「タバコを吸うのを控えてもらえませんか?」
このお願いを最もしずらい相手。それが父でした。
父はヘビースモーカーで、いつも世の中の禁煙ムードに対して文句を言ってました。僕が物心ついた頃から、父も母もモクモクとタバコを吸っていたのです。
2012年夏、父は新しい母と再婚しました。恐らく仙台で最も高い?そして新しいウェディング専用の結婚式場。
もちろん全館禁煙。
でもその方針に腹を立てた父は、「父の披露宴の間だけ全館喫煙にする」という無茶な要求を式場側に飲ませたのです。
そして会場では喫煙率の多い列席者がタバコを吸いまくる...。「相変わらずだなぁ。」と少し残念に思ったのを覚えています。
そんな父に対して、勇気を持って「タバコを控えてくれない?」と言えたのが3年前のことでした。
当時2人目を妊娠していた奥さんと、まだ2歳くらいだった長女。
タバコに気を使って生活をしていた僕らの前で、全く構わずリビングでも車中でも子どもや奥さんの前でタバコを吸う父。
僕の中に底知れぬ力が沸き上がり
「お父さん、奥さんと子どもの前ではタバコを控えてもらえない?普段はタバコを吸わないように気を使って生活してるんだよね。」
と伝えたのです。
「誰の家だと思ってるんだ!」と逆ギレされるかな?と想像したのですが、真実は逆でした。
父は、「おお、わかった。ごめんな。」と言って、それ以来、子どもの前で、リビングや車では吸わなくなったのです。
でもまた最近、子どもの前でも平気で吸うようになった父。
「またそろそろ言わなきゃなぁ」と思っていた僕。
すると、長女の優花ちゃん(5歳)が、天真らんまんに一言。
「なんかこの部屋タバコくさ~い!!」
(と笑顔で言いながら鼻をつまむ)
「おじいちゃん(父)の前で何てことを!」と慌てる僕。
機嫌が悪くなるかな?と思ったら
「優花ちゃん、ごめんね~。今消したからね(^^)。」と優しく言う父。
「え~、でもまだ臭い!」とこれまた天真らんまんな優花ちゃん。
でも父は笑顔でした。
結局、怖れずに言えば、問題は何も起きないのかもしれません。
こっちが怖れれば、その分だけ相手は怒る。
あれだけ怖い父(ほぼ全社員が怖れる社長でもあります)に対しても、1ミリも怖れず「タバコ臭い!」と言いきれる優花ちゃん。
本当に心から尊敬します。
パパも強く生きます。