サルヒツの酒飲みライフ♪【第46回】
天美 特別純米 生原酒
製造月:2022年1月
生産者:長州酒造㈱
所在地:山口県下関市
タイプ:純米 生原酒
使用米:(麹米)山田錦(掛け米)西都の雫
精米歩合:60%
アルコール:15度
日本酒度:+2.0
酸度:1.5
販売価格:1500円(税別)
※期間限定・数量限定・特約店販売です
≪絶対眼を惹く黒ダイヤ≫
ひつぞうです。懲りもせずに“気になる図形のエチケット”シリーズ第二弾。今回紹介するのは山口県下関市の酒蔵、長州酒造の《天美》です。デザインもユニークですが、酒蔵そのものがもっとユニークなのです。酒好きには有名な話ですが、後継者問題などで廃業やむなしだった児玉酒造を、異業種の太陽光発電会社が2018年に事業継承して長州酒造は生まれました。
投資目的よりもまず酒蔵を地域の財産と捉えた点が立派です。問題は杜氏の確保。そこで白羽の矢が立ったのが若き女性杜氏・藤岡美樹さんでした。藤岡さんは東京農大を卒業後、複数の酒蔵で修業。その中には香川県を代表する川鶴酒造もあります。初醸造は2020年。それで既に特約店完売銘柄!すごいですね。
さて。数ある《天美》の中からこれを選んだのは…店頭あったからです(笑)。人気の酒は“あったら即買い”!これしか入手方法はありません。そうそう。このデザインの話が抜けてます。これってダイヤの原石でしょうか。その意味もありますが、複数のベクトルが有機的に絡むさまも表現しているそうです。
藤岡さんのメッセージが熱いですね。
“この地で酒造りができる感謝の気持ちとありったけの愛を込め、今できる精一杯を醸したお酒です。いつもそっと寄り添うような癒しの一杯をお届けしたいと思います”
女性ならではの細やかさです。
では開けてみましょう。一瞬、ガス圧で栓が飛びそうになりました。もういいです。こんな経験…。
「でも生きてる酒ってことだにゃ」
やや飴色を帯びていて綺麗です。微細な泡がたくさん。購入して六日経っていますが遜色ないようです。香りは殆どしません。掛け米の西都の雫は山口の県産米ですが、このあたりが理由でしょうか。
飲んでみました。最初に豊かな米本来の甘さが舌の上を走ります。
「よく弾ける気持ちいい酸だにゃ!」
表ラベルが結露するまで冷やしました。温度が上がるにつれて、甘さはフレッシュかつジューシーに変化。日本酒度+2.0とバランスはいいのですが、やや甘く感じます。そして、泡の持続性は然程でもない。儚いお酒です。物語詩を読んでいるようなテイスティングです。
この仕上がりで1500円はかなりお得ですよ。
「またまた~。おサルの表現パクったりして」
この日のSAKEパーティは“ワインを飲むように酒を飲む”がコンセプト。
なので、ハムのセットにスナップエンドウ…
白葱の串焼き(塩で)
鰯の大葉はさみ揚げ
などなど和洋折衷、とは云わないか、和洋揃えて頂戴しました。
「美味い酒なら何でも合う」
至言ですね。
しかし、この巨大なロックフォールを一晩で食べたのは失敗でした。
「翌朝誰かと思っただよ」
チーズの塩分で、翌朝、顔がお月さんのようになったのはここだけの秘密です。
(おわり)
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