ぐるめ探訪「わたや」でへぎ蕎麦を食べる(新潟) | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

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サルヒツのぐるめ探訪♪【第67回】

生蕎麦処 わたや(本店)

 

カテゴリ:へぎ蕎麦

往訪日:2019年5月2日

所在地:新潟県小千谷市本町2-3-34

営業時間:(土日祝)11時~20時(月曜不定休)

予算:720円~1500円

駐車場:15台

 

≪この艶こそがへぎそばのへぎそばたる証し≫

 

こんばんは。ひつぞうです。今夜は新潟遠征の観光ネタの落穂ひろい。矢筈岳登山の前日、関越道の渋滞を避けて早めに新潟入りしました。さりとて午前中は特段の予定もなく、昼食のへぎそばを食べるために、小千谷市の老舗蕎麦処「わたや」本店に向かいました。

 

★ ★ ★

 

新潟名物へぎそば。登山の帰り、魚沼にいつも立ち寄る店がある。へぎと呼ばれる四角い木製の容器に、丸めて供される断ち蕎麦は、海藻のフノリを繋ぎに用いた独特のコシと艶が特徴。それを遠慮なく二玉ほど掬っては甘辛いだしに浸して一気に啜る。この一瞬が堪らない。

 

発祥の地と言われる小千谷周辺では小嶋屋角屋、そしてわたやが老舗として知られた存在。名もなき常用の店こそが実は一番旨い。それもまた真実ではあるが、老舗の味も一度は試してみたい。

 

この日は「わたや」本店を往訪した。大正十年創業でまもなく百周年を迎える。訪れた店舗は意外にも、老舗と聞いて髣髴する数寄屋造りとは程遠い(こう言ってはなんだが)地方都市によくある大衆割烹料理店のなりだった。

 

 

開店の11時まで一時間半以上あった。当然順番待ちするような客はいない。やる気満々の田舎者と誤解されるのを嫌ったか、おサルは車の中から出てこようとしなかった。

 

「なんか恥ずかしくね?」サル

 

朝方は低い雲に覆われていた小千谷の町も、薫風吹きわたる爽やかな五月晴れとなった。折角なら坂戸山くらい登ればよかった。そう思わせるくらいの気持ちの好い気候だった。

 

わたやは天皇陛下御一家が賞味された皇室ゆかりの店。即位後間もないとあって祝賀ムード。二十分ほど前になると、少しずつ客が集まり始める。何事も一番が好きという訳でもないが、せっかく一時間以上待ったのだ。先陣を切って好きなものを頼みたい。そう思っていたら、おサルは何処かにフラフラ行ってしまい、早めに入店させてくれたのに抜かされてしまった。

 

どこに行ってたんだよ。

 

「そこのスーパー」サル

 

どんだけ地方のスーパー好きなんだよ!

(おサルは地方の珍しい商品を漁るのが殊のほか好きなのだ。)

 

 

「そんなことで怒るのち?子供なのち?」サル

 

えーそーでしょうよ。子供ですよ。僕は(怒)!

※この時はおサルを山中に10時間も待たせようとは思いもしなかった。

 

 

壁には天皇家御一家の写真が掛かっていた。希望者には祝い酒を無料サービス。僕らは運転があるからね。

 

 

最初に薬味とダシが出てくる。和がらしが付くのがへぎそばの特徴。かつて小千谷ではワサビが採れなかったので和がらしで代用した。それが現在でも伝統として残っている。

 

 

いよいよ待ちに待ったへきそばの登場。これで二人前(720円/一人前)。少し太めのカットがわたやの特徴。普段江戸前の十割などを食べている御仁にはフノリの繋ぎは蕎麦本来の喉ごしを殺してしまって邪道かもね。しかし、少し甘辛いダシに絡めて、口一杯に頬張るとその歯応えが何とも言えない。これは稲庭うどんのような食感の別の食べ物だと思った方が好いのではないだろうか。

 

「喋ってないで食べないと乾燥するだよ」サル

 

はいはい。(事実僕はいつもこうして聞いてくれるはずもないおサルを前に感想述べている。そんなチグハグな夫婦がいたら、それはサルヒツジかもしれない)

 

 

おサルは天婦羅盛り合わせと一緒に天ぷら蕎麦。

 

 

僕は(これも当店名物の)鴨南蛮つけ汁(520円)を別注して鴨南蕎麦に。かなり甘口で鴨の脂が濃厚だ。なお、わたやは伝統を活かしつつ、現代風の変わり蕎麦にも注力しているそうだ。

 

特に魚沼特産の神楽南蛮が原料の「みどりのラー油」を用いた「みどりのピリ辛鶏」なるつけ汁もある。ここまでくると、多少遊びすぎかなという気もするけど、サラダに使うとメチャ旨い。店頭で買えるので土産にするといいかもね。

 

 

開店まもなく満席になった。長蛇の列とまではいかないが、連休ということも手伝ってか、なかなかの繁盛ぶりだった。お腹もいっぱいになったので、北上しながら落穂ひろいの旅を続けるとしよう。

 

(続く)

 

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