さるひつの温泉めぐり♪【第44回】
肘折温泉「丸屋」
往訪日:2018年4月29日
所在地:山形県最上郡大蔵村南山519
泉名:ナトリウム‐塩化物・炭酸水素塩泉
泉温:65.9℃(使用位置42℃)
色合:淡い緑褐色
味臭:ごく微量の塩分を感じる。淡い硫黄臭、鉄分臭
pH:6.5
■営業時間:(IN)15:00、(OUT)10:00
■アクセス:山形自動車道「山形北IC」より国道13号~国道458号経由
/路線バスあり(新庄駅~肘折間)
■駐車場:完備(到着した旨伝えると50m離れた場所までスタッフが運転)
■日帰り利用:不可
≪芸術的な湯屋の空間≫
こんばんは。GW最後の藪漕ぎ登山で、体中が痣だらけのひつぞうです。連休明
けに待っていたのは、待ったなしの残業の日々。ま、仕方ないね。こうなるの判っ
てて北の国に逃げ出したんだから(笑)。久しぶりにPCの前に座ったのは良いけ
ど連休の記憶は殆ど朧気。いまだに「2018年東北遠征(GWの巻)」の続きです。
★ ★ ★
天童市から更に北西に進んだ。普段の弩M登山の罪滅ぼしを兼ねた遠征の次
なる目的地は、月山登山の基地でもある肘折温泉だ。旅の老僧が折れた肘を
癒したという縁起をもつ肘折の湯は、大同二(西暦807)年の開湯以来1200年
の歴史を誇る。実は、東北地方の脊梁山脈に多く見られる巨大カルデラ(肘折
カルデラ)の中心に位置し、地下では活発なマグマの活動が続いている。その
ため、いまだ湯治に相応しい、癒しの湯が尽きることなく湧き出ているんだよ。
尾花沢新庄道路の舟形ICで降りて、国道47号、国道458号と繋ぎ、老舗旅館が
軒を連ねる、狭い丁字路を経て、ようやく「丸屋旅館」に到着した。駐車場まで
は50mほどだが、鍵を預けてスタッフが運んでくれるシステム。案内を乞うとノ
ーブルかつ爽やかな若旦那が屋内に案内してくれた。
明治元年創業の丸屋旅館は、かつては湯治宿として栄えた。2007年に7室限
定のレトロモダンの雰囲気溢れる“癒しの空間”として生まれ変わったそうだ。
「ビフォーアフターに出演したデザイナーの設計らしいにゃ!」![]()
そうなんだね。言われてみれば、ちょっとした空間に匠の工夫が見受けられる。
玄関は共同浴場「上ノ湯」に面している。チェックインして一息ついたら、下駄を
借りて外湯巡りも悪くないね。なお、玄関前には箱檜葉の足湯が設えてあるよ。
受けつけを兼ねた和室の隣りは談話室になっている。恐らくいずれも嘗ては
宿泊部屋だったのだろう。
玄関から入るとすぐ階段がついている。更に一つ奥に同じような階段がついて
いる。構造が似ているので誤解しそうだけど、二階のフロアは繋がっていない。
案内された部屋を覚えるのが一苦労だったよ。
「取材に気を取られて、自分の部屋をちゃんと覚えてないもん。ひつぞうは」![]()
反論出来ませんね(笑)。
角のデッドスペースを旨く利用した、隠れ家的な男の雑誌コーナー。
唯の通路にしないで、小部屋に区分けすることで、お洒落なミニ書斎を演出。
「肘折文庫 GEN study」。館主・三原玄さんのお名前に因んでいるのだろう。
山形関連の書籍やDVDが置いてある。DVDは部屋で鑑賞可能。利用の際
はスタッフに声をかけよう。
こっちはちょっと雰囲気を変えて休憩室風に。雑誌は部屋に持ち帰って読むこ
ともできる。とにかくパブリックスペースが充実しているのが当館の特徴かな。
何しろ7部屋しかない訳だから、他の客はおろか、スタッフと擦れ違うことも
殆どないくらいだ。
この日も角部屋だった♪
地元の檜葉、檜などをふんだんに利用。木の香が馨しいんだよね。あと殺菌・
保温のために床や天井には炭が詰められているそうな。
それではお部屋に潜入。まずは綺麗な洗面台。アメニティも充実。部屋にも
トイレ・バスはついている。
そして引き戸の向こうには二間続きの広いお部屋。この御宿は七室とも全て異
なるデザイン。リピートしたくなる気持ちが判るね。テレビもデカい。ま、我が家
の場合、酔いちくれてまず観ないと思うけど(笑)。
お布団は最初から敷いてあるので、もう誰もこの部屋を訪れる人はいない。
なお、中之沢温泉「万葉亭」と同様、部屋の鍵は二つある。この二つの旅館、
偶々おサルの希望を容れた訳だけど、よく似ているんだよね。隠れ家・宿泊
者限定をキーワードに選んだせいもあるけど「秘湯を守る会」会員ということ
も理由だと思う。温泉フリークには判ってもらえると思うが、この会員特有の
和風モダンテイストってあるよね。あれですよ。
「ダメなのち?」![]()
ダメって言ってないじゃん。僕も結構好きだし、こういうの。静かなのが最高。
では改めて
このお宿の特徴
①古い火口の底から湧き出す淡い濁り湯の重曹泉
②鄙びた湯治場の風情が残る
③地元素材を多用した食事がおいしい
④スタッフの対応がとてもいい
⑤リニューアルされたばかりで部屋・浴室ともに綺麗
⑥最後に…お湯が半端なく熱い!
なんだ。中之沢温泉と殆ど同じではないの!
そうなんです。お湯もめっちゃ熱かったのよ。
★ ★ ★
続いて
当館の温泉攻略法!
①露天風呂「綿の湯」付きの男性湯「檜葉の湯」、女性湯「ひのきの湯」
加えて貸切風呂「幸鶴の湯」がある。
②内風呂は男女入替制。午後六時頃(つまり夕食時)に一回だけ入れ替える。
初日夕食前に必ず入浴しよう。
③貸切風呂は空いていれば自由に入れる。入り口の履物の有無で識別。
④とにかく熱い。湯揉みするか、蛇口の水でセルフ調節。
ということで、まずは貸切風呂に這入ることにした。脱衣所が広い。表の通りが
磨りガラスから透けて見える。半地下になっているのが判るよ。
鉄分と塩分が豊富みたいだ。酸味は感じられない。ふくよかで温かみのある
湯。ちなみに肘折温泉には三つの源泉があるんだって。当館は、ナトリウム‐
塩化物・炭酸水素塩泉。保温効果とリラクゼーション効果に優れる。
なお、共同浴場「上ノ湯」の泉質は、デトックス効果があるらしく、「上ノ湯」
に入った後に、保温効果のある丸屋の湯に入ると効果倍増と言われた。
「でも言うこと聞いてないね」![]()
好きなように生きるんだ。
「それ、おサルのモットーじゃん」![]()
次は「檜葉の湯」へ。
お~っ!これは凄い!天井が高い!そしてめっちゃ雰囲気ある~!
更に更に湯が緑褐色で効きそう!
(広角レンズではないので、湯屋の一部しか撮れない。是非全体のスケール
で見て頂きたいものだ。素晴らしい湯屋です)
そうなのだ。まだ骨折中の僕。関節炎や打ち身、怪我にも効果抜群の湯な
んだから是非恩恵に与らねば!
パムッカレか、秋芳洞の千枚皿のようだ。
洗い場も綺麗。
おもてからの光も優しげ。
ふむふむ。これが露天風呂ね。二人くらいしか這入れないね。
やはり鉄分豊みたい。効きそう。
観察ばかりしてないで、そろそろ這入ってみるか。
(ウロウロしても不審者扱いされる危険はない。ほんとに誰も来ないのだ)
!熱っつい!
なにこれ。火傷するじゃん!
独りマッパで湯揉みと格闘すること15分。それでも堪らず真水を爆入!
これでゆっくり入浴できるようになった。貸切り状態で、露天風呂に這入って
本を読んでいると、おっさんが一人入ってきた。掛湯して湯船に足先を入れ、
戸惑っている様子が背中越しでも判る。彼はそろそろと寄ってきて、
「そっち這入れますか?」と訊く。
ええどうぞ。優しく応えてみた。
安心した彼はそれでも至近距離で僕と二人きりでいるのに、一抹の居心地の
悪さを感じているようだった。仕方ない。ここは一丁一肌脱ぐか!いやすでに
脱いでいるのだが。内風呂に戻ると、おもむろに満身の力を込めて湯揉みを
始めた。もちろんマッパである。冷静に考えるとこれは滑稽な姿である。スタ
ッフでもないのに、他の客のために適温にしようというのだ。汗一杯で作業の
手を緩めない僕の異様な好意に、一層居心地を悪くしたのか、「お先に」とさ
っさと出て行ってしまった。
折角の好意は無駄に終わった。ま、いいや。夕食前のいい運動になったよ。
★ ★ ★
と云うことで夕食である。廊下を挟んで前の並びに、各部屋のための個室が
準備されている。贅沢としか言いようがない。テーブルは土蔵の扉かな??
食材は地元産。この季節は山菜のオンパレード。真ん中から時計回りに「ナメ
コ」「アイコのお浸し」「カノシタの和え物」「コゴミの和え物」「ゼンマイのお浸
し」。
キノコは塩蔵でないので栽培物かもね。でも素材の風味豊かで凄く美味しい。
背中と腹にしっかり脂がのっている。
メインは山形牛の炙り
ではお酒にしましょう。山形県内最古の酒蔵・小屋酒造の銘酒「大吟醸 絹」。
初めて口にしたけど、滑らかで、ふっくらしていて、ボディのあるお酒だった。
米の甘味もしっかりあるんだけど、キレが好いので辛口派にもウケがいい。
「旨いだよ。ひつぞう。もっとくれ!」![]()
こしあぶら、タラの芽、コゴミの天婦羅
この御宿も料理が最高だったので、詳細にリポートしておく。
ワインはやはりオリジナル・エチケットの高畠ワインのシャルドネ。
いい感じで焼けてきた。もう十分な食事だったよ。
鍋物は筍が凄い具だくさん。
最後は山形産こしひかりの銀シャリに山芋をかけて。
こんな生活していてはまずいと判っているのだが、欲望の魔手は二杯目
へと伸びていった…。
(②へ続く)
※紹介するコーナーが多すぎて二回に分けます
いつもご訪問ありがとうございます。



































