サルヒツの酒飲みライフ♪「風が吹く 山廃仕込 純米吟醸生酒 中取り」(白井酒造店・福島) | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

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サルヒツの酒飲みライフ♪【第227回】

風が吹く 山廃仕込 純米吟醸生酒 中取り

 

製造年月:2023年11月

生産者:合資会社白井酒造店

所在地:福島県大沼郡会津美里町

タイプ:生酛仕込 純米吟醸生酒

使用米:会津産五百万石100%

使用酵母:M310

精米歩合:50%

アルコール:16度

販売価格:1,650円(税別)

※特約店販売・季節限定品

 

※味覚の表現は飽くまで個人的なものです


ひつぞうです。今回頂戴したのは福島県会津美里町の《風が吹く》。醸す蔵はわずか250石の小商い、白井酒造店です。但し、その歴史は古く、創業は1765(明和2)年。250年以上の年輪を刻んだ伝統蔵でした。以下、テイスティングメモです。(12月15日賞味)

 

★ ★ ★

 

風が吹くの特徴は第一に使用米が五百万石一種に限定されていることだろう(イエローのみ福の香を使用)。しかも、ただの米ではない。現前有機栽培をめざす地元の自然農法“風の会”が収穫する五百万石だけを使用する。いわば半ドメーヌ蔵の自然酒。となるとラインナップは少ないのではないか。普通そう思う。しかし、金、ピンク、グリーン、パープル、ブルー、イエロー、ブラック、レッドと、かなりの幅広いレパートリーなのだ。

 

「どーいうこと?」サル

 

 

例えば、今回のゴールドM310酵母を使った純米吟醸生酒で、搾りは中取り。このように精米歩合、使用酵母、搾り、濾過、火入れなどの組み合わせでバリエーションを豊かにしているのだ。わずか250石の酒蔵でこの手間のかけようは尋常ではない。

 

 

では紫外線除去シートを外してご対面。

 

 

第二の特徴は山廃仕込みに拘っていること。ここは生酛系の複雑味に期待したい。ちなみに使用酵母のM310は協会10号の変異株でカプロン酸エチル系(青りんご、メロン、マスカットの香り)とイソアミル系(バナナ、マンゴー系の香り)の両方をもたらすお得な酵母らしい。

 

「リクツはいいだよ」サル つがんかい!

 

ではそそいでみよう。

 

 

生酒とはいいつつにごりもなくストレートな感じ。でも口に含んだ瞬間、シュワシュワ感が広がり、スーッと爽やかで、穏やかなフルーツの香りが通り過ぎていく。中取りらしい、ふくよかでまろやかな、食前酒然とした純米吟醸だ。ある意味、五百万石の個性をしっかり引き出している。これは鮨に合いそうだね。

 

 

なんとなく、会津というよりも(品行方正な食中酒が多い)宮城の酒に近いような、そんな印象だった。

 

「會津の別嬪さんだの♪」サル

 

 

ほうれん草と人参の白和え 蕪と塩こんぶの和え物

 

こういうチャッチャッと作る酒肴がこの手の酒には一番だよね。

 

「メインは鍋よ」サル 味わって食べてにゃ

 

 

綺麗なほうれん草を手に入れたので常夜鍋にするそうだ。豚は三元豚とか?

 

「うんにゃ。スーパーで買った」サル

 

そーすか。

 

「でもいいランクのやつだよ」サル

 

 

やっぱり冬は鍋に限るね。食べ過ぎちゃうのが玉に瑕だけど。

 

「最後にオジヤにするという手もある」サル

 

こうしてなかなか痩せない生活が続くのだった。

 

ということで、初の《風が吹く》。福島の酒としてはややおとなしい印象だったが、常に料理の引き立て役に回る甲斐甲斐しい酒質だった。こってりした洋風料理はむつかしそうだが、魚、野菜、鶏肉などの和の献立には力強いサポート役になってくれそうに感じた。

 

「その前に酒がなくなるけどね」サル ウチのばあい

 

(おわり)

 

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