サルヒツの酒飲みライフ♪【第99回】
根知男山 越淡麗 2019
製造年月:2020年3月
蔵出年月:2022年7月
生産者:合名会社渡辺酒造店
所在地:新潟県糸魚川市
タイプ:非公開
原料米:根知谷産越淡麗100%
使用酵母:非公開
精米歩合:50%
アルコール:16度
日本酒度:非公開
酸度:非公開
販売価格:2,600円(税別)
※味覚の表現は飽くまで個人的なものです
ひつぞうです。今夜紹介するのは上越地方を代表する《根知男山》。全国に多数存在する男山ブランドの中でもドメーヌ経営にこだわる蔵元です。酒米やBYごとに異なる味わいを追求するあたりはまるでワイナリー。以下、テイスティングメモです。
★ ★ ★
登山や地質学が好きな人ならば「根知谷」という言葉には特別な響きを感じるはずだ。フォッサマグナの西の境界に位置する静岡-糸魚川構造線上にあり、雨飾山や海谷山塊の登山の起点となる集落だからである。その根知男山を看板銘柄に掲げる渡辺酒造店は(国営放送「ブラタモリ」でも紹介されたように)酒蔵の敷地内に構造線が走っている。番組をご覧になった方はご存じだろう。構造線の西と東で軟水、硬水と水が違うのだ。ともあれ、雪深く、寒暖の差もあり、米造り、酒造りに適した場所であることは想像に難くない。
「これ見た」
覚えてるでしょ?
「すべて忘れた」
なんだよ。
創業明治元年(1868年)。平成13年(2001年)に杜氏制度を廃止。更には平成15年(2003年)には自社生産米に取り組み、ドメーヌ化を加速した(蔵元HPより抜粋)。ドメーヌ化は現在の酒造りの潮流のひとつ。取り立てて珍しくはないが、土地の米、水、気候、そして気骨は唯一無二。醸される酒はここにしかない。そんな根知男山の数ある銘柄から何を選ぶか。
最初に頂くなら定番の純米吟醸だろう。藤色の美しい胴ラベルは歌舞伎十八番『助六』の鉢巻を思わせ、凛として美しい。これぞ男山。だが、酒屋の目当ての棚の前に立つと、少し考えが変わってしまった。
この萌黄色のボトルに心惹かれた。2019BYなのに2022年7月蔵出しって…。越淡麗は新潟県が開発した山田錦と五百万石を掛け合わせて生み出した酒造好適米。山田錦の特徴なのだろうか、晩生タイプになるが、降雪の早い上越でも育成可能なのだろう。ただし、味が載るのが遅いため、熟成出荷に向いているとか。
しかし、以前は『純米吟醸』とラベルが付されていたのにそれがない。情報のシークレットが多すぎる。これをどう解釈すべきだろうか。
「純米吟醸を名乗るのにふさわしい出来でないってこと?」
先入観抜きで飲んでほしいってことかもよ。急遽考えを変えてこれを頂くことにした。
帰宅して開栓!おっ!ポンっといい手応え!
なんだろうね。木の香りをわずかに感じたけど。錯覚?
「んなことあるわけないやろ」
最初にお米らしいふくよかな甘味をじっくり感じる。山田錦の遺伝子かな。
「だんだん淡麗になっていくにゃ」
それは五百万石の遺伝子かも。いかん。最初にスペックをみているから引きずられる…。
「そーゆー無粋な酒飲みがいるからヒミツを多くしたんじゃね?」
かも。
時間をあけるとザラりとした渋みも感じる。思った以上にキレと力強さがしっかりしているね。
「お水を感じるにゃ。料理の邪魔をしないキレイなお酒だにゃ」
ということで今夜はそれぞれの手料理で。
キャロットラペ
「チャッチャッと作った」
手際がいいね。
鶏もも肉のピカタ
「料理は無駄な時間をかけちゃダメ」
なんで?
「素材をいじりすぎるとまずくなる」
なるほど。さすが元料理教室の助手。言葉に重みがあるよ。
「ヒツはなに作った?」
これ。
蛸と夏野菜の紫蘇味噌ベーゼ和え
「前の晩から仕込んでいたやつにゃ」
そうそう。danchu8月号のレシピまねて作った。
「でも写真となんか違うくね?」
改めてみるとさ、紫蘇50枚って書いてあったんだよね。
「何枚用意したの」
一袋10枚…。ま、料理はアレンジだから。
煮卵バーニャカウダ
「これも全然別物では…」
いやいや。バーニャカウダソースはうまくできたんだよ。オサルの手助けもあったし。
「最初はどーなるかと思っただよ」
牛乳入れすぎだったよね(笑)。
「せっかくリカバーしたのに、盛りつけソースのボリューム感がないにゃ」
で盛りつけるときに、黄身が隠れないようにソースをケチった…。
「煮崩れた水っぽい卵の白身みたい…」
シロウトだから許して。男子厨房にどんどん入るから。(先は長い)
(おわり)
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