科学的妥当性が限りなく0に近いものは…
健康食品や健康器具を販売している業者や個人の中には、自分の経験を元にして商品の有効性を語る人がいます。
よくあるパターンとして、
「〇〇という病気に苦しんだが、△△のお陰で今の健康を取り戻した!」
といったものです。
こうした個人の経験に基づいた商品というのは、実際にはあまり信用に値しません。
例外的には、こうした商品が販売を続け5年、10年と販売を継続した上で、使用者の統計をしっかり取って、その有効性を実証した場合には信用出来るかもしれません。
例えば当院で施術している鍼灸治療の内容は、私が個人開業した2001年から患者さんの動向をもって確認しています。
それでも日々有効性に関しては冷静に判断するようにしていますし、場合によっては過大評価していたと分かったものは、適応から除外するなどの措置をしています。
こうしたことを冷静に行わないと、数少ない成功体験を過大評価し、数多い失敗例を無視するようになってしまいます。
数少ない個人の体験を過大評価すると、新興宗教のようになってしまいます。
奇跡の体験を元にして、多くの信者を勧誘するようなパターンですね。
そうした方は自分自身が体験したことを信じ込んでいるのですから、科学的妥当性なんて関係ありません。
その分盲目的に信じ込もうとする傾向がありますので、マイナス点を評価するということもないため注意が必要です。