サルヒツのぐるめ探訪♪【第210回】
不二家レストラン 横浜センター店
カテゴリ:洋食・洋菓子店
往訪日:2023年8月12日
所在地:神奈川県横浜市中区伊勢佐木町1-6-2
営業時間:(年中無休)
レストラン)11:00~22:00
菓子売場)10:00~22:00
アクセス:JR関内駅北口から徒歩5分
■100席
■予算:2,000円~2,500円(税別)
■予約:不可
■カード:可
※2023年8月20日をもって一時閉店しました。建替え予定です
《老舗でいただくファミレス料理》
※一部ネットより写真を拝借いたしました
ひつぞうです。夏季休暇の最後に伊勢佐木町の不二家レストランを訪ねました。普段は無縁なファミリー・レストランですが、ここはモダニズム建築の父アントニン・レーモンドが設計した名建築なのです。残念ながら核心部の《階段の間》は老朽化で長らく封鎖されたまま。仕方ない。雰囲気だけ味わうか。そう思ってネットで調べると、残り一週間で一時閉店(その後取壊し)という情報!ギリギリセーフでした。以下往訪記です。
★ ★ ★
数寄屋橋の銀座クリスタルビルの広告塔。バブルの頃、上司が歌うカラオケのイメージ映像で、銀座といえばこの不二家のネオンだった。てっきり東京の会社と思っていたが、横浜元町が発祥という。世のなか幾つになっても知らないことばかりだ。
「うちのパパリンも歌ってた」 銀恋とか
1910(明治43)年に個人経営の洋菓子店として横浜元町で産声を上げた。1922(大正11)年開業の二号店が、今回訪ねた横浜センター店(旧称:伊勢佐木町店)である。
(戦前の風景)
(同じく二階内装)
レーモンド設計の現在の建物は震災復旧されたもので1927(昭和12)年竣工。実に86年もの間、外観を損なわずに風雪に耐えてきた。
しかし、顧客の眼に触れない部分では老朽化も著しく、今回ついに建替えに至った。四階部分と階段棟を飾るブロックガラスの意匠は(今では昭和レトロ系だが)当時かなりモダンだったはずだ。
横浜市民にとって不二家は幼き日の思い出の場所。岩田屋のレストランでお子様ランチを食べたことが僕の一生の思い出になっているのと同じだ。
「おサルは大丸!」
福岡市内では博多大丸こそが一等格上のデパートだった。
暫く待てば新しい姿で戻ってくる。
市松模様の拭きつけコンクリートは改修によるものだろう。昭和初期の白黒写真と比較すると判るが、一階と二階は大幅に改装されている。
レストラン部は11時の開店。30分前に到着したところ約20人待ちだった。
「限定品もあるにゃ」 サルは甘い物喰わんけど
お土産にもいいかも。
最後の記念撮影。
初期のペコとポコって怖いんだよね。
「どーしてこんな顔に」
これが一度は観てみたかった階段の間。立派なカメラを携えた建築マニアもいたね。
「自分もそうやろ」
最後くらい入れてくれればいいのに。そういう声も聞こえてきた。判るその気持ち。しかし、耐震基準をクリアしていない建物で、もし事故でもあれば営業そのものに関わる。過去に残念な出来事があったことはまだ記憶に新しい。企業として危ない橋は渡れない。ここは潔く諦めよう。
天井は一段低く、取り付け直されている。
懐かしい写真がたくさん展示してあった。
ロゴのデザインはフランス人の工業デザイナー、レイモンド・ローウィ。Fの文字には五つの意味が込められている。さて、そろそろ時間だ。
順番に席に案内された。
いい雰囲気だ。
厨房内には漆喰壁画。
港町ヨコハマをモチーフにしている。
「ハイカラだの」
感謝期間は定番のハンバーグステーキセットが割引だった。
「おサルは大人のお子様ランチでよい」 量が多すぎるだよ
大人のお子様ランチ(1890円税込)
量こそ違えど内容はよく似ている(笑)。
ハンバーグステーキセット(2280円税込)
ファミレスなんていつ以来だろう。結婚して初めてかも。
偶に食べるとなんでも旨い(笑)。かなりお腹にたまった。
とどめの苺ショートケーキ。不二家といえばこれでしょ。ご馳走様でした。
★ ★ ★
横浜市内で気軽に鑑賞できるレーモンド建築はエリスマン邸のみになった。スクラップ&ビルドは建築の宿命。最後に雰囲気を味わうことができてよかった。
「以上でサルヒツの夏休みの思い出は終わりどす」
(おわり)
ご訪問ありがとうございます。