重要文化財の湯楼 鎌先温泉「湯主一條」(宮城県)②【食事篇】 | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうです。
おサル妻との山旅を中心に日々の出来事を綴ってみます。

《三ツ星プラスの味を堪能しよう》

 

ひつぞうです。続いて湯主一條の【食事篇】です。

 

★ ★ ★

 

陽が暮れた。煌々と明りが灯る本館。雰囲気倍増だ。

 

 

かつての賑わいを想像しつつ、食事処《匠庵》に向かった。ミシュランガイド宮城で三つ星プラスを獲得したそうだ。これは後で知った話。

 

 

さり気ない装飾が観る者の気持ちを和ませてくれる。

 

「乙女ジジイだからにゃ」サル

 

それぞれ個室のテーブルで。

 

 

本日のメニュー。

 

 

まずは食前酒から。白石産ササニシキを使用した甘酒

 

 

=前菜=

 

 

左上:蓮根・海老・三つ葉山椒味噌和え

中央:春菊・えのき茸・菊の浸し

右上:カリフラワー葛寄せ

下:(12時から時計回りに)

白菜海老ロール蒸し&胡麻酢

エシャロット黄身衣揚げ

慈姑煮、チーズ市松砧巻

鮟鱇友和え

真鱈昆布〆寿司&からすみ

助子煮こごり

 

ちまちま確認しながら実食。杏仁豆腐のようだが、しっかりカリフラワーの風味が広がる。季節の慈姑に正月らしい市松砧巻が美しい。

 

ところで友和えってなに?

 

「鮟鱇の身と肝を和えたものだにゃ。元が同じだから友和え」サル

 

なるほど。鮟肝は生臭さが苦手だけど、さすが三ツ星シェフの仕事。美味しいよ。助子は?

 

「スケソウダラの卵。スケの子だにゃ」サル

 

明太子と違うの?

 

「こっちは熟成してない本生」サル

 

なるほど。

 

 

違い棚にもちょっとした飾りつけ。

 

「酒頼もう」サル

 

特約店系はないみたい。

 

「限定って書いてあるけど」サル

 

 

へえ。蔵王酒造も造りを変えたんだね。四合瓶で7,000円(税別)か。定価の4.8倍はやり過ぎでは(笑)。新政並みだよ。

 

「場所代、場所代」サル ケチ臭いやつめ

 

頂戴してみることにした。

 

 

ZAO Kシリーズ【寒来】 初しぼり直汲み

 

生産者:蔵王酒造㈱

製造年月:2023年12月

所在地:宮城県白石市

タイプ:特別純米酒 生原酒

使用米:美山錦100%

精米歩合:55%

アルコール:16度

市販定価:1,457円(税別)

 

なるほど。仙台らしく食中酒向きのスッキリ系。酢酸イソアミル系かな、マジックインキの匂いがする。確かに旨いよ。

 

 

=お造り=

 

 

鯛薄造り

 

紫蘇ドレッシングで頂く。

 

 

至福の味。

 

 

=旬の物=

 

 

毛蟹酢

 

こちらは定番の土佐酢で。しばし沈黙が続く。

 

 

壁には唐の詩人、王維の七言絶句『元二を送る』。きっと大家の書なのだろう。

 

 

=蓋物=

 

 

鰊の奉書煮 蕪 芹 友地餡

 

身欠き鰊の奉書煮。鰊でとった餡に浸して季節の芹と蕪を飾る。懐石の定番。

 

 

=焼物=

 

焼物は肉と魚から選ぶ。

 

+3000円で黒毛和牛焼(恐らくロース)からフィレステーキにアップ可能。ということで僕は肉、おサルは魚でオーダーしてシェアした。

 

 

黒毛和牛フィレステーキ(+3,000円)

 

「やっぱりヒレでしょ」サル

 

おサル、ヒレじゃなくてフィレよ。

 

「いいじゃん。別に」サル 好きにしたい!

 

パーティをパーテーと発音するのが許せない性質なのよ。

 

「サルの魚、きたきた♪」サル

 

 

鰆の冬野菜の包み焼 添え野菜(菊芋・蓮根・春菊・曲り葱他)

 

包み焼。ひと手間が嬉しい。宮城県特産のまがり葱が甘い。

 

 

=鍋物=

 

これも鰤と豚から選べるが、鰤で意見が一致。

 

 

鰤鍋 仙台芹 蔵王大根

 

「綺麗なブリだのー♪」サル

 

自宅で散々食べ飽かしてまたブリとは。。どんだけブリ好きなんだよ(笑)。

 

 

=お食事・香の物・止め椀=

 

 

宮城産ひとめぼれを使った牛蒡飯すいとん汁。モチモチで大層美味しかった。

 

 

=水菓子=

 

 

南瓜のチーズケーキ 林檎のコンポート ラズベリーソース

 

僕らについてくれたスタッフの男性は恐ろしく背が高くて、時々何とも言えない高笑いを発する。ついつられて自分も笑う。笑うって素晴らしい。まさに福きたる鎌先の夜。御馳走様でした。

 

「飲み足りない」サル キッパリ

 

バー《都路里》に行くことにした。

 

 

時の橋を渡って一階へ。定刻の20時になるまで館内をブラブラ。

 

 

=BAR 都路里=

 

 

そして一番乗り。でも誰も来なかった。なんとなく気恥ずかしい。

 

「ヤル気満々過ぎたにゃ」サル

 

それぞれ一杯ずつ飲んで寝ることにした。

 

 

ちょっと甘口でスパイシー。ドライジンの余韻が心地よい眠りに誘ってくれた。

 

 

=翌 朝=

 

近頃酒を飲むとすぐに眠くなる。なので、おサルのおもしろ寝姿をカメラに収められず。こんな些細な処に歳を重ねた自分を感じる。翌朝の天気は曇り空。少し肌寒かった。

 

 

ひとり旅館周辺を散策。山の辺の道を走ろうかと思ったが、熊の出没が原因なのだろう、進入禁止になっていた。大騒ぎだった昨秋の熊騒動、今年はどうなるのだろうか。

 

 

=朝 食=

 

朝食も同じ場所で。前日と同じトールマンが案内してくれる。澄ました表情をして、突然破顔一笑するので油断できない。なかなか愛嬌のあるスタッフである。

 

 

本日の献立。まずはドリンクから。

 

 

100%オレンジジュース

 

「あれ?最初からおいてある」サル 好きに選べないんだ?

 

想像だけど、夕食の最後に朝食の飲み物の希望を訊かれたんじゃなかったっけ。

 

 

小鉢は青畑豆、松前昆布、縮みほうれん草浸し手作り豆腐野菜サラダがつく。

 

 

=祝い盛=

 

 

(12時から時計回りに)海老艶煮、蛸柔らか煮、栗きんとん、鰊昆布巻、蔵王鴨桑焼、かます床漬、河豚煮凝り、牛南蛮焼、筍旨煮、千社唐(ちちゃとう)、梅蕪イクラ、紅白結び蒲鉾、鶏松風焼、黒豆甘煮。全14種。

 

朝食も大層盛りだくさんだった(笑)。

 

因みにおサルさ、なんで松風焼っていうか知っている?

 

「知らん」サル またかよ

 

表は芥子粒の飾りがあって賑やかだけど、裏は寂しいよね。

 

「うら寂しい」サル

 

松風も…

 

「もの悲しい」サル

 

うら寂しいでしょ!

 

 

=雑煮=

 

 

こちらの宿も普通の雑煮。最近は焼きハゼなど面倒なものは加えないのかも知れない。

 

 

=鍋物=

 

 

名物、蛸団子鍋。かなりお腹いっぱい…。

 

 

フルーツとずんだ餅。甘い物は入るから不思議。

 

 

最後に自家製ヨーグルト。ごちそうさまでした。

 

ということでお部屋の炬燵で読書したり、おサルは相変わらずスマホをニチったり。あっという間の滞在だった。

 

 

帰りは再び黒塗りの送迎車で駐車場まで送って頂いた。食事よし、建物よし、そして、もてなしよし。良い宿だった。

 

「リフレッシュした」サル

 

(おわり)

 

ご訪問ありがとうございます。