サルヒツのグルメ探訪♪【第219回】
黒毛和牛 肉匠 東
℡)06-6170-1129
カテゴリ:高級和牛店
往訪日:2023年10月21日
所在地:大阪府吹田市江の木町15-9
営業時間:(年中無休)
(L)11時30分~14時30分
(D)17時~23時
アクセス:御堂筋線・江坂駅(南口)から徒歩10分
駐車場:なし
■7室(30席)
■予算:(L)1,500円~2,500円(税込み)+アルコール
■予約:可
■カード:可
■その他:完全個室
《まるで肉の標本》
ひつぞうです。江坂の彫刻美術館を見学したあと、同じアメニティ江坂のなかのイタリアンで食事するつもりが、なんと結婚式で貸し切りに…(結婚式場もあるので)。ランチ難民となり、漂流したあげく辿りついたのが、今回の黒毛和牛の店でした。訊けば予約なしでも入店できるとか。以下、ランチ探訪記です。
★ ★ ★
あえて焼肉店ではなく、高級和牛店と紹介した。というのも、後日往訪した人物に「高が焼肉にこんな箆棒な額を払う法があるのか」と嚙みつかれないとも限らないからだ。少なからず、そういうことがあった。最初から“高級和牛”と謳っておけば、想像する世界に先ず狂いはない。しかし、予約なしで入れるとなると推測できる理由はふたつ。
「バカ高い…?」
夜はともかく、ランチは2,000円前後と表に書いてあるよ。
「実は美味くないとか」
それが不安だよね。ネット情報によれば、開業は2022年5月20日。まだ一年程度。あまり知られていないだけかもしれない。味に関しては概ね好評だけど、接客に難あり、量が少ないと幾つか難癖意見があるね。
「とにかく行ってみるか」 ひとの意見に振り回されても
そうだね。
ということで個室に案内された。「悪い」とまでは言わないが、確かにその若い男性スタッフに笑顔はない。この半年で訪れた大阪の店はいずこも愛想の良さが抜群で「関西の店=ホスピタリティ◎」の構図が刷り込まれている僕は戸惑うしかなかった。そして全七室のうち、客が入っているのは二室。
これは…不安だ
「なんにしようかにゃ~♪」 ←なんにも感じないひと
折角だから、特選焼肉ランチ(2,580円)に。おサルはハラミランチ(1,680円)になった。
神戸牛と山形牛を中心にA5ランクの雌牛のみの提供とある。最近の肉牛は二年程度で出荷されるらしいが、こちらは飼育期間30ヵ月以上にこだわる。流行りの熟成系ではないようだ。
ビール、ハイボール、ウィスキーに焼酎。何でもある。ただし、日本酒は呉春のみ。力を入れていない。仕方ない。高級路線の店は得てしてそういうもの。ワインは市販価格の三倍設定なので生スダチハイ(680円)にした。
これが正解。ちゃんとしたスダチ二個分入り。
「旨い!」
テールスープで食欲増進だ。
スープとキムチはコース内。
まずは僕の特製焼肉ランチ。タレは醤油、特製ポン酢の二種類。食べ方はレクチャーしてくれる。
おサルのハラミ。肉はスライスしたのち、追熟している感じだね。
「焼こう焼こう!」
無煙ロースターだね。ここ。
煙が出たら出たで、匂いがつくとか、けむいとか文句を言うが、出なければ出ないで風情がないと感じてしまう。人間とはつくづく贅沢なものだ。
「風情がない」
ここ鶴橋じゃないから。
実に可愛らしく焼けとる。新地あたりの焼肉店であれば普通のサイズ。
「でもここ江坂だし。地代もそんなにしないし」
世間一般の見かたになってるよ。
御飯は大中小と選べる。お代わりも自由。量が少ないという意見もあるが、これは無闇に残されたくないという店主の意図と読んだ。足りないと思えばお代わりすればいい。それに米が艶々で実に旨い。焼肉の脇役で大切なのはタレでもキムチでもない。米なのである。
結局我慢できず、普通酒と判っていながら呉春を燗につけてもらった。意外に旨い。呉春は燗に限る。
「おサルはグラスワインにすゆ」
食器や酒器はすべて高槻市の今城(いましろ)焼で統一しているそうだ。悪はくないが、陶磁器の世界ではさほどメジャーではない。使いやすさだろう。むしろ備前か信楽あたりの家使いの陶器が黒毛和牛には向いている。
ハラミもいい感じに焼けてきた。追加した焼き野菜(680円)も載せて。
やはり足りなかった(笑)。特選頬肉(980円)とねぎタン(880円)を追加した。
旨かったよ。御馳走さまでした!
事前情報を検証すべく、プラスとマイナス、それぞれの印象をニュートラルに記したつもり。味は悪くない。むしろ普通に美味しい(高級店だから当たり前だと言われればそれまでだが)。確かにコスパ重視の客層には向かない。ゆっくりと美味しい肉を少しずつ食べたい。そういう大人のカップルの隠れ家としては好い店だろう。
「結局ディナー並みの料金になってしまったにゃ」 今月も家計は火の車だの
飲みすぎちゃったね。
(おわり)
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