうするか、といえば話は簡単で、傷口に分泌されているジュクジュク、

 

つまり滲出液(しんしゅつえき)が外にこぼれないように

 

「水を通さないもの、空気を通さないもの」で覆ってやればいい。

 

そうすれば傷の表面は常に滲出液で潤った状態になって乾燥しなくなり、

 

傷表面のさまざまな細胞は活発に分裂し、傷はどんどん治ってしまう。

 

これが「湿潤治療」の原理だ。

 

では傷を覆うものは何がいいのだろうか。

 

実は何だっていい。

 

人体に有害な成分さえ含まれていなければ

 

①傷にくっつかない

 

②滲出液(= 細胞成長因子)を外に逃さない

 

この二つの条件をクリアしていれば十分だ。

 

それが、後述する食品包装用ラップであったり、市販のハイドロコロイド被覆材(ひふくざい)だったり、

 

プラスモイストなのだが、もちろんポリエチレン製のゴミ袋だって治療に使えるし、

 

有害成分が含まれてなければビニールシートだって十分な治療効果を発揮する。

 

ここで、勘のいい人はちょっと引っかかるはずだ。

 

滲出液がこぼれないようにするだけなら、カサブタだっていいのではないか。

 

なのになぜラップがよくてカサブタはいけないのか。

 

この疑問を持った人は頭がいい。

 

この質問は治療の本質に関わっているものなので後ほど詳しく説明する。

 

 

次回以降に続きます!