サルヒツの酒飲みライフ♪【第238回】
光栄菊 スノウ・クレッセント 2023BY
製造年月:2023年11月
生産者:光栄菊酒造㈱
所在地:佐賀県小城市
タイプ:無濾過生原酒 うすにごり
使用米:山田錦100%
精米歩合:非公開
アルコール:15度
杜氏:山本克明氏
販売価格:1,875円(税別)
※特約店販売、季節限定品
※味覚の表現は飽くまで個人的なものです
ひつぞうです。山本克明氏が光栄菊プロジェクトに参加して四年目。最初の頃は一人一本の限定販売でしたが、普通に買えるようになりました。だからといってクオリティは変わりません。むしろ進化しているのでしょう。ということで三本目にして代名詞スノウ・クレッセントを頂戴しました。以下、テイスティングメモです。(1月8日賞味)
★ ★ ★
月光(無濾過生原酒) 八反錦 13度 2021BY
幾望(無濾過生原酒) きたしずく 14度 2021BY
意外にも2022BYは賞味していなかった。過去のメモを今一度読んでみる。
《月光》…ガス感溢れる。メロンのような香りとジューシーな味わい。清酒らしい力強さも備えつつ。最後は甘い白桃の余韻。
《幾望》…ガス感、甘味ともに控え目。優しい酸が主体。全体的にまろやか且つ穏やか。暑い季節にちょうどいい飲み心地。
「なるほどにゃ」 一本目は嬉しさがだだ漏れ
手に入れただけで嬉しくてさ。
やっぱり無濾過生原酒はうすにごりであるべきだと僕は思っている。
「底にうっすら滓がたまっているにゃ」
山本さんの最初の仕事が SNOW CRESCENTだった。雪と三日月。三日月は蔵が建つ旧三日月町に因んでいるそうな。
プラ製の密栓ゴムを剥がした瞬間に栓が天井まで吹き飛んだ。さいわい吹き零れることはなかったが。
「かなり油断していたにゃ」
炭酸ガスにのって底から滓が舞い上がる。
注ぐなり、大粒の気泡。最近はやりのスパークリング酒の最高峰かな。
綺麗な持続性の泡。美しい。
ということで頂いてみた。文旦に似た甘さ控えめな柑橘のニュアンス。いわゆる米の甘味は感じない。ムロゲンらしい優しい苦味。軽快な舌触り。次第に含み香にカプロン酸エチル系の香りがほのかに感じられるようになる。キレよく苦味だけが残ってフィニッシュ。そんな印象。とにかく美しいのひと言だ。
「気に入ったようだの」 サルもサルも
うん。これまで飲んだバリエーションと確実な違いがある。
この晩の献立
砂肝 アスパラ菜のおひたし 鯖味醂干し 韮の卵とじ ちくわ磯部揚げ 飛竜頭
見た目の印象では洋食の方が相性が良さそうだが、酒は酒。アスパラ菜のほろ苦い野趣と加減気味な甘さがこの酒に実によく合った。
火を入れた砂肝に自家製の柚子胡椒を添える。関東の市販品は柚子本来の香りが出ない点が残念なところ。ならばとおサルが小一時間かけて、柚子皮を摺り、天然塩ととうがらしを混ぜて作り上げる。味が馴染むようにとにかく細かく潰す。それが大変なのだそうだ。
「キミは喰うだけだから」 ちゃんと味わってにゃ
無くなるのが惜しい。いい酒の晩、二人は敵味方の関係に。
「自分のグラスだけ注ぎ過ぎなんじゃね」 ヒキョー者!
(おわり)
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