あなたが見ている通りに、相手は変わっていく(もしくは変わらない) | 心理カウンセラーかめちゃんのブログ

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霧島と沖縄と代官山で3拠点生活しながらセミナー講師しています。2021年までは鹿児島でヨガスタジオを経営してました。2022年セミナー講師業で5億円を売り上げました。セミナーの様子をYouTubeで配信しています。

教育学の世界で有名な理論のひとつに「ピグマリオン効果」というものがあります。


ランダムにピックアップした生徒たちのことを、先生には「この生徒たちは選抜された優秀な生徒ですから、宜しくお願いします」と伝えます。


しばらくすると、その生徒たちは、実際に優れた成績を見せるようになったのです。

先生が「優秀な生徒たち」だと思って見たら実際にそうなった、という実験結果です。


詳しくは、ググっていただくとして、要するにこれは


「あなたが見ている通りに、相手は変わっていく(もしくは変わらない)」


ということだと僕は理解しています。
もっと簡単に言えば


「あなたが見ている通りに、相手はなる」


ということです。


これをコーチングの場面に当てはめるとどうなるか?


「コーチが見た通りに、クライアントはなっていく」


ということになります。


クライアントは色んなタイプがいますし、色んな状況があります。


中には病んでる人もいるでしょうし、自殺直前という局面だってあるかもしれません。


そういうときに。


「ああ、この人は病んでるな。自分がなんとかしなきゃ。」とか


「ああ、この人は自殺直前だな。何とか思いとどまらせなきゃ」とか


コーチが思ったら、実際に「そっちの方向」に進んでいくのです。


ここでいう「そっちの方向」とは、本当はクライアントもコーチも望んでいない方向のことです。


病んでると思えば、ますます確実に病んでいくでしょうし
「自殺を止めなきゃ」と思えば、ますます自殺願望に火がついたりするのです。


僕はそんなとき、逆のことを伝えることがあります。


「あなたは、本当に大変な体験をしてこられましたね。僕にはその大変さは正直わかることはできないかもしれません。

 わかることはできなくても、伝えたいことがあります。

 もし僕が神様に代わって伝えることがあるとしたら、こう言います。

 "自殺、してもいいんですよ"。」


するとクライアントは一瞬びっくりします。


自殺というようなセンセーショナルな行為にまさかの許可を出されるからです。


ホッとしたような表情を見せることすらあります。


そして僕は続けます。


「でも、自殺は、正直なところあなたの人生にはふさわしくないと思います。
  なぜなら、そこまで苦しんでいる原因は、"誤解"の可能性があるからです。

 誤解によって苛まれ自殺する人がいるとしたら、残念だと思いませんか?」


クライアントは正気を取り戻したように返してくれます。


「そうですね。」


そうして、コーチングセッションやワークショップを通じて、その誤解に気づくプロセスへと入っていきます。


数ヶ月すると、そんなことを話したねって笑い話になっているのです。


別な表現では僕はこれを、「作用・反作用の法則」と呼んでいます。


宿題をやろうと思ったら、母親に「宿題やったの!?」って問いつめられる。
するとやる気がなくなる。


「宿題なんてやんなくたっていいわよ。」と言われると、すっと「やろうかな」っていう気になったりする。


「好きです!付き合って!!」ってずっと言われ続けると、逃げたくなったり避けたくなったりする。


「他に好きな人ができたよ。今までありがとう。」って言われると、「あれ?ちょっと待って!」っていう気になったりする。


この「作用・反作用の法則」についてはまた別の記事で書くとして...。


見た通りになっていく。


実はこれはコーチングの場面だけでなく、人生全体でも当てはまります。


とくに子どもがいる方や部下がいる方にとっては、重要な視点になるでしょう。


◎子どもは、親が見た通りになっていく。(なっている)


◎部下は、上司が見た通りになっていく。(なっている)


逆も言えます。


◎親は、子どもが見た通りになっていく。(なっている)


◎上司は、部下が見た通りになっていく。(なっている)


「無能な部下」だと思えば、そういう出来事が次々と現れる。


「うちの子どもは大丈夫だろうか?」と不安になったら、不安をさらに感じさせてくれる出来事が次々現れるということです。


この、「見た通りになる」作用は、みんな人生のどこかで体感しているはずです。


でも重力のように、りんごが木から落ちるように、「明らかな形」では見えないのです。


「こっそりと」作用している宇宙の法則なのです。


この法則を見つける前と、見つけた後では、人生は一変することが多いようです。


僕自身も、これを教わったとき、衝撃を受けました。
(同時に、大きな抵抗も…)


そして、この法則は、どこまでも理解を深められるし、どこまでも人生での実践を深められるのです。


僕のコーチングで、人生が変わったという人は多くいらっしゃいます。


その秘訣はコーチングスキルそのものにもあるのですが、最も深いところではこの「見た通りになる」作用の力なのだと僕は思っています。


どんなに問題を抱えた相手でも、
どんなにダメそうに見える相手でも、


深いところで見れば、どこまでも自由で、どこまでも愛に溢れた、才能豊かな人に見えるからです。


ちょうどそのことをうまく表現してくれたのが、おとといのライフコーチ養成講座での受講生の発言でした。


僕は質問しました。
「コーチとして、あなたはクライアントのことをどう見たいですか?」


4人の受講生の答えはこんな感じでした。


「クライアントは問題解決できる人」


「クライアントは自分の中に答えを持っている人」


「クライアントは自分で良くなれる人、変われる人」


「クライアントの中にも同じ一つの愛があって、ただそれに気づけていない人」


その認識にもステップの高さがありましたが、いずれも素晴らしい認識だなって思いました。


そんな風に見てくれるコーチがいたら、クライアントの変容はきっと加速するでしょう。


僕の感覚は一番最後の考え方に近いです。


「クライアントの中にも同じ一つの愛があって、その愛を思い出すプロセスを見せてくれる人」


という感じでしょうか。


見せられるのは結局のところ僕自身だったりします。


そうしてコーチングセッションを重ねる度に、統合されていくのは僕自身の愛でもあるのです。


結局のところ、みんな愛でできている。


結局のところ、みんな愛を思い出している。


結局のところ、みんな本当の愛を知っている。


そんな前提に立って、家族や同僚やお客様や社会の人たちを見てみる。


すると本当にそんな社会・世の中が出現するのです。


このブログ記事も、これを読んでくれたあなたも、記事とあなたをつないでくれた存在も、みんな愛でできている。


「世界は愛でできている」


そう見れば、世界は愛に近づくでしょう。


「世界は危険に満ちあふれている」


そう見れば、世界は危険に近づくでしょう。


世界を変えるのに、外側を変える必要はないと僕は考えています。


内側を変えるだけで、こと足りるのです。
(もちろん、それを具現化するのに、行動は役立つし、外側を変える作用も素晴らしい体験の一つであることに変わりありませんが)


世界のどこかではまだまだ争いも起きているのでしょう。


でも少なくとも僕の体験している目の前の世界では争いは、減っていく一方です。


みんな豊かに、笑って過ごしています。


同じ世界を見てくれる人が、最近急に増えてきて、それもすごく嬉しく思います。


もう一度僕の見ている世界を書いて、今日の記事を終わりたいと思います。


「世界は、愛でできています。」